[PDF] セフェムアレルギーと βラクタム系抗菌薬の使用(交差反応)
欧米では梅毒の治療の第一選択肢であったペニシリンの筋注用製剤(ステイルズ)が、2021年に日本でも薬事承認がなされ、使用できるようになりました。
・早期梅毒: ベンジルペニシリン 1回240万単位筋注 単回
・後期梅毒: ベンジルペニシリン 1回240万単位筋注 週に1回 計3回
【抗菌薬】ペニシリンアレルギー、 セフェムアレルギーの対応と代替薬
・膿痂疹、蜂窩織炎
:多くは黄色ブドウ球菌が原因。黄色ブドウ球菌はペニシリン系耐性が多いため、セファレキシン(第1世代セフェム系抗菌剤)が第一選択薬。外用薬(塗り薬)のうち、ゲンタマイシンは耐性(効かない)と言われている
セフェム系のエステル型(セフェム第三世代)です。安全性でいまでも使われているケフレックス(セフェムの第一世代 ですが、今効かせようとすると相当量出さなければなりません)と同じ系統です。2002年のデーターですが、300mg投与で有効率91%とかなり高率です。現在でも歯性感染症には90%の抗菌力があり衰えていません。βラクタマーゼ産生菌には弱いので4-5日で効かないようでしたら薬をクラビット等に変えます。この薬の特徴は出しやすさにあります。プロドラッグですので胃腸障害が少ないです。また他剤との相互作用や患者様の状態によって重篤な疾患を招くことがありません。薬にはなることはあっても毒にはなりません。歯科の第一選択のひとつです。
ペニシリン系とセフェム系の交差性も知られており、7 位に類似構造をもつセフェム系に注意が必
また、アレルギー歴の申告は抗菌薬の選択に影響を与える。MSSA菌血症ではペニシリンアレルギーの申告は生存率に影響しなかったが、多くのアレルギーとされる患者はセファゾリンの治療を受け、バンコマイシンが選択された群での死亡率の上昇がみられたため、適切なセファゾリンの選択が有効であると報告されている29)。
Jarisch-Herxheimer反応
梅毒の治療開始時に菌体成分が放出されることによる反応。
症状:発熱、咽頭痛、倦怠感・筋肉痛・頭痛などの全身症状、梅毒病変の一過性悪化などです。
治療開始数時間後に出現し、1日程度で消失することが多いです。治療開始前にこのような症状が出現する可能性があることを説明しておく必要があるでしょう(薬剤アレルギーと思って治療を中断してしまうかもしれないため)。
[PDF] 浜松市内科医会 AAS 第 5 報 経口第 3 世代セフェム系抗菌薬の問題点
米国では約10%の患者がペニシリンアレルギーと申告しており、高齢者や入院患者でその頻度が高まる。そのうち約の患者では安全に投与することができると報告されている26)。過剰なペニシリンアレルギー診断は、高価で不適切な抗菌薬使用を助長する27)。また、入院期間の延長やC. difficile、MRSA、VRE感染症のリスクも高まることが報告されている28)。
主な原因菌はなどです。マイコプラズマ感染症は5~12歳の学童に多く、主に気管支炎や肺炎を引き起こします。診断はLAMP法などで行います。近年、日本を含むアジアではマクロライド耐性のマイコプラズマが増加傾向にあります(2012年のデータでは耐性菌は81.6%にもなります)。マイコプラズマは自然軽快することも多いことから、私はマイコプラズマに対しては、マクロライド系抗生物質であるアジスロマイシンを第一選択にしています。マクロライドに効果がない場合は、第2選択としてクリンダマイシンやテトラサイクリンが候補になりますが、クリンダマイシンはマクロライドとの交叉耐性の問題がありますし、テトラサイクリンは8歳未満のお子さんでは歯牙黄染(3~4%)を起こすことがあり安易な処方には注意が必要です。治療抵抗性のマイコプラズマ感染症に対してはプレドニゾロン2㎎kg/dの有効性が認められており、抗生剤ではありませんが選択肢のひとつとして考えてもよいと考えています。
さらに追記するなら、プレボテがβ-ラクタマーゼ産生菌であり、ペニシリン系・セフェム ..
小児の皮膚感染症は、伝染性膿痂疹(とびひ)や蜂窩織炎が多く主な原因菌はや溶連菌です。治療の基本は洗浄で皮膚の清潔を保つことが重要です。そのうえで、ほとんどのケースでは外用抗生剤(軟膏)で対応可能です。抗生剤の内服が必要な例としては、皮下組織に進展している、発熱を伴う、リンパ節炎を伴う、多発性(5か所以上)、アトピー性皮膚炎の合併がある例などです。まだ市中感染のMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の頻度は多くないことから、まずは第1世代のセフェム系で開始します。
ペニシリン系抗菌薬とセファロスポリン系抗菌薬は構造に類似点があるが、その分解経路が異なる(表3)25)。ペニシリン系は蛋白質の残留リジンに結合できる不完全な中間体としてpenicilloylを形成して抗原となる。セファロスポリン系抗菌薬は速やかにフラグメントに分解され、分解生成物の免疫原性がそれほど強くないことがペニシリン系抗菌薬とは異なる。一方、R1側鎖は構造を残したまま分解されるため、抗原決定構造となる。
セフェム系抗生物質, うすい赤色 イチゴ味 後味がわずかに苦い つぶしたり、溶かし ..
またワーファリン投与時の第一選択はセフェム系を避けてペニシリンが良いとの記述がありました。まあジスロマックが無難かなと思っています
ペニシリンアレルギーもこれに含まれる。 βラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系)が最多であり、
治療にはペニシリン系の抗生物質(サワシリン、ワイドシリン、パセトシンなど)を使用します。ペニシリン系の抗生物質にアレルギーがある場合にはエリスロマイシン(エリスロシンなど)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッドなど)を内服します。
フロモックスとは? フロモックス(一般名:セフカペンピボキシル塩酸塩水和物)とは、セフェム系に分類される抗生物.
過敏反応
ペニシリン投与による「副反応」は0.5~5%に起こるとされていますが、真の「アレルギー」であることはそこまで多くありません。アナフィラキシーや重症薬疹など重篤なアレルギーの既往がある場合は、ペニシリン系、およびペニシリン系と交叉反応を起こす可能性が高いセフェム系やカルバペネム系は避けたほうが無難です。
3章 抗微生物薬の特徴 2 ペニシリン系(経口):アモキシシリン,アモキシシリン・クラブラン酸 ..
欧米では経口吸収率のよいpenicilin Vが使用できるが、本邦では使用できません。
ペニシリンGの内服薬(バイシリン)をどうしても使用したい場合(例:GAS咽頭炎疑いだが伝染性単核球症がどうしても除外できずアモキシシリンを使いづらい場合)は、胃酸の影響を受けにくい空腹時の投与を検討しましょう。
アミノペニシリン(アモキシシリン、アンピシリン)との交差反応は 1.3%
1.推奨される抗菌薬療法
基本的には、ペニシリン系抗菌薬が第1選択である。
海外では、アモキシシリン50mg/kg/日、分1、10日間が有用との報告がある。
アモキシシリン100mg/kg/日、分2、5日間の試みもある。
セフェム系薬による治療は、除菌効果に優れるとの報告もあるが、異論もある。
アモキシシリン・クラブラン酸96.4mg/kg/日、分2、3日間の試みもある。
・バイシリンG 5万単位/kg/日、分3~4、10日間
・アモキシシリン 30~50mg/kg/日、分2~3、10日間
・セフジニル 9~18mg/kg/日、分2~3、5日間
・セフジトレン ピボキシル 9mg/kg/日、分3、5日間
・セフカペン ピボキシル 9mg/kg/日、分3、5日間
・セフテラム ピボキシル 9~18mg/kg/日、分3、5日間
2.ペニシリンアレルギーがある場合の処方例
わが国においては、マクロライド耐性菌の分離頻度が高く、注意を要する。
・エリスロマイシン 40mg/kg/日、分2~4、10日間
・クラリスロマイシン 10~15mg/kg/日、分2~3、10日間
・アジスロマイシン 10mg/kg/日、分1、3日間
未満と言われている。しかし、アミノペニシリンとセファロスポリンとの交差
βラクタム系抗菌薬は、化学構造的にすべて4員環のβラクタム環を有する。隣接構造が系統別に違っている(図1)11)。
・ペニシリン系抗菌薬:5員環のチアゾリジン環および側鎖を1つ(R1)持つ。
・セファロスポリン系抗菌薬:6員環のジヒドロチアジン環および側鎖を2つ(R1、R2)持つ。
・カルバペネム系抗菌薬:ペニシリンとやや異なる構造のチアゾリジン環を持つ。
・モノバクタム系抗菌薬:隣接環を有さない。
患者にセファレキシン、アモキシシリン過敏症患者にセファレキシンとセファクロルが陽性) を ..
セフェム系薬剤短期療法(5日間または7日間)とペニシリン系薬剤(10日間)の治療効果は、現在のところ同等であると考えられる。
セフェム系薬剤は広い抗菌スペクトラムを有するため、溶連菌以外が関与する感染症に対する切り札にされることが多い。
ペニシリン系薬剤に耐性株の報告がない現状では、抗菌薬適正使用の面からも溶連菌感染症の第1選択薬はペニシリン系薬剤が望ましく、再発例やコンプライアンスの悪い症例に対する選択肢のひとつとしてセフェム系薬剤短期療法を考慮すべきと考えられる。
現在、供給が十分でないアモキシシリン/クラブラン酸(オーグメンチン®)、アモキシシリンに加え、代替薬として使用していた第一世代のセファロ.
アミノペニシリンとアミノセファロスポリン(セファレキシン、セファクロル、セファドロキシル)は同一R1側鎖を有すため、IgE介在性30)・T-細胞介在性19)ともに交差アレルギー反応がみられるため避けるべきである。
側鎖が被らなければセフェム, カルバペネム, アズトレオナム変更を検討
【ベンジルペニシリン】200万~400万単位 4時間ごと静注 または 1200万~2400万単位 24時間持続静注
髄膜炎・感染性心内膜炎・壊死性筋膜炎などの重症病態では高用量での使用が望ましい
[PDF] ペニシリンアレルギーとは~βラクタム系の交差性を ..
◎ レンサ球菌:溶血レンサ球菌による皮膚軟部組織感染症(壊死性筋膜炎であればクリンダマイシンの併用を検討)や緑色レンサ球菌による感染性心内膜炎の第一選択
◎ 髄膜炎菌:髄膜炎菌性髄膜炎の第一選択
◎ 感受性のある肺炎球菌での第一選択:最近ではペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP:penicillin-resistant )が増えている
◎ 梅毒・レプトスピラなどのスピロヘータ属の第一選択
○ クロストリジウム属(など)や口腔内嫌気性菌の大部分(など)
○ その他さまざまな微生物に活性がある:ジフテリア()・炭疽菌 ()・放線菌のアクチノミセス()など
× 黄色ブドウ球菌・大腸菌はペニシリナーゼを産生するため耐性であることが多い
× 横隔膜下の嫌気性菌には無効
歯科ではアモキシシリン水和物(商品名:サワシリン錠 250mg他 ..
溶連菌感染症の治療は、基本的にペニシリン系抗菌薬が第一選択であるが、セフェム系抗菌薬も有効である。
「小児呼吸器感染症診療ガイドライン2011」では、ペニシリン系抗菌薬の10日間投与またはセフェム系抗菌薬の5日間投与が推奨されている。
これまでのところ、溶連菌に対するペニシリン系やセフェム系抗菌薬の薬剤耐性菌は問題になっていないという。
疑われ、起因菌として肺炎球菌が考えられる場合はアモキシシリン等のペニシリン系抗菌薬
このように、現在ではアレルギーは系統だけで判断するのではなく、その化学的構造などを考慮して判断する必要がある。今後、新たなβラクタム系抗菌薬が販売されたとしても、側鎖構造を判断することで交差アレルギーが予測できる。2019年に米国FDAで認可されたcatechol-cephalosporinのCefiderocolは、R1側鎖にセフタジジムと共通の構造を持つ。臨床で使用されないと判定はできないが、セフタジジムやアズトレオナムと交差アレルギーがあるかもしれない。
【ミニレビュー】 βラクタム系抗菌薬アレルギー(Q&A形式でみる)
鼻副鼻腔炎は、副鼻腔炎に感染が起こると発症します。副鼻腔に感染が成立するためには、ウイルス性鼻炎やアレルギー性鼻炎による炎症や浮腫が副鼻腔の排出経路がブロックされて、二次性に細菌感染が起こります。ですので、副鼻腔炎の大多数はウイルス性であり、抗菌薬は不要です。急性鼻副鼻腔炎の原因菌は肺炎球菌とインフルエンザ菌の2つで約80%を占めます。鼻腔の培養と副鼻腔炎の原因微生物の間には相関がないので鼻腔培養を行う意味はありません。ですので、1) 鼻汁や後鼻漏、夜間の咳など症状の改善がないまま10日間以上持続している、2) 39度以上の発熱と膿性鼻汁が3日以上続き重篤感がある、3) 最初は上気道炎だったが、1週間経過して再び38度以上の発熱が見られ、呼吸器症状が増悪するなどの症状がある時に治療の対象となります。