副作用がマイルドで中止もしやすいことから、使いやすい抗うつ剤になります。
大うつ病性障害患者に対して、無作為化二重盲検下でエスシタロプラム10mg/日またはプラセボを7日間投与し、恐怖及び幸福の表情認知に対する扁桃体のBOLD信号の変化を観察した。BOLD信号の増加は、神経活動の亢進に伴う脳血流量の増加を示しており、扁桃体においては不安・恐怖反応の増大を意味する。本研究の結果、幸福の表情認知におけるBOLD信号変化率はプラセボ群とエスシタロプラム群とで有意な差は認められなかった。一方、恐怖の表情認知におけるエスシタロプラム群とプラセボ群のBOLD信号変化率は有意な差があり、また、恐怖の表情認知では、大うつ病性障害患者(プラセボ群)のBOLD信号変化率は健康成人と有意に異なることが示された(図4)。このことから、うつ病患者で増加する恐怖の表情認知に対する扁桃体の活性化が、エスシタロプラムの投与によって抑制されたと考えられる。
それ以外に、なかなか相談しづらいために我慢されている方が多い副作用が、
一見さんの他者であれば問題ないが、関わりが深くなると不安・緊張が強くなることがあり深い人間関係を避ける傾向にあります。
多くは10代後半から20代にかけての発症がみられますが、管理職になり人前で話す機会の増える40代で発症することも珍しくありません。男女比はありませんが、日本では生涯のうちに約3~13%の人が社会不安障害を経験するとされています。
人前で恥ずかしい思いをした経験が引き金になることがあります。低い自己評価と他人からの批判を過度に気にする性格傾向にあります。
強い不安や恐怖を感じるため、このような状況を避けるようになり、人によっては引きこもり生活となり社会生活に支障が生じます。特に中高生の不登校の原因になることもあり、そのような場合は適切な治療介入し、登校を促すことが重要となります。
前頭前野は認知的な制御機能を担う領域であり、パニック障害の人々では前頭前野の活動が低下していることが示唆されています。これにより、パニック発作時の過剰な恐怖反応を抑制する能力が低下し、パニック症状の制御が困難になる可能性があると考えられています。またパニック障害の患者は脳の感覚処理に関連して異常な活動が見られることがあり、特に、視覚や聴覚の感覚情報を処理する領域での過剰な活動が報告されています。これにより、環境の刺激に対する過敏な反応が生じ、パニック発作を誘発している可能性があります。
ですから、セロトニンが過剰に作用してしまって、副作用となるのです。
ここで重要な点としては「精神的に弱い」から発症したりするものではないということでしょうか。これは医療従事者の間でも誤解があることがあり、パニック発作やパニック障害を起こす人は精神的に弱い人であるというレッテルを貼られてしまうことがあるのが今の世の中の実情であると診察しながら感じることが多くあります(実際、発症した方自身も発症するまではそういった印象を持っておられる方も多いかと思います。)。しかし、実際には脳の誤作動である以上今健康な状態にあるどなたにも起こり得るものであり、決してその人の性格面から発症しているわけではありません。 一方で発症後は「死ぬかもしれない強い不安」に度々襲われるわけですから、病前がどんな健康的な人であっても精神的に不安定になって当然であるわけです。
体内におけるセロトニン作用の増強に関連する副作用リスクについてあらためて注意を喚起します。全日本民医連の副作用モニターでも31件が報告されています。そのほとんどは、吐気・むかつきなどの消化器系への影響と眠気などの中枢神経症状です。うつ病での国内治験の副作用では、吐気は12~20%、傾眠は13~24%となっています。
レクサプロは、セロトニンを増加させる作用にしぼったお薬になります。
パニック障害の原因の仮説としては小難しく記載してもわかりづらくなってしまうため、ざっくりした説明で記載しますと「脳の扁桃体という場所が誤って過活動を起こす」ためと考えられています。すなわち脳が勘違いをする、もしくは誤作動を起こすことによって生じていると考えてもらえればよいかと思います。
慢性的なストレスや急性のストレスイベントは、パニック障害の発症や症状の悪化に寄与することがあります。これには仕事や学校でのストレス、家庭内の問題、経済的困難、健康問題、または大切な人との死別などが含まれます。また、幼少期における親の不安や過保護、虐待やネグレクト、または他の深刻な家庭内問題もパニック障害の発症に影響を及ぼす可能性があります。大学入学、新しい仕事、結婚、離婚、出産など、生活の大きな変化も旧姓のストレスイベントともなりえることから不安症状を引き起こす可能性があります。また、生活習慣として喫煙、アルコールまたは薬物の乱用は、パニック障害の症状を引き起こすか悪化させる可能性があります。
レクサプロの特徴としては、効果と副作用のバランスが良いことがあげられます。
社会不安障害のひとつに会食恐怖症という疾患があります。文字通り特定の場面や場所で他人と食事をすることができなくなる病気です。新社会人や大学1年生など会食が増える時期(4月頃)に苦しくなって来院される方が多いです。子育て中の主婦ですとママ友との会食ができないという主訴で来院されます。また、そのような会食が将来増えることを予想して、事前に来院される方も多いです。
※以下では「レクサプロ」として、エスシタロプラムの効果や副作用をお伝えしていきます。
※抗うつ剤についての副作用を比較したい方は、『』をお読みください。
2.精神病症状を伴う→抗精神病薬を併用。
3.重症で休職を要する→ノルアドレナリンにも作用する薬剤でないと寛解しにくいとも言われている為、SNRI、ミルタザピン、ボルチオキセチンを単剤または併用。
4.不安障害を背景にもつ→不安障害も治療する必要がある為、まずはSSRIを主剤とし、抗うつ効果が不十分ならミルタザピンまたはミルナシプラン(中高年男性では尿閉に注意)を追加。または最初からベンラファキシン、ボルチオキセチン単剤。
(1)若年男性→性機能障害の少ないエスシタロプラム、またはフルボキサミン(併用薬剤に注意)を主剤。
(2)若年女性→若年女性に有効率の高いセルトラリンを主剤。
(3)(1)または(2)で不安障害に対する効果が不十分→パロキセチンに変更。
5.非定型うつ病→セルトラリンを主剤(Stephen M.Stahl)とし、抗うつ効果不十分ならミルタザピンを併用、気分の波、怒り発作、不安抑うつ発作にはバルプロ酸200~400mg、鉛様の麻痺にはブロナンセリン2mgを併用。
6.老人→老人のうつに多い不眠、食欲低下、不安、焦燥に有効で、投与初期の副作用である眠気等が老人では出にくいミルタザピンを主剤。妄想や認知機能の改善を期待する場合にはフルボキサミンを単剤または併用。
7.上記以外の中等症のうつ病→ノルアドレナリンにも作用する薬剤でないと寛解しにくいとも言われている為、SNRI、ミルタザピンを単剤または併用。
1.~3.は精神科での治療が必要ですが、4.~7.はプライマリケアでも治療可能と思われます。
レクサプロは、効果と副作用のバランスのよさに定評のある抗うつ剤です。
薬物療法としてはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)もしくはSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)を用いることが多く補助的に不安症状を抑えるために抗不安薬などを頓服薬として使用することが多いです。また、認知行動療法を併用する場合もあり、認知行動療法はパニック障害の治療に最も一般的に用いられる心理療法の一つです。この療法では、個々のパニック発作につながる恐怖や不安を引き起こす思考パターンと行動を特定し、それらを変えることを目指します。 効果や寛解率は個人によって異なるため、一般的な数値を提示することは困難ですが、ある研究によれば、SSRIやSNRIを使用したパニック障害の治療では、多くの患者が症状の改善や寛解を経験しており、寛解率は50〜70%程度と報告されています。
不安や恐怖 ~②人前での過剰な緊張や不安 社交不安障害(あがり症)
ドグマチール(スルピリド)という薬もよく効きます。ドグマチールは胃・十二指腸潰瘍とうつ病に適応がある薬です。まさに神経性胃炎に最適という薬です。心療内科でサインバルタやレクサプロ、トリンテリックスを処方されているけど胃の調子が悪い。消化器内科でドグマチールを処方されたけれど良くならなかったという人も多いです。消化器症状にはSSRI・SNRI・S-RIMとドグマチールを一緒に使うととてもよく効きます。ドグマチールは母乳が出たり、生理が遅れたりといった副作用がありますが、原クリニックでは50mg錠の半分(通常使用量の6分の1)を1日量にすることによって、副作用を減らし同等の効果を得ています。ドグマチールのこのような副作用は内服を止めればすぐ改善します。
抗うつ薬の種類・効果効能・副作用の解説 | 国分寺 精神科 心療内科
また症状も色々です。眩暈・動悸・息苦しさ、失神などパニック発作的な症状がメインの方から、吐き気・気持ち悪さなど身体症状がメインの方まで幅広く様々おられ対処方法もそれぞれ異なります。嘔吐に対して過度に怖がる嘔吐恐怖を合併することもあります。
男女比としては女性にやや多い印象ですが、男性の方も多く来院されます。性格傾向としては優しくて、怖がりで他人に過度に気を使い疲れやすい、自分よりも他人を優先する傾向があります。
エスシタロプラム(レクサプロ)は、精神科で使われる抗うつ薬SSRIの1つです。うつ病、社会不安障害等に使われます。
錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう)とは、抗うつ薬などを長期間服用したときにドーパミンの過剰な遮断によって出現する症状のことを指しています。
錐体外路とは自分の意思とは関係なく現れる運動と緊張を支配している神経経路のことであり、錐体路(自分の意思で支配している神経経路)との協調によって私たちは随意的に運動することができるシステムになっています。
しかし、錐体外路症状の出現によって、日常生活が困難になることがあります。錐体外路症状には「筋緊張亢進(筋緊張が進むこと)」「筋緊張低下」が見られます。
レクサプロは、うつ病・うつ状態、社会不安障害に保険適応されているお薬です。 3.レクサプロの作用メカニズム
病理学的には脳の扁桃体という不安・恐怖などの感情をつかさどる部位の過剰な活性化なのですが、過去の会食時に嘔吐をしてしまい周囲が大騒ぎになった、吐きそうになって苦しいのに我慢して食べた、学校給食で気持ち悪いのに居残りで無理やり食べさせられた、などの体験がトラウマになり発症した方もおられます。もちろん原因ははっきりしない場合もあります。
レクサプロが適応を有しているうつ病・うつ状態、そして社会不安障害(SAD)に関しては国内で臨床試験を行った承認を得て発売をしています。
7.2. 肝機能障害患者、高齢者、遺伝的にCYP2C19の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)では、本剤の血中濃度が上昇し、QT延長等の副作用が発現しやすいおそれがあるため、10mgを上限とすることが望ましく、また、投与に際しては患者の状態を注意深く観察し、慎重に投与すること〔8.7、9.1.1、9.1.2、9.3肝機能障害患者、9.8高齢者の項、11.1.4、16.1.1、16.1.2、16.5、16.6.2−16.6.4参照〕。
神経症という言葉は最近あまり使用されなくなりましたが、不安症(不安障害)とは ..
レクサプロ・サインバルタ・トリンテリックス等を飲んで嘔気や眠気の副作用が強かったのでやめたという人がいますが、原クリニックでは少量からゆっくり始めることで副作用の出現がかなり抑えられています。
つまり、全般性不安障害は神経症性障害であり、不安感を主症状とした不安障害の ..
治療としては、他の不安障害と同様にSSRI(代表的にはセルトラリン)などの脳内のセロトニンを増加させる薬剤をベースに使うことが多いです。ただしSSRIは内服初期に吐き気の副作用がでやすく会食恐怖では使いづらいこともあります。その際は抗精神薬のオランザピン、スルピリドといった食欲が増すような安定剤を追加すると大丈夫なことが多いです。
主な症状として、中枢神経障害(めまい、振戦、不安、焦燥、興奮、
MAO阻害剤といわれるモノアミン酸化酵素阻害剤とエスシタロプラムを一緒に服用すると、脳内のセロトニン濃度が異常に高くなってしまう可能性があり、副作用が強く出てしまう恐れがあるため併用できません。
24) 社会不安障害に対する長期投与試験(レクサプロ錠:2015 年 11 月
レクサプロは、になります。それ以外の作用を抑えることで、副作用を軽減させています。