※抗うつ剤ごとの太りやすさを知りたい方は、『』をお読みください。
現在は日本で効果が実証されて、抗認知症薬として投与できる薬剤は4種類ありますが、さらにお薬の効果の発揮の仕方によって2種類に分けられます。
元々はアルツハイマー型認知症に向けた研究として、お薬は開発されましたが、その後こうしたお薬は、認知症の認知機能を改善させるという部分よりも、認知機能の進行を遅らせることができるという点で有効なことや、 「行動及び心理症状」に非常に有効に作用すること、さらにはその後の研究によって、他の認知症に対しても有効性が期待できる場合があることも分かってきました。
抗うつ剤、とくにSSRIやSNRIの飲み始めには、することがあります。
最も一般的な認知症の1つであるアルツハイマー型認知症の研究では、脳内の物質アセチルコリンの働きが落ちていることが知られていました。そのため、体内でこの分解を行うアセチルコリンエステラーゼという物質の働きを阻害するようなお薬が開発されていきました。
アセチルコリンの働き以外にも注目され、お薬の開発が進められてきました。アルツハイマー型認知症の神経で特定の物質(アミロイドβ)が貯まってしまうことで、NMDA受容体という部分が働きすぎてしまい、脳内の代謝が変化して、神経細胞の働きが低下してしまうことわかりました。この背景を意識して、NMDA受容体を阻害することでお薬の効果が発揮されるお薬も開発・発表され、現在は処方可能となっています。
双極性障害と診断した患者さんについては、抗うつ薬ではなく、双極性障害に有効性が知られるお薬を中心に使っていきます。このお薬はカテゴリーとしては抗精神病薬、気分安定薬に区分されています。
ちなみに、日本で処方されている三環系抗うつ薬は以下の通りです。
しかし抗ヒスタミン薬には非常に多彩な種類があります。昔の抗ヒスタミン薬を第一世代と呼び、これらのお薬は非常に眠気も強い薬でした。現在の第二世代は、第一世代と比べるとだいぶ眠気の症状が改善されています。
抗うつ薬の種類には大別すると、旧来からある【三環系・四環系抗うつ薬】と、比較的新しい【SSRI・SNRI】やこれらに区分されない【その他の機序の抗うつ薬】があります。そして、現在も抗うつ薬は新たに開発が進められています。
新しいお薬は旧来の三環系抗うつ薬よりも、 【辛い副作用が軽減される】という共通した特長があります。SSRI,SNRIは発売以降、現在まで世界的にもこれを用いた治療が標準となっています。
成書には【(旧来の)三環系・四環系抗うつ薬を第一選択は避ける、そうでなくとも高齢の方への処方をできれば避けること】と明記しているものもあります。これは、副作用の抗コリン作用(口の渇き・消化器・循環器への影響)など、身体的な負担が大きい副作用が出てくる可能性があるからです。しかし、依然効果の強さ、SSRI,SNRIが無効な場合でも、効果が期待できる場合があることから、現在の精神科薬物治療の中で、使用されることがあります。これらを考慮して、当院での薬剤療法は検討・治療を行います。
※抗うつ剤の副作用全体について知りたい方は、『』をお読みください。
双極性障害の治療薬として推奨される薬剤は抗精神病薬、気分安定薬と分類されます。うつ症状が問題となっていても、双極性障害の方は、抗うつ薬の有効な作用が期待しにくいことが多いからです。理由としては、双極性障害、うつ病の疾患の発症機序が医学的・分子生物学的な見地まで見ると、その全てが明らかとはなっていませんが、異なる機序で発症すると考えられています。
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。今後は抗精神病薬、抗うつ薬についての説明をする予定です。
※抗うつ剤を飲みながらの体重管理については、『』をお読みください。
脳内の神経伝達物質であるセロトニン・ノルアドリナリン・ドーパミンの脳内活性を高めるお薬が抗うつ薬であることは他の記事で説明いたしました。しかし、抗うつ薬は遅効性であり、すぐには抗うつ作用は発揮されません。服薬後、神経伝達物質が脳内で上昇したことを脳細胞が察知し、神経伝達物質の放出にブレーキをかけてしまうシステムが存在するためです。お薬の効果が発揮されるには、このブレーキシステムが解除されなければなりません。実は、シナプス前自己受容体(5HT1A受容体,α2受容体)と呼ばれるブレーキシステムを解除するには、少なくとも2週間、抗うつ薬を継続する必要があります。遅効性である理由は、そのように推測されています。
抗ヒスタミン薬では、有名な副作用に眠気があります。眠気が気になるから花粉症のお薬を飲まないという人も多いです。
処方箋からみた服薬指導マネージャー(アレルギー疾患薬・抗うつ薬編)
実は鼻詰まりに対して、抗ヒスタミン薬は効果が弱いのです。そのため鼻詰まりの症状が主体の人は、抗ロイコトリエン薬を使用します。実は医師も、花粉症=抗ヒスタミン薬と考えている人が意外と多いです。
処方箋からみた服薬指導マネージャー(アレルギー疾患薬・抗うつ薬編)
花粉症の治療の中心は、抗ヒスタミン薬といわれるお薬です。ヒスタミンという花粉症の原因になる炎症物質を止めるお薬です。しかしこの抗ヒスタミン薬は、花粉症に対して万能ではありません。
抗うつ剤、とくにSSRIやSNRIでおこりやすい吐き気や下痢は、でおこります。
若年者(概ね24歳頃まで)の抗うつ薬の使用には注意が必要で、これらの年代の方では衝動性などを高めてしまったり、抗うつ薬に期待される効果が、得にくい場合もあります。
これらから、御本人・ご家族いずれからも、抗うつ薬を開始して気になったことがあった場合はお早目にご相談いただくことが重要です。うつの症状にも多様なものがあり、現在出ている症状は原疾患、つまりうつの由来のものであれば治療・生活指導をそのまま継続することで改善が期待できる場合があります。しかし、お薬の副作用の場合は、そのお薬を中止し、症状に併せ別のお薬に変更することが望ましい場合もあります。
【精神科医監修】抗うつ薬を解説【目的効果・種類・副作用とは?】
三環系抗うつ薬は小腸で吸収され、最初に肝臓を通過します。ここで代謝(わかりやすくいうと分解)されなかった分が、全身の血流に乗って、さらにその一部が脳内に到達します。服用後2時間から8時間程度をかけて血液濃度が最大となることがわかっていますが、抗うつ薬の効果が現れるまでは実際のところ2週間以上を要しますので、血液中の濃度がどれぐらいの時間で最大に達するかは重要ではない、ということになります。三環系抗うつ薬は脂溶性であるため、吸収後、体内のほとんどの部分に広がります。また、一部の例外を除けば、三環系抗うつ薬は24時間以上かけて、ゆっくりと体外へ排出されますので、1日1回の服用で作用を持続させられます。
その他,三環系抗うつ薬やベンゾジアゼピン系薬はレム睡眠の発現を抑制するが ..
三環系抗うつ薬と呼ばれる理由は、構造の中心にみられる三環構造のためです。三環構造にどのような側鎖がつくかによって、お薬の性質に大小の差が生まれます。脳内の神経伝達物質の活性を強める力、口の渇きや便秘などを引き起こす抗コリン作用、起立性低血圧や立ちくらみの原因となるα1受容体阻害作用、眠気の原因となるヒスタミン受容体(H1受容体)阻害作用の強弱なども、側鎖の構造が変わることで違いが生まれます。たとえば、アミトリプチリンが他の三環系抗うつ薬よりもα1受容体阻害作用・抗ヒスタミン作用・抗コリン作用が強いことや、クロミプラミンが他の三環系抗うつ薬に比べて強いセロトニントランスポーター阻害作用を発揮するのも側鎖の違いによるものです。
作用を有しています。 また、開発初期の抗ヒスタミン薬は、アレルギー疾
ビラノアとの飲み合わせに注意が必要な薬剤はエリスロマイシン、ジルチアゼムなどがあります。なお、ビラノアは空腹時(食前:1時間以上、食後:2時間以上)に服用いただきますようお願いします。服用するときはコーヒーなどの嗜好飲料ではなく、水かぬるま湯と一緒に内服してください。
三環系抗うつ薬と呼ばれる特定の抗うつ薬(アミトリプチリンなど).
双極性障害の方にも【うつ症状】が出現して見られますが、この双極性障害では、抗うつ薬により期待される効果が思い通り得られないことが珍しくありません。また抗うつ薬を使用することで躁症状の誘発があり得るため、双極性障害とあらかじめわかっていた場合は、抗うつ剤の投与を可能な限り避けることが望ましいです。また、治療により初めて躁状態が惹起される方などもいらっしゃいますので、ここで初めて双極性障害の診断となる方もいらっしゃいます。
処方箋からみた服薬指導マネージャー アレルギー疾患薬・抗うつ薬編
体内から除去される三環系抗うつ薬は、まずは肝臓で代謝されます。肝臓でどの程度代謝されるかは個人間で差が大きく、同じ量を服用しても、体内の濃度は驚くほど異なることが知られています。肝臓には、チトクローム酸化酵素という薬物代謝酵素が存在し、この酵素は、さらに1A2、3A4、2C19、2D6など多種のタイプに分けられます。人種によっても違いがあることが確かめられており、たとえば、アジア人の20%は2C19を持たないため、主に2C19で代謝されるお薬を服用した場合に体内濃度が上がりやすいことがわかっています。年齢による影響もあり、加齢によって3A4の代謝能力が低下します。以上を総合的に判断してお薬を決める必要があります。このあたりは薬物療法に精通した精神科医にご相談ください。
抗ヒスタミン作用(体内物質ヒスタミンの働きを抑える作用)によりアレルギー ..
抗うつ薬が複数種開発・発売されている背景には、効き方に微妙な差があることや、明確に副作用が異なっていることがあります。
また、特に開始から数日間の期間は、吐き気など副作用が出現することもあるため、慎重に経過を見ていくことが望ましいです。
圧薬や、抗ヒスタミン薬、経口避妊薬などでも報告があります。 2.早期発見と早期治療のポイント
うつ病はセロトニン・ノルアドレナリン・ドパミンなどのモノアミンと呼ばれる物質の働きが低下するとされています。これらの物質はお互いに影響することが知られています。
抗うつ薬は複数種ありますが、いずれも、このモノアミンの働きを支援するように作用する点は共通しています。
最大効果を発揮するまでに4~8週程度時間を要します。この期間はとにかく焦らず服用を続ける必要があります。
不眠、不安が強いときには、抗不安薬・睡眠薬の併用を必要とする場合もあります。
一方で、三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬はNaSSAなどと比べて薬価が低いものが ..
うつは公衆衛生上の大きな問題として、現在の日本でも広く認識をされています。抗うつ薬は、こうしたうつ病でみられる、気分の落ち込み、不安や焦り、疲れやすさなどのうつ症状を軽減してくれるお薬です。うつ病はもとより、適応障害・全般性不安障害・強迫性障害や社交不安障害など、その効能の広さから、幅広い疾患で使用されることがあります。
抗うつ薬の歴史は古く、1950年代には抗うつ作用がある薬剤が発表され、広く精神科臨床で使われてきました。その後も治療薬の開発が進められて、特に1999年からは現在の精神科診療でもしばしば使われるタイプの抗うつ薬が発売されています。
身近なお薬としては、総合感冒薬(風邪薬)・抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬です。 ..
これもいくつかの点で間違いがあります。薬の強い弱いというよりは薬の量と本人の症状や体質との相性が重要です。薬は必要十分な量を適切に内服することが重要です。強い薬といわれるものでも、ほんの少量を使うことで副作用なく望ましい効果が得られたりすることもある一方、弱い薬についても量が多ければ身体に負担になります。例えば醤油なども一般的には毒とは考えませんが、100ml飲んだら命を落とす可能性があるといわれております。水も然りで5L程度一気に飲むと死ぬといわれてます。
睡眠薬がわりに使われる抗うつ剤は、鎮静系抗うつ薬と呼ばれます。
抗精神病薬は主に1)に対して、優れた効果が期待できます。
気分安定薬は主に2)に対して、優れた効果を発揮します。