フォシーガ®、ジャディアンス®、カナグル®、デベルザ®、ルセフィ ®】
1型糖尿病患者さんにおいてインスリン製剤を減量する場合、ケトアシドーシスなどのリスクが高まるため、過度の減量に注意してください。「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」では、「1型糖尿病患者の使用には一定のリスクが伴うことを十分に認識すべきであり、使用する場合は、十分に臨床経験を積んだ専門医の指導のもと、患者自身が適切かつ積極的にインスリン治療に取り組んでおり、それでも血糖コントロールが不十分な場合にのみ使用を検討すべきである。」と記載されています。
SGLT2阻害薬(スーグラ、フォシーガ、ルセフィ、デベルザ、アプルウェイ、カナグル、ジャディアンス) ..
スーグラ®︎錠の1型糖尿病患者さんを対象とした国内臨床試験では血中ケトン体増加10.4%(21例/201例)、ケトーシス3.0%(6例/201例)、尿中ケトン体陽性、ケトン尿各1.5%(3例/201例)が認められています。
血中ケトン体増加のため1例が投与中止に至りました。
1型糖尿病患者さんにおいてインスリン製剤を減量する場合、ケトアシドーシスなどのリスクが高まるため、過度の減量に注意してください。「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」では、「1型糖尿病患者の使用には一定のリスクが伴うことを十分に認識すべきであり、使用する場合は、十分に臨床経験を積んだ専門医の指導のもと、患者自身が適切かつ積極的にインスリン治療に取り組んでおり、それでも血糖コントロールが不十分な場合にのみ使用を検討すべきである。」と記載されています。
「糖尿病の飲み薬」を知って効果的に治療 HbA1cは改善している
また別の記事で紹介しますが、SGLT2阻害薬は心不全の再発抑制に非常に優れており、心機能が低下した心不全患者では糖尿病がなくても適応になります。他にも、アルブミン尿が出ている慢性腎臓病では腎機能の悪化を抑える作用があり、優先して使用されます。
SGLT2阻害薬(スーグラ、フォシーガ、ルセフィ、デベルザ、アプルウェイ、カナグル、ジャディアンス)
血糖を尿糖として体外に捨ててしまうことによって血糖値を下げる薬です。
1日でおよそ200-300kcalのエネルギーが尿糖として排出されるために体重を減らす効果もあります。
単独では低血糖の危険はほとんどないとされていますが、SU薬やインスリンと併用する場合は注意が必要です。
BMIが22以下と体重が少ない人、高齢者で脱水に注意すべき人、腎不全がある人には向いていません。
血糖低下作用、体重減少作用、血圧低下作用もあり、国内外の臨床試験で心臓病や脳卒中の発症を抑制したという報告があり、様々な可能性が期待されています。
はじめの1週間は尿が増えトイレが近くなったりしますが、1週間程度でおさまることが多いです。食事のたびにお茶か水を2杯ずつとるなど水分を多くとり脱水にならないように注意しましょう。
特に女性で膀胱炎や膣カンジダ症になる危険がわずかに増えます。
[PDF] フォシーガ錠 5 mg フォシーガ錠 10 mg に関する資料
海外からの報告では、特定のSGLT2阻害薬には心血管イベントのリスクを抑制する効果が報告されています。
心血管疾患のある2型糖尿病患者に対して、ジャディアンスを投与した群では、全死亡、心血管疾患による死亡率が低く、心不全による入院の抑制に効果があったことが報告されています。
GLP-1アナログ(注射) (ビクトーザ、バイエッタ、ビデュリオン、リキスミア、トルリシティ、オゼンピック)
食事を食べた時にでるインスリンの分泌を促すDPP‐4阻害薬よりも強力な注射の薬です。
効果:食物が腸に入ってきた時だけにインスリンの分泌を促し血糖値を下げ、インスリンとは反対に血糖値を上げる作用をもつグルカゴンの分泌を抑えます。また食物が胃から腸に送られるスピードを抑え、食欲もやや低下させます。また体重を減少させる効果も見られます。
副作用:注射を始めると吐き気や胸やけ、便秘がみられることがありますが、1週間から1カ月でなくなる人がほとんどです。我慢できそうな程度の吐き気や便秘であれば中止しないで続けることをおすすめします。ひどい場合は中止して主治医にご相談ください。単独では低血糖を起こす可能性もほとんどありませんが、SU薬やインスリンを併用している場合は低血糖を起こすことがありますので注意が必要です。
この製剤は注射ですが、インスリンとは全く異なるため、インスリン注射の代わりにはなりません。膵臓からのインスリンの分泌が極端に悪い人や1型糖尿病の人がインスリン注射を突然中止して使用すると糖尿病性ケトアシドーシスとなる場合があるため注意が必要です。
ビクトーザ
1日1回の注射ではじめての注射の方でも比較的気軽にはじめていただけます。海外の試験で心臓病や脳卒中の発症を抑制したという報告があります。量の調節が可能という利点があります。
バイエッタ
1日2回(朝、夕)の注射ですが効果はビクトーザより強力です。
ビデュリオン
2013年5月より発売された1週間に1回の注射です。効果はバイエッタよりやや弱いですが、体内でゆっくり溶けるために1週間以上効果が持続します。他の糖尿病の注射と比較して針がやや太いのと、振って溶かす操作が面倒なのが難点です。
リキスミア
2013年9月より発売の1日1回の注射です。持効型インスリンと同時に使うことができるため、膵臓の機能が弱っている人でも強い効果を期待できます。
量の調節が可能という利点があります。
トルリシティ(一般名:デュラグルチド)
2015年9月より発売された1週間に1回の注射です。振って溶かす操作がいらないうえに、針が細く、操作方法がとてもわかりやすいため、継続できるかたが多いです。インスリンと併用もできます。
オゼンピック(一般名:セマグルチド)
1週間に1回の注射で2018年夏までに日本で発売される薬です。海外と同じ量が使えるため、強い効果に加えて量の調節が可能、針が細いという利点を併せ持っているとされています。また、海外の臨床試験では心臓病や脳卒中のリスクの高い人に対してこの薬剤を投与したところ、その発症リスクを26%有意に低下させたという報告があります。
HbA1c was -0.32% for dapagliflozin and -0.14% for glipizide
前述したように、心血管病を減らすことがわかっており、この効果は血糖低下作用では説明できず、薬剤の特性によるものと考えられます。
例えばエンパグリフロジン(ジャディアンス®︎)という薬は、EMPA-REG OUTCOMEという試験で、心血管病の既往がある7028人の糖尿病患者(70%はメトホルミン内服中)に上乗せすることで全死亡を32%減らし、心血管病による死亡を38%減らし、心不全入院を35%減らしました7)
以上の結果から、フォシーガに代表されるSGLT2阻害薬は日本人の慢性腎臓病(CKD)治療に有効であることは間違いなさそうです。しかしながら、本ブログでご紹介したAさまのように一過性にeGFRが低下してしまったり、Bさまのように脱水が生じてしまう場合があるので、検査値を見ながらより良い薬効が得られるように気長に様子を見守ってくださいね。
グルコースの尿中への排泄により、脂肪酸のβ酸化が進み、尿中ケトン、酸性が上がる。 ..
メディカルトリビューンWeb版(2021年11月9日)で報道された川崎医科大学(長洲一先生)と横浜市立大学(矢野裕一朗先生ら)の共同研究成果によると、2型糖尿病(注)の日本人において以下のことが明らかになったとのことです。
1)eGFRの年間低下率はSGLT2阻害薬(フォシーガ以外のSGLT2阻害薬も含む)で-0.47、他の血糖降下薬では-1.22でありSGLT2阻害薬で明らかにeGFR低下は緩やかになった。
2)平均2年間の追跡期間中にeGFRが50%以上低下または透析導入に至った103例の内訳はSGLT2阻害薬で30例、他の血糖降下薬で73例であり、SGLT2阻害薬で有意に少なかった。
【参考】
ヘモグロビンA1c(HbA1c)ってなんですか? 1〜2ヶ月前から現在までの血糖の ..
そのため、カナグル、フォシーガ、ジャディアンスを中心に説明します。
✓ メトグルコ 500mg 2x、フォシーガ 5mg 1xでHbA1c 7.7%
フォシーガはインスリン製剤の代替薬ではありません。特に1型糖尿病の方の場合、体内でインスリンを産生できないため、インスリンを中断することはできません。インスリンの投与を中止すると、急激な高血糖やケトアシドーシスが生じるおそれがあるため、自己判断でインスリンの投与を中断しないでください。
し 13.4 %となり,術前は陰性であった抗 GAD 抗体が 1.6
糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があり、治療方法が大きくことなります。
1型糖尿病は、からだからインスリンが全く出なくなるタイプの糖尿病です。インスリンの自己注射が治療の中心となります。尿へ余分な糖分(ブドウ糖)をどんどん捨てて、血糖を改善する作用のあるSGLT2阻害薬を併用することで、必要なインスリンの量を減らし低血糖の副反応を減らす新しい治療方法が最近開発されています。
2型糖尿病は、食べ過ぎや運動不足、肥満、睡眠不足などの生活習慣が引きがねとなりおきるタイプの糖尿病です。大人になってからなる糖尿病のほとんどがこのタイプです。食事療法、運動療法を中心として、糖尿病の状態に応じて糖尿病の薬の内服や注射が治療法になりなす。
糖尿病の飲み薬(経口血糖降下薬) | 茅ヶ崎市の糖尿病専門医が解説
上の図は米国糖尿病学会、下図は日本糖尿病学会の治療方針フローチャートです。
ともにビグアナイド薬からの治療が推奨されています。
その根拠としては、糖尿病に対しての大規模ランダム試験のうち、全死亡の優位な抑制作用が確認された試験はビグアナイド薬(UKPDS試験)とエンパグリフロジン(EMPA-REG OUTCOME試験)のみであるからです。UKPDS試験では、心筋梗塞による死亡を始めとした糖尿病関連死が有意に抑制されるのが確認され、またSPREAD-DIMCAD試験でも同様の結果でした。また高齢者、心不全、腎不全の患者さんでも一貫して効果があったことが重要です。
(治療介入の最大の目的は死亡率を減少させることです)
またビグアナイド薬は薬剤単価も安く、エビデンスが充実しているためにまずは使用を考慮すべき薬剤です。また体重抑制効果、脂質異常症改善効果、NASHによる肝障害改善効果なども持ち合わせています。
HbA1cを下げる効果が大きく、効果は長く続き、1日中、血糖値を下げる作用が ..
患者さまにご負担いただく薬剤費は、保険割合によって変わります。
例えば、3割負担の患者さまがフォシーガ錠5mgを1日1回30日分処方された場合、ご負担金額は1611.0円になります(薬剤費のみの計算です)。
血糖が上がることで悪循環がおきるためです。血糖値が上がることで尿の糖が ..
お医者様にしてみれば、目の前に食欲不振や倦怠感を訴える慢性腎不全患者が現れれたら、(透析導入したとしても)美味しく食べられ、身体も軽く、楽になって欲しいと願うのが当然(医師の使命)だと思います。ですから、誤って透析に入ってしまうようなことが無いように、セカンドオピニオンを見つけたり、自分自身の病気に関する見識を高めることが大切だと思うのです。
食べた糖を消化管でゆっくり吸収させて食後血糖の急な上昇を抑える ..
なぜ、糖尿病を治療するのか?
血糖が高いから、治療する。
その通りですが、本当の理由は合併症の予防です。 血糖値が高いと全身の血管、神経に影響がでます。糖尿病の合併症は多岐にわたる臓器に起こりうります。糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害が糖尿病の3大合併症です。糖尿病による血管への影響は、眼、腎臓以外に、心筋梗塞、狭心症など心臓の病気、脳梗塞、脳出血などの脳卒中など多岐にわたります。糖尿病性腎症が腎不全にいたると、人工透析による治療が必要となります。初期に糖尿病に気づき生活改善、治療をすることで合併症の予防、増悪をふせげます。
血糖値の目標は、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を上記の ..
フォシーガの副作用として尿量増加による脱水があります。
この副作用を知っていたBさまは毎日1.5~2.0リットルの水分摂取を心がけていましたが、2021年12月の検査ではBUN/クレアチニン比が急上昇しており、(赤血球やHbA1cなども増加していたことから)、脱水状態と判断されたとのことです。
糖尿病のため合併症で体を悪くしないためには、ひとまずHbA1c 7.0%未満を達成することが重要です。
スーグラ®︎錠の1型糖尿病患者さんを対象とした国内臨床試験では血中ケトン体増加10.4%(21例/201例)、ケトーシス3.0%(6例/201例)、尿中ケトン体陽性、ケトン尿各1.5%(3例/201例)が認められています。
血中ケトン体増加のため1例が投与中止に至りました。
利尿薬と SGLT2 阻害薬を併用することで脱水のリスクは上がるのか?
血糖値の高い方がフォシーガを服用すると、尿量が増えて脱水症状があらわれることがあります。糖尿病の治療としてフォシーガを服用する場合は、脱水予防のためにこまめに水分を摂取するようにしてください。
ただし、アルコール摂取は水分補給になりません。また、糖分を含む清涼飲料水は血糖コントロールを悪化させるため、避ける必要があります。
なお、心不全や腎臓病がある場合は過剰な水分摂取で症状が悪化することもあるため、診察時にご相談ください。
糖質の摂取により血糖値が上昇すると、交感神経が刺激されて自律神経が乱れます。 ..
投与の必要性を慎重に判断してください。
本剤では腎機能低下に伴う血中濃度の上昇が報告されています。
また、eGFRが25mL/min/1.73m2未満あるいは末期腎不全(ESRD)の患者を対象とした臨床試験は実施していません。