性単核球症にアモキシシリンを使用すると高率に皮疹を呈するので注意する。使う際に
おもにA群溶血性連鎖球菌という細菌による感染症です。その他にもB群溶連菌によるものがありますが、ここではA群のみをお話しします。
ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症に対して、成人では、「アモキシシリン水和.
ペニシリンアレルギーの患者さん及び伝染性単核症(EBウィルス感染で、咽頭痛、発熱などの症状)にかかっている人は服用できません。
A群溶血性連鎖球菌の一般的な感染症は、急性咽頭扁桃炎です。治療が行われないと中耳炎、副鼻腔炎、扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍(とても重症になることがあります)、化膿性リンパ節炎などがあります。しばしば、腹痛、嘔気、嘔吐などの消化器症状を伴うことがあります。
2.2 伝染性単核症の患者[発疹の発現頻度を高めるおそれがある。] 4
その後も症状はひどくなり、最終的に紹介された大病院で検査し、EBウイルスによる伝染性単核球症であることが発覚しました。
医師からはアモキシシリン服用とEBウイルス感染によるものと説明を受け、自然と治るため特に皮膚科には行かずに様子を見て構わないと言われました。
Epstein-Bar(EB)ウイルス感染症(伝染性単核症:IM)
経口避妊薬(ピル)の血中濃度を低下させることがあります。ペニシリン内服中では、ペニシリンが腸内細菌にも作用し、細菌叢(さいきんそう:腸内に存在している細菌)を変化させ卵黄ホルモンの腸管からの再吸収を抑制するために、卵黄ホルモンの血中濃度の低下があるため、ペニシリン服薬中の低用量経口避妊薬(ピル)の避妊は失敗する可能性があります。他の避妊方法を併用することが必要かも知れません。
【2.1】本剤(成分)に過敏症の既往歴〔[8.2,9.1.1,11.1.1-11.1.3参照]〕【2.2】伝染性単核症〔発疹の発現頻度を高めるおそれ〕
2.2 伝染性単核症の患者[発疹の発現頻度を高めるおそれがある。] 注意
皮膚の症状としては丹毒、伝染性膿痂疹、猩紅熱、蜂窩織炎、壊死性筋膜炎などがあります。
丹毒は乳児や高齢者に多く、皮膚の表層ときに真皮に限局した感染症で、周囲の正常皮膚より盛り上がり、境界鮮明であることが多いです。
ほとんどがEBV の初感染によるが、一部サイトメガロウイルス(CMV)、HHV‐6 、アデノウイルス(ADV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス (HBV)、トキソプラズマ、リケッチアによっておこりうる。EBVはヒトヘルペスウイルス科γ亜科に属する約172kbp の2本鎖DNAウイルスで、直径は約150〜220nm である。ヘルペスウイルスの性質上、ひとたび宿主に感染すると一生その宿主に潜伏感染し、免疫抑制状態下で再活性化する性質を有する。
EBV はまず咽頭上皮細胞に感染し、そこで増えたウイルスが、主にEBV の標的細胞であるBリンパ球(一部、Tリンパ球やnatural killer (NK)細胞)に感染する。その機序は、EBV のenvelope蛋白であるgp350/220 と細胞の補体レセプターCD21 との結合で細胞に吸着することである。CD21は主にB リンパ球に発現しているが、T リンパ球、NK 細胞、咽頭上皮を含む上皮細胞にも発現しており、感染のターゲットとなり得る。その後ウイルスはendocytosis により細胞内に取り込まれ、ウイルスDNA はウイルス粒子の中では線状で存在し、潜伏感染状態では環状に変化し、核内で維持される。しかし、この状態ではウイルスは産生されず、一部の遺伝子(EBNA‐1,‐2,‐ 3a,‐3b,‐3c, ‐LP, LMP‐1,‐ 2a,‐ 2b, BARF0, EBER‐1,‐2)のみが発現している潜伏感染状態に入る。再活性化がおこると、まず前早期抗原(immediate early antigen :IEA ;BZLF1, BRLF 1)が作られ、その後早期抗原(early antigen :EA;酵素類)、後期抗原(late antigen :LA ;capsid 蛋白、envelope 蛋白)が作られ、ウイルス粒子の産生が始まる。
EBV がlytic cycle (増殖サイクル)に入るとviral IL‐10(vIL‐10)が産生されることが、Stewart ら(1992年)
アモキシシリン水和物(AMPC)投与後に皮疹が生じた伝染性単核球症の1例
【2.1】本剤(成分)に過敏症の既往歴〔[8.2,9.1.1,11.1.1-11.1.3参照]〕【2.2】伝染性単核症〔発疹の発現頻度を高めるおそれ〕
〈ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症〉成人:アモキシシリン水和物 ..
ドイツです。
連休も開けましたがみなさんいかがお過ごしでしょうか。
突然ですが問題です。
26歳男性、2日前からの発熱•悪寒戦慄を主訴に来院。
バイタル
BP132/86mmHg、HR90bpm、RR20回/分、SpO2 95%、BT38.1度。
身体所見
鼻汁(-)、咳嗽(-)、咽頭痛(+)、全頸部リンパ節に圧痛(+)、咽頭発赤(+)、扁桃腫大(+)、扁桃白苔(+)。
さて以上の所見で何を考えるでしょうか?
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者; 伝染性単核症の患者[発疹の発現頻度を高めるおそれがある。] 原則禁忌
伝染性膿痂疹(とびひ)は、紅斑をともなう小水疱を形成します。やがて膿疱となり5日前後で厚いかさぶたになります。
猩紅熱は、紙やすり状の湿疹が全体(手掌、足底、口周囲には通常見られません(口囲蒼白))に見られます。
乳児では、外陰部や鼠蹊部に湿疹(ステロイド抵抗性)を認めることもあります。
蜂窩織炎は、急速に広がる皮膚および皮下組織の炎症性疾患で、局所の発赤、腫脹、自発痛、圧痛、全身の発熱を認めます。
壊死性筋膜炎は深部組織と筋膜の感染症です。急速に筋膜の壊死が拡大し、生命の危険が高い感染症です。一見しての診断は簡単ではありません。
2歳未満の小児で、鼻汁、鼻閉に引き続き、咳・呼気性喘鳴や努力呼吸を呈する気道感染症であ
答えは細菌性扁桃炎です。
これは連休中に体調を崩した筆者の話です。笑
救急外来で患者を見るようになって、若年の発熱の原因として非常に多いなと感じております。特に冬場はインフルエンザ、ウイルス性咽頭炎などとの鑑別が重要で、この時に役立つのがmodified centor criteriaです。
筆者の症例の場合、modified centor criteriaは38度以上の発熱で1点、咳嗽(-)で1点、前頸部リンパ節圧痛(+)で1点、扁桃腫大or白苔付着で1点、年齢15〜44歳で0点、計4点で細菌性の咽頭炎の可能性が高いです。
この場合、リウマチ熱の予防の観点から、10日間の抗菌薬投与が必要となってきます。1stはアモキシシリンですが、伝染性単核球症を否定できない場合は禁忌となりうるので、クリンダマイシンを処方することもあるようです。アモキシシリンを処方する場合はエコーで脾腫の有無、血液検査で異形リンパ球の出現などがないかは確認が必要です。扁桃周囲膿瘍への進展を考える場合は開口障害や口蓋垂偏位なども重要です。
筆者は大学2回生から扁桃炎を繰り返しているため、細菌性扁桃炎の可能性が高く同期にアモキシシリンを処方してもらい現在は元気にしております。細菌性扁桃炎は繰り返すことも多いので、1st episodeかどうかも問診上重要になってきます。
京都桂病院では2次までの受け入れとなっていますが、救急の受け入れは右肩上がりで、このようなcommon diseaseを診る機会は非常に多いため、勉強になると思います。数年後には3次も受け入れられる病院になる予定で、救急科のBOSSも3次を想定した教育をしてくださってます。3次はちょっと…と思っている方にもオススメの病院なので是非一度見学を!
とする伝染性単核症があるが、 伝染性単核症の患者では、前述のCentor の基準や ..
4 〜6週間の長い潜伏期を経て発熱、咽頭扁桃炎、リンパ節腫脹、発疹、末梢リンパ球増加、異型リンパ球増加、肝機能異常、肝脾腫などを示す急性感染症である。また、中枢神経症状を呈する症例が認められる。発熱は高頻度に認められ、多くの場合38 ℃以上の高熱で1〜2週間持続する場合が多い。扁桃には偽膜形成を認め、口蓋は発赤が著明で出血斑を認めることもあり、咽頭痛を伴う。リンパ節の腫脹は1〜2週頃をピークとして全身に認められるものの、頚部が主である。
アモキシシリンの成分に対して過敏症の既往歴がある人; 伝染性単核症の人
2週間ほど前から微熱と咽頭痛があり、耳鼻科を受診し、その際にペニシリン系抗生剤のアモキシシリンを処方され、1週間ほど服用しました。
また、伝染性単核球症というEBウイルスやサイトメガロウイルスによる咽頭炎との ..
【11.1.1】ショック,アナフィラキシー(各0.1%未満)〔呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等が発現。不快感,口内異常感,喘鳴,眩暈,便意,耳鳴,発汗等が現れた場合には投与中止。[2.1,8.2,9.1.1参照]〕【11.1.2】アレルギー反応に伴う急性冠症候群〔[2.1,8.2,9.1.1参照]〕【11.1.3】薬剤により誘発される胃腸炎症候群〔投与から数時間以内の反復性嘔吐を主症状とし,下痢,嗜眠,顔面蒼白,低血圧,腹痛,好中球増加等を伴う,食物蛋白誘発性胃腸炎に類似したアレルギー性の胃腸炎(Drug-induced enterocolitis syndrome)が発現。主に小児で報告。[2.1,8.2,9.1.1参照]〕【11.1.4】中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(各0.1%未満),多形紅斑,急性汎発性発疹性膿疱症,紅皮症(剥脱性皮膚炎)〔発熱,頭痛,関節痛,皮膚や粘膜の紅斑・水疱,膿疱,皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与中止〕【11.1.5】顆粒球減少(0.1%未満),血小板減少〔[8.3参照]〕【11.1.6】肝障害〔黄疸(0.1%未満),AST,ALTの上昇(各0.1%未満)等が発現。[8.4参照]〕【11.1.7】腎障害(0.1%未満)〔急性腎障害等の重篤な腎障害が発現。[8.5参照]〕【11.1.8】大腸炎(0.1%未満)〔偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎が発現。腹痛,頻回の下痢が現れた場合には直ちに投与中止〕【11.1.9】間質性肺炎,好酸球性肺炎〔咳嗽,呼吸困難,発熱等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT等の検査を実施。間質性肺炎,好酸球性肺炎が疑われた場合には投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与〕【11.1.10】無菌性髄膜炎〔項部硬直,発熱,頭痛,悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎が発現〕
またEBウイルスによる伝染性単核球症にペニシリン系抗生剤を使用すると ..
治療に用いる抗ウイルス薬などはなく、多くの場合は特に薬を服用することもなく自然治癒します。発熱や痛みがつらいときはアセトアミノフェンなどで和らげたり、重症の場合にはステロイド薬を使うケースもあります。
伝染性単核球症のよくある症状を見ると、細菌による急性咽頭炎と症状・所見が非常に酷似しています。以前にも当連載で取り上げたように、急性咽頭炎の治療に多く用いられる「アモキシシリン」という抗菌薬があるのですが、EBウイルスが原因の場合、誤ってアモキシシリンを投与してしまうと高い確率で皮疹を生じることが知られています。
喉が痛くて病院に行き、抗生剤をもらって飲んだら皮膚にボツボツが出た……。そんなときは、その薬はやめたほうがいいかもしれません。もう一度、受診するべきです。
伝染性単核球症 infectious mononucleosis
発疹は主に体幹、上肢に出現し、斑状、丘疹状の麻疹様あるいは風疹様紅斑であり、その形態は多彩である。アンピシリン(ABPC)を 内服すると薬疹を生じて、鮮明な浸出性紅斑様皮疹や丘疹などを呈す。同時に赤血球沈降速度の亢進や、ポリクローナルな高ガンマグロブリン血症、リウマチ因 子、寒冷凝集素、抗核抗体の産生などが認められる。この現象はEBV によるIM のみならず、CMV によるIM においても認められる。
リンパ球増加は診断基準にも含まれており、特徴的な所見であるが、一部に白血球減少を認める場合もある。異型リンパ球は、Bリンパ球増殖に対しておこった CD4 陽性細胞や、NK 細胞から産生されたサイトカインにより、CD8 陽性cytotoxic T lymphocyte (CTL)が活性化したものであるといわれている。10%から中には50%と著増する場合もあるが、中には数%以下の症例も認められる。CD4/CD8 比はCD4 陽性細胞の減少、CD8 陽性細胞の増加により1以下である場合が多い。
肝機能異常はほとんどの症例で認められるが、AST/ALT の増加は第2週頃をピークとして300〜500IU/L 程度のことが多い。黄疸を伴うことはまれである。なかにはAST/ALT が数千IU/L と著明な肝機能異常を伴うことがあり、注意を要する。
肝脾腫の頻度は表1 に示すとおりで、肝腫大の方が頻度が高い。肝臓は肋骨弓下1〜2 横指触知されることが多い。脾腫に関しては、時に巨大脾腫から脾破裂に至ることもあるため、注意を要する。
合併症として認められる中枢神経症状には、無菌性髄膜炎、脳炎、急性片麻痺、Guillain‐Barre症候群、視神経炎、脳神経麻痺、末梢神経炎、 横断性脊髄炎、急性小脳失調、中枢神経系のリンパ腫などが含まれる。その他まれではあるが、溶血性貧血、血小板減少、再生不良性貧血、B細胞リンパ腫、心 筋炎、心膜炎、肺炎、気道閉塞などの報告もある。通常self‐limited な疾患であるが、遺伝疾患である伴性劣性リンパ球増殖症候群(X‐linked lymphoproliferative syndrome :XLP;Duncan 病)の患者では、先天的にEBV 特異的CTL 活性が誘導されないため、不死化したBリンパ球が減少しないことと、NK活性が低いことも原因となり、致死性伝染性単核症となる。ここでは詳細について触 れないが、IM とは別の病態である慢性活動性EBV 感染症の長期予後は依然不良である。
なお、一般にCMVによる場合は、EBVによる場合に比して、咽頭扁桃炎、巨大脾腫の頻度が少なく、異好抗体を産生しない。
EBV感染症によるものを伝染性単核球症(infectious mononucleosis) ..
37歳,カナダ人男性.39℃台の発熱と咽頭痛を認め,アンピシリン/スルバクタム配合剤を3日間投与したところ,躯幹,四肢にびまん性淡紅斑および米粒大までの浸潤性紅斑が出現した.組織学的に,血管周囲性にリンパ球を主体とした軽度の細胞浸潤を認めた.発熱は3週間持続し,異型リンパ球の出現,軽度の肝酵素上昇,脾腫を認めた.サイトメガロウイルスIgM・IgG抗体が2週後に陽性化し,サイトメガロウイルス単核球症と診断した.
物とする伝染性単核症があるが、 伝染性単核症の患者では、前述の Centor ..
慢性膿皮症、リンパ管炎、リンパ節炎、深在性皮膚感染症、表在性皮膚感染症、 (外傷、潰瘍、熱傷、手術創、びらん) の二次感染、咽頭炎、急性気管支炎、喉頭炎、骨髄炎、乳腺炎、肺炎、扁桃炎、慢性呼吸器病変の二次感染、顎炎、子宮内感染、歯冠周囲炎、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、歯周組織炎、猩紅熱、腎盂腎炎、中耳炎、梅毒、麦粒腫、副睾丸炎、膀胱炎、涙嚢炎、精巣上体炎、淋菌感染症、前立腺炎<急性症>、前立腺炎<慢性症>、 (胃潰瘍、十二指腸潰瘍、特発性血小板減少性紫斑病、胃MALTリンパ腫、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃) のヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎