メラトニンは日中に分泌したセロトニンが原料となって分泌されます。


冬季には日照時間が減少するためにセロトニン減少に伴ううつ症状、不安症状、また、セロトニン減少に伴うメラトニン不足により、睡眠リズムの乱れ、不眠症状も認めやすくなります。(季節性情動障害 冬季うつ病など)。


メラトニンと光は密接に関係していて、2つの大きな影響があります。

今回はヒトおよび哺乳類の脳の生理的な日周リズムに関係する神経伝達物質としても解説したヒスタミンとオレキシンのスイッチング起動物質以外に、セロトニンとVIP(副交感神経関連の神経ペプチドの一種)およびコルチゾールや松果体ホルモンであるメラトニン等の日周リズムと遺伝子との関係について『脳内物質のシステム神経生理学』(有田秀穂著 中外医学社刊 2006年) 『精神の脳科学』(加藤忠史編 東京大学出版会刊 2008年)および『心と遺伝子』(山元大輔著 中公新書ラクレ刊 2006年)を参考図書として解説し、子どもの睡眠時間の短縮に対する警告、不登校児によく現れる抑うつ症状と睡眠覚醒リズムの乱れと、さらには昼夜逆転現象に対する高照度光治療等の関連事項についても言及しようと思います。

●老化を防ぐ効果
メラトニンには強力な抗酸化作用があり、加齢を遅らせることができるとされ、アンチエイジングの代表的なアミノ酸とされています。
メラトニンを増やすためにも、体内時計を整え、規則正しい生活を送ることが重要です。【3】【4】

メラトニンとは、脳の松果体で作られるホルモンであり、を行います。

食品に含まれている必須アミノ酸の一つ、トリプトファンから、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が、脳内で生成されます。そして、セロトニンからメラトニンが作られます。

私たちが眠気を催すのは、脳の中心にある松果体から分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」の作用によるものです。メラトニンの1日の分泌は体内時計によって管理され、朝日を浴びると分泌が止まります。その後、再び約15時間後に分泌量が増え始めます。しかし、昼夜問わず明るい環境にさらされることや、不規則な生活は、体内時計の乱れの原因になります。体内時計が乱れると、昼間に活動して夜に休息する人間本来の生体リズムが狂い、いわゆる“時差ぼけ”状態に。その結果、メラトニンの生成や分泌がうまくいかなくなってしまうのです。

さらにストレスも大敵です。緊張モードの交感神経の働きが夜になっても活発なままだと、交感神経からリラックスモードの副交感神経への切り替えがスムーズにいかなくなり、寝つきも悪くなりがちです。

(メラトニンは、セロトニンを材料に作られ、脳の松果体から分泌されます。

哺乳動物は古代に爬虫類から分岐発生した時期には夜行性であったと推定されていて、その後ヒト科に進化するまでに幾度かの夜行性と昼行性の遍歴があったことが、私たちの網膜視細胞が基本的に2原色から派生した3原色感覚であることから推測されています。ヒトのサーカディアンリズムについては暗闇の地下壕で自由な時間に寝て自由な時間に起きる生活を観察した実験から、約25時間の周期があると初期の報告で提唱されていましたが、その後の潜水艦乗務員の生活リズムの研究から平均して約24時間程度であることが報告されました。またさらに近年の研究から哺乳類に遺伝的な素因による個体差が存在することも知られるようになり、内因性時計と遺伝子の関係解明が進んでいます。

生物時計は約25時間という内因性リズムを持ち、睡眠・覚醒、活動・休止などの行動や認知などの高次脳機能のみならず、体温、血圧、脈拍といった自律神経系、コルチゾール、メラトニンなどの内分泌ホルモン系、免疫、代謝系などにも約1日を周期とする生体リズムを発現させ、人間や動物が1日の昼夜リズムに従って、効率よく、しかも快適に生活できるように調節する働きをしています。さまざまな生体機能は夜と昼の環境に応じて変化するとともに、このような昼夜の環境が消失した条件でも固有の周期性を持って活動しています。このような生体機能を24時間の周期に合わせる働きは生物時計の同調機構とよばれています(図10)。

そのため、セロトニンの分泌量が少ないと、メラトニンも少なくなります。)

メラトニンの分泌を促し生体リズムを整えるには、生活習慣を整えることが重要です。

メラトニンは主に脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンです。トリプトファンという物質から、セロトニンを経てメラトニンが合成されます。
セロトニンとは、神経伝達物質の一種で、気分の安定や幸福感をもたらす役割があります。また、昼間の覚醒状態を維持するのに重要です。このセロトニンが夜になるとメラトニンに変換され、睡眠を促進します


メラトベルは国内唯一の小児で認可された「入眠困難への薬」です。

多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。

[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]

人の生体リズムは多くの動物と同じように生物時計によって駆動され、約25時間の周期(概日リズム)で活動と休息のリズム信号を出しているが、地球の自転により24時間周期で変化する外部環境とは約1時間のズレが生じる。生物時計はこのズレを修正し、概日リズムを24時間の環境変化に同調させる機能も持つ。通常、起床直後に太陽光が目から入ると、その光信号は視交差上核(suprachiasmatic nucleus:SCN)、上頚神経節を経由して、松果体にたどり着く。すると、食事で摂取して血液中にあるトリプトファンというアミノ酸が分解されてセロトニンが産生され、メラトニンがつくられる。このとき、N-acetyltransferaseという酵素が活性化されてはじめてメラトニンが生合成されるのであるが、N-acetyltransferaseは光があると活性が抑えられ、この代謝が行われないようになっている。したがって、外界が暗くなったときに、N-acetyltransferaseが活性化されて、メラトニンができるのである(図1、図2)。
こうして生物時計によってリセットされた時刻から10~12時間は代謝が高められ、血圧・体温も高めに保持され、覚醒して活動するのに適した状態になる。これが朝の光を浴びてから13時間くらい経過すると、松果体からメラトニンの分泌が始まり、手足の末端からの放熱も盛んになる。こうした放熱により深部体温が低下してくると、1~2時間のうちに自然な眠気が出現する。つまり、太陽光に対する生物時計のリセット機能により、朝起床して太陽光を最初に浴びた時刻に応じて夜に眠気が出現し、自然に眠くなる時刻が決定されるのである。朝の起床時に充分な太陽光を浴びなかったり、暗い部屋で昼過ぎまで眠っていると、こうした概日リズムのリセットが適切に行われず、その日の入眠時刻が遅くなる。一方、夕方から夜の時間帯に強い光を浴びると、昼の時間が延長することになり、休息への準備が遅れ、結果的に入眠時刻が遅れることになる。

松果体」から分泌される。松果体は目の網膜が受ける光の量の情報に基づき、メラトニン ..

インターネットをみていると、メラトニンを摂取すると悪夢が増えるという口コミなどがあります。メラトニンと悪夢の関係を考えてみましょう。

経路により調節されている. メラトニンは松果体から血中と髄液中に放出され

松かさ様の、対をなしていない卵形小器官。脳の付属機関であるが、末梢神経系からの神経線維だけを受ける。メラトニンとセロトニンがつくられる。

朝、太陽の光を浴びると脳の奥にある松果体(しょうかたい)へ約14時間後に「メラトニン」というホルモンを

生物の進化に伴って、眠りも体を休ませる「休息」から、脳を休ませる「睡眠」へと進化している。昆虫などの無脊椎動物は眠っているというより、体を動かさないでただ休息している状態は見受けられる。魚類は大脳が小さく、脳波を測定できないので、定義上は眠っていると言えないが、ヒレを体にぴったりとつけてじっと動かずにいるなど特定の睡眠姿勢をとるものが多いことから、睡眠に近い状態と考えられる。爬虫類・両生類は脳波を測定できるが、活動期と休息期の脳波にほとんど変化がみられないことから、脳波のパターンによって睡眠を定義できないが、睡眠の原形の状態と考えられる。鳥類・哺乳類では脳の発達に伴い、脳波に明らかな変化がみられ、ノンレム睡眠とレム睡眠に分化し、真睡眠に分類される。鳥類はレム睡眠時に必ずしも急速眼球運動はみられず、レム睡眠時も目を閉じて眠らないこともある。多くの鳥はノンレム睡眠時に泳いだり、飛び続けたりといった単純な運動が可能である。
哺乳類で食物連鎖の最下位に位置するネズミは、身の安全を守るため昼間に眠り、夜間に活動する、といった多くの動物とは逆転した生活をしている。1日の総睡眠時間は13時間にのぼるが、まとまった睡眠はとらず、小刻みに眠る。食物連鎖の上位に位置する百獣の王ライオンは1日14~16時間、無防備な姿勢でまとまった睡眠をとる。アフリカゾウはその巨体から天敵は人間くらいしかいないのに、1日3~4時間くらいしか眠らない。ゾウは草食動物であり、その巨体を維持するために多くの草を食べ続けないといけないからである。同様に草食性のウシも1日3時間くらいしか眠らず、うとうとした状態で反芻することができる(表1)。

ロトニン値をラジオイムノアッセイによって評価した。メラトニン、セロトニン値とも


「慢性疲労」を消す技術

発行所 三笠書房
1400円
発行 2020年9月20日
の活性化すれば、脳を「最高の状態」にして、元気になる。
オキシトシンは、癒しや安心感をもたらす脳内物質。メラトニンは、心地よい休息や眠りをもたらす脳内物質。この2つを増やすには、セロトニン神経を活性化させることが鍵となる。
デジタル機器は脳を非常に疲れさせる。ことが明らかになっている。デジタル機器を日中に使い、夜だけ使わないで過ごす。「黄昏時から入眠まではアナログ生活」を提案する。日中はデジタル生活、夜はアナログ生活の「ハイブリッド生活」を現代人はすべきだと考える。
1.朝の目覚めをコントロールしているのは「脳」
人の覚醒をコントロールしている神経が、「脳幹」という進化的に最も古い脳にある、セロトニン神経とノルアドレナリン神経。
この二つは、朝の目覚めとともに活動を開始して、大脳をスッキリとした覚醒状態にシフトさせ、自律神経を「休息の副交感神経」から「活動の交感神経」に切り替え、体温も血圧も上げ、代謝を活発な状態にする。
逆にこの二つの神経が、「脳疲労」によって起床時にちゃんと働かなくなると、朝から疲れを感じ、意欲が湧かず、気分も落ち込み、体も活発に動かない。
①セロトニン神経
脳の神経細胞140億個のうち、数万個がセロトニン神経。僅かな量でも、とてつもなく大きな働きをする。セロトニン神経は、「脳幹」にあり、セロトニンを作り、脳全体に分泌させる。睡眠中には殆ど活動せず、朝の覚醒とともに規則的な行動を始める。
【セロトニン】
脳内の神経物質の一つで、脳を元気にしてくれる。感情や精神面、睡眠など人間の大切な機能を健全な状態にするために重要な役割を果たす。
朝の起床時に、セロトニン神経が正常に活動すれば、スッキリ目覚めて、心がポジティブになる。顔つきや姿勢もシャキッとする。頭や心も、体の働きも活発になる。不定な痛みを抑える。
【セロトニン神経の活性化因子】

太陽光を網膜を介して電気信号(インパルス)として受け取ると、セロトニン神経を活性化させる。電灯は、「照度」が足らないからセロトニン神経の活性化には役に立たない。これまでの研究で、2500~3000ルクス以上の光の刺激が網膜に当たらなければ、セロトニン神経は活性化されないことが分かっている。太陽光は1万ルクス以上の照度があるが、電灯光は通常500ルクス以下しかない。北欧などでは冬に「冬季うつ病」が増える。LED光によるスタンド型の人工照明ではセロトニン分泌が起こる。
リズム運動を司る神経構造は、「脳幹」に存在し、その正中部(縫線核)にセロトニン神経が位置している。②ノルアドレナリン神経
ノルアドレナリン神経は、体の内外から発せられる身体的ストレスによって活性化する。太陽光と運動によって活性化するセロトニン神経とは、まったく異なる。
目覚まし時計などの「聴覚性ストレス刺激」や揺り動かしてもらう「触覚性ストレス刺激」によって脳は覚醒する。

ノルアドレナリン神経は、五感(視覚・聴覚・触覚など)を介してストレス性の刺激が与えられると活性化して、人間の脳の覚醒レベルをさらに高め、集中力や積極性をもたらす。つまり、ストレスに打ち勝つために脳全体に警報を発し、戦闘態勢を整えさせる。
適度なストレスは、人間が活発な日常生活をする上で必要。無意識のうちに、軽めの身体的ストレスを自らに与え、ノルアドレナリン神経を適度に活性化し、頭・心・体をベストコンディションにもっていこうとする。
【ノルアドレナリンが暴走してしまうと】
「ノルアドレナリン神経」の活動が過剰になると、興奮状態になり、になり、筋肉が硬くなり、いわゆるの状態になってしまう。
この状態に抑制をかけられるのは、「セロトニン神経」。暴走を止めて、平常心を取り戻させる。セロトニン神経の働きが「頭の疲れ」「心の疲れ」で弱っていると、ノルアドレナリン神経の暴走を止められなくなる。2.不眠の原因は、脳にある
私たち人間は、睡眠ホルモンし、睡眠への導入と維持に活用している。メラトニンが夕方から就寝までにたっぷりつくられていることが、入眠には絶対条件。そのためには、
メラトニンは、横になって目を閉じると血液に分泌され、全身に「就寝!」の指令を発する。それに呼応して、交感神経から副交感神経に切り替わる。血圧も心拍も呼吸も鎮まり、体温も下がる。①メラトニン
メラトニンは、脳の真ん中に位置する「松果体」で合成・分泌される。メラトニンの材料はセロトニン。松果体には、セロトニン神経のように情報伝達の働きはない。
メラトニンは、太陽光によって見事にコントロールされている。この酵素に、視床下部は、網膜に太陽光が当たっている昼間には抑制をかけ、太陽が沈むと、その抑制が外れてメラトニンの合成・分泌が始まる。
メラトニンの量は、20歳以降、徐々に減少していく。
「昼寝」は太陽が出ている時の仮眠であり、メラトニンが出ていない状態なので、30分ぐらいで起きよう。②「太陽の恵み」を受けずに健康的な生活を送ることはできない
人間は、昼行性動物として進化してきたので、脳も体も、太陽の出ている昼間に活発に行動し、太陽が沈んでいる夜に睡眠をとることによって休息してエネルギーを補給する、という生体リズムを備えた。その同期を司っているのが脳の視床下部。その視交叉上核にあるが、各神経を介して全身の細胞にある時計に「同期してバイオリズムを刻め」と命じている。このバイオリズムは、無意識の自立機能によるものだから、人の意思で変えたり、コントロールしたりすることはできない。夜行性動物に自らの意思で勝手に変えることは不可能。「夜型人間」になれない。③中途覚醒
入眠して90分ぐらいすると、一時的に(5分くらい)脳波が覚醒脳波に切り替わり、血圧や脈の変動が現れ、健常者でも5秒以内の無呼吸が現れ、自律神経が一時的に乱れる。この時は、目を閉じた状態ではあるが、眼球が左右に動く特別な変化(レム睡眠と呼ばれる)が現れる。
人間は睡眠中、90分ぐらいの周期で眠りが浅くなり、レム睡眠時に目覚めてトイレに行くことも珍しくない。3.慢性疲労が消えていく「快眠脳」プログラム
日の出とともに睡眠ホルモン・メラトニンは合成・分泌されなくなり、脳も体も目覚める準備にはいる。メラトニンの分泌が止まると、代わって、ストレスホルモンのが副腎から分泌され、「起床!」の信号が血中に発令され、自律神経は、副交感神経から交感神経に切り替わる準備にはいる。ここで、太陽の光を浴びると、が脳内で合成・分泌される。呼吸・咀嚼・歩行のリズム運動がしっかり行われると、セロトニン神経がさらに活性化されて、頭も体も覚醒状態に切り替わる。
この一連の動きがスムーズに発現しないのが「慢性疲労」の状態。①決まった時間にサッと起きる
日の出とともに、視床下部の主時計は、神経を介して「松果体」のメラトニンの合成・分泌を中止させる。そして、外部からの「覚醒刺激」が加わると、「覚醒中枢」のが活性化されて、大脳が目覚める(目覚めの第一段階)。
横になったまま目を閉じていれば、体は覚醒しない。ここでダラダラしていると、「ストレス中枢」が動き出すので危険。それを避けるために、さっさと寝床を離れて「体」を目覚めさせるべく、次の覚醒行動に移行する。
自然のバイオリズムを自分自身で捻じ曲げている。②起きたらすぐに太陽の光を浴びる
次のステップは、「覚醒中枢」であるを活性化させる(目覚めの第二段階)。一番簡単な活性術が「太陽を浴びる」行動。
「日の出の時刻」が2時間も遅い冬の朝に、文明の産物である「時計」に従わされているから、起きるのがつらくなるのは当然の生理現象。③朝食は必ずとり、しっかり噛む
太陽の光によって「セロトニン神経」活性化のスイッチが入ったら、を行う。
朝食の栄養に気を配る。トリプトファンを多く含む主要な食材としては、がある。日本食は大豆製品が豊富で、豆腐、納豆、味噌、醤油など。乳製品は、洋食の主要食材で、牛乳、バター、チーズ、ヨーグルトなど。
セロトニン合成には、トリプトファンに加え、炭水化物とビタミンB6も必要。トリプトファン、炭水化物、ビタミンB6をバランスよくたくさん含む食べ物は4.「慢性疲労症候群」

梶本 修身著「すべての疲労は脳が原因」

脳疲労は「大脳」を酷使し続けることによって発生する。大脳は、人の認知機能を担う器官。大脳が酷使されると、興奮状態がずっと続いたままの状態となり、ボーッとして頭がスムーズに働かなくなる。
大脳は「覚醒中枢」と結びついているから、大脳が過度の興奮状態になると、覚醒レベルも上がり、脳がオーバーヒートして、疲労が蓄積し、脳全体を疲弊させていく。①「頭の疲れ」と「心の疲れ」の違い
「脳の疲れ」には、「頭の疲れ」と「心の疲れ」がある。「大脳辺縁系」は、情動の表出や意欲、そして、記憶や自律神経などに関与している。
「心の疲れ」は、様々な心労(精神的ストレス)が積み重なった結果引き起こされるもの。「扁桃体」は、「情動中枢」と呼ばれ不安や怒りを感じた時に活動する。「不安・怒りの神経回路」の中心に扁桃体があって、その回路が疲弊すると、その結果、それが「心の疲れ」。
「不安・怒りの神経回路」は記憶(海馬)とも繋がっていて、ストレス状況から離れても、ちょっとしたきっかけでその時の記憶が思い出され、繰り返し「不安・怒りの神経回路」が刺激され続けてしまう。大変厄介なメカニズムを人間の脳はもっている。②ストレスを“意欲”に切り替える「ドーパミン神経」
脳内の「情動中枢」であるされて、その快をもっと味わいたいという信号を前頭前野に送り、意欲・渇望が生まれる。「快」の判定は、通常、五感を介した身体的感覚によって無意識に行う。しかし、意識的な快の感情を思い描いた時も意欲・渇望は生まれる。
「快」のイメージを抱くと、「不安・怒りの神経回路」の働きが弱まる。ハードワークを他人から強制されれば、「不安・怒りの神経回路」が活性化されるが、自分の意志でポジティブ思考によって行うのであれば、「不安や怒り」は発生しない。
セロトニンは、ノルアドレナリンとドーパミンの2つが不足したり、過剰になったりしないように調整している。③慢性疲労が「うつ」をもたらす

厚生労働省の統計データによると、遺伝的な背景を持つ「躁うつ病」は全く増えていないが、うつ病患者数は、2000年以前には20万人程度であったが、ほんの20年で100万人にまで急増してしまった。デジタル社会の進行と一致する。デジタル依存生活こそ、「慢性疲労」の最大の原因。5.「怒り」が爆発するメカニズム
脳の「不安・怒りの神経回路」が暴走すると、「怒り」が爆発する。ノルアドレナリン神経を通して受けた外部からのストレス刺激により、人の本能を司る回路の一つ、「不安・怒りの神経回路」が無意識に活性化されて、同時に通常は数秒のうちに、信号を送られた
何らかの原因によってこのブレーキが利かなくなると、「不安・怒りの神経回路」が暴走する。
疲れが溜まっている、ストレスが溜まっていると考える。セロトニンの分泌が減少していると理解する。
【「怒り」のコントロール】
・ノルアドレナリン神経の暴走を事前に食い止めること。
日頃からセロトニン神経をしっかり活性化させて「疲れない脳」をつくっておくこと。
・大脳で発生したネガティブな感情を扁桃体の「情動回路」に伝達される前に「言語化」し、大脳内部で処理を終えてしまい、ため込まないようにする。友人や家族に吐き出す、紙に書き出す。言語化する時は、「怒り」をぶちまけるようにせず、理性的な発言をすることが大事。6.「オキシトシン」が心を癒してくれる
オキシトシンは、哺乳類だけが持つ、脳内物質。「心地よいスキンシップ」であるグルーミングによって、オキシトシンの分泌が脳内で増えると、同時に脳内のセロトニン神経も活性化されてセロトニンの分泌も増える。また、オキシトシンが、ストレス中枢に対して直接作用し、コルチゾールの分泌を抑える。
心への作用
・ストレスの減少
・心が落ち着く
・意欲が湧く
体への作用
・疲労回復
・血圧が安定する
・治癒力が高まる

脳の松果体という部分から分泌され、夜間に分泌が盛んとなって眠りを誘い ..

生物時計のしくみは図11に示されています。視交叉上核からの神経伝達経路は眼から入った光の信号が視神経を経て視交叉上核へ伝えられ、上頚神経節を経て、松果体に達する神経系路を持っています。松果体はメラトニンというホルモンが産生され、血中メラトニン量は夜に高値を示し、昼間にはほとんど検出されません(図11)。

加えて興味深いのが、メラトニンはセロトニンからつくられるということ。

d× LSDは抗セロトニン作用を示し、セロトニンの腸管収縮作用・子宮収縮作用、間代性痙攣作用・体温上昇作用・首振り作用などに拮抗する。