① CRH 試験においてヒト CRH(100µg)静注後の血中 ACTH 頂値が前値の 1.5 倍以上に増加


脳下垂体の腫瘍によって副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が持続的に過剰分泌され、両副腎が腫大し、コルチゾールが過剰に分泌されます。
下垂体腫瘍の多くは良性で、自然発生のクッシング症候群のうち、80〜85%を占めています。


1mgデキサメタゾン抑制試験(1mgDST)における負荷後血中コルチゾール濃度(1mgDST-F)

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ACTHは,脳下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンである。主として視床下部からのACTH放出刺激ホルモン(CRH)や,ストレスにより分泌が促進され,副腎からのグルココルチコイドによるネガティブフィードバックにより分泌が抑制されている。朝高く夕方低い日内変動がみられ,採血時間には注意が必要である。血漿ACTH濃度は,下垂体からのACTH分泌能を反映し,その測定は,視床下部-下垂体-副腎皮質系の責任病巣特定と,その程度を知るうえで重要である。異所性ACTH産生腫瘍は,胸腺腫瘍などでみられ,異所性CRH産生腫瘍でもACTH過剰分泌がみられる。

デキサメタゾン抑制試験を含む日経メディカル Onlineの記事一覧です。

内分泌疾患の診断は、血中、尿中の基礎値や産物の測定により行われる(参照)。しかし、内分泌系の調節はフィードバック機構などが関与するため、上位ホルモンと標的臓器ホルモンの基礎値だけでなく、その調節因子を組み合わせて測定することが必要になる。また、内分泌疾患は、単回測定で得られる検査結果のみでは正確な病態判断ができない場合がある。そこで、ホルモン分泌の動態を把握するために種々の負荷試験が行われる。

原発性アルドステロン症の主な症状は高血圧であり、3種類以上の降圧剤を内服しても血圧が下がりにくい方(治療抵抗性高血圧)が多いです。また、低カリウム血症によって筋力低下や疲労感、不整脈が現れることがありますが、無症状の方が多いのが特徴です。

(2)一晩大量デキサメサゾン抑制試験:前日深夜に大量(8mg)のデキサメサゾン

スクリーニング検査で原発性アルドステロン症が疑われた場合は、機能を確認する検査として、生理食塩水負荷試験やカプトプリル試験、蓄尿検査などを行い、アルドステロンの過剰分泌の程度を確認します。副腎腫瘍がある場合、コルチゾールの同時産生の有無を調べるため追加で検査(1mgデキサメタゾン抑制試験)を行います。

29歳女性.出産後2カ月目から動悸と息切れが生じ,家族に前頸部の腫大を指摘されたため来院した.児に母乳栄養中である.身体所見:洞性頻脈84回/分,甲状腺腫大あり.血液所見:FT4 3.90 ng/dL,FT3>30 pg/mL,TSH 0.003 μIU/mL.本症例で鑑別診断をするために有用な検査はどれか.2つ選べ.

合はコルチゾール同時産生の評価のためデキサメタゾン抑制試験を実施する。手術を考慮する場合は片側性 PA の確実な診断のた

クッシング症候群は、副腎(腎臓の上に左右1対存在する小さな臓器)から、ステロイドホルモンの一種である「コルチゾール」が過剰に分泌されることによって全身の様々な臓器に合併症を引き起こす病気です。正常の状態では、副腎のコルチゾールは脳下垂体から分泌されるACTH(副腎皮質刺激ホルモン)によって分泌が促進されます。コルチゾールは本来、生命を維持するために重要な、体に必須のホルモンですが、過剰になると身体にさまざまな異常が出てきます。
クッシング症候群の主な原因は、副腎や脳下垂体などに生じるホルモン産生腫瘍です。ステロイドを含む薬剤(飲み薬、塗り薬、吸入薬、点鼻薬、点眼薬など)を長期間使用した場合もクッシング症候群と同じ異常が出ます。

内分泌負荷試験には、分泌不全を疑う場合の分泌刺激試験と、ホルモン分泌過剰を疑う場合に行う分泌抑制試験の2種類がある。この項では、各種負荷試験を含めて内分泌機能検査の各論について述べる。


(5) 「3」の甲状腺負荷試験の甲状腺ホルモンについては、T3抑制等が含まれる。

糖尿病・内分泌・代謝内科は、糖尿病、高血圧など皆様に身近な生活習慣病から、1型糖尿病、副腎などの内分泌病、家族性高コレステロール血症などの遺伝病など、高度な専門性を必要とする病気まで幅広く対応しています。私たちのモットーは、目先の病気を治すことだけでなく、心臓、脳の病気、認知症、がんなどの予防医療に注力し、皆様と一緒に健康長寿、一病息災に取り組むことにあります。かかりつけ医師とご相談のうえ、今の病気の状態を一度見直してみませんか。

副腎腫瘍がある場合、コルチゾールの同時産生の有無を調べるため追加で検査(1mgデキサメタゾン抑制試験)を行います。 病型・局在診断

○ 概要

1.概要
下垂体から分泌されるADH、ACTH、TSH、GH、LH、FSH、PRLの単独ないし複数のホルモン分泌障害あるいは分泌亢進により、主として末梢ホルモン欠乏あるいは過剰による多彩な症状を呈する疾患である。病因は、下垂体自体の障害と、下垂体ホルモンの分泌を制御する視床下部の障害及び両者を連結する下垂体茎部の障害に分類される。実際は障害部位が複数の領域にまたがっていることも多い。
全ての前葉ホルモン分泌が障害されているものを汎下垂体機能低下症、複数のホルモンが種々の程度に障害されているものを複合型下垂体機能低下症と呼ぶ。また、単一のホルモンのみが欠損するものは、単独欠損症と呼ばれる。一方、分泌亢進は通常単独のホルモンのみとなる。

2.原因
汎ないし部分型下垂体機能低下症では、脳・下垂体領域の器質的疾患、特に腫瘍(下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍など)、炎症性疾患(肉芽腫性疾患としてサルコイドーシス、IgG4関連疾患など、自己免疫性炎症性疾患としてリンパ球性下垂体炎など)、外傷・手術によるものが最も多い。分娩時大出血に伴う下垂体梗塞(シーハン症候群)の頻度は低下している。一方、単独欠損症はGHやACTHに多く、前者では出産時の児のトラブル(骨盤位分娩など)が、後者では自己免疫機序の関与が示唆されている。さらに抗PIT-1下垂体炎(抗PIT-1抗体症候群)など自己免疫で複合型の下垂体機能低下症をきたすこともある。まれに遺伝子異常に起因する例があり、POU1F1PIT1; TSH、GH、PRL複合欠損)、PROP1(TSH、GH、PRL、LH、FSH複合欠損)、TPIT(ACTH)、GH1GHRHR(GH)などが知られている。カルマン(Kallmann)症候群の原因遺伝子であるANOS1KAL1)などの異常はLH、FSH欠損による先天性性腺機能低下症の原因となる。近年、頭部外傷、くも膜下出血後、小児がん経験者においても下垂体機能低下症を認めることが報告されている。
また、分泌亢進症に関しては、腺腫、上位の視床下部における調節機能異常などが挙げられる。

3.症状
欠損あるいは過剰となるホルモンの種類により多彩な症状を呈する。

4.治療法
基礎疾患に対する治療
原因となっている腫瘍性ないし炎症性疾患が存在する場合は、正確な診断のもとに、各々の疾患に対し、手術や薬物療法、放射線療法などの適切な治療法を選択する。
ホルモン欠乏に対する治療
下垂体機能低下症に対しては、欠乏するホルモンの種類や程度に応じたホルモン補充療法が行われる。下垂体ホルモンはペプチドないし糖蛋白ホルモンのため、経口で投与しても無効である。このため、通常、各ホルモンの制御下にある末梢ホルモンを投与する。GHやFSHのように、遺伝子組み換えホルモン等を注射で投与する場合もある。

以下に、ホルモンごとの補充療法の概略を示す。

クッシング症候群の病態生理、治療薬、注意点 | 薬学まとめました

3歳男子.新生児マス・スクリーニングで甲状腺機能低下症を指摘され,以来ホルモン補充療法を受けている.今回,病型診断のため来院した.甲状腺はびまん性に腫大し,軟らかい.甲状腺ホルモン投与中止後の検査は,FT4 0.4 ng/dL,TSH 56 μIU/mL,Tg 3 ng/mL,TgAb 0.5 IU/mL以下であった.甲状腺ヨード摂取率70%,パークロレイト放出試験は陰性であった.異常が最も疑われる遺伝子はどれか.

デキサメタゾン抑制試験の検査・診断する病気・下垂体と副腎の関係

○ 概要

1.概要
下垂体から分泌されるADH、ACTH、TSH、GH、LH、FSH、PRLの単独ないし複数のホルモン分泌障害あるいは分泌亢進により、主として末梢ホルモン欠乏あるいは過剰による多彩な症状を呈する疾患である。病因は、下垂体自体の障害と、下垂体ホルモンの分泌を制御する視床下部の障害及び両者を連結する下垂体茎部の障害に分類される。実際は障害部位が複数の領域にまたがっていることも多い。
全ての前葉ホルモン分泌が障害されているものを汎下垂体機能低下症、複数のホルモンが種々の程度に障害されているものを複合型下垂体機能低下症と呼ぶ。また、単一のホルモンのみが欠損するものは、単独欠損症と呼ばれる。一方、分泌亢進は通常単独のホルモンのみとなる。

2.原因
汎ないし部分型下垂体機能低下症では、脳・下垂体領域の器質的疾患、特に腫瘍(下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍など)、炎症性疾患(肉芽腫性疾患としてサルコイドーシス、IgG4関連疾患など、自己免疫性炎症性疾患としてリンパ球性下垂体炎など)、外傷・手術によるものが最も多い。分娩時大出血に伴う下垂体梗塞(シーハン症候群)の頻度は低下している。一方、単独欠損症はGHやACTHに多く、前者では出産時の児のトラブル(骨盤位分娩など)が、後者では自己免疫機序の関与が示唆されている。さらに抗PIT-1下垂体炎(抗PIT-1抗体症候群)など自己免疫で複合型の下垂体機能低下症をきたすこともある。まれに遺伝子異常に起因する例があり、POU1F1PIT1; TSH、GH、PRL複合欠損)、PROP1(TSH、GH、PRL、LH、FSH複合欠損)、TPIT(ACTH)、GH1GHRHR(GH)などが知られている。カルマン(Kallmann)症候群の原因遺伝子であるANOS1KAL1)などの異常はLH、FSH欠損による先天性性腺機能低下症の原因となる。近年、頭部外傷、くも膜下出血後、小児がん経験者においても下垂体機能低下症を認めることが報告されている。
また、分泌亢進症に関しては、腺腫、上位の視床下部における調節機能異常などが挙げられる。

3.症状
欠損あるいは過剰となるホルモンの種類により多彩な症状を呈する。

4.治療法
基礎疾患に対する治療
原因となっている腫瘍性ないし炎症性疾患が存在する場合は、正確な診断のもとに、各々の疾患に対し、手術や薬物療法、放射線療法などの適切な治療法を選択する。
ホルモン欠乏に対する治療
下垂体機能低下症に対しては、欠乏するホルモンの種類や程度に応じたホルモン補充療法が行われる。下垂体ホルモンはペプチドないし糖蛋白ホルモンのため、経口で投与しても無効である。このため、通常、各ホルモンの制御下にある末梢ホルモンを投与する。GHやFSHのように、遺伝子組み換えホルモン等を注射で投与する場合もある。

以下に、ホルモンごとの補充療法の概略を示す。

Cushing症候群・副腎性 subclinical Cushing症候群の 診断と治療

私の場合は、高血圧、むくみ、高血糖、脂質異常、筋力低下、体重増加などといったクッシング症候群に特徴的な症状もありましたので該当しそうです。

[PDF] クッシング症候群 問 189(国家試験問題)CHECK!

クッシング症候群は手術での腫瘍摘出が第一の治療となります。副腎の良性腫瘍によるクッシング症候群は手術で根治が期待できます。副腎は左右に一つずつあり、片方を摘出し、もう片方の副腎がホルモン分泌を行いますが、その機能が十分になるまで手術後6カ月から1年以上はかかるため、その間は内服でホルモンを補います。手術後、満月様顔貌や中心性肥満などの症状は徐々に改善しますが、骨粗鬆症は完全には回復しないこともあります。

両側副腎の腫瘍や、下垂体腫瘍が小さく特定できないなど、「手術で取りきれない場合」や「手術を行うのが難しい場合」は、コルチゾールの合成を阻害する内服薬で治療する方法もあります。特徴的な徴候がみられない「サブクリニカルクッシング症候群」については、合併症に応じて手術を行うかどうかを判断します。

クッシング症候群を放置すると、重篤な感染症や心血管疾患のリスクが上がり、寿命が短縮すると言われています。「食事量は変わらないのに体重が増えてきた」や「手足はやせるのにお腹周りに脂肪がつく」といった症状のある方は、ぜひ当科にご相談ください。

[PDF] クッシング病の診断の手引き(平成21年度改訂) 1

コルチゾールの過剰によって生じる特徴的な外見や症状として、満月様顔貌(顔が丸くなる)、中心性肥満(腹部肥満)、首や肩周りの皮下脂肪増加、手足にあざができやすい、ざ瘡(にきび)、体毛の増加、腹部や大腿の皮膚の赤紫色の線(皮膚線条)、手足が細くなり筋力が低下するなどがあります。生理不順や無月経、不眠、うつ状態も見られます。
自覚症状がない合併症として、高血圧、血糖値の上昇(糖尿病)、コレステロール値の上昇、骨密度の低下(骨粗鬆症)、電解質異常(低カリウム血症、低リン血症)、緑内障や白内障、消化管潰瘍、血栓症などを認めることもあります。さらに、コルチゾールが多いと、通常は感染しにくい細菌や真菌、ウイルスに感染症し(日和見感染症)、重症化する場合があります(文献1)。
コルチゾールが過剰であるのにクッシング症候群に特徴的な症状が見られない状態をサブクリニカルクッシング症候群といいます(文献2)。

[PDF] 副腎性潜在性クッシング症候群:病態、成因、臨床的意義と新診断基準

副腎の腫瘍により自立性にコルチゾールが過剰分泌されます。通常病変は片側性に腫大します。下垂体へのネガティブフィードバックによりACTH分泌が低下するため、逆側の副腎は萎縮します。
自然発生のクッシング症候群の15〜20%がこの副腎皮質の腫瘍で、そのうちの半分が悪性の腺癌で、半分が良性の腺腫です。