のどかな田舎の耳鼻咽喉科、気管食道科で診療ガイドラインに沿った小児急性鼻副鼻腔炎の診療をやっています.
病態が多様で治療方法も様々な慢性副鼻腔炎の治療では、個々の患者さまの病態を鑑別し、病態にあった治療の実施がポイントになります。そのため症状や病歴のみならず、アレルギー性鼻炎・喘息・鼻中隔弯曲・鼻茸などの有無、鼻汁の性状、X線検査やCT検査といった画像所見などを参考にします。
このうち、慢性副鼻腔炎が一般に「副鼻腔炎」「蓄膿症」「ちくのう」と呼ばれてい ..
最後に、この薬に関する知見を一つ。薬はその抗菌作用よりも免疫調整や抗炎症作用に首座をおいて、前述のように長期投与されることが多いのですが、この免疫調整や抗炎症作用の新たなメカニズムが近年の研究で明らかになっております。このことにより薬の免疫調整や抗炎症作用生体に限定した新薬開発が期待されるということで、薬が大量に使用されている現状を打破し対策に貢献すると考えられます。は細菌の進化そのもので、たとえ乱用がなくなっても細菌自身は生存のため改変していきます。乱用の是正で改変スピードを一旦遅らすことができても、新薬がなければいずれ人類は改変した細菌により多くの犠牲を出すことになります。新薬開発に期待しつつ、抗生剤の適正使用に努めていきたいと思います。
慢性副鼻腔炎に対するマクロライド療法のガイドラインでは、成人は1日エリスロマイシン400~600mg、またはクラリスロマイシン200mg、またはロキシスロマイシン150mg、小児は1日エリスロマイシン10mg/kg、またはクラリスロマイシン5mg/kgを基準として症例により適宜増減する。3ヶ月投与で全く無効な症例は速やかに他の治療法に変更し、有効症例でも連続で3~6ヶ月で一度中止し、症状再燃時に再投与する。小児にはできるだけ投与期間を短縮し、2ヶ月で有効性を認めなければ中止する。
[PDF] 慢性副鼻腔炎に及ぼすクラリスロマイ 少量長期投与の効果
炎症を抑える薬、抗生剤、鼻汁を減らす薬、アレルギーを抑える薬などを処方します。
粘性鼻汁を減らす目的でクラリスロマイシンという抗生剤を少量で2カ月前後処方する事があります。鼻の中を洗ったり、鼻を吸引除去して鼻に直接薬を入れるネブライザ-という局所治療も行います。ポリープが大きかったり薬で治りにくい場合は手術が必要になる事があります。
鼻腔につながる顔面骨の空洞を副鼻腔といい、副鼻腔の炎症を副鼻腔炎と呼びます。
副鼻腔炎は急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分けられます。急性副鼻腔炎は細菌やウイルス感染などによって副鼻腔に起こる急性の炎症で、膿性鼻汁、頭痛や顔面痛を生じ、通常は1~2週間で治ります。
副鼻腔の炎症症状が3ヵ月以上続くものを慢性副鼻腔炎と呼びます。慢性副鼻腔炎では持続性の膿性・粘性鼻汁、鼻つまり、頭痛・顔面痛、嗅覚障害などを生じます。
鼻茸(はなたけ)は、粘膜が慢性炎症によって腫れて、見た目がキノコのようになったもので、ポリープとも呼びます。鼻茸は大きくなると鼻づまりの原因となり、鼻腔をふさいで副鼻腔の換気を妨げ、副鼻腔炎を長引かせる原因となります。
本研究はクラリスロマイシン(CAM)の 少量長期投与の効果を評価するためにデザインされた。対象は
慢性副鼻腔炎に対しては病態に適した薬物を組み合わせますが、一般的なのがマクロライド少量長期療法です。鼻・副鼻腔粘膜の慢性化した病的状態を正常にし、鼻汁や後鼻漏を少しずつ改善させます。
急性副鼻腔炎は抗菌薬による治療を行います。
慢性副鼻腔炎に対しては病態(病状のタイプ)にあわせた薬物を組み合わせます。
慢性副鼻腔炎にはがよく用いられます。これは14印環という構造を持つマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン)を通常量の半量で長期間(2週間から数ヶ月間)服用する治療です。抗菌作用の弱い抗生物質をさらに半量で用いるので長期間服用しても安全です。マクロライド少量長期療法は細菌に対して働くのではなく、鼻・副鼻腔粘膜の慢性の病的状態を正常化し鼻汁や後鼻漏を徐々に改善します。
さきほどから説明している抗菌薬の中に、「マクロライド系」と呼ばれるグループがあり、慢性副鼻腔炎でよく使用されます。 ..
慢性副鼻腔炎が薬物療法で改善しない場合や鼻茸がある場合、また鼻中隔が強く弯曲している場合には手術療法が必要となります。
耳鼻科領域を超えての問題は看過できないレベルまで来ており、このまま抗生剤の乱用が続けば年には薬剤耐性菌の感染症で亡くなる人数が癌で亡くなる人数を上回るという試算もあり、世界的に取り込む喫緊の課題であるのは事実です。ですので、抗生剤の漫然とした処方は避けなければなりませんが、慢性の副鼻腔炎や小児に多い慢性の滲出性中耳炎にはクラリスロマイシンやエリスロマイシンといったマクロライド系抗生物質(薬)という細菌の増殖を抑える抗生剤を少ない量で長期間内服するのが有効なのも事実です。ただ、いくら長期とはいえ、さすがに延々と飲み続けるわけにもいきません。過去の報告で週続けてもヶ月続けても効果が同等であったということから、従来ヶ月での効果判定が推奨されてきました。有効であればヶ月までの内服継続は検討されますが、の観点からも効果がない場合は治療方針の転換が必要で、手術療法(鼻の内視鏡手術、小児であれば鼻の奥の扁桃腺であるアデノイドの切除)も選択肢の一つに上がると考えます。
[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠
慢性副鼻腔炎の標準的な治療はマクロライド少量長期投与を主体とした薬物療法と、内視鏡下副鼻腔手術の組み合わせです。しかし好酸球性副鼻腔炎は手術を行っても再発しやすく、難治性です。
クラリスロマイシン『クラリシッド』、アジスロマイシン『ジスロマック』があります。 ..
急性副鼻腔炎は、かぜの経過中に生じる場合が多く、かぜでみられる症状(全身倦怠感、頭痛など)に加えて、黄色~青みがかったが出て、これはのどの方にも流れていきます。
鼻腔や副鼻腔の粘膜が炎症によって腫れて、また鼻水の粘り気も多くなって、やを引き起こします。
鼻腔内の粘膜が腫れると、副鼻腔が鼻腔につながっている穴(自然口と言います)はふさがれてしまいます。その結果、鼻腔と副鼻腔の間の換気がうまく行われなり、副鼻腔内部に発生した分泌物が鼻腔に排泄できずにたまって、副鼻腔内の圧力が高まるために、が生じます。
が見られることもあります。
ライドといわれるクラリスロマイシン(CAM14 員環マクロライド)の方が、効果があ
副鼻腔炎は、発症から4週間以内の場合は「急性副鼻腔炎」、症状が3ヵ月以上続く場合は「慢性副鼻腔炎」と診断されます。
規格単位毎の明細 (クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」) ..
これらの報告結果と昨今の薬剤耐性(:対策からの抗生剤の適正使用の観点から、急性副鼻腔炎に対する抗生剤の使用は可能な限り制限するようにというのが世界的に同意を得た治療方針です。もちろん、重症細菌感染症へ移行しては困りますので、適切な抗生剤使用は時に必要です。ただ、小児の急性副鼻腔炎においては、最も重い合併症である頭蓋内感染の原因が主として薬剤耐性菌であるというデータもあり、これは抗生剤の不適正使用が最重症細菌感染症を招いてしまうという皮肉な結果ですので、抗生剤を漫然と使用することのリスクを示しています。
通常、小児にはクラリスロマイシンとして1日体重1kg あたり 15mg(力.
これらの空洞に炎症が起こることを「副鼻腔炎」といい、正確には症状の経過が短いものを「急性副鼻腔炎」、3か月以上症状が続くもの1,2を「慢性副鼻腔炎」といいます。このうち、慢性副鼻腔炎が一般にと呼ばれています。
【漢方解説】葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
その名の通り、急性に発症し、1か月に症状が消失する副鼻腔炎のことをいいます。多くはかぜ症候群(急性上気道炎)による副鼻腔のウイルス感染ですが、症状は軽く1週間以内に治癒します。しばしば細菌による二次感染を生じることがあり、その場合は抗生物質を含めた治療を必要とします。
用法・用量; 注意点・副作用; 保管方法; 製品情報; よくある質問
すでに対症療法としてかぜ薬を飲んでおられる場合が多いですが、急性副鼻腔炎とわかった時点からは、細菌に対する薬である、を服用開始します。
さらに、顔面の痛みや頭痛があればを使います。
通常、鼻水の粘り気をゆるめて排泄されやすくするための(カルボシステインなど)を組み合わせて使用します。
また、マイコプラズマや肺炎球菌にはクラリスロマイシンが少量でもよく効くとされています。 ..
日本鼻科学会編:急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン.日本鼻科学会誌49(2):143-247,2010
小児急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010(抜粋)
日本鼻科学会編:急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン.日本鼻科学会誌49(2):143-247,2010
急性鼻副鼻腔炎治療アルゴリズム(小児・軽症)
マクロライド少量長期投与を基本とする薬物療法と、内視鏡下副鼻腔手術を組み合わせて治療しますが、好酸球性副鼻腔炎は再発しやすい難治性の副鼻腔炎で、近年増加傾向にある病気です。
鼻内には鼻腔ポリープである多発性の鼻茸が生起し、副鼻腔粘膜への顕著な好酸球浸潤が特徴で、主に副鼻腔の病変は篩骨洞、嗅裂という部位に起こります。
急性鼻副鼻腔炎治療アルゴリズム(小児・中等症)
当院では急性中耳炎のガイドラインをもとに重症度に応じて科学的に証明された診断と治療を選択し、なるべく早く安全に治すことを第一目標にしています。しかしながら、中耳炎をひきおこす細菌が年々強くなり、抗生剤がなかなか効かなくなってきました。抗生剤が効かない場合、耳鼻咽喉科医しか行えない鼓膜切開を行い、なるべく早く細菌を体から排出させる治療を行っています。
急性鼻副鼻腔炎治療アルゴリズム(小児・重症)
医学的には3か月以上続く場合を慢性副鼻腔炎と定義しています。急性副鼻腔炎が契機になって生じた細菌感染を原因とします。時に鼻茸(ポリープ)を伴います。
従来型の副鼻腔炎(化膿性副鼻腔炎)のほかに、気管支喘息を合併する好酸球性副鼻腔炎という難治性の病態も存在します。
ほかには、真菌(カビ)が原因となる副鼻腔炎や上の歯が原因となる歯性上顎洞炎もあります。
エリスロマイシンやクラリスロマイシンなどのマ. クロライド系抗生物質を適応量の半分くらいで、数ヶ. 月服用していると、副鼻腔炎の状態がよくなってい. きます。
副鼻腔炎と喘息の関係については、喘息患者の40%~73%に慢性鼻副鼻腔炎を合併し、逆に慢性副鼻腔炎患者の約20%は喘息に罹患しているといわれます。また喘息を合併する慢性鼻副鼻腔炎の副鼻腔陰影の程度をCTでスコア化し重症度分類すると、CTスコアと血中の好酸球数、CTスコアと喀痰中好酸球とは正の相関があります。喀痰中の好酸球数は、喘息重症度の良い指標となります。つまり、慢性鼻副鼻腔炎の程度がひどいほど喘息も重症といえます。
これらのことは副鼻腔炎と喘息もone airway, one diseaseであることを示しています。
慢性副鼻腔炎|疾患情報集
マクロライド少量長期投与療法は、慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎の症状改善に有効な治療法です。
象疾患として,慢性副鼻腔炎,滲出性中耳炎,反
急性副鼻腔の炎症が3ヶ月以上続いた場合は慢性副鼻腔炎とみなします。
頻繁に風邪にかかったり、鼻や咽喉の炎症を繰り返すと、急性副鼻腔炎が軽快せずに慢性化することがあります。
偏食、環境、アレルギーなどの体質なども慢性化の原因として挙げられています。
鼻腔内部の形の変形(高度の鼻中隔彎曲症など)、遺伝的要因も関連があると考えられています。