末梢神経障害とは脳と脊椎以外の神経の感覚に障害が生じる副作用で、重症度の高い末梢神経障害 ..


上肢(肩関節から指先)および下肢(股関節から足の指先)の手術を受ける際に、デキサメタゾンを神経周囲または静脈内に投与することによって末梢神経ブロックによる痛みの軽減効果が長くなるかどうか、また、術後の痛みの強さが減少するかどうかを検討したランダム化比較試験を探した。また、デキサメタゾンを神経周囲または静脈内に投与することによって副作用や悪影響を生じるかどうかも検討した。2017年4月25日までに発表された医学文献から、末梢神経ブロックを併用した上肢または下肢の手術を受けた成人または小児のいずれかを含む論文を検索した。また、各評価項目についてのエビデンスの質を評価した。


⇒便を軟らかくしたり、腸を動かすような薬を使って排便をうながします。 末梢神経障害.

感覚神経ブロック持続時間は、プラセボ群と比較したところ、デキサメタゾンの神経周囲投与群で6時間半(27研究、患者1,625人、低い質のエビデンス)、デキサメタゾン静脈内投与群では6時間(8研究、患者499人、中等度の質のエビデンス)延長した。デキサメタゾンの神経周囲投与と静脈内投与を比較した場合、感覚神経ブロック持続時間は神経周囲投与群のほうが3時間長かった(9研究、患者720人、中等度の質のエビデンス)。

手術後12時間の時点での痛みの強さは、プラセボ群と比較してデキサメタゾン神経周囲投与群で低く(5研究、患者257人、非常に質の低いエビデンス)、手術後24時間時点でも同様であった(9研究、患者469人、質の低いエビデンス)。デキサメタゾン静脈内投与群とプラセボ群を比較したところ、手術後12時間の時点(3研究、患者162人、質の低いエビデンス)と24時間の時点(5研究、患者257人、質の低いエビデンス)のいずれも、デキサメタゾン静脈内投与群のほうがプラセボ群よりも痛みの強さが低かった。使用したオピオイド系鎮痛薬の量も、神経周囲および静脈内にデキサメタゾン投与を受けた患者では少なかった。デキサメタゾンの神経周囲投与と静脈内投与の比較では、手術後の痛みの強さや使用したオピオイド系鎮痛薬の量に差はなかった。したがって、デキサメタゾンの投与方法のどちらか一方が痛みの軽減に優れているわけではないと結論付けた。

[PDF] 抗がん剤による末梢神経障害および悪心・嘔吐に関 する研究

重篤な有害事象5件が3つの研究で報告されていた。神経周囲に投与したデキサメタゾンとプラセボを比較した試験の1件では、患者1人に神経ブロック関連の有害事象(気胸または肺虚脱)が発生したが、この患者がどちらに割り付けられていたかは報告されていなかった。その他の有害事象は神経ブロックと関連がなく、デキサメタゾンの神経周囲投与と静脈内投与、およびプラセボを比較した2件の試験で発生した。プラセボ群の患者2人が術後1週間以内に入院を必要としており、1人は転倒によるもの、もう1人は腸管感染症によるものであった。プラセボ群の患者1人が複合性局所疼痛症候群(CRPS)と呼ばれる慢性疼痛症候群を発症し、デキサメタゾン静脈内投与群では1人が肺炎を発症した。安全性の問題に関するエビデンスの質は非常に低かった。

デキサメタゾンとは、ステロイドの一種であり、手術後の痛みや組織損傷に対する炎症反応(熱、痛み、発赤、腫れ)を軽減する可能性がある。神経ブロックを受ける人に対して、末梢神経ブロックによる痛みの軽減効果を長く保つために神経周囲または静脈内に局所麻酔剤とともにデキサメタゾンを投与することがある。

・末梢神経障害(痺れ)はオキサリプラチン投与によるもので、投与直後~数日以内にみられる急性末梢神経障害

Barlogie Bらは1984年に、29例の進行不応例の骨髄腫に、VAD療法が行われ、75%の症例に急速に反応が認められ、アルキル化剤耐性例20例中14例に反応が認められたことを報告した(N Eng J Med 310:1353-6, 1984)。初回、第2回投与時の有害事象のうち好中球減少は、最低値が平均1,700/microL(250~4,100), 血小板減少は、13.8万(1.1~23.3万)、11例に発熱、8例に抗生物質の投与が必要で、うち4例に肺炎、2例にグラム陽性菌による敗血症、2例はグラム陰性菌の敗血症であった。ウイルス感染としては、ヘルペスによる食道炎、herpes zoster感染1例、cytomegalovirus感染症1例である。麻痺性イレウスが1例認められたが、vincristine中止により生じなかった。
2.

71:326-30, 1995)。治療法としては、vincristine 1.6mg(total dose)として持続点滴、またdoxorubicin 36mg/m2を4日間持続点滴でdexamethazoneは経口で40mg/dayで4日間投与した。まず併用としてallopurinol 300mg/dayを第1コースの2週間投与した。また感染症の予防として、cotrimoxazole 480mg/回、を一日2回投与から960mg/回まで増量しながら行っている。Cimetidineを400mg/dayステロイド剤によるdydpepsiaを予防するために投与した。1984年から1992年にかけて、上記の患者数が治療を受け、奏功率は以下の通りであった。完全寛解:未治療例20/75(27%), 既治療例2/67(3%), 部分寛解では未治療例、43/75(57%), 既治療例では39/67(58%), 死亡例はそれぞれ未治療例4/75(5%), 既治療例7/67(10%)であり、未治療例の方において好成績であった。生存期間については、未治療例では75%生存が14ヶ月間、診断からの生存中央値は38ヶ月間である。既治療例でも39ヶ月間である。有害事象については、脱毛119/142(84%),抗生物質の投与が必要な感染症が76/142(54%), dyspepsia 52/142(37%), 便秘42/142(30%), 知覚異常40/142(28%), 浮腫38/142(27%), 点滴ラインに関するトラブル34/142(24%), 嘔気嘔吐30/142(21%), 中枢神経系19/142(19%), Candida感染 18/142(13%), 心不全 7/142(5%)であった。原因菌の同定された感染症は22/142(14%)で15例はグラム陽性、7例はグラム陰性菌であった。2例は敗血症で死亡した。
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手足症候群や末梢神経障害のみを理由とする治療中止,レジメン変更は少ない傾向に ..

Seregen CMらは、未治療骨髄腫139例に投与して、134例が評価可能症例となり、62%に部分寛解、5%に完全寛解を得ている。主な有害事象は、9例(2%)に吐き気、嘔吐、10例(2%)に粘膜炎、肝臓障害8例(2%)、腎臓機能障害7例(1%)、心臓機能障害2例である。24例(18%)に軽度の神経障害、発熱または感染症が37例(27%)に認められた。投与にあたっては、全例に抗生物質の予防的投与、抗真菌剤の投与を行い、感染症予防とし、制吐剤の投与は全例に行っている。139例に対して、合計416コースのVAD療法を行い、うち117例は、3コースの13例には4コース行った。なおこの論文では、この治療法が、中心静脈留置を必要としており、外来治療を困難にしていること、留置したカテーテルに伴う敗血症、血栓症が24%にもあったことを不利益としている(Bri J Haematol.

Dimopoulos MA らはVADとliposomal doxorubicin(VAD doxil群)の比較試験を行っている(Ann Oncol 14:1039-44, 2003)。127例のVAD療法と、132例のliposomal doxorubicin(VAD doxil群)を用いた群との比較では、127例VAD群のみの結果について記載する。年齢中央値66(37-88)歳、男性67例、女性59例、治療に対する反応は完全寛解16例(12.6%), 部分寛解62例(48.8%), 反応なしが、49例(38.6%)であり、grade 2以上の好中球減少20%, grade 2以上の血小板減少10%, greade 2以上の吐き気、嘔吐4%, 脱毛55%, grade 2以上の粘膜障害7%, grade 2以上のerythrodysesthesia 2%, grade 2以上の神経障害13%であった。VAD doxil群でもほぼ同じであった。VADでのTTPは23.93ヶ月間であった。(95%CI16.92~30.94).
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がん化学療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き 2017年版

Cesana Cらは、97例に対して、合計340コースのVAD療法について細菌感染症の危険因子について報告している。(Haematologica 88:1022-1028, 2003)1990年5月から2001年12月までの97例において、340コース中、敗血症3例(1.5%)、肺炎18例(9.7%)、CMV感染症2例、原因不明熱1例であった。その他に軽度の感染症として、尿路感染3例、急性気管支炎1例、皮膚蜂か織炎、である。帯状疱疹3例、口腔内カンジダ症4例、32例の患者に合計44回感染症のエピソードがあった。危険因子については単または多変量解析によって、診断後4ヶ月以後、好中球数最低値が1,000未満、血清クレアチニン値1.2mg/dLをこえている、抗生物質の予防投与の内場合、中心静脈留置、に感染症発症の危険率が高くなるとしている。治療前の危険因子としては男性、前治療歴を有する、持続点滴による投与、年齢56歳を越えた場合、骨髄腫のタイプとしては、病期にはよらず、尿中L鎖陽性者、PS, 非寛解例に高かった。
以上の8編の論文から好中球減少は約20%に認められ、感染症の合併には注意を要する。またこの疾患自体が免疫不全であり、高齢者に多い疾患であり、感染症、特に肺炎の合併、PSの不良例では注意する。
4.本療法の位置づけについて


5.国内における本剤の使用状況について

Grade2以下(末梢神経障害についてはGrade1以下とする)

末梢神経障害の症状は、薬の種類や投与量によって、頻度が異なります。また、同じ薬でも症状の程度は個人差があります。下記に、末梢神経障害を起こしやすい薬剤の一例を示します。

・末梢神経障害:26mg/m2(5コース)でプラトー、皮下投与の方が発現頻度は少ない.

追跡期間中央値 14.7 ヵ月の時点での無増悪生存期間は,イキサゾミブ群のほうがプラセボ群よりも有意に長かった(中央値 20.6 ヵ月 対 14.7 ヵ月,イキサゾミブ群の病勢進行または死亡のハザード比 0.74,P=0.01).イキサゾミブレジメンでは,事前に規定した,高リスクの細胞遺伝学的異常を有する患者などのサブグループすべてで,プラセボレジメンと比較して無増悪生存期間に利益が認められた.全奏効率は,イキサゾミブ群 78%,プラセボ群 72%であり,完全奏効または最良部分奏効が得られた患者の割合はそれぞれ 48%と 39%であった.追跡期間中央値が約 23 ヵ月の時点での奏効までの期間の中央値は,イキサゾミブ群 1.1 ヵ月,プラセボ群 1.9 ヵ月であり,奏効期間の中央値はそれぞれ 20.5 ヵ月と 15.0 ヵ月であった.全生存期間中央値は両群ともに未到達であり,追跡は継続中である.重篤な有害事象の発現率は同程度であり(イキサゾミブ群 47%,プラセボ群 49%),試験期間中の死亡率も同程度であった(それぞれ 4%,6%).グレード 3 以上の有害事象は,それぞれ 74%と 69%で発現した.グレード 3,グレード 4 の血小板減少症は,イキサゾミブ群(それぞれ 12%と 7%)のほうがプラセボ群(それぞれ 5%と 4%)よりも頻度が高かった.発疹は,イキサゾミブ群のほうがプラセボ群よりも頻度が高く(36% 対 23%),消化器系有害事象も,主に低グレードであったがイキサゾミブ群のほうが頻度が高かった.末梢神経障害の発生率は,イキサゾミブ群 27%,プラセボ群 22%であった(グレード 3 の末梢神経障害は各群 2%で発生した).患者による QOL 評価は両群で同程度であった.

POEMS症候群の患者は末梢神経障害の進行によりPS不良となるが,治療が奏効すると末梢神経障害の改善に伴ってPSも改善する。 ..

がん免疫治療薬 がん免疫治療薬は、自分の免疫細胞が、がん細胞を排除しようとする働きを助ける薬です。
ニボルマブ(オプジーボ)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、イピリムマブ(ヤーボイ)などの
薬があります。この種類の薬剤についても、末梢神経障害が出現する可能性はありますので、
手足のしびれや痛み、筋力低下などの症状に注意が必要です。

以上より,神経ブロックによる末梢神経障害の予防が最も重要である.そして,末梢 ..

デキサメタゾンの単独投与か状況に応じてドパミン受容体拮抗薬の使用が推奨される。さらにロラゼパムやプロトンポンプ阻害薬等制酸薬の併用も検討されるべきである。

副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチンを接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。 薬効薬理

がんの薬物療法(従来型の抗がん剤や分子標的薬など)による手先・足先のしびれや感覚が鈍いなど末梢神経障害を起こしやすい抗がん薬や具体的な対処法などについて紹介しています。

・末梢神経障害による減量後にGrade3の末梢神経障害が認められたとき

特定の病態による痛みとしては,神経障害性疼痛1,骨転移による痛み,上腹部の痛み,胸部の痛み,会陰部の痛み,悪性腸腰筋症候群2 による痛み,消化管閉塞による痛みがある。それぞれ,鎮痛補助薬3,神経ブロックなど異なる鎮痛手段があるので共通する疼痛治療を行うとともに検討する。

末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、筋強直症、重症筋無力症、多発性硬化症 ..

飲み薬のメチコバールの効能効果は、末梢神経障害です。

末梢神経には、手足を動かす運動神経、五感の情報を脳に伝える感覚神経、心拍・呼吸・消化などをコントロールする自律神経の3つがあります。
これらの神経が、何らかの原因で傷ついたり機能が低下したりした状態が末梢神経障害です。

メチコバールの主成分メコバラミンには、傷ついた神経細胞の修復を促したり、神経の情報を伝達する働きを回復させたりする効果があります。
メチコバールは、頸椎椎間板ヘルニアや顔面神経麻痺、多発ニューロパチーによる痛みや痺れなどの症状改善によく用いられています。

末梢神経障害 (6%、 ≧Grade3 0%); 失神 (3%、 ≧Grade3 3%)

メチコバールは、肩こりの治療に用いられることがあります。
肩こりの原因の1つに、硬くなった筋肉が血管を圧迫して、末梢神経に酸素や栄養が届かなくなり、機能が障害されることが挙げられます。
末梢神経が障害されると、痛みや痺れの症状が出ます。
メチコバールの服用により、傷ついた神経細胞を修復し、肩こりの症状を改善します。

[PDF] 抗がん剤による末梢神経障害および悪心・嘔吐に関 する研究

一度、重度の嘔吐を経験してしまうと、抗癌剤レジメン治療変更後も嘔吐性事象で苦しむケースが散見されるため、嘔吐が発症する前 (抗癌剤投与前) より、しっかり制吐剤を使用していくことが重要である。
悪心に対しては、CINV (chemotherapy-induced nausea and vomiting) であるのか、消化管粘膜障害であるのかの見極めが重要になる。後者の可能性が高ければ、プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカー等の制酸薬の効果が、制吐剤よりも期待できることがある。
また、味覚障害、嗅覚障害が食欲不振につながるケースもみられるが、ここでは栄養士による栄養指導が効果的な場合もある。ケースに応じて様々な職種による患者サポートを行うことが非常に効果的であり、推奨される。

感覚減退(18.6%)、末梢性感覚ニューロパシー(2.7%)、神経障害性疼痛(1.5%)、末梢性運動ニューロパシー(1.1%)、 ..

非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛効果が得られない,または,中等度以上の痛みの患者に対してはオピオイドを開始する。オピオイドは,可能な投与経路,合併症,併存症状,痛みの強さなど患者の状態に応じて,コデイン,トラマドール,モルヒネ,オキシコドン,フェンタニルのいずれかを使用する。オピオイドの開始に伴って生じる可能性のある悪心・嘔吐および便秘の対策を検討する。