ここからはメラトニンを分泌させるために欠かせない三つのポイントを紹介します。


紅葉がだいぶすすんで、鮮やかになってきています。
9月上旬が暖かかった影響もあるのでしょうか、今年の紅葉は例年より少し遅いような気もします。
この1週間ほどでピークを迎えるのでしょうか。

多くのパーキンソン病患者さんから相談を受けることのひとつに、睡眠の問題があります。
寝つきが良くない、途中で目が覚めてしまう、眠りが浅い、もっと眠っていたいのに早く目が覚めてしまう。歳を重ねるにつれ、健康な方にも同様の傾向がみられますが、パーキンソン病患者さんにはとくに多くみられる印象を持っています。どうしてなのでしょうか?

メラトニンという脳内ホルモンをご存知でしょうか?
一言でいうと「眠りを誘う脳内ホルモン」です。脳の松果体という部分から分泌され、夜間に分泌が盛んとなって眠りを誘い、質の良い眠りをもたらします。

興味深いのが、メラトニンは光を浴びてから14-16時間後に分泌が増えるということ。
朝6時に光を浴びると、20時~22時頃にかけてメラトニンの分泌が増えるために眠くなるわけです。そのため、朝早いうちに光を浴びることは、良い睡眠をとるためにとても大切なことです。カーテンを開けて朝陽を部屋に取り入れる、朝の散歩などは、夜間のメラトニン分泌を促し、きっと眠りの質を良くしてくれるはずです。

加えて興味深いのが、メラトニンはセロトニンからつくられるということ。
すなわち、セロトニンが少ないとメラトニンも減ってしまい、睡眠に影響が出るようになってしまうわけです。
パーキンソン病ではドーパミン減少の影響でセロトニンも減少することが多いと言われ、パーキンソン病患者さんはどうしてもセロトニン、さらにはメラトニンが分泌しにくい傾向にあるようです。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、日常生活ではとくにストレスよって分泌が低下しやすくなります。心身をリラックスさせるような習慣はセロトニンやメラトニン分泌を促し、きっと眠りの質を良くしてくれるはずです。

朝に光をたくさん浴びて、日中は心身のリラックスを心がけたいものです。
そして今夜も良い眠りが迎えてくれますように。


メラトニンは日中に分泌したセロトニンが原料となって分泌されます。

このようにオレキシンの分泌が盛んになって覚醒中枢が刺激され、睡眠中枢の働きを上回りますと覚醒し、逆に覚醒中枢の刺激が減ると睡眠中枢の方が上回って睡眠が起こると言うわけです。このオレキシンの発見およびそれより前に分かっていたメラトニンの発見は、睡眠薬にも変化をもたらせました。

それでは睡眠薬の開発の歴史についてお話いたします。1950年代のバルビツール酸系睡眠薬や非バルビツール酸系睡眠薬(麻酔薬や抗てんかん薬としても知られる)に始まり、1960年代にはベンゾジアゼピン系睡眠薬が開発され、作用時間や強さの異なる非常に多くの薬が発売されました。ベンゾジアゼピン系の薬は一般的な睡眠薬として今でも数多く使われておりますが、その作用機序はGABAA受容体における神経伝達物質のγ-アミノ酪酸(GABA)の作用を強めることであり、これにより、鎮静、催眠、抗不安、抗けいれん、筋弛緩など様々な作用を示します。このため睡眠薬としてだけでは無く、安定剤などとしても幅広く使われます。この系統の薬は睡眠に関係のあるところだけを直接刺激するわけではないので、副作用として脱力やふらつき、一過性の健忘などが出ることがあり、習慣性や抵抗性、さらに内服を止めた時の反跳性不眠(かえって眠れなくなる)が問題となります。それらを改善すべく1989年にはベンゾジアゼピン受容体のうち睡眠作用に関わる部分だけをより選択的に刺激する非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Zドラッグと呼ばれる)も登場しております。そして2010年には睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの受容体を刺激するメラトニン受容体作動薬が発売され、今回さらに不眠症で過剰に興奮した覚醒中枢に直接作用するオレキシン受容体拮抗薬が発売され、より自然に近い睡眠を誘発できるのではと期待されております。

喫煙者を1週間禁煙させてメラトニン25mg服用すると、という報告があります。

人間の体内時計は1日の24時間よりは少し長い25時間が1日であり、朝が来ると大体決まった時間に目が覚め、起きてから大体17時間くらいすると生理的に眠くなってくることが知られています。この仕組みは、朝になって光を浴びると脳内の体内時計の針が進み、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。この時、体内時計からの信号で、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンの分泌が止まり、オレキシンの分泌が高まります。そしてメラトニンは目覚めてから14~16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌され、メラトニンの作用により身体の活動は低下して血圧・脈拍・体温などが下がり休息に適した状態となって眠気を感じるようになるわけです。また気持ちが高ぶって興奮すると眠れませんが、情動によりオレキシンの分泌が盛んになっているのだそうです。

『メラトニン』は、私たちの体内で合成されるホルモンの一つで、一般に「体内時計」と呼ばれている〝体のリズム〟を整える働きをしています。人だけでなく、すべての脊椎動物の体内で分泌されている物質で、特に、睡眠と覚醒に影響を与えていることで知られています。
メラトニンの血中濃度は夜間になると上昇し、これが、人が「休息をとる」「睡眠をとる」というシグナルになります。ちなみに、夜行性の動物にとっては「活動を始める」というシグナルとして伝わっているそうです。
さらに、近年の研究でメラトニンには『抗酸化作用』があることもわかってきました。人の体内で起こる酸化は、「活性酸素」の悪影響によって体が錆びているような状態になり、がんや生活習慣病などの原因となってしまう状態です。抗酸化作用は、この活性酸素を抑えてがんの予防や生活習慣病の改善を促す働きで、美容に着目したエイジング対策としても期待できるものです。

メラトニンの分泌は朝目覚めて太陽を浴びてから約15時間後に始まります。分泌量は就寝前の1~2時間前に上昇し、真夜中にピークを迎えます。

以上、睡眠薬について説明してまいりましたが、どうしても眠れない時が睡眠薬の出番であり、起床時間や就寝時間を一定に規則正しい生活リズムを身につけること、アルコールやコーヒーなどの刺激物は過剰に摂らないこと、自分にあった運動をできれば夕方にすること、就寝前に音楽などでリラックスすること、寝室を清潔で快適なものとするとともにカーテンは遮光や遮音効果の高い厚手のものに変えることなど、まずは生活の工夫から初めていただきたいと思います。

それでは不眠症についてお話する前に、初めに睡眠のメカニズムから説明してゆきます。人は疲れた脳と身体を休めるために眠ると思われます。すなわち目覚めて活動していると疲れて自然に眠くなってきます。疲れますと脳の活動が低下して覚醒度が下がり眠くなってきます。逆に朝になりますと覚醒度が上がって自然に目が覚めます。このように睡眠と覚醒には覚醒度が重要なのですが、覚醒度を調節するための中枢は脳幹網様体といわれる部分にあるとされ、その中枢を刺激する神経伝達物質であるオレキシンという物質が1998年に当時テキサス大学で研究されていた櫻木先生によって発見されたのです。オレキシンは視床下部から分泌され、覚醒中枢に特異的に働き刺激するようです。オレキシンはもともと動物実験から摂食活動に関係があるのではと考えられていましたが、ナルコレプシー(日中、場所や状況を選ばずに強い眠気が発作的に起こる脳の病気)という人の病気に関係していることが分かったそうです。そしてこのオレキシンの分泌を盛んにする刺激として、体内時計、情動、栄養状態があるそうです。

[PDF] 照明によるメラトニン分泌抑制効果を低減するフィルタ

メラトニン(Melatonin)とは、脳の「松果体」という部分で分泌されるホルモン。体内時計に作用し、概日リズムを調節する効果があります。つまり、夜に眠気を感じさせることで、適切に睡眠がとれるようにしてくれているのです。

このメラトニンが分泌され始める時間を「DLMO:デルモ」と言い、体の中では(主観的な)夜が何時に来たのかを示す大事な指標です。DLMOは通常は19~20時なのですが、夜まで仕事をしていたり、明るい場所にいたりすると、分泌される時間がどんどん遅くなってしまい、体はいつまでたっても「まだ夜が来ていない」と勘違いして、睡眠相後退症候群(DSPS)のような状態を引き起こします。


増やすには(朝の光を浴びると14~16時間後に暗くなると分泌.

こうすればきちんと14時間後にメラトニンの分泌が始まりますが、朝起きても暗いところでだらだらしていると、メラトニンの分泌もだらだらと続いてしまい、体内時計も狂いがちになってしまいます。

メラトニンの分泌は、起床時からおよそ14時間後に始まり、その2時間後

実は、このジフェンヒドラミンは、もともとは睡眠薬として開発されたものではなく、蕁麻疹やアレルギー性鼻炎の治療薬として開発され、現在も尚、その用途に使用されています。
しかし、注意点もあり、一般的な副作用として、口の渇きや心拍数の増加、尿量の減少、便秘などが挙げられています。これは、以前から指摘されているもので、こうした症状が出た場合には服用を控えた方がよいでしょう。

夜に長時間にわたって光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制されることが分かっている。 ..

メラトニンとは、脳の松果体で生成され、体温や血圧を下げることで、私たちを睡眠へ導く働きをするホルモン。睡眠薬の成分としても活用されており、日本では認可されていないものの、アメリカなどでは市販されています。

と近い距離で浴びることにより、入眠を促すメラトニンの分泌が妨げら ..

また、メラトニンは「体内時計」を司る働きをもっています。朝になって光を浴びるとメラトニンの分泌が止まって体内時計はリセットされ、そこから約14時間後に再び分泌がはじまるようにセットされるのです。ここで大切なのは、朝起きたらカーテンを開けて朝の光を存分に浴び、メラトニンの分泌を一度ピタッと止めることです。

睡眠ホルモンのメラトニンの分泌量は歳と共に減少するものですが、実は工夫次第で歳をとってもメラトニンの分泌量を多くすることはできます。 ..

あるいは、眼が全く見えなかったりすると、このメラトニンの1日の中のリズムが作れなくなって、体はいつが夜でいつが昼なのか分からなくなってしまいます。

[PDF] メラトニンの分泌を促す生活とは…? 昼間は… 夜間は…

メラトニンは、日中だとほとんど分泌されませんが、夜になると数十倍に増加します。具体的に言うと、覚醒からおよそ15時間後です。

松果体より分泌される脳内ホルモンで、昼間は少なく夜間睡眠時に分泌が上昇する。 ..

メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。

睡眠について(後編)~良質な睡眠を得るために~|ドクターコラム

生物の進化に伴って、眠りも体を休ませる「休息」から、脳を休ませる「睡眠」へと進化している。昆虫などの無脊椎動物は眠っているというより、体を動かさないでただ休息している状態は見受けられる。魚類は大脳が小さく、脳波を測定できないので、定義上は眠っていると言えないが、ヒレを体にぴったりとつけてじっと動かずにいるなど特定の睡眠姿勢をとるものが多いことから、睡眠に近い状態と考えられる。爬虫類・両生類は脳波を測定できるが、活動期と休息期の脳波にほとんど変化がみられないことから、脳波のパターンによって睡眠を定義できないが、睡眠の原形の状態と考えられる。鳥類・哺乳類では脳の発達に伴い、脳波に明らかな変化がみられ、ノンレム睡眠とレム睡眠に分化し、真睡眠に分類される。鳥類はレム睡眠時に必ずしも急速眼球運動はみられず、レム睡眠時も目を閉じて眠らないこともある。多くの鳥はノンレム睡眠時に泳いだり、飛び続けたりといった単純な運動が可能である。
哺乳類で食物連鎖の最下位に位置するネズミは、身の安全を守るため昼間に眠り、夜間に活動する、といった多くの動物とは逆転した生活をしている。1日の総睡眠時間は13時間にのぼるが、まとまった睡眠はとらず、小刻みに眠る。食物連鎖の上位に位置する百獣の王ライオンは1日14~16時間、無防備な姿勢でまとまった睡眠をとる。アフリカゾウはその巨体から天敵は人間くらいしかいないのに、1日3~4時間くらいしか眠らない。ゾウは草食動物であり、その巨体を維持するために多くの草を食べ続けないといけないからである。同様に草食性のウシも1日3時間くらいしか眠らず、うとうとした状態で反芻することができる(表1)。

睡眠に関係するホルモン~メラトニン(1)|つきじ心のクリニック

実際にメラトニンの抗酸化作用によって、マウスの寿命を延ばす効果や神経細胞を守る効果があることが報告されています[3]。

体内時計と睡眠のしくみ | 体内時計を調節するホルモン、メラトニン

美容や健康に敏感な女性の皆さんであれば「レム睡眠」や「ノンレム睡眠」という言葉については、すでにご存知なのではないでしょうか。
レム睡眠は浅い眠り、ノンレム睡眠は深い眠りにある状態のことを指すのですが、肌の水分量やコラーゲンを増やしたり新陳代謝に影響を与える「成長ホルモン」は、ノンレム睡眠のときに活発に分泌されるといわれています。

メラトニン分泌の変化は注意欠如多動症(ADHD)症状と関連する

NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。

体内時計は、1 日約 25 時間のリズムを刻んでいるため、生活時間の 24 時間とズレ ..

MT1には、1,2両方の働きがあるようです。また、睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がありますが、MT1はレム睡眠に対する、MT2はノンレム睡眠に対する影響があるようです(文献3:図も)。これらの作用を利用して、メラトニンを不眠症治療、睡眠の改善にもちいることが行われます。

けていると、メラトニンの分泌が抑えられて、子どもはなかなか眠りにつくことが

そして、そのノンレム睡眠の状態になるために必要なのが、別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれている「メラトニン」です。
メラトニンの分泌量が増えるほど睡眠の質が高くなり、ノンレム睡眠の状態を維持しやすくなるといわれています。
つまり「成長ホルモン」をたくさん分泌してキレイになるためには、「メラトニンの分泌量を増やすための努力」をすればいいということになるのです。