[PDF] 第 104 回国家試験 ズバリ出題!! 1 日目① 必須問題 問 2 (物理) 解答


夜の習慣的入眠時刻が近づくと、体内時計は脳の松果体からメラトニンを放出させるとともに全身に指令を送って眠るための休息態勢を整えます。メラトニン受容体作動薬は脳内のメラトニン受容体に作用し、体内時計を介して全身を夜の休息状態にする薬です。重大な副作用、耐性や依存性もなく安全性が高いのが特徴です。
神経ペプチドの一種であるオレキシンは覚醒に関係している物質です。オレキシンが欠乏すると脳は覚醒を維持できなくなり眠くなります。睡眠障害の1つであるナルコレプシーは、オレキシンの欠乏が原因でおこると考えられています。オレキシン受容体拮抗薬は、オレキシンの働きをブロックすることで覚醒保持脳の覚醒保持システムを抑制し、覚醒から睡眠に切り替えを助け、睡眠を安定させます。
3種類の睡眠薬はそれぞれ作用機序が異なるため、効力を一様に比較することはできませんが、目安として次のように理解することができます。
薬物としての作用は、ベンゾジアゼピン受容体作動薬>オレキシン受容体拮抗薬>メラトニン受容体作動薬の順に強く、安全性はメラトニン受容体作動薬>オレキシン受容体拮抗薬>ベンゾジアゼピン受容体作動薬の順に高いといえるでしょう。こうした特徴を踏まえると、第一選択薬にはより安全なメラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬が使われそうですが、これらは効果が不十分であったり、使用経験が少なかったりすることから、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が主流になっています。いずれの薬物を用いる場合にも、効果的治療には適切な睡眠習慣の指導と具体的な服薬指導が重要です。


問 27 ムスカリン性アセチルコリン受容体を刺激することで脱毛症に用いられる薬物はどれ ..

睡眠薬を一度使い始めると、依存症になって止められなくなるのではないかと心配する患者さんは多いですが、現在使われている睡眠薬の多くは、適正な用量での使用において強い依存性はありません。服用を始めてすぐに止められなくなるようなことはありません。ただし、自己判断で急に止めると、不眠が悪化することがあります。また、自己判断で高用量を長期間服用すると依存のリスクを上昇させる可能性があるので避けたほうがよいでしょう。ベンゾジアゼピン受容体作動薬もメラトニン受容体作動薬もオレキシン受容体拮抗薬も、単独で使用する分には命に関わるような危険はありません。
ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、多くの患者さんに処方されていますが、通常用量を使っている限り依存性の問題は起こらないと考えてよいでしょう。日本では睡眠薬=依存という発想がまだ根強く残っているようですが、患者さんには最近の睡眠薬は毒性が低く、処方どおりに使っていれば依存性の心配はいらないことをわかりやすく説明することが大切です。
睡眠薬の長期使用で効果が弱くなってきたという患者さんがいらっしゃいますが、多くの場合、少し睡眠薬が効くことが分かると、もっと眠ろうとより早くに服用をするようになったり、より長く寝床で過ごすようになったりするため、見かけ上薬物が効かなくなったように見えることが多いのです。23時半に睡眠薬を服用して24時までには入眠し、6時半まで眠れていた患者さんが、もっと眠ろうと21時半頃に睡眠薬を服用して、22時には眠ろうとする場合がありますが、なかなか眠れないのが普通です。慣れてしまって入眠に2時間かかるようになったという訴えの背景に、こうした間違った生活習慣がある場合が多いのです。睡眠薬を服用する時刻、30分以内に床に就く時刻、朝は目覚まし時計を使うなどして、必ず決まった時刻に起床するように指導してください。

心配事や嫌なことがあったときや、特定の場所や環境でストレスを受けたときなど、不眠の原因がはっきりしている場合は、睡眠薬の頓用が効果的なこともあります。床に入ってもなかなか寝つけない場合や、寝ついても目が覚めてしまった場合に遅い時刻に頓用すると、翌日に眠気が残ったり、頭の働きが鈍ったり、ふらついたりする「持ち越し効果」が現れることもあるので注意が必要です。
適切用量で、先に述べた様なきちんとした服薬指導の元で使用している場合、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬は、耐性が生じたりするリスクが少ないためきちんと毎晩服用することが大切です。安定したら減量することができます。頓用は薬剤の減量を確実に進めて、最終段階で慎重に行うことが大切です。
薬物の減量は、眠れないという不安が解消してきてから徐々に始めることが重要で、しばしば薬物を用いて生理的な睡眠時間を超えて眠る癖がついている場合も多いため、減量する場合は就床時刻から起床時刻までの時間を確認し、健康な人の標準的睡眠時間である7時間未満程度に適正化しながら行うことが重要です。充分に減量ができたら、服薬しない晩を設けることになりますが、最初は休日の前日に就床時刻を気にせず、眠たくなってから床に就くように指導し、自信をつけてもらうのが第一歩です。

[PDF] 第104回薬剤師国家試験(1日目①) 必須問題 問1~90 PDFデータ

ベンゾジアゼピン受容体作動薬は脳が疲れて眠くなるような仕組みで働きます。抗不安薬と同じ仲間で抗不安作用や筋弛緩作用もあるものもあります。作用時間(半減期)は数時間のものから数日のものまであり 前述の4タイプの不眠に対して使い分けられております。長時間作用するものはお薬の効果が翌日に持ち越し筋弛緩作用により転倒などの危険性があります。メラトニン受容体作動薬はメラトニンにより夜になると眠くなるような作用で働きます。副作用が少なく軽症の不眠症に適しておりますが抗不安作用がないため不眠に対して不安の強い人には効きませんし1週間以上続けないと効果が出ませんので不眠時のみ頓服で使うには適しません。

現在、国内で主に使われている睡眠薬はベンゾジアゼピン受容体作動薬(非ベンゾジアゼピン系薬も含む)、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬の3種類です。
ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、副作用が強く安全性に問題があったバルビツール酸系睡眠薬に代わって、不眠症の薬物治療の主流となっています。ベンゾジアゼピン受容体作動薬は、ジアゼピン骨格の有無でベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系に分類されますが、どちらもベンゾジアゼピン受容体に作用します。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて筋弛緩作用による転倒などの副作用が少ないという特徴があります。
メラトニン受容体作動薬は、脳内のメラトニン受容体に作用し、体内時計を介して全身を夜の休息状態にする薬です。手足からの放熱を促して体の内部の体温を下げ眠りにつきやすい状態にします。オレキシン受容体拮抗薬は、脳の覚醒保持に関わるシステムを抑制することによって、覚醒から睡眠に切り替わるのを促し、睡眠を安定させます。
不眠のために苦痛を感じ、社会生活に支障が生じる場合には睡眠薬の処方が検討されますが、不眠の背景にある生活習慣を是正しなければ薬物治療を開始しても十分な効果は期待できません。患者さんには、ただ就眠前というような漠然とした指示でなく、服薬時刻、就床時刻、起床時刻を具体的に指導することが重要です。特に、極端に早い時刻から眠ろうとしている場合は睡眠をとるタイミングを遅くし、就床から起床までの時間は7時間以内に設定し、起床時刻をきちんと守るようにすることが大事です。どのような睡眠薬を用いても、習慣的入眠時刻から2〜3時間前にスムースに入眠を誘うことは困難です。また、健康成人の平均睡眠時間である7時間を超えて毎晩眠ることは睡眠薬を使っても困難であり、多量に使用すれば起床困難や日中の不調感につながります。米国の研究で、多量の睡眠薬を長期にわたって使用している患者さんでは、生活指導や服薬指導がなされずに、ただ薬のみが投与されていたことが特徴だったと報告されています。投薬期間が長くなるのは、こうした薬物以外の指導に関連することがわかってきています。

問27 ムスカリン性アセチルコリン受容体を選択的に刺激することで、 消化管や膀胱.

不眠症は、医学的な診断基準では「睡眠に適した環境で、適切な時間帯に就床しても、寝つくのに時間がかかる入眠困難、いったん寝ついても夜中に目が覚めやすい睡眠維持困難(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒などよく眠るのが困難であるという訴えがあり、そのため日中に苦痛を感じ、社会生活、職業面や学業面での問題がある。こうしたことが、週に3回以上起こるのが、1カ月以上続くこと」と定義されます。つまり、寝室の環境が悪いわけではないのに睡眠が困難な状態を不眠、これによって日中に生活の質の低下が一定期間続いてみられる状態を不眠症と呼んでいます。
医学的な治療特異的脳血管障害などの脳の疾患、うつ病、不安障害などの精神疾患などがあり、原因となっている疾患や症状を治療することで不眠の改善が期待できます。
原因疾患がない場合は、日常のストレスのほか、誤解にもとづく睡眠習慣が関係しています。心配事やストレスがあると目がさえてしまい寝つきが悪くなります。さらに眠れるかどうかが一番の心配になってくると、そのために目がさえてしまい慢性的不眠になります(不眠恐怖症)。私たちは、毎晩一定時刻になると体内時計により身体が休息態勢になり、そうなると眠気を感じ、就床して眠りに入ります。次の朝が早いからなどの事情で、眠たくないのに早く就床しても寝つけません。長く眠りたいからと、年齢に相応な睡眠時間を大きく超えて寝床で長く過ごすようになると、夜中に目覚める回数が増え、よく眠った感覚が得られなくなります。
睡眠時間と生活習慣病は密接に関係しています。睡眠時間が極端に短くなると、食欲を増やすホルモンであるグレリンの分泌が増加し、満腹感をもたらすレプチンの分泌が減少します。つまり、食欲が増し、食べても満腹感が得られにくい状態になるのです。
極端な睡眠不足になったり、睡眠の質が低下したりするとインスリンの働きが悪くなり、健康な人でも食後の血糖値が高くなってきます。また、深い眠りは副交感神経を優位にしますが、眠りが浅く短いと交感神経が優位になり血圧が下がりにくくなります。不眠→肥満→血糖コントロールの悪化→早朝血圧の上昇→不眠という悪循環が生じ、心血管イベントのリスクが上昇します。
一般住民に対する疫学調査では、6時間未満の極端に短い睡眠時間と同様に、8時間を超えた長い睡眠時間も高血圧や糖尿病のリスクになることが明らかになっています。結局、睡眠時間は6時間台ないし7時間台のほどほどが一番良いということになります。

メラトニン受容体を刺激することで不眠症における入眠困難を改善するのはどれか。1つ選べ。

平成 22年 3月 24日薬事・食品衛生審議会薬事分科会議事録

治療の第一選択は睡眠衛生指導であり、特に光環境を中心に指導/調整が行われますが、効果が乏しいことも少なくないという問題があります。薬物療法としては、世界的にはメラトニンの投与が多く行われていますが、日本においては市販されておらず、処方薬も小児の神経発達症を除いて承認がされておりません。また、多くの国でメラトニンはサプリメントとして販売されていますが、品質が保証されておらず、ばらつき等があるという問題が存在します。 一方で、日本を始めいくつかの国ではラメルテオン(ロゼレム®錠)というメラトニン受容体(MT1/2)作動薬が不眠症に対する医薬品として承認されています。ラメルテオンもDSWPDの加療に有用である可能性があるものの、臨床試験は存在せず、ごく少数例の症例報告が存在するに留まりました。さらに、既存の研究や薬理学的プロファイルは「通常用量での投与はDSWPDを改善できないおそれがある」ことを示唆していますが、その理論的考察が充分ではありませんでした。 ここで我々は、DSWPDに対してごく少量のラメルテオンを夕刻に処方した例をまとめ、その効果の有無について検討すると共に、なぜ超少量のラメルテオン夕刻投与が効果的であると考えられるのかについての薬理学的レビューと検討を行いました。