急性副鼻腔炎ではAMPC/CVAよりAMPCの方が副作用が少ない


研究デザイン自体はコホート研究であり、 本来あまり強い結論には至れません。 しかしながら、 小児急性副鼻腔炎に対するアモキシシリン・クラブラン酸の安易な処方に対する制限の大きな流れからJAMA誌に採用されたもの、 と考えます。


<咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎> ..

3日後に外来を受診した.解熱はしているが,鼻閉と湿性咳嗽が遷延している.診察上,活気はあり,鼓膜所見正常,後鼻漏あり,肺胞呼吸音清,皮疹なし,項部硬直なし.副鼻腔エコー検査で両側の上顎洞に液体貯留所見が描出された.

特に既往歴はない.定期予防接種は年齢相当.薬剤アレルギーなし.来院3日前から発熱と膿性鼻汁,来院当日に不機嫌,経口摂取低下があったため救急外来を受診した.診察上,体温39.6℃,ややぐったりしているが,飲水と少量の経口摂取は可能.結膜充血なし,眼窩周囲の腫脹なし,口腔内粘膜疹なし,後鼻漏あり,鼓膜所見正常,頸部リンパ節腫脹なし,肺胞呼吸音清,皮疹なし,項部硬直なし.

副鼻腔の炎症により、鼻腔の通気や粘膜の排液が妨げられ、鼻づまりや鼻水が出ることがあります。 ② 顔の圧迫感や痛み

特に既往歴はない.定期予防接種は年齢相当.薬剤アレルギーなし.来院前日から鼻汁,咳嗽,来院当日に発熱があったため救急外来を受診した.待合では母親と元気にお喋りしている.診察上,体温38.2℃,結膜充血なし,眼窩周囲の腫脹なし,口腔内粘膜疹なし,鼓膜所見正常,頸部リンパ節腫脹なし,肺胞呼吸音清,皮疹なし,項部硬直なし.

好酸球性副鼻腔炎は、マクロライド少量療法や内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)に抵抗性の再発性・難治性副鼻腔炎で、指定難病のひとつである。病因は未解明だが、黄色ブドウ球菌の菌体外毒素であるエンテロトキシン等の外的因子と、アラキドン酸代謝異常等の内的因子の関与が示唆されている。

(臨床像)
①成人発症の両側性かつ多発性浮腫状の鼻茸、②鼻茸や副鼻腔粘膜に好酸球優位な炎症性細胞浸潤、③嗅覚障害、④粘稠性分泌物(にかわ状、多数の好酸球)の貯留、⑤鼻アレルギー(Ⅰ型)の関与が少なく、IgE値(特異、非特異)はさまざま、⑥喘息(非アトピー)、アスピリン不耐症、NSAIDsアレルギーに伴うことが多い、⑦血中好酸球の増多、血中・鼻粘膜ECP濃度が高値、⑧治療、特に手術治療に抵抗性、⑨ステロイド薬の全身投与が有効(局所ステロイド薬は無効)。

(治療)
細菌やウイルス感染による急性増悪の膿性鼻汁には、アモキシシリンと気道粘液溶解薬を併用する。感染が治まり、慢性期の第一選択薬は経口ステロイド、特に抗ヒスタミン薬との配合剤(セレスタミン等)が著効し、約1~2週間の内服で鼻茸は縮小する。嗅覚障害は内服中に改善し、中止すると再燃する。経口ステロイドは継続的に使用できず、代替としてESSを行うことが多い。術後は経口ステロイドとマクロライド少量投与、生理食塩水による鼻洗浄を継続する。その後、経口ステロイドは漸減中止し、鼻噴霧用ステロイドへ移行する。
鼻茸は長期未受診やウイルス感染等で急激に大きくなり、難治性好酸球性副鼻腔炎では、術後6年間で50%以上の再発を認める。

副鼻腔における急性炎症の多くは、急性鼻炎に引き続いて生じるとされる。また、そのほとんどが急性鼻炎を併発し

これを2型炎症反応といいますが、うまく調節ができないとアレルギー反応の原因になってしまいます。鼻ポリープはこの2型炎症反応によって副鼻腔の粘膜がポリープのように腫脹してできると考えられています(詳しい仕組みはわかっていません)。

逆にこの2型炎症反応がない方にはポリープができにくいので、ポリープの有無は副鼻腔炎の原因となっている炎症反応を推測して適切な治療を行うために、重要なポイントとなっています。

抗生剤が必要な風邪は、急性扁桃腺炎と急性副鼻腔炎です。 ・急性扁桃腺炎

Garbutt准教授らは「急性単純性鼻副鼻腔炎の治療で抗菌薬アモキシシリンを使用しても,プラセボと比べた有意な症状軽減は認められなかった」との試験結果をJAMA(2012; 307: 685-692)に発表した。
同疾患の治療では抗菌薬がよく使用されるが,有効性を裏付けるエビデンスは限られていた。

疾患特異的QOLの改善を評価
急性鼻副鼻腔炎は日常でよく見られる疾患で,重大な病的状態,労働時間損失,高額な医療費と関連することが知られている。
Garbutt准教授らは,論文の背景情報で「抗菌薬耐性の増加が公衆衛生上の脅威になっていることを考えると,治療をしなくても治ることが多い同疾患の治療で抗菌薬の処方を正当化するためには,抗菌薬が実際に症状を軽減することを示すエビデンスが必要である。抗菌薬の効果を評価するプラセボ比較試験では一貫した結果が得られていないが,これはおそらく試験間で診断基準やアウトカムの評価法が異なるためではないか」と説明している。

同疾患のガイドラインでは,症状が中等度あるいは重度の患者に優先して抗菌薬を処方するよう推奨されている。
しかし実際には,こうした処方は一般化しており,米国では成人への抗菌薬処方の5回に1回は副鼻腔炎が占し
ている。

同准教授らは今回,急性細菌性鼻副鼻腔炎と診断された成人患者を対象に,アモキシシリンが対症療法以上に疾患特異的QOLを改善するか否かを検討。
2006〜09年に同州の10地域医療施設で登録された166例(男性36%)を,アモキシシリン(1,500mg/日,1日3回,10日間)を投与する群(アモキシシリン群,85例)と,プラセボを投与する群(プラセボ群,81例)のいずれかにランダムに割り付けた。

全患者とも必要に応じて疼痛,発熱,咳,鼻閉の対症療法を受けた。
患者の92%が対症療法薬を1種類以上,試験薬と併用した(アモキシシリン群94%,プラセボ群90%)。

1次評価項目は治療開始から3〜4日後の疾患特異的QOLの改善とし,Sinonasal Outcome Test-16(SNOT-16)を用いて評価した。
2次評価項目は,患者自身の評価に基づく副鼻腔症状や機能状況の変化,症状再発の有無,治療満足度,副作用などとした。
治療から3,7,10,28日後に電話インタビューを行い,これらのアウトカムを評価した。

対症療法以上の効果認められず
試験の結果,SNOT-16スコアの変化(平均値)は3日後と10日後では両群間で有意差はなく,7日後ではアモキシシリン群が優れていた。
症状の改善を報告した患者の割合も,3日後と10日後では両群間で有意差はなく,7日後ではアモキシシリン群の方が高かった。

また,
(1)仕事を休んでいた日数と通常の活動が制限された日数
(2)28日後までの再発率
(3)追加の医療サービスの利用状況
(4)治療満足度
—に関しても群間差はなかった。さらに,重篤な有害事象もなかった。

Garbutt准教授らは「急性単純性鼻副鼻腔炎の患者に対してアモキシシリンを10日間投与しても,治療3日後の症状改善においてプラセボを上回る効果は認められなかった」と結論しつつも,「今回の研究では重度の合併症を伴う症例は除外された。こうした患者には,別の管理方法が必要になるだろう」と付け加えている。

出典 Medical Tribune 2012.4.19
版権 メディカル・トリビューン社




など、前述の好酸球性副鼻腔炎と非常によく似た特徴を有しており、類縁疾患と考えられています。したがって、治療や経過もよく似ており、手術療法のみで完全に治すことは困難かもしれませんが、手術によって鼻閉や喘息症状が劇的に改善し、喘息薬の使用量が極端に少なくなる方も多く経験しています。解熱剤や鎮痛剤など手術後に使えないお薬もあり、手術後の経過観察が重要ですので経験の豊富な医療機関への受診をお勧めします。


好酸球性副鼻腔炎の治療法は?(一般)公益社団法人 福岡県薬剤師会

症状には他の副鼻腔炎と同様、膿性・粘性鼻汁や鼻閉が見られるほか、強い嗅覚障害が挙げられるのも特徴です。合併症には喘息、特にアスピリン喘息が多く見受けられ、好酸球性中耳炎が合併していることもあります。喘息との関わりが強さから気道に生じた同じ炎症病態とも考えられており、当院では気道全体を総合的にケアします。

目的: 臨床診断における成人急性副鼻腔炎に対する アモキシシリンによる治療効果を同定する。 ..

前回の小児急性鼻副鼻腔炎治療に引き続き、今回は大人の急性鼻副鼻腔炎治療について紐解いていきましょう。中耳炎と同じく年齢により原因菌や耐性率、使用できる薬剤に違いがあるので、選択する抗菌薬も変わってきます。

アモキシシリンカプセル250mg 副鼻腔炎に関する医師への質問82件

※日本鼻科学会「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年版」にもとづく

土曜日に副鼻腔炎になりアモキシシリンカプセル250mgを1日3回のんでます。 少し前に飲んだら脈が早くな…

急性副鼻腔炎は、 小児における抗菌薬処方の最も一般的な適応症の一つであり、 米国では年間推定490万件が処方されている。 しかし最適な経験的抗菌薬治療に関するコンセンサスは存在しない。

アモキシシリン 875mg で 副鼻腔炎、急性-臨床試験登録

抗生剤が必要な風邪は、急性扁桃腺炎急性副鼻腔炎です。

高用量と標準用量のアモキシシリン/クラブラン酸による急性副鼻腔炎の治療:確認研究

急性副鼻腔炎と診断された17歳以下の新規外来患者で、 診断の同日にアモキシシリン・クラブラン酸またはアモキシシリンの処方をうけた症例

通常、副鼻腔炎にはアモキシシリン500mg/回を、1日3回投与する。 2013年10月10日

この扁桃腺に病原体が補足され、しかも病原体の勢いが免疫力よりも強く、繁殖してしまった状態が、急性扁桃腺炎です。

CDTR-PI(cefditoren pivoxil,セフジトレンピ

前回は、急性の中耳炎を取り上げてみました。今回は、つながりがある鼻副鼻腔炎を取り上げたいと思います。これも子供と大人で使用できる薬剤が異なりますので、分けて解説していきたいと思います。

アモキシシリンとアモキシシリン/クラブラン酸を比べると後者のほうが有

急性鼻副鼻腔炎とは、「急性に発症し、発症から4週間以内の鼻副鼻腔の感染症で、鼻閉、鼻漏、後鼻漏、咳嗽といった呼吸器症状を呈し、頭痛、頬部痛、顔面圧迫感などを伴う疾患」と定義される疾患です。子供の病気というイメージは少ないかもしれませんが、意外に疾患件数は少なくありません。

以下の抗菌薬投与を検討することを推奨する。 アモキシシリン水和物内服5〜7日間

マクロライド少量長期投与を基本とする薬物療法と、内視鏡下副鼻腔手術を組み合わせて治療しますが、好酸球性副鼻腔炎は再発しやすい難治性の副鼻腔炎で、近年増加傾向にある病気です。
鼻内には鼻腔ポリープである多発性の鼻茸が生起し、副鼻腔粘膜への顕著な好酸球浸潤が特徴で、主に副鼻腔の病変は篩骨洞、嗅裂という部位に起こります。

アモキシシリンの効果は?使用上の注意や飲み合わせについても解説

救急外来で処置中にけいれん発作を起こした.抗けいれん薬の投与で,5分ほどでけいれんは止まった.頭部造影CT検査で左前頭洞の副鼻腔炎と前頭部硬膜下膿瘍を認めた.脳神経外科による開頭ドレナージ術と耳鼻咽喉科による経鼻内視鏡副鼻腔手術が施行された.術中の硬膜下膿瘍および副鼻腔排膿液検体をグラム染色で確認したところ,グラム陽性双球菌を認めた.

中等症例 高用量のアモキシシリンを 5日間服用します。 症状が改善されない ..

急性副鼻腔炎に関する各国のガイドラインにも,抗菌薬の適応として症状が遷延する場合と二峰性に増悪する場合の記載がある.しかし,そもそも小児の感冒は,成人と比較して罹患期間が長く,1週間以上持続しても自然経過の範囲内である.また,小児は成人と比較して頻繁に感冒を発症しており,治りかけに別のウイルスによる上気道炎を発症することも稀ではない.

④ 原則としてアモキシシリン(AMPC, 商品名ワイドシリン)60mg/kg/日(2 歳 ..

急性の副鼻腔炎の場合には1週間前後の抗生物質や炎症を抑えるお薬、又、局所療法としてうみを吸って鼻の中をきれいにする、更には、ネブライザー療法といって、抗生物質などの薬を細かい粒子にして副鼻腔まで届きやすくなるように蒸気を鼻から吸う療法などがあります。慢性の副鼻腔炎の場合は、それに加えてマクロライドという抗生物質の一種を少量、2-3ヶ月投与する治療法が有効です。これは菌を叩くというより、粘膜の機能を正常化するのが主な目的で、軽症の副鼻腔炎であれば、この治療法で完治する場合も少なくありません。

アモキシシリン水和物(アモリン・サワシリン) – 呼吸器治療薬

鼻腔を左右に仕切る鼻中隔は誰しも多少湾曲していますが、鼻閉や副鼻腔炎、嗅覚低下・障害が生じるほど湾曲の度合いが強ければ、曲がった部分の鼻中隔軟骨・骨を摘出してまっすぐにします。この手術は鼻内からアプローチします。

肺炎球菌に対して小児では、アモキシシリン(AMPC)、セフェム系薬では CDTR‐PI、CFPN

米国感染症学会(IDSA:Infectious Diseases Society of America)は20日、毎年7人に1人がかかることがある副鼻腔炎について、原因の90~98%はウイルス起因のものだとして、抗生剤の適正使用などを促すガイドラインを発表しています。

咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎などで使用され、そのほかに ..

※日本鼻科学会「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年版」にもとづく