アムロジピンとクラリス(クラリスロマイシン)で、降圧作用増強の可能性があり、併用注意。 ページの先頭に戻る.
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
クラリスロマイシン錠50小児用「TCK」表示材料等の変更の ..
下記製品の表示材料等の変更について、案内文書を掲載致します。
・アムロジピン錠5mg「TCK」(PTP140錠)
・クラリスロマイシン錠50小児用「TCK」(PTP100錠)
マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。
アムロジピン錠5mg「TCK」、クラリスロマイシン錠50小児用「TCK」表示材料等の変更のご案内
クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。
フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。
[PDF] クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」 を服用される患者さんへ
一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。
アムロジピンとクラリス(クラリスロマイシン)で、降圧作用増強の可能性があり、併用注意。
Ca拮抗薬とクラリスロマイシンの併用により急性腎障害リスクが上昇
妊娠中や授乳中の場合にはクラリスを使用できないわけではありませんが、気軽に内服できるわけでもありません。妊娠中に高容量のクラリスを投与すると胎児に心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等の異常が生じる可能性があると動物実験にて報告されています。また、クラリスは母乳にも移行します。病気の種類に応じて、治療を行うメリットと治療を行わないデメリットを比較・検討し、担当医と十分に相談して治療に当たりましょう。
クラリスロマイシンは代謝酵素CYP3A4を阻害します。そしてカルシウム拮抗剤はそのCYP3A4によって代謝されるため、クラリスロマイシンの服用によりマニジピン(カルシウム拮抗剤)の血中濃度が上昇し、腎臓の血流減少を引き起こし、急性腎障害となったと考えられます。
カナダでの後ろ向きコホート研究では、アムロジピンやニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬を服用していて、マクロライド系抗生剤のクラリスロマイシン(CAM)やアジスロマイシン(AZM)を処方された患者をピックアップし、腎障害や低血圧などの事象を比較検討しました(対象患者CAM9万6226件、AZM9万4083件)。その結果、腎障害での入院はAZM0.22%(208件)に対しCAM0.44%(420件)で相対リスク1.98倍、絶対リスクで0.22%と有意なリスク増加が見られました。低血圧による入院も、AZM0.07%に対してCAM0.12%と有意に多いという結果がでています。
カルシウム拮抗剤やクラリスロマイシンは、日常の医療現場で非常に広範囲にわたって使用されています。高齢者の使用には薬の選択に注意が必要です。特にニフェジピンは、他のカルシウム拮抗剤と比較して急性腎障害の発生リスクが5倍という結果が出ています。カルシウム拮抗剤(特にニフェジピン)服用の患者にマクロライド系抗生剤を投与する場合は、アジスロマイシンの使用を優先するか、他の系統の抗生剤を考慮する必要があるかもしれません。
もう一つの配合薬は、持続性カルシウム拮抗薬のアムロジピン(ノルバスク)です。 ..
広く医療現場で使用されている抗生剤クラリスロマイシン。その影響による副作用を紹介します。
症例) 70代男性 慢性腎不全定期受診中。マニジピン、エナラプリル、ロサルタンカリウム、アロプリノールなどを服用。ピロリ除菌目的でクラリスロマイシンを1日800mgで開始。服用3日後から顔面の浮腫発生。除菌を中止し、フロセミド内服開始。3日間服用するもCre5→8台へ悪化。緊急透析施行となる。
タケキャブ錠10mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
一般的な感染症であれば、服用開始から2~5日程度で症状が改善してきます。
ただし、症状が良くなったからといってすぐに服用を中止してはいけません。症状をしっかり改善し、かつ耐性菌の発現を防ぐためには一定期間服用を続けなければいけません。
したがって、重篤な副作用などがない限り、処方されたクラリスロマイシンは飲み切るようにしてください。