投与期間は、第Ⅰ期は2~4週間、第Ⅱ期では4~8週間、第Ⅲ期以降では8~12週間の服用が目安です。 またHIV患者での梅毒の治療には、


梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌に感染して起こる性感染症で、近年特に若い女性に急増しています。
普通のセックスで感染しますが、オーラルセックス(フェラチオ)やアナルセックスでも感染します。
症状が現れたり消えたりを繰り返しながら徐々に全身を侵していく感染症です。症状がいったん消えるため自然に治ったと思われ、放置されて見逃され病状が進行し、さらに感染を拡大させてしまう危険性が大きい病気です。


⾼く保つ作⽤のあるプロベネシドとアモキシシリンを併⽤することにより梅毒を治療してきた ..

皮膚科や感染症科でも、梅毒の治療の処方箋が発行されることは予想されます。

女性患者から婦人科の処方箋を受け取った時や、男性患者から泌尿器科の処方箋を受け取った時に、アモキシシリンだけ書かれているような場合、梅毒を疑ってみてもよいでしょう。

・早期梅毒:アモキシシリン3000mg (12錠)+プロベネシド750mg 分3 2週間

第2期では、「丘疹性梅毒疹」という小豆大の赤褐色の丘疹・結節が出現します。
「梅毒性乾癬」は、梅毒性丘疹が手のひら・足の裏や全身に現れたもので、盛り上がった発疹の上の乾いた皮膚がポロポロと剥がれ落ちます。乾癬とよく似ていますが、乾癬は通常手のひらや足の裏には現れないので、梅毒性乾癬の特徴的な症状といえます。

梅毒の治療時に注意しなければならないのはペニシリン投与によるJarisch-Herxheimer反応であり, 治療後24時間以内に頭痛, 筋肉痛, 発熱等の症状が生じる。治療により, 菌量の多い早期にT. pallidumの菌体が破壊されることによると考えられる。女性に起こりやすいとされているが, もちろん, 男性でも発現する。梅毒と診断がついていればペニシリンが投与されるが, 梅毒の診断がされていない状態で, 他の疾患を想定して, 例えば, セファロスポリン系抗菌薬が投与されていたとしても生じ得る。一般的には, 症状は自然軽快するが, 妊婦にベンジルペニシリンベンザチンを投与する場合には, このJarisch-Herxheimer反応により胎児機能不全や早産の危険性があることから, 入院観察での投与をすべきとの考えもある。

梅毒:アモキシシリン3000mg (12錠)+プロベネシド750mg 分3 4週間

次によくみられる症状は「梅毒性バラ疹」という赤い発疹です。手のひら・腕・背中・おなか・足の裏によくみられます。痛みかゆみなどの自覚症状もなく、数週間で消えてしまうのでアレルギー性湿疹や蕁麻疹と間違えて放置されることもあります。

梅毒の治療時に注意しなければならないのはペニシリン投与によるJarisch-Herxheimer反応であり, 治療後24時間以内に頭痛, 筋肉痛, 発熱等の症状が生じる。治療により, 菌量の多い早期にT. pallidumの菌体が破壊されることによると考えられる。女性に起こりやすいとされているが, もちろん, 男性でも発現する。梅毒と診断がついていればペニシリンが投与されるが, 梅毒の診断がされていない状態で, 他の疾患を想定して, 例えば, セファロスポリン系抗菌薬が投与されていたとしても生じ得る。一般的には, 症状は自然軽快するが, 妊婦にベンジルペニシリンベンザチンを投与する場合には, このJarisch-Herxheimer反応により胎児機能不全や早産の危険性があることから, 入院観察での投与をすべきとの考えもある。

*アモキシシリンに尿酸排泄薬のプロベネシドを併用するのは、アモキシシリンの尿中排泄を阻害して、血中濃度を維持するためです。 【第三期梅毒】

このように梅毒の治療の際はアモキシシリンが高用量で処方されるケースがあることを頭に入れておかなければいけません。

Pallidum を抗原とする以下のいずれかの検査に陽性のもの
・TPHA 法
・FTA‐ ABS 法
○無症候梅毒では、カルジオリピンを抗原とする検査で16 倍以上陽性かつT.


梅毒 | ガイドライン(鑑別・症状・診断基準・治療方針) | HOKUTO

わが国では, 梅毒治療の第1選択は, ベンジルペニシリンベンザチンとアモキシシリンである1-3)。いずれの薬剤も梅毒に有効であるが, 多数例での比較試験はない。ベンジルペニシリンベンザチンは, 早期梅毒には1回240万単位を筋注, 後期梅毒には週に1回240万単位を計3回の筋注として投与する1,2)。有効性を評価する比較試験はないものの, 長く使われてきており, その高い有効性は臨床現場で経験的に認識されている。ベンジルペニシリンベンザチンに特異的な副反応ではないが, 筋肉注射の薬剤で稀に認められる副反応4)については知識として知っておいて良いだろう。アモキシシリンは, 1回500mgを1日3回で28日間として投与する1)。わが国から, 1日1,500mg3)と1日3,000mg5)投与での有効性を評価した報告があり, いずれも有効性は高い。梅毒診療においては, 後述するように, 治療効果判定を治療後の梅毒抗体検査で確認することから, 4週間の投与期間であっても再診できる患者であれば問題ない。ペニシリンアレルギーの場合には, わが国の保険診療に鑑みてミノサイクリンを投与する1)。ミノサイクリンの効果はベンジルペニシリンベンザチンと同等との報告6)がある。

日本でもアモキシシリン(AMPC)3000mg/日とプロベネシドによる治療成功率が95.5%という報告があります。

梅毒は性感染症であることから、デリケートな話題のため、患者が何の目的で処方されたのか話さないこともありますが、処方箋の内容でピンときたら、言葉に注意し、工夫しながら投薬することが大切です。

[PDF] アモキシシリン水和物 小児感染症に対する最大投与量の変更

わが国では, 梅毒治療の第1選択は, ベンジルペニシリンベンザチンとアモキシシリンである1-3)。いずれの薬剤も梅毒に有効であるが, 多数例での比較試験はない。ベンジルペニシリンベンザチンは, 早期梅毒には1回240万単位を筋注, 後期梅毒には週に1回240万単位を計3回の筋注として投与する1,2)。有効性を評価する比較試験はないものの, 長く使われてきており, その高い有効性は臨床現場で経験的に認識されている。ベンジルペニシリンベンザチンに特異的な副反応ではないが, 筋肉注射の薬剤で稀に認められる副反応4)については知識として知っておいて良いだろう。アモキシシリンは, 1回500mgを1日3回で28日間として投与する1)。わが国から, 1日1,500mg3)と1日3,000mg5)投与での有効性を評価した報告があり, いずれも有効性は高い。梅毒診療においては, 後述するように, 治療効果判定を治療後の梅毒抗体検査で確認することから, 4週間の投与期間であっても再診できる患者であれば問題ない。ペニシリンアレルギーの場合には, わが国の保険診療に鑑みてミノサイクリンを投与する1)。ミノサイクリンの効果はベンジルペニシリンベンザチンと同等との報告6)がある。

場合は、AMPC 1 日 1500~3000mg を 3~4 回に分けて投与する。1 日用量を

梅毒血清反応(RPR・TPHA)で検査しますが、感染から約4週以上経過しないと陽性反応が出ないため、症状が現れてすぐに検査をしても陰性になる場合があります。その場合は、2週間ほど間をあけて再検査を行います。

Combination of Amoxicillin 3,000 mg and Probenecid.

感染機会があり, 典型的な所見が認められ, 梅毒抗体検査の値との組み合わせにより梅毒と診断することで, 治療を開始する。ただし, 典型的な所見を認めない場合も少なからずあることから, 所見自体を認めない無症候例であっても, 問診と梅毒抗体検査などの結果を総合的に判断して治療を開始する場合もある。臨床所見と検査結果に乖離がある場合には, 梅毒抗体検査を2~4週間後に再検することも1つの選択肢である。

活動性梅毒と診断した場合は HIV 抗原抗体検査も勧めましょう(保険適用)。 4.治療(成人)は、A または B を選択

梅毒は過去の病気と思われていることもあり、若手の医師は、第Ⅱ期の発疹を、アトピー性皮膚炎や他の皮膚疾患と間違えて診断されることもあるようです。

追記:2015年に国立国際医療研究センターにより下記治療が提唱されております。 ..

感染機会があり, 典型的な所見が認められ, 梅毒抗体検査の値との組み合わせにより梅毒と診断することで, 治療を開始する。ただし, 典型的な所見を認めない場合も少なからずあることから, 所見自体を認めない無症候例であっても, 問診と梅毒抗体検査などの結果を総合的に判断して治療を開始する場合もある。臨床所見と検査結果に乖離がある場合には, 梅毒抗体検査を2~4週間後に再検することも1つの選択肢である。

梅毒感染時期不明の治療について。 person 30代/女性 - 2024/06/04

合成ペニシリン(サワシリン・アモキシシリン)を第1期では2~4週間、第2期では4~8週間服用します。

STS(RPR) (-) TPHA(-) 非梅毒、ごく初期の梅毒、初期梅毒治癒後

This damage may be serious enough to cause death

潜伏梅毒は将来的に合併症を引き起こすことがあります。治療歴の無い、RPR定性陽性、TPHA抗体陽性患者は必ずRPR定量検査を行い感染後か潜伏期か判別しましょう。又梅毒は感染症により第5類感染症で、全例を都道府県知事に7日以内に届け出ることになっています。臨床的特徴を呈していないが、カルジリピンを抗原とする検査において16倍以上又はそれに相当する抗体を保有する者、無症状病原体保有者も届け出る必要があります。(無症候性梅毒と異なり治療後の陳旧性梅毒は届け出る必要はありません)
後期潜伏梅毒では伝染性は殆どないため、特別な感染対策は必要ありません。


以下 2010年10月における情報となります。

発生状況
早期潜伏梅毒(米国:2007):10768件
晩期梅毒、晩期潜伏梅毒(米国:2007年):18256件
日本:2001年 1177例

分類
前期潜伏梅毒(1 年以内)、後期潜伏梅毒(1 年以降);感染1年以内では患者は再発のリスクがあるため、感染性があるとみなされる。しばしば前期、後期の区別は困難である。

症状
・無症状、無治療で15-40%の患者に晩期梅毒を引き起こす。
・神経梅毒は無症状が最も多いので要注意。神経梅毒の40%は無症状である。


梅毒の検査
STS (-) TPHA(-) 非梅毒、ごく初期の梅毒、初期梅毒治癒後
STS(-) TPHA(+)梅毒治癒後の抗体保有者、非常に古い梅毒、地帯現象、歯槽膿漏、伝染性単核症などのTPHA法の偽陽性
STS(+) TPHA(-) 初期梅毒、生物学的偽陽性(BFP)
STS(+)TPHA(+)梅毒(早期~晩期、再感染)、梅毒治癒後の抗体保有者、他のスピロヘータ感染症

→STS(+) TPHA(-)の場合で梅毒の歴が無く、FTA-IgMが陰性での場合では擬陽性ととらえるべきである。
→STS(+) TPHA(+)の患者ではRPR定量検査を行う。
→治療後でRPR32倍以上は殆ど認められない。

・欧州のガイドラインではFTA-ABSは通常の確定診断においては推奨されていないとされている。
・Anti-treponemal IgM(FTA-ABS IgM)検査は晩期梅毒感染を除外できない。

・非トレポネーマ抗原の定量検査は無症候性梅毒の場合には陳旧性かどうか(治療すべきかどうか)の判定に用い,治療開始後であれば治療効果の判定に用いる.
・無症候性で,RPRが4倍前後(2-8倍)では陳旧性梅毒とされ治療の必要はない。
神経梅毒の合併に要注意。
TABLE 238-2 -- Indications for CSF Examination in a Syphilitic Patient(Mandell)
Neurologic, otologic, or ophthalmologic signs and symptoms

Late or late latent syphilis

Treatment failure (clinical recurrence or persistence of signs and symptoms, lack of nontreponemal serologic response: fourfold decrease at 24-60 mo or fourfold increase at any time).

VDRL/RPR blood titer ≥ 32

欧州ガイドラインでは髄液検査の基準をRPR titer 32倍以上+HIV感染例としている。

神経梅毒の診断
・髄液中:TPHA or FTA-ABS陽性 かつ単核球増加(5-10以上)又はRPR陽性
TPHA titerが髄液で320倍以下、血清で640倍以下の時は可能性が低い。

感染対策
感染性は通常無く、標準予防策となる。


治療
晩期潜伏梅毒
海外
・Benathine penicillin 240万単位 筋注(1.8.15日目)IIIB
・Procaine penicillin 60万単位 筋注 17-21日 IIIB

・Doxycycline 200mg 連日 21-28日(IV C)
・Tetracycyline 500mg 4回 28日間(IVC)
・Erythromycin 500mg 4回 28日間(IV C)

早期潜伏梅毒では上記治療を14日間、又はazithromycin 2g 1回内服
日本ではペニシリン系はアモキシシリン1500mg(日本性感染症治療ガイドライン)28日間

追記:2015年に国立国際医療研究センターにより下記治療が提唱されております。
早期梅毒:アモキシシリン3000mg (12錠)+プロベネシド750mg 分3 2週間
後期梅毒:アモキシシリン3000mg (12錠)+プロベネシド750mg 分3 4週間

アモキシシリン=サワシリン
プロベネシド=ベネシッド(ペニシリンの血中濃度を上げる)
:アモキシシリンはいずれも保険用量を超える。

2017年の追記情報はこちら


・治療効果の判定には、抗カルジオリピン抗体の減少と臨床所見を経時的に追跡する。抗カルジオリピン抗体の完全な陰性化は起こらないか、仮に起こるとしても長期間を要するので、抗体価の絶対値ではなく、減少傾向があるかどうかをみることが重要である。十分な治療後でも抗体価の低下には時間がかかるので、いたずらに長期にわたる治療は意味がない。
・治療効果判定のため,1カ月に1回程度抗体価を測定し,RPRの値が治療前の1/4に低下するまでフォローし,下がりが悪い場合は適宜再治療を行う.
・治療後6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月でRPR定量の再検を行う事。
・治癒してもRPR Tp抗体検査は陰性化しないのが普通であることを患者に説明し,また再燃・再感染の判断材料になるので,治癒時点の検査記録を保管しておくことを勧めている.
・定期的な梅毒血清反応を含む経過観察がしばらく必要である。
・なお、TPHA法やFTA-ABS法は治癒後も高値で残ることが多く、治療効果の指標にはならない。Treponemal test antibody titers do not correlate with disease activity and should not be used to assess treatment response
・患者のVDRLやRPR価が4倍上昇したり、初回価が>1:32で12~24か月で4分の1下がることが 無ければ腰椎穿刺を、神経梅毒を否定するために行うべきで患者も再治療されるべきである。
・RPRの法がVDRLより少し高めに出る。
・RPR/VDRL定量が陰性の初期梅毒ではIgMのモニタリングは有用かもしれない。(欧州ガイドライン2008)



感染症法における取り扱い(2003年11月施行の感染症法改正に伴い更新)
梅毒は5類感染症全数把握疾患に定められており、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出る。届け出の基準は以下の通りとなっている。
○診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって検査所見による診断がなされたもの。
・病原体の検出
発しんからパーカーインクなどでT.

アモキシシリンは梅毒の場合、通常の感染症と服用量が違います。

・第2期梅毒では、手掌や足底を含む全身に丘疹を生じることが典型的な皮膚所見