[PDF] 精神科疾患におけるdexamethasone 抑制試験-うつ病を中心として




臨床的意義
コルチゾールは、副腎皮質から分泌される主要な糖質ステロイドで、糖代謝をはじめ、蛋白質や脂質代謝にも関与する生体にとって必須のホルモンである。副腎皮質からのコルチゾール分泌は、視床下部-下垂体-副腎皮質系のnegative feedback機構により調節されている。コルチゾールは血中でほとんどがcorticosteroid binding globulin(CBG)、その他の蛋白と結合しており、5~10%が遊離型である。血中コルチゾールは肝、腎で代謝を受け、大部分はグルクロン酸抱合物あるいは硫酸塩として尿中に排出され、17-OHCS、17-KGSとして測定される。また、一部は遊離型としても尿中に排出される。血中コルチゾールの測定は、副腎皮質機能異常が疑われる場合に行う。血中コルチゾール濃度はACTHにより調節されているため、同時にACTHを測定することが重要である。尿中遊離コルチゾールの測定も副腎皮質機能を評価する目的で行うが、24時間蓄尿を行い測定することにより、コルチゾールの1日の分泌量を評価できる利点がある。 異常値を示す疾患 測定方法: 測定方法: ECLIA法(平成13年2月13日~
EIA法:ES600
(平成5年2月15日~平成13年2月12日)

測定機器: コバス8000(平成29年5月8日より)
Eモジュール(平成18年7月18日より平成29年5月2日まで))
エクルーシス2010(平成13年2月13日~平成18年7月14日まで)

相関
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.031X-0.242 r=0.998 n=100

平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.02X+0.268 r=0.998 n=86

平成13年2月13日
X=ES600
Y=エクルーシス2010 Y=1.011X-0.912 r=0.994 n=77

平成28年7月7日



測定試薬: エクルーシス試薬コルチゾールⅡ(ロシュ)平成28年7月7日より
エクルーシス試薬コルチゾール(ロシュ)平成13年2月13日~平成28年7月6日まで

基準範囲
7.1~19.6μg/dL(令和4年10月28日から)
※コルチゾール血中濃度については、使用しているステロイドなどの薬剤使用歴、日内変動、ストレス、下垂体機能等の影響を受けるため、評価は包括的なものとなります。一概に基準値を設けにくいため、参考値としてお示しします。
AM6-10 7.07~19.6 μg/dL、PM4-8 2.96~9.77 μg/dL (平成28年7月7日より令和4年10月27日まで)能書引用:医学と薬学 2016,73 1
8~25 μg/dL(平成13年2月13日~平成28年7月6日まで)
5~21 μg/dl(平成5年2月15日~平成13年2月12日)

採取容器: 関連項目

ACTH
CRH試験
lysine-vasopressin(LVP)試験
インスリン低血糖試験
metyrapone試験
迅速ACTH試験
連続ACTH試験
dexamethasone抑制試験(迅速法、標準法)
尿中遊離コルチゾール



に Dexamethasone 1mg を経口投与し, 外来患者 ..

デキサメタゾンは効き目が長く強い分、多くの副作用があらわれる可能性があります。場合によっては副作用を抑えるために抗生物質や胃薬などを一緒に使うこともあります。副作用の頻度は調査が行われていないため不明ですが、次のような症例が現れることがあります。

これを利用してうつ病かどうかを調べる「デキサメタゾン抑制試験」というものがあります。

福岡大学薬学部 創剤学研究室, 〒814-0180 福岡県福岡市城南区七隈8-19-1

現在, 抗がん薬の副作用である悪心・嘔吐の評価方法としては, CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Event) v4.0-JCOG が用いられているが,これは制吐療法の評価方法ではない(→)。従来のわが国の制吐療法における臨床試験では,悪心・嘔吐が「ない」,「我慢できる」から,「ほとんど食べられない」といったチェック項目を患者に提示して個々の治療効果を示してもらうなどの方法がとられていた。最近の臨床試験では,がん薬物療法施行後0~120 時間の完全制御割合,0~24 時間の完全制御割合(急性),24~120 時間の完全制御割合(遅発性)などが評価項目として用いられている()。しかし,医療者は過小評価の傾向が指摘されており,悪心・嘔吐の予測がどの程度できているかの評価も重要である。また, 患者自身による主観評価にあたる Patient-Reported Outcome (PRO) の重要性も認識されてきており, がん臨床試験における患者の自己評価に基づき, 有害事象評価の正確性と高い精度のグレーディングを追及したツールとしてPRO-CTCAEが公開されてきており(), 日常診療として客観的評価とどのようにして関連づけて評価していくか等に関する検討が必要になるであろう

1の(1)の①及び③を満たし、1の(2)の1種類の分泌刺激試験において検査所見を満たし、3の除外規定を満たすもの。
Possible:
1.1の(1)の①又は②を満たし、2の参考所見の4項目のうち3項目以上を満たし、3の除外規定を満たすもの。
2.1の(1)の①を満たし、(2)の1種類の分泌刺激試験において検査所見を満たし、2の参考所見のうち2項目を満たし、3の除外規定を満たすもの。
3.1の(1)の①及び③を満たし、2の参考所見のうち2項目以上を満たし、3の除外規定を満たすもの。

[病型分類]
成長ホルモン分泌不全性低身長症は、分泌不全の程度により次のように分類する。

重症: 主症候が(1)の①を満たし、かつ(2)の2種以上の分泌刺激試験におけるGH頂値が全て3 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では10 ng/ml以下)のもの。
又は、主症候が(1)の②又は、(1)の①と③を満たし、かつ(2)の1種類の分泌刺激試験におけるGH頂値が3 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では10 ng/ml以下)のもの。
中等症: 「重症成長ホルモン分泌不全性低身長症」を除く成長ホルモン分泌不全性低身長症のうち、全てのGH頂値が6 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では16 ng/ml以下)のもの。
軽症(注9):成長ホルモン分泌不全性低身長症のうち、「重症成長ホルモン分泌不全性低身長症」と「中等症成長ホルモン分泌不全性低身長症」を除いたもの。

注意事項
(注1)横断的資料に基づく日本人小児の性別・年齢別平均身長と標準偏差値を用いること。
(注2)縦断的資料に基づく日本人小児の性別・年齢別標準成長率と標準偏差値を用いること。ただし、男児11歳以上、女児9歳以上では暦年齢を骨年齢に置き換えて判読すること。
(注3)頭蓋部の照射治療歴、頭蓋内の器質的障害、あるいは画像検査の異常所見(下垂体低形成、細いか見えない下垂体柄、偽後葉)が認められ、それらにより視床下部-下垂体機能障害が生じたと判断(診断)された場合。
(注4)6か月~1年間の成長速度が標準値(注2)の−1.5SD以下で経過していることを目安とする。
(注5)正常者でも偽性低反応を示すことがあるので、確診のためには通常2種以上の分泌刺激試験を必要とする。但し、乳幼児で頻回の症候性低血糖発作のため、早急に成長ホルモン治療が必要と判断される場合等では、この限りでない。
(注6)次のような状態においては、成長ホルモン分泌が低反応を示すことがあるので、下記の対応をおこなった上で判定する。
□甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンによる適切な補充療法中に検査する。
□中枢性尿崩症:DDAVPによる治療中に検査する。
□成長ホルモン分泌に影響を与える薬物(副腎皮質ホルモンなど)投与中:可能な限り投薬を中止して検査する。
□慢性的精神抑圧状態(愛情遮断症候群など):環境改善などの原因除去後に検査する。
□肥満:体重をコントロール後に検査する。
(注7)現在のGH測定キットはリコンビナントGHに準拠した標準品を用いている。キットによりGH値が異なるため、成長科学協会のキット毎の補正式で補正したGH値で判定する。
(注8)Tanner-Whitehouse-2(TW2)法に基づいた日本人標準骨年齢を用いることが望ましいが、Greulich & Pyle法、TW2原法又はCASMAS(Computer Aided Skeletal Maturity Assessment System)法でもよい。
(注9)諸外国では、非GH分泌不全性低身長症として扱う場合もある。

(附1)診断名は、1993年改訂前は下垂体性小人症。ICD-10では、下垂体性低身長又は成長ホルモン欠損症となっている。
(附2)遺伝性成長ホルモン分泌不全症(type IA、IB、type IIなど)は、家族歴有り、早期からの著明な低身長(-3SD以下)、GHRH負荷試験を含むGH分泌刺激試験で、GH値の著明な低反応、血中IGF-1、IGFBP-3値の著明な低値などを示す。遺伝子診断により確定診断される。
(附3)新生児・乳児早期には、分泌刺激試験の頂値が6 ng/ml(GHRP-2負荷試験では 16 ng/ml)を超えていても、成長ホルモン分泌不全を否定できない。
(附4)成長ホルモン分泌不全性低身長症のうちで、とくに(1)主症候が③を満たす重症例を中心にして、その後に成人成長ホルモン分泌不全症と診断される場合があるので、思春期以降の適切な時期に成長ホルモン分泌能及び臨床所見を再評価することが望ましい。

D-2.成人(成人GH分泌不全症)

1.主要項目
I.主症候及び既往歴
1.小児期発症では成長障害を伴う(注1)。
2.頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴(注2)又は周産期異常の既往がある。

II.検査所見
1.GH分泌刺激試験として、インスリン負荷、アルギニン負荷、グルカゴン負荷又はGHRP-2負荷を行い(注3)、下記の値が得られること(注4、注5):
1) インスリン負荷、アルギニン負荷又はグルカゴン負荷において、負荷前及び負荷後120分間(グルカゴン負荷では180分間)にわたり、30分ごとに測定した血清GHの頂値が3 ng/ml以下である(注4、注5)。
2) GHRP-2負荷において、負荷前及び負荷後60分にわたり、15分ごとに測定した血清GH頂値が9 ng/ml以下である(注4、注5、注6)。
2.GHを含めて複数の下垂体ホルモンの分泌低下がある(注7)。

III.参考所見
1.血清(血漿)IGF-1値が年齢及び性を考慮した基準値に比べ低値である(注8)。

2.除外規定
GH分泌を低下させる薬剤投与を除く。

3.診断のカテゴリー
成人成長ホルモン分泌不全症(「Definite」)
1.1のIのいずれかを満たし、IIの1の2種類以上のGH分泌刺激試験において基準を満たし、2の除外規定を満たすもの。
2.1のIの2を満たし、1のIIの2を満たし、IIの1の1種類のGH分泌刺激試験において基準を満たし、2の除外規定を満たすもの。

[病型分類]
重症成人成長ホルモン分泌不全症:
成人成長ホルモン分泌不全症のうち、下記を満たすもの。
1.Iの1又は2を満たし、かつIIの1で2種類以上のGH分泌刺激試験における血清GHの頂値が1.8 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では9 ng/ml以下)のもの。
2.Iの2及びIIの2を満たし、かつIIの1で1種類のGH分泌刺激試験における血清GHの頂値が1.8 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では9 ng/ml以下)のもの。

重症以外の成人成長ホルモン分泌不全症:
成人成長ホルモン分泌不全症の診断基準に適合するもので、重症成人成長ホルモン分泌不全症以外のもの。

注意事項
(附1)易疲労感、スタミナ低下、集中力低下、気力低下、うつ状態、性欲低下などの自覚症状及び生活の質(QOL)の低下をきたし、皮膚の乾燥と菲薄化、体毛の柔軟化、ウェスト/ヒップ比の増加を認めることが多い。
(附2)検査所見として、体脂肪(内臓脂肪)の増加、除脂肪体重の減少、筋肉量減少、骨塩量減少、脂質代謝異常、耐糖能異常、脂肪肝(注9)を認める。
(附3)本診断基準は原則として18歳以上で用いるが、18歳未満であってもトランジション期には本疾患の病態はすでに始まっているため、適切な時期に評価を検討する。
(附4)小児期にGH分泌不全性低身長症と診断されてGH投与による治療歴があるものでも、成人においてGH分泌刺激試験に正常な反応を示すことがあるので再度検査が必要である。

(注1)適切なGH補充療法後や頭蓋咽頭腫の一部(growth without GHと呼ばれる)では成長障害を認めないことがある。また、性腺機能低下症の存在、それに対する治療の影響も考慮する。
(注2)頭蓋内の器質性疾患、頭部の外傷歴、手術及び放射線治療歴、あるいは画像検査において視床下部下垂体系の異常所見が認められ、それらにより視床下部下垂体機能障害の合併が強く示唆された場合。
(注3)重症成人GH分泌不全症が疑われる場合は、インスリン負荷試験又はGHRP-2負荷試験をまず試みる。インスリン負荷試験は虚血性心疾患や痙攣発作を持つ患者では禁忌である。追加検査としてアルギニン負荷あるいはグルカゴン負荷試験を行う。クロニジン負荷、L-DOPA負荷は偽性低反応を示すことがあり、GHRH負荷試験は視床下部障害や放射線療法後に偽性反応を示すことがあるため診断基準には含まれていない。
(注4)現在のGH測定キットはリコンビナントGHに準拠した標準品を用いている。キットによりGH値が異なるため、成長科学協会のキットごとの補正式で補正したGH値で判定する。
(注5)次のような状態においては、GH分泌刺激試験において低反応を示すことがあるので注意を必要とする。
1.

味覚異常、末梢性ニューロパチー、頭痛、浮動性めまい、うつ病、振戦、気分動揺、錯乱状態、傾眠、不安 ..

1の(1)の①及び③を満たし、1の(2)の1種類の分泌刺激試験において検査所見を満たし、3の除外規定を満たすもの。
Possible:
1.1の(1)の①又は②を満たし、2の参考所見の4項目のうち3項目以上を満たし、3の除外規定を満たすもの。
2.1の(1)の①を満たし、(2)の1種類の分泌刺激試験において検査所見を満たし、2の参考所見のうち2項目を満たし、3の除外規定を満たすもの。
3.1の(1)の①及び③を満たし、2の参考所見のうち2項目以上を満たし、3の除外規定を満たすもの。

[病型分類]
成長ホルモン分泌不全性低身長症は、分泌不全の程度により次のように分類する。

重症: 主症候が(1)の①を満たし、かつ(2)の2種以上の分泌刺激試験におけるGH頂値が全て3 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では10 ng/ml以下)のもの。
又は、主症候が(1)の②又は、(1)の①と③を満たし、かつ(2)の1種類の分泌刺激試験におけるGH頂値が3 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では10 ng/ml以下)のもの。
中等症: 「重症成長ホルモン分泌不全性低身長症」を除く成長ホルモン分泌不全性低身長症のうち、全てのGH頂値が6 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では16 ng/ml以下)のもの。
軽症(注9):成長ホルモン分泌不全性低身長症のうち、「重症成長ホルモン分泌不全性低身長症」と「中等症成長ホルモン分泌不全性低身長症」を除いたもの。

注意事項
(注1)横断的資料に基づく日本人小児の性別・年齢別平均身長と標準偏差値を用いること。
(注2)縦断的資料に基づく日本人小児の性別・年齢別標準成長率と標準偏差値を用いること。ただし、男児11歳以上、女児9歳以上では暦年齢を骨年齢に置き換えて判読すること。
(注3)頭蓋部の照射治療歴、頭蓋内の器質的障害、あるいは画像検査の異常所見(下垂体低形成、細いか見えない下垂体柄、偽後葉)が認められ、それらにより視床下部-下垂体機能障害が生じたと判断(診断)された場合。
(注4)6か月~1年間の成長速度が標準値(注2)の−1.5SD以下で経過していることを目安とする。
(注5)正常者でも偽性低反応を示すことがあるので、確診のためには通常2種以上の分泌刺激試験を必要とする。但し、乳幼児で頻回の症候性低血糖発作のため、早急に成長ホルモン治療が必要と判断される場合等では、この限りでない。
(注6)次のような状態においては、成長ホルモン分泌が低反応を示すことがあるので、下記の対応をおこなった上で判定する。
□甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンによる適切な補充療法中に検査する。
□中枢性尿崩症:DDAVPによる治療中に検査する。
□成長ホルモン分泌に影響を与える薬物(副腎皮質ホルモンなど)投与中:可能な限り投薬を中止して検査する。
□慢性的精神抑圧状態(愛情遮断症候群など):環境改善などの原因除去後に検査する。
□肥満:体重をコントロール後に検査する。
(注7)現在のGH測定キットはリコンビナントGHに準拠した標準品を用いている。キットによりGH値が異なるため、成長科学協会のキット毎の補正式で補正したGH値で判定する。
(注8)Tanner-Whitehouse-2(TW2)法に基づいた日本人標準骨年齢を用いることが望ましいが、Greulich & Pyle法、TW2原法又はCASMAS(Computer Aided Skeletal Maturity Assessment System)法でもよい。
(注9)諸外国では、非GH分泌不全性低身長症として扱う場合もある。

(附1)診断名は、1993年改訂前は下垂体性小人症。ICD-10では、下垂体性低身長又は成長ホルモン欠損症となっている。
(附2)遺伝性成長ホルモン分泌不全症(type IA、IB、type IIなど)は、家族歴有り、早期からの著明な低身長(-3SD以下)、GHRH負荷試験を含むGH分泌刺激試験で、GH値の著明な低反応、血中IGF-1、IGFBP-3値の著明な低値などを示す。遺伝子診断により確定診断される。
(附3)新生児・乳児早期には、分泌刺激試験の頂値が6 ng/ml(GHRP-2負荷試験では 16 ng/ml)を超えていても、成長ホルモン分泌不全を否定できない。
(附4)成長ホルモン分泌不全性低身長症のうちで、とくに(1)主症候が③を満たす重症例を中心にして、その後に成人成長ホルモン分泌不全症と診断される場合があるので、思春期以降の適切な時期に成長ホルモン分泌能及び臨床所見を再評価することが望ましい。

D-2.成人(成人GH分泌不全症)

1.主要項目
I.主症候及び既往歴
1.小児期発症では成長障害を伴う(注1)。
2.頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴(注2)又は周産期異常の既往がある。

II.検査所見
1.GH分泌刺激試験として、インスリン負荷、アルギニン負荷、グルカゴン負荷又はGHRP-2負荷を行い(注3)、下記の値が得られること(注4、注5):
1) インスリン負荷、アルギニン負荷又はグルカゴン負荷において、負荷前及び負荷後120分間(グルカゴン負荷では180分間)にわたり、30分ごとに測定した血清GHの頂値が3 ng/ml以下である(注4、注5)。
2) GHRP-2負荷において、負荷前及び負荷後60分にわたり、15分ごとに測定した血清GH頂値が9 ng/ml以下である(注4、注5、注6)。
2.GHを含めて複数の下垂体ホルモンの分泌低下がある(注7)。

III.参考所見
1.血清(血漿)IGF-1値が年齢及び性を考慮した基準値に比べ低値である(注8)。

2.除外規定
GH分泌を低下させる薬剤投与を除く。

3.診断のカテゴリー
成人成長ホルモン分泌不全症(「Definite」)
1.1のIのいずれかを満たし、IIの1の2種類以上のGH分泌刺激試験において基準を満たし、2の除外規定を満たすもの。
2.1のIの2を満たし、1のIIの2を満たし、IIの1の1種類のGH分泌刺激試験において基準を満たし、2の除外規定を満たすもの。

[病型分類]
重症成人成長ホルモン分泌不全症:
成人成長ホルモン分泌不全症のうち、下記を満たすもの。
1.Iの1又は2を満たし、かつIIの1で2種類以上のGH分泌刺激試験における血清GHの頂値が1.8 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では9 ng/ml以下)のもの。
2.Iの2及びIIの2を満たし、かつIIの1で1種類のGH分泌刺激試験における血清GHの頂値が1.8 ng/ml以下(GHRP-2負荷試験では9 ng/ml以下)のもの。

重症以外の成人成長ホルモン分泌不全症:
成人成長ホルモン分泌不全症の診断基準に適合するもので、重症成人成長ホルモン分泌不全症以外のもの。

注意事項
(附1)易疲労感、スタミナ低下、集中力低下、気力低下、うつ状態、性欲低下などの自覚症状及び生活の質(QOL)の低下をきたし、皮膚の乾燥と菲薄化、体毛の柔軟化、ウェスト/ヒップ比の増加を認めることが多い。
(附2)検査所見として、体脂肪(内臓脂肪)の増加、除脂肪体重の減少、筋肉量減少、骨塩量減少、脂質代謝異常、耐糖能異常、脂肪肝(注9)を認める。
(附3)本診断基準は原則として18歳以上で用いるが、18歳未満であってもトランジション期には本疾患の病態はすでに始まっているため、適切な時期に評価を検討する。
(附4)小児期にGH分泌不全性低身長症と診断されてGH投与による治療歴があるものでも、成人においてGH分泌刺激試験に正常な反応を示すことがあるので再度検査が必要である。

(注1)適切なGH補充療法後や頭蓋咽頭腫の一部(growth without GHと呼ばれる)では成長障害を認めないことがある。また、性腺機能低下症の存在、それに対する治療の影響も考慮する。
(注2)頭蓋内の器質性疾患、頭部の外傷歴、手術及び放射線治療歴、あるいは画像検査において視床下部下垂体系の異常所見が認められ、それらにより視床下部下垂体機能障害の合併が強く示唆された場合。
(注3)重症成人GH分泌不全症が疑われる場合は、インスリン負荷試験又はGHRP-2負荷試験をまず試みる。インスリン負荷試験は虚血性心疾患や痙攣発作を持つ患者では禁忌である。追加検査としてアルギニン負荷あるいはグルカゴン負荷試験を行う。クロニジン負荷、L-DOPA負荷は偽性低反応を示すことがあり、GHRH負荷試験は視床下部障害や放射線療法後に偽性反応を示すことがあるため診断基準には含まれていない。
(注4)現在のGH測定キットはリコンビナントGHに準拠した標準品を用いている。キットによりGH値が異なるため、成長科学協会のキットごとの補正式で補正したGH値で判定する。
(注5)次のような状態においては、GH分泌刺激試験において低反応を示すことがあるので注意を必要とする。
1.

また,高度・中等度リスクの経口抗がん薬に対して,MASCC/ESMO ガイドライン2016 では,5-HT3受容体拮抗薬,副腎皮質ステロイドの2 剤併用が推奨されている。NCCN ガイドライン2017 では,5-HT3受容体拮抗薬の経口連日投与が推奨されているが,シクロホスファミド,エトポシド,テモゾロミドでは,日常臨床において治療目的や放射線治療併用のために副腎皮質ステロイドが併用されていることが多い。

連携先のサイトで、学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)が連携している機関・データベースの所蔵状況を確認できます。

注1: 英語表記は本邦未承認。
注 2: 「 ※」は海外のガイドラインには記載がないが,わが国では使用可能な薬剤。
注3: 下線付きの薬剤は30 年以上前に開発された薬剤(アムルビシン,ネダプラチン,ピラルビシンを除く)。 (3)注射抗がん薬における催吐性リスクに応じた制吐薬の選択 がん薬物療法における基本的な制吐薬として,NK1受容体拮抗薬,5-HT3受容体拮抗薬,デキサメタゾンの3 剤があり,これらを催吐性リスクによって使い分けていく(→,,制吐療法アルゴリズム,制吐薬治療のダイアグラム)。最近のQI 調査においては,催吐性リスクに応じた適切な制吐療法をどの程度行っているか,それを確実に行う体制が整備されているかが評価項目となっており,施設全体の取り組みであるという認識が必要である。 5-HT3受容体拮抗薬は,第1 世代,第2 世代と多くの種類があるが, 最大限の制吐効果を得るために最新の高価な薬剤を使っても有効性の優劣が明確でない場合もある。抗がん薬の催吐性リスクだけでなく, どの化学療法レジメンで, どのような制吐レジメンを用いるかで, 第一世代と第二世代の使い分けが示されており(→), 有効性が同等であればより安価な方を選択し適切に制吐療法を行っていくことが推奨される。 がん患者では,抗がん薬以外にも支持療法や併存症に対する治療薬を併用している場合が多いため,薬物相互作用によるそれぞれの薬効の変化にも留意した選択・用量調節が必要である(→)。 (4)経口抗がん薬における催吐性リスク評価と制吐療法 経口抗がん薬における催吐性リスクについては,MASCC/ESMO ガイドライン2016 を参考に作成委員会内でコンセンサスを確認し, それ以外の薬剤については承認申請時のデータ,代表的な臨床試験の報告をもって に示すリスク分類とした。わが国で使用頻度の高いテガフール・ギメラシル・オテラシル(S-1)では,悪心の発現頻度は3~54%,Grade 3/4 は0.2~7.1%,嘔吐の発現頻度は14~28%,Grade 3/4 は1.2~4.3%と報告されており,軽度リスクに分類した。トリフルリジン・チピラシル(TAS-102)は悪心と嘔吐の発現頻度がそれぞれ48%,28%であることから中等度リスクに,アレクチニブは悪心の発現頻度が13%であり軽度リスクに分類した(→)。レンバチニブでは悪心の発現頻度が41%, Grade 3 が2.3%であり, 中等度リスクに分類した。 注1: 英語表記は本邦未承認。
注 2: 「 ※」は海外のガイドラインには記載がないが,わが国では使用可能な薬剤。 (5)制吐療法の評価 現在, 抗がん薬の副作用である悪心・嘔吐の評価方法としては, CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Event) v4.0-JCOG が用いられているが,これは制吐療法の評価方法ではない(→)。従来のわが国の制吐療法における臨床試験では,悪心・嘔吐が「ない」,「我慢できる」から,「ほとんど食べられない」といったチェック項目を患者に提示して個々の治療効果を示してもらうなどの方法がとられていた。最近の臨床試験では,がん薬物療法施行後0~120 時間の完全制御割合,0~24 時間の完全制御割合(急性),24~120 時間の完全制御割合(遅発性)などが評価項目として用いられている()。しかし,医療者は過小評価の傾向が指摘されており,悪心・嘔吐の予測がどの程度できているかの評価も重要である。また, 患者自身による主観評価にあたる Patient-Reported Outcome (PRO) の重要性も認識されてきており, がん臨床試験における患者の自己評価に基づき, 有害事象評価の正確性と高い精度のグレーディングを追及したツールとしてPRO-CTCAEが公開されてきており(), 日常診療として客観的評価とどのようにして関連づけて評価していくか等に関する検討が必要になるであろう。 1) 佐伯俊昭.制吐薬適正使用ガイドラインに関するアンケート調査.癌と化療.2015; 42: 305-11. 2) 渡部智貴,半田智子,加藤裕久.日本国内の臨床試験に基づく抗がん剤の催吐性リスク分類.癌と化療.2015; 42: 335-41. 3) 有害事象共通用語規準v4.0日本語訳JCOG版(CTCAE v4.0 - JCOG)
(accessed January 18, 2018) 4) Tamura K, Aiba K, Saeki T, et al. Testing the effectiveness of antiemetic guidelines: results of a prospective registry by the CINV Study Group of Japan. Int J Clin Oncol. 2015; 20: 855-65. 5) PRO-CTCAE™ 日本語版.
(accessed January 18, 2018) 6) Yana T, Negoro S, Takada M, et al. PhaseⅡ study of amrubicin in previously untreated patients with extensive-disease small cell lung cancer: West Japan Thoracic Oncology Group(WJTOG)study. Invest New Drugs. 2007; 25: 253-8. 7) Kimura K, Yamada K, Uzuka Y, et al. PhaseⅠ study of N4-behenoyl-1-1-beta-d-arabinofuranosylcytosine and its phaseⅡ study in adult acute leukemia. Current chemotherapy and immunotherapy. Proceedings. 12th International Congress of Chemotherapy, pp 1306-8, 1982. 8) 太田和夫.ネダプラチン(Nedaplatin)について.癌と化療.1996; 23: 79-87. 9) 塚越茂.Pirarubicin(THP-Adriamycin)について.癌と化療.1998; 15: 2819-27. 10) Fujiyama S, Shibata J, Maeda S, et al. Phase I clinical study of a novel lipophilic platinum complex(SM-11355)in patients with hepatocellular carcinoma refractory to cisplatin/lipiodol. Br J Cancer. 2003; 89: 1614-9. 11) 斉藤達雄.Nitrosourea 系新規抗癌剤ACNU{1-(4-Amino-2-methyl-5-pyrimidanyl)methyl-2-(2-chloroethyl)-3-nitrosourea hydrochloride}のPhaseⅠおよびPhaseⅡStudy.癌と化療.1977; 4: 105-18. 12) 正岡徹,他.造血器腫瘍性疾患におけるMCNU の臨床第Ⅱ 相試験.Chemotherapy.1985; 33: 271-8. 13) 木村禧代二.共同研究によるVidesine sulfate の固形腫瘍に対するPhaseⅡStudy.癌と化療.1983; 10: 2036-42. 14) 犬山征夫.ペプレオマイシン.癌と化療.1980; 7: 1498-504. 15) Schlumberger M, Tahara M, Wirth LJ, et al. Lenvatinib versus placebo in radioiode-refractory thyroid cancer. N Engl J Med. 2015 ; 372: 621-30. 16) Seto T, Kiura K, Nishio M, et al. CH5424802(RO5424802)for patients with LK-rearranged advanced non-small-cell lung cancer(AF-001JP study): a single-arm, open-label, phase 1-2 study. Lancet Oncol. 2013; 14: 590-8. 17) Vidula N, Rugo HS. Cycline-dependent linase 4/6 inhibitors for the treatment of breast cancer: a review of preclinical and clinical data. Clin Breast Cancer. 2016; 16: 8-17. 18) Goss G, Tsai CM, Shepherd FA, et al. Osimertinb for pretreated EGFR Thr790Met-positive advanced non-small-cell lung cancer (AURA2): a multicenter, open-label, single-arm, phase 2 study. Lancet Oncol. 2016 ; 17 : 1643-52. 19) Kantarjian HM, Shah NP, Cortes JE, et al. Dasatinib in newly diagnosed chronic-phase chronic myeloid leukemia: 2-year follow-up from a randomized phase 3 trial (DASISION). Blood. 2012; 119: 1123-29 20) Flaherty KT, Robert C, Hersy P, et al. Improved survival with MEK inhibitor in BRAF-mutated melanoma. N Engl J Med. 2012 ; 367: 107-14. 21) Dummer R, Duvic M, Scarisbrick J, et al. Final results of multicenter phase II Study of the purine nucleoside phosphorylase (PNP) inhibitor forodesine in patients with advanced cutaneous t-cell lymphomas (CTCL) (Mydosis fungoides and Sé zary syndrome). Ann of Oncol . 2014 ; 1807-12.

副腎性クッシング症候群の場合、血液検査の際にコルチゾールの作用が過剰でACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の値が低くなります。ACTHの値が低くコルチゾールが正常~高値の場合、クッシング症候群が疑われます。コルチゾールの値が正常でも、深夜のコルチゾール高値やデキサメタゾン(合成糖質コルチコイド)内服後にコルチゾールの値が高く、クッシング症候群の症状が確認されると確定診断となります。


デカドロン錠4mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

1次性倦怠感は腫瘍自体による症状が主であるため、基本的には対症療法が中心となる。一方で2次性倦怠感は電解質異常や薬剤性、貧血、抑うつ、睡眠障害等が原因であるため、それらの補正や中止、治療により症状改善が図れる可能性がある。例えば、化学療法に起因する嘔吐や下痢等による電解質異常では制吐剤や止瀉薬の使用、および電解質補正等により症状が改善される可能性があり、また、薬物療法に加え、環境整備やNST等のチーム介入により改善できる因子も存在する。一方で、抗うつ剤や睡眠障害を改善させるための睡眠導入剤、睡眠薬等はそれ自体が倦怠感を引き起こす可能性があるため、安易な使用には注意が必要である。CRFの原因が睡眠障害である場合には、CRFの改善を目的とした睡眠障害の改善に対する非薬物療法も報告12)されており、リラグゼーションや適度な運動等を併せて取り入れることが睡眠障害の軽減につながり結果的にCRFの軽減につながる。
CRFに対する薬物療法としては精神刺激薬であるメチルフェニデート13)やペモリン14)、デキサメタゾン等のステロイド15)の使用が海外を中心に報告されている。メチルフェニデートは倦怠感が強いほどその有効性は高いとの報告16)もあり、緩和ケア病棟や多くの緩和ケア医にも使用されてきた薬剤であるが、本邦ではナルコレプシーにのみ適応となっており、CRFに対する適応はない。また、適応による流通制限もありCRFに対して安易に適応し難い状況である。ペモリンは適応外(本邦での適応は軽症うつ病、抑うつ神経症、ナルコレプシー)となるが、本邦でも使用可能な精神刺激薬である。しかし、メチルフェニデートほどの効力はなく、また、肝障害の発現には注意が必要である。ステロイドに関しては本邦でもCRFに対して広く経験的に用いられている。一般的にはベタメタゾン(リンデロン®)注を4mg/日程度で開始し、効果がなければ数日で中止、効果が得られれば効果の得られる最低用量まで漸減して継続といった方法が実臨床では用いられているが、その投与量や投与期間については確立されておらず、長期投与における比較試験でのエビデンスはない。一方、漢方薬である補中益気湯や十全大補湯のCRFに対する有効性も報告17,18)されているが、エビデンスとして確立したものではない。また、マルチビタミン等のサプリメントの効果に関してはCRFに対するその有用性は示されていない19)

レナデックス錠4mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

副腎皮質の束状層で産生される副腎皮質ホルモンで知られるの一つ、コルチゾール(Cortisol)を、競合法を用いて、法により定量するELISAキットです。全動物種に対応しています。コルチゾールは、ストレスに対する応答に関与し、血圧、血糖値、およびストレス適応の他の作用に影響を及ぼすことから、しばしば「ストレスホルモン」と呼ばれます。

うつ状態 、 血栓塞栓症 、 好中球減少症 、 血小板減少症 、 貧血 、 血管浮腫 、 浮腫

コルチゾール(C21H30O5)は、副腎皮質によって産生、分泌される主要な糖質コルチコイドです。免疫学的には重要な抗炎症物質として機能しており、過敏症、免疫抑制および疾患耐性において役割を果たしています。ストレスに対する応答に関与し、血圧、血糖値、およびストレス適応の他の作用に影響を及ぼすことから、しばしば「ストレスホルモン」と呼ばれます。

病、粘膜皮膚眼症候群〔開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚 ..

副腎性クッシング症候群:副腎皮質の腫瘍などでコルチゾールが過剰分泌されます。
ACTH依存性クッシング症候群:ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が過剰に分泌されることでコルチゾールが増える状態です。このうち下垂体の腫瘍によって下垂体からACTHが過剰に分泌される場合を「クッシング病」、肺がんなど下垂体以外の腫瘍によってACTHが過剰に分泌する場合を「異所性ACTH症候群」といいます。
薬剤性クッシング症候群:コルチゾールと同様の作用を持つ薬剤によってコルチゾール作用過剰の症状が現れます。

11.1.4 精神変調、うつ状態、痙攣(いずれも頻度不明)[9.1.1参照]


測定法: 比色法 外注会社:SRL(平成18年6月27日より) BML(平成18年6月26日まで) 大塚(平成15年3月31日まで) 臨床的意義
17-OHCS(17-ヒドロキシコルチコイド)はステロイド骨格の17、21位にヒドロキシ基(-OH)、20位にケトン基(=CO)を有し、酸性下でフェニルヒドラジンと反応して呈色(Porter-Silber色原体)するステロイドである。副腎皮質束状層から分泌されるコルチゾール(F)は、代謝されて種々の代謝物として尿中に排泄される。Fの一部は、肝・腎で11β-デヒドロゲナーゼによりコルチゾン(E)となる。FとEは、肝で還元されてテトラヒドロ型(THF(5α型=allo型、5β型)、THE)となり、さらに肝で3位にグルクロン酸が抱合されて尿中に排泄される。副腎皮質から分泌されたFの30~40%がTHF、THEとして排泄され、尿中17-OHCSの大半を占めている。これらのほかに、遊離Fと、Fの前駆物質の11-デオキシコルチゾール(S)のテトラヒドロ型(THS)のグルクロン酸抱合物が、少量ではあるが尿中17-OHCSとして測定される。副腎皮質束状層からのFの分泌は間挿的(episodic)であるので、血中Fの値は採血時の血中濃度を示しているにすぎない。一方、尿中17-OHCS値は採尿時間内の副腎皮質からのFの分泌量を反映しているので、尿中17-OHCSの測定によって副腎皮質束状層の機能評価ができる。副腎皮質束状層はCRF-ACTHの支配下にあるので、尿中17-OHCSの測定は視床下部-下垂体前葉-副腎皮質系の機能検査に用いられている。一般に、24時間の尿中17-OHCS排泄量が用いられている。

異常値を示す疾患
高値疾患: Cushing症候群、甲状腺機能亢進症、11β-Ohlase欠損症、慢性アルコール中毒、重症うつ病、単純性肥満

低値疾患: 部分的Addison病、甲状腺機能低下症、肝硬変、腎不全、下垂体前葉機能低下症、ACTH単独欠損症、21-Ohlase欠損症、17-Ohlase欠損症、Addison病、医原性副腎不全

基準値: 男性 2.1~11.5 mg/day 女性 2.6~7.8 mg/day

採取容器: 関連項目

血中ACTH
負荷試験(デキサメタゾン、メトピロン、CRH、ACTH)
下垂体静脈洞カニュレーション
下垂体MRI
甲状腺機能検査
尿17-KS
尿THS
血中11-deoxycortisol
γ-GTP
脳CT
血中cortisol
肝機能検査
腎機能検査
下垂体前葉機能検査
トルコ鞍部X-P

血中17-hydroxyprogesterone
尿中pregnanetriol
血中11-deoxycorticosterone

副腎皮質ステロイド | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)

副腎皮質ステロイドによる精神症状は、多幸感、そう状態、情緒不安定、不眠、抑うつ、行動の変調、自殺企図など多様である。コルチゾール、デキサメタゾンが最も発現頻度が高く、次にプレドニゾロンが高い。発現時期は、早期出現型(治療開始後2週間くらいまでに出現し、減量で急速に消失)、中期発現型(治療開始後2週間~1ヶ月くらいから発現し、投与量がある程度減量されるまで持続)、後期発現型(治療開始後数ヶ月してから問題となる)に分類され、早期と中期が多い。危険因子として、①女性、②プレドニゾロン換算で40㎎以上の高用量、③長期投与等があげられるが、投与量と精神症状の発現の潜時、持続時間、程度、病像の種類との関係に相関はない。投与後の経過と神経症状の特徴については、以下の3群に分類される。

③⻑時間型:ベタメタゾン(商品名:リンデロン)、デキサメタゾン(商品名:デカドロン) ..

NCCN ガイドライン 2015 では,アプレピタントの代わりに多受容体作用抗精神病薬(MARTA)であるオランザピンをパロノセトロンとデキサメタゾンと3 剤併用で用いるオプションが示された。さらに同2017では,新たにアプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加えるレジメンも提示された。これらは,シスプラチンとAC療法を含む高度リスク抗がん薬投与に際し,オランザピンが,パロノセトロンとデキサメタゾン併用下においてアプレピタントと同等であることが示された第Ⅲ相ランダム化比較試験や,アプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加える有用性が示された第III相ランダム化比較試験の結果を受けている。ASCO ガイドライン2017 でもオランザピンを加えた4剤併用が推奨療法として追加された。オランザピンはわが国でも複数の臨床試験が行われた。オランザピンは公知申請により2017 年6 月から,他の制吐薬との併用において成人では5㎎ を1 日1 回経口投与(患者状態により最大1日10㎎ まで増量可能),最大6 日間を目安として先発品と一部の後発品で保険下にて使用が可能となった。本邦における推奨用量,使用方法については未だ検証段階であるため,適切な患者に慎重に投与することが望まれる。慎重投与すべき患者としては,糖尿病患者ならびに高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者であり,使用に際しては副作用の傾眠や血糖上昇に十分注意する。高齢者への投与も慎重に行うべきである。作用点が重複するドパミンD2 受容体拮抗薬ドンペリドン,メトクロプラミド,ハロペリドール,リスペリドンなどとの併用は勧められず,また,睡眠薬との併用には注意を要する。投与量に関してはランダム化第Ⅱ 相試験ではあるが,高度リスク抗がん薬投与に対し3剤併用に加えたオランザピン5 ㎎ と10 ㎎では遅発期の悪心・嘔吐の制御において同等であったとの報告もある