メラトニンにとってセロトニンは不可欠なホルモンということが分かりますね。


このようにメラトニンは昼間の明暗サイクルにより変化することから内因性リズムを持つ生物時計に24時間の指標を与える働きをしています。またメラトニンは生物時計の文字盤の役割もしています。すなわち夕方から夜間にかけて血中メラトニン量が増加すると、視交叉上核と全身の臓器にあるメラトニン受容体に情報が伝えられ、夜間、休止した方がよい各臓器に生体変化を起こさせます。すなわち脳では睡眠中枢を優位に働かせて睡眠を起こさせ、副交感神経を優位に保つことにより自律神経系を鎮静させ、代謝では同化作用を起こし、免疫系を賦活させるのです。昼間に血中メラトニンが低下、消失すると脳の覚醒中枢が優位になり、目覚めて活動し、自律神経系においても交感神経系支配が優位となり、内分泌系機能もそれに適した状態がつくられるのです。


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メラトニンの作用

睡眠の質の向上

・メラトニンは、就寝時と起床時において重要な役割を果たします。暗闇はメラトニンの放出を刺激し、また光はその活動を抑えます。夕方に過度の光を浴びることや、日中の日光不足は正常メラトニンサイクルの崩壊を引き起こします。

・メラトニンは入眠と睡眠の質をサポートし、急速眼球運動を伴う睡眠(レム睡眠)の時間を増加させ深い睡眠をもたらします。
これらの変化は、より上質な睡眠を示し充実した精神的、身体的、感情的な活性化をもたらします。

・メラトニンは、睡眠までに要する時間を短縮し、睡眠時間を増加させ日中の活力をサポートします。

・メラトニンは不眠症を患う人々におけるQOL の改善をサポートします。また、一部の専門家はメラトニンが不眠症に苦しむ
自閉症の子どもたちにとって価値あるものであることを提唱しています。

・メラトニンは、睡眠覚醒サイクルのバランスを保ち睡眠の質をサポートします。 心身健康を増進し、いらつきを減少させることも重要な作用のひとつです。

以上の通り,良質の睡眠を実現する上でメラトニンの分泌は不可欠ですが,この「ドラキュラホルモン」といわれるメラトニンは,ちょっとしたことで分泌が抑制されてしまいます。そこで,以下に,メラトニンの分泌を抑制してしまう主なものを挙げます。
(1) 寝る前2〜3時間の,200〜300ルクス以上の光刺激,特に商店街の明かりやコンビニの照明はNGです。また,テレビやパソコンのモニタの明かりもNGです。

(2) 寝る前2〜3時間の,刺激物の摂取,特にコーヒーや緑茶などカフェインの入ったものはNGです。カフェインはメラトニン分泌を強力に抑制します。

(3) 睡眠環境(寝室)における30ルクス以上の明かりはNGです。ロウソクの明かりは15ルクス位です。0.3ルクス位が理想的です。障子越しの月明かりです。理想的な睡眠環境に関しては,次回に詳細に説明します。

睡眠薬は『作用』から2つに分類、更に『構造』から5つに分かれます。

だいぶ以前に不眠症についてはお話したことがありますが、平成26年11月に全く新しいタイプの睡眠薬が発売となりましたので、改めて不眠症についてお話いたします。

ポケモンGOの登場により、スマートフォン(以下スマホ)、ゲーム機、タブレット端末が子どもたちの脳に与える影響が再び注目されています。

電子機器の多くが携帯性にすぐれ、ゲーム、スマホを長時間楽しむ子どもたちは、布団やベッドの中で睡眠直前まで機器を使用する傾向があります。
スマホ、携帯ゲーム機のディスプレイ(液晶画面)から発せられるブルーライトが睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌に悪影響を及ぼす可能性が報告されています。バックライトでディスプレイを表示するノートPCなどでも同じ危険性があるようです。電子機器が発する電磁波が子どもの脳に及ぼす影響を懸念する研究者もいます。したがって、就寝1~2時間前、あるいは夜の21~22時以降は、子どもたちに電子機器を使用しないように指導するべきと考えます。

厚生労働省も2014年3月、睡眠前のスマホ使用に関し注意喚起を行っています。就寝前のスマホ使用が睡眠障害を誘発することが世界中で報告され、欧米の一部の国で規制がなされたことを考慮したためと推定されます。

メラトニンは睡眠中、脳内の松果体から分泌されるホルモンで、睡眠・覚醒リズムの調整に深く関与しています。朝、光を浴びると、脳内の体内時計がリセットされて覚醒状態となります。同時に体内時計からの信号によりメラトニン分泌が抑えられます。一方、覚醒後14~16時間が経過すると、体内時計からの指令によりメラトニンは再び分泌されます。その作用で深部体温が低下し眠気を感じるようになります。メラトニンは概日リズムの調整以外にも、抗酸化、免疫調整など多様な作用を有しています。
日中はなるべく外で体を動かし、夜は電子機器の使用を極力控えることにより、睡眠・覚醒リズムを整えることは、メラトニンのみならず、子どもたちの脳の発達によい効果を与えます。

ゲーム・スマホの使用に関して、是非もう一度ご家族でご相談されることをおすすめいたします。

メラトニンと光は密接に関係していて、2つの大きな影響があります。

しかし、実は加齢によってメラトニンの分泌量は低下していくこともわかっています。
1歳~3歳頃までが最も多く、思春期以降は減少に転じ、70歳を超えるとピーク時の10分の1以下になるという報告があります。0歳の赤ちゃんが夜泣きをする理由の一つとして、メラトニンの分泌量がまだ不安定な時期だからと言われたり、一方で、高齢者が夜眠れずに昼夜逆転するケースが起こるのは、メラトニンの昼夜の分泌量に差がなくなってくることも一因と考えられたりしています。
このように、メラトニンは加齢とそれに伴う睡眠の問題に深く関係しています。「しっかり睡眠時間が確保できない」「眠りの浅い状態が続く」など、一般に『睡眠障害』と呼ばれているものは、認知症と密接に関わっていることもわかっています。
加齢に伴うメラトニンの減少が睡眠障害を誘発し、それが認知症にも繋がっているとするなら、メラトニンの分泌量低下の予防は認知症予防にも貢献する……という考え方ができるかもしれません。

・時差ボケや昼夜交代制勤務は、体の自然な概日リズムを崩します。メラトニンは、時差ボケや視覚低下、夜勤等による概日リズムの崩壊や加齢によるメラトニン不足の方々の、良質な睡眠とバランスのよい概日リズム作りをサポートします。



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冬季うつでは、体が浴びる日照量が減るので、セロトニン減少による抑うつ気分、そして、メラトニンの分泌が不安定になるため、過眠および体内時計の乱れが生じます。

●メラトニンの生成
通常、メラトニンは松果体にてトリプトファンからセロトニンを経て体内合成されます。このため、まずはトリプトファンを多く含む食材から摂取する必要があります。
メラトニンが生成される量は光量にも関係するため、普段の生活から朝に太陽の光を浴び、夜間は就寝前や就寝時には周囲をできるだけ暗く保ち、一日のリズムをつくる必要があります。日光を浴びるのが難しい場合は、照明などの人工的な光を上手に工夫することで、メラトニンの生成をスムーズにすることが可能です。


そして、外からメラトニンを加えることによって、免疫力が復活したとのことです。

免疫システムと抗酸化作用のサポート

メラトニンは、免疫システムを強化する作用と強い抗酸化特性を持っています。 ストレスによる免疫力の低下を抑え感染症に対する抵抗力を高める効果があります。さらにメラトニンには癌細胞を排除する免疫力を高め、抗がん剤やストレスによる免疫力低下を軽減する効果があることが数多くの研究から確認されています。 但し、自己免疫疾患(慢性関節リウマチ等)やリンパ球の腫瘍(悪性リンパ腫やリンパ性白血病等)の場合は、メラトニンの服用により症状が悪化する可能性がありますので、これらの疾患への使用は控えて下さい。 抗酸化作用においてはビタミンEの6~10倍もの効能があります。メラトニンは、
フリーラジカルダメージから保護するために、ミトコンドリアに入ることのできる数少ない抗酸化特性を持っています。特に高容量のメラトニンには、金属イオン酸化プロセス(特にフェントン反応)を抑制する能力を含む抗酸化活性作用があります。

メラトニンは日中に分泌したセロトニンが原料となって分泌されます。

で、睡眠時間は
1.5時間の整数倍(3時間、4.5時間、6時間など)が目安で、
日中の生活に支障が無ければ睡眠時間の長短はあまり問題とならず、また寝だめは出来ない等お話しました。

メラトニンは睡眠や免疫力の活性化など多くの調節に関係しています。

メラトニン(N-acetyl-5-methoxytryptamine)はウシ松果体より単離されたインドール化合物である。脊椎動物の松果体や網膜におけるメラトニンの合成は,暗期に亢進,明期に抑制され,その結果,血中メラトニン濃度も同様の動態を示すことが報告されてきた。メラトニンはこの日周リズムゆえに環境の光周期に関する情報を伝達するホルモンであると考えられており,哺乳類においては,繁殖期の決定やサーカディアンリズムの同調に重要な役割を果たしていることが知られている。しかしながら,魚類におけるメラトニン動態やメラトニンによる情報伝達機構に関する知見は乏しく,基礎的な知見をさらに積み上げていかなければならない状況にある。そこで,本研究においては,魚類におけるメラトニン合成の調節機構からメラトニン受容体による情報伝達系までを一連のプロセスとしてとらえ,総合的に研究を行った。本研究の概要は以下の通りである。

メラトニンは、必須アミノ酸であるトリプトファンからセロトニンをへて作られます。

次に,夜の適切な過ごし方を,次に挙げます。参考にしてください。
(1) 夜7〜8時以降は,強い光に当たらないようにしましょう。この時間帯の強い光は,サーカディアンリズムの位相を後退させてしまいます。一般的家庭の室内照明は300ルクス程度です。この程度なら大丈夫ですが,商店街の明かりやコンビニの照明はNGです。

(2) 寝る2〜3時間前までに入浴を終えましょう。メラトニンは体温を下げ,それによって入眠するのですが,寝る前2〜3時間に入浴すると,体温が上昇してしまいメラトニンの効果を相殺してしまいます。

(3) 寝る2〜3時間前に食事を終えましょう。遅い時間帯の食事もサーカディアンリズムを乱してしまいます。

(4) 寝る前の2〜3時間は,コーヒーや緑茶などの刺激物は避けましょう。出来れば,夜食も避けるべきです。

(5) 寝る2〜3時間前は,部屋を暗くして勉強しましょう。実は,学習スタンドなどの照明もメラトニン分泌を抑制してしまいます。これでは勉強が出来ない!ことになってしまいますが,実は秘策があります。室内の照明や学習スタンドの照明を,白色から電球色(赤みがかった色)にすればOKです。メラトニン分泌は青色成分の光に顕著に抑制されますが,暖色系の光では比較的抑制されません。また,私の研究室では,白色光や青色光に比べ,黄色光(電球色系)の照明下で高次認知機能作業の成績がアップする結果が出ています。更に,黄色光(電球色系)で疲労が少なく長時間成績が下がりませんでした。
そして,これまでは「蛍光灯やLED照明を昼光色系(寒色)を電球色系(暖色)に変えてもメラトニン分泌を抑制してしまうので,照明機器自体を白熱電球に変えなければならない」と考えられてきましたが,近年では「必ずしも白熱電球に変えずとも,これらの照明機器でも昼光色系を電球色系に変えるだけで睡眠の質が高まり,記憶の精度が高まるという研究結果がでています。私の研究室でも,この効果を確認しています。最近では,電球色系の蛍光管やLED管が販売されており,照明機器を本体ごと取り替えなくても,内部の蛍光管やLED管だけを変えることができます。勉強部屋や学習スタンドの照明環境を変えてみては如何でしょうか。

睡眠に関係するホルモン~メラトニン(1)|つきじ心のクリニック

食品に含まれている必須アミノ酸の一つ、トリプトファンから、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が、脳内で生成されます。そして、セロトニンからメラトニンが作られます。

睡眠薬のような作用をもっていると言えます。ただメラトニンは「寝つきをよくする」という働きしかなく、

松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。魚類や両生類に始まり、鳥類、齧歯(げっし)類、ヒトを含めた霊長類に至るまで多くの動物で産生され、繁殖や渡り鳥の飛来などの季節性リズムや、日々の睡眠や体温、ホルモン分泌などの概日リズム(サーカディアンリズム)の調節に関わっている。

メラトニンの分泌を促すには日光を浴びることが重要です。 これは、日光を浴びることでセロトニンが分泌されるためです。

現在、日本人の40~59歳では約5人に1人が、60歳以上では約3人に1人が、何らかの睡眠障害を抱えているそうです。確かに、夜型の現代社会は、コンビニや飲食店などの「24時間営業」は当然という時代に突入しており、街には深夜まで煌々と灯りがともっています。また、就寝直前までテレビやパソコンに触れ、ベッドに入ってからもスマートフォンを見ている人は多いようです。
先述のとおり、メラトニンの分泌は、夜になってから=太陽光がなくなってから始まります。自然の流れでは太陽が沈んでいる時間帯なのに、蛍光灯やブルーライトといった人工的な光を断続的に浴びることにより、体のリズムが乱れることは、想像に難くありません。
このことが原因でおこる不眠症は、体内時計がずれる「リズム障害」とも言われています。現代では10代~20代の若い世代にも当然起こりうる不眠障害・リズム障害ですが、メラトニンの分泌量が激減している50代以降の中高年の方々には、少しでも回避したい問題であり、質の良い睡眠をとるための重要なポイントです。

メラトニンは自然な眠気を感じさせ、体内時計を整える役割があります。

以上,今回説明した夜の過ごし方を取り入れてみて,良質の睡眠を手に入れてください。

けていると、メラトニンの分泌が抑えられて、子どもはなかなか眠りにつくことが

以上のような睡眠と覚醒に関する2つの機構、すなわち、睡眠の質に関連するレム睡眠とノンレム睡眠の機構と一日のリズムに関連する生物時計の機構は、密接な相互作用を持ちながら、夜には良い睡眠をもたらすと共に昼間には良い活動性を作り出すのです。

体内時計と睡眠のしくみ | 体内時計を調節するホルモン、メラトニン

「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬」と「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」です。これまでの説明は「内服して短時間のうちに脳の機能を低下させる事によって眠りに導く薬でした。改良を重ね副作用の低減を積み重ねましたが、2010年に「毎日飲んで自然な眠気を徐々に強くする薬」が販売されました。2021年現在では4つの種類があります。メラトニン受容体作動薬のロゼレムとメラトラベル、オレキシン受容体拮抗薬のベルソムラとデエビゴになります。メラトニンは体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。メラトニンは脳の中にある松果体という部位から夜の20時頃から分泌されはじめ、深夜をピークに、朝になり太陽の光をあびると分泌されなくなる物質です。メラトニン受容体作動薬はメラトニンの分泌を促すお薬になります。従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。オレキシンは覚醒と睡眠を調節する神経伝達物質のひとつです。オレキシン受容体拮抗薬は、その「オレキシン」の働きを弱めることによって眠りを促す、新しいタイプのお薬です。こちらのお薬も従来の睡眠薬に高頻度で発現していた依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導するお薬です。その一方で効果はソフトでマイルドなため、即効性の効果が優れる印象はありません。どちらも自然な眠気を強めるため、