実際、SGLT2阻害薬の中で最も半減期が短いことが知られています。


SGLT2阻害薬は、腎臓で糖分を再吸収しているSGLT2(sodium glucose cotransporter 2 : ナトリウム依存性グルコース輸送体担体)の働きを抑える事で、血液中の糖分を尿中へ排泄することを促進し、血糖値を下げるお薬です。
さらにSGLT2阻害薬には、血糖値を下げるだけでなく、様々な良い効果がある事が報告されています。


(SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation 2014.6.13より)

慢性心不全には利尿薬が用いられます。また、2020年に発売したサクビトリルバルサルタン(エンレスト)にはナトリウム利尿ペプチドの作用増大作用があります。SGLT2阻害薬にもナトリウム利尿による利尿作用があり、ダパグリフロジンの心不全を改善させる機序として、ナトリウム利尿を起点とした一連の機序が推定されています。ただし、現時点ではまだ明確になっていません。

ルセフィの血糖降下作用は、他のSGLT2阻害薬と同様に、腎臓での糖の再吸収を抑制することで発揮されます。

SGLT2阻害薬の使用で起こりうる副作用には、以下のようなものがあります。

フォシーガは、有効成分の配合量により5mgと10mgの2種類に分けられます。基本的に、2型・1型糖尿病の治療に使用する場合は5mgから服用を開始。効果が不十分のときは10mgへの増量が検討されます。

SGLT2阻害薬を服用することで尿中の糖が増えるため、主に膀胱炎等の尿路感染症、膣カンジダ症等の性器感染症が懸念されています。また、尿量増加による頻尿にも注意が必要です。

なお、全てのSGLT2阻害薬に共通する禁忌事項は、以下の通りです。

SGLT2阻害薬は、2型糖尿病の患者さんの中でも、特に肥満の方、心疾患のある方、糖尿病性腎症のある方に、適しています。

商品名:スーグラ、フォシーガ、カナグル、ジャディアンス など
尿へ糖分を排出することで血糖を下げるお薬です。糖を尿へ捨てることになるので、体重は減りやすくなります。尿量が増え、多尿・頻尿になることがあるため、脱水症状に注意が必要です。

SGLT2阻害薬は、このSGLT2の働きを妨げることで効果を発揮します。

矢島:われわれが日本、英国、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの6カ国で約77万人の2型糖尿病患者を対象に行ったリアルワールド研究では、2型糖尿病患者が最初に発症する心血管・腎疾患は慢性腎臓病が最多で、次に心不全が多いことがわかりました。心機能や腎機能を悪化させないため、糖尿病を早期に治療することは非常に重要です。そこはSGLT2阻害薬がすごく役に立てるところですし、心不全や慢性腎臓病を発症した患者についても、心腎連関を意識しながらトータルでケアすることができる。フォシーガは、早期の段階から心不全や腎臓病を発症する後期の段階まで、幅広く患者の役に立てる薬剤として成長させていきたいと思っています。

フォシーガは、一般名を「ダパグリフロジン」といいます。110ヶ国以上で承認されている、インスリン治療との併用が可能な薬です。2型糖尿病ほか、慢性心不全や糖尿病のない慢性腎臓病、1型糖尿病の患者さんにも使用することができます。


ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。

フォシーガはその中でも適応範囲が広く、2型糖尿病以外にも、1型糖尿病、慢性心不全、慢性腎不全に効果があるとされています。血中の余分な糖を排泄したり、水分量を調節したりするため、心臓や腎臓の負担を軽減する効果も期待されます。

薬の名前としてフォシーガ、ジャディアンス、カナグルあたりが有名です。


SGLT2阻害薬には、血糖を下げる働き以外にも、多様な良い効果があることが報告されています。

SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。

点線がメトホルミンとプラセボ(偽薬)実践がメトホルミンとフォシーガを併用した場合の体重の推移を現した表です。

フォシーガは、ダパグリフロジンを主成分とするSGLT2阻害薬です。

当院では多くの腎臓病の患者様が受診され薬のご相談を受けておりますが、SGLT2阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬が投与されていない場合は積極的に投与して腎臓の保護を試みます。

ちなみにSGLT2阻害薬を飲むと、尿糖の排泄量は、1日 60g-100g 増えます。

フォシーガはSGLT2阻害薬の1つで、尿から糖を排出することで体内の血糖値を下げる効果がある糖尿病の治療薬です。

SGLT2阻害薬(フォシーガ)において、下記は禁忌となります。

フォシーガを併用することによって明らかに体重の現象するスピードが速くなったことがわかりますね。

国内で販売中のSGLT2阻害薬は、2020年1月現在6種類7剤あります。

食事をして血糖が上昇すると小腸の一部の細胞から、インクレチンというホルモンが分泌されて、すい臓のβ細胞を刺激し、インスリンの分泌を促進し、同時に血糖値を上げるホルモンのひとつであるグルカゴン分泌を抑制します。インクレチンの1つであるGLP-1の働きをするGLP-1受容体作動薬とインクレチンの分解を阻害して、インスリンの作用を増強するDPP-4阻害薬があります。2021年にGLP-1受容体作動薬の内服薬セマグルチド(リベルサス)が新発売されました。GLP-1は胃の動きを抑制する作用もあるため体重減少の効果もあります。DPP-4阻害薬には毎日内服するタイプのシタグリプチンリン酸塩水和物(ジャヌビア・グラクティブ)・ビルダグリプチン(エクア)・アログリプチン安息香酸塩(ネシーナ)・リナグリプチン(トラゼンタ)・テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物(テネリア)・アナグリプチン(スイニー)・サキサグリプチン水和物(オングリザ)、週1回服用するタイプのトレラグリプチンコハク酸塩(ザファテック)とオマリグリプチン(マリゼブ)があります。週1回の薬は、他に薬を飲んでいない人、骨を強くする薬で週1回の薬だけを飲んでいる人や、飲む薬が多くて1度に飲む薬の数が多く1回に内服する薬の数を減らしたい人、内服薬の自己管理ができなくて、家族やヘルパー・訪問看護師に内服を手伝ってもらっている人に向いています。体重増加が少ない、単独投与では低血糖の副作用が少ないメリットがあります。
治療開始時に、初めに使われることの多い薬です。

SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。

SGLT2阻害薬だけを使用する場合は低血糖は起こりにくいのですが、併用薬の効きが良くなるため注意が必要です。

ジャディアンスよりも、ほかの「SGLT2阻害薬」の方が安価です。


SGLT2阻害薬には、食前・食後の一日にわたり血糖値を下げる作用があることが分かりました。

次に、HbA1cの低下作用を見てみましょう。






縦軸:HbA1c変化(%)
ジャディアンス 左 10mg 右 25mg
BMI:左:やせ 中:普通 右:肥満








なお、SGLT2阻害薬の体重減少の効果は、あくまで副次的なものです。

DAPA-CKD試験は、2型糖尿病合併の有無に関わらず、CKDステージの2~4、かつ、アルブミン尿の増加が確認された4,304例を対象に、フォシーガ10mg投与による有効性と安全性をプラセボと比較検討した国際多施設共同無作為化二重盲検第Ⅲ相試験です。フォシーガ は1日1回、ACEiもしくはARBによる治療と併用されました。複合主要評価項目は、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、心血管または腎不全による死亡)リスクでした。副次評価項目は、腎機能の複合評価項目(eGFRの50%以上の持続的低下、ESKDへの進行、腎不全による死亡)、心血管死もしくは心不全による入院、および全死因死亡のいずれかの初発までの期間でした。試験は日本を含む21カ国で実施されました 1。結果は に掲載されました 1

ここでは、GLP-1(リベルサス)とSGLT2阻害薬(フォシーガ)の違いについてまとめます。

ルセフィは、ルセオグリフロジンを主成分とするSGLT2阻害薬で、他のSGLT2阻害薬と同様に2型糖尿病の治療薬として使用されています。

そのため、SGLT2阻害薬で高い治療効果を期待することができます。

――そう考えると、SGLT2阻害薬は糖尿病に対してもっと積極的に使われるべきなのではないでしょうか?

SGLT2阻害薬では心血管疾患や腎疾患に対するデータが示されています。

糖尿病の治療薬であるSGLT2阻害薬ですが、体重減少の効果もあることから、ダイエット薬としても注目されるようになりました。SGLT2阻害薬の種類はさまざまありますが、「フォシーガ」や「スーグラ」、「カナグル」などが有名です。

SGLT2阻害薬は、摂取したブドウ糖を排泄します。つまり、できます。


SGLT2阻害薬には、体重減少作用があることが報告されています。



(プラセボ群では平均 68.6kgから、0.8kg(約1%)の体重減少を認めました。)




縦軸:HbA1c変化(%)
ジャディアンス 左 10mg 右 25mg
BMI:左:やせ 中:普通 右:肥満


体重が減少した際に気になるのは、体重が減ったのは、筋肉が減ったのか、脂肪が減ったのかです。

ルセフィ(ルセオグリフロジン)を、日本人2型糖尿病患者さんに、52週間にわたり投与して、体重推移や脂肪量などの変化を検討した研究の結果は次のようになりました。

体重は 平均78.6kgから、3.1kg減少しました。

次の図は、体脂肪量と除脂肪体重の時間経過をみたものです。




除脂肪体重は、有意差はありませんが、若干減る傾向が認められます。

体脂肪量は、時間が経つにつれて減少していき、52週後には、約2.5kg減少しています。



体重減少の機序としては、尿中に糖分が漏れて、カロリーのロスが生じることが一因と考えられます。

しかし、尿糖の排泄量が少ない腎機能が悪い人でも、同程度に体重が減る事から、尿糖の排泄量の増加以外の機序もありそうです。



以下に該当する人は、SGLT2阻害薬をおすすめできない可能性があります。

そして2020年、ダパグリフロジン(フォシーガ)が慢性心不全に対する効能効果の追加承認を取得しました。2型糖尿病合併の有無に関わらず、左室駆出率が低下した心不全に対し、ダパグリフロジンは心血管死と心不全悪化のリスクを抑制しました(ダパグリフロジンは慢性腎臓病の適応も取得しています)。
2021年11月にはエンパグリフロジン(ジャディアンス)も慢性心不全の適応を取得しました。カナグリフロジン(カナグル)も慢性心不全患者を対象とした試験が進行しています。