胃や腸で起きること 薬の「のみ合わせ」Vol.1 | 住友ファーマ株式会社


含有程度には違いがありますが、フラノクマリン類はグレープフルーツに限らず、以下などにも含有しているとみられています。
スウィ―ティー
文旦、土佐文旦(パール柑)、平戸文旦、晩白柚
サワーオレンジ、ダイダイ
夏みかん
はっさく
甘夏
ライム
グレープフルーツは、ルビーグレープフルーツよりもホワイトグレープフルーツの方がフラノクマリン誘導体の含有量多く、2倍ほど。上記において果汁よりも果皮中の含有量が多いところでもあります。
セリ科(パセリ、イタリアンパセリ、セロリ、みつば)
イチジク
ざくろ
生薬(ビャクシ、トウヒ、キョウカツ、ボウフウ、ハマウドなど)

尚、柑橘類でも、温州みかん、バレンシアオレンジ、スイートオレンジ、ネーブルオレンジ、レモン(果汁中の含有量は少ないですが、果皮中には比較的多く含有されていますのでご留意ください)、かぼす、ゆず、すだち、きんかん、デコポン、ポンカン、いよかんにはフラノクマリン類は含有されないか含有程度は低いと見られています。

フラノクマリン類により阻害された代謝酵素CYP3A4は、分解能力が回復するのに約3~4日かかるとみられることから、グレープフルーツジュースを1度摂取すると3~4日影響を受け、また連続飲用(1日3回5日間など)した場合に影響が強くなるとも考えられています。用法・用量を確認のうえ、摂取できるのが望ましいでしょう。


抗アレルギー薬(フェキソフェナジン)、高血圧症薬(セリプロロール)

フラノクマリン類はグレープフルーツジュースだけでなく多くの植物に含まれるもので、それぞれの食材と薬剤との影響度は組み合わせによって異なっています。さらに同じグレープフルーツでも種類がたくさんあり、産地や収穫時期による違いもあります。
また、同じような柑橘類でもフラノクマリン類を含む量には違いがあり、柑橘類以外でも含まれていることがあります。外見だけでは判断しづらく、これまでの報告に基づいてお示ししますので、参考にしてください。
なお、相互作用の可能性がある場合には、無理に摂取せず、代用可能なもので対応されるほうがいいでしょう。すべての柑橘系が食べられないわけでもありません。

グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類による作用により、体内(小腸上皮)にある代謝酵素(CYP3A4)を阻害することで、薬剤が分解されずにそのまま吸収されてしまい、薬剤の血中濃度を上昇させてしまう場合があり、血中濃度が上昇することで、血圧低下、心拍数上昇、頭痛、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。
特に、カルシウム拮抗薬、アトルバスタチン、シンバスタチンなどの高脂血症治療薬、トリアゾラム(催眠鎮静薬)、カルバマゼピン(抗てんかん薬)において、また免疫抑制剤のネオーラルカプセル、ネオーラル内用液も比較的影響を受けやすい薬剤とされています。

モンテルカスト(シングレア)、トラニラスト(リザベン)、ヒドロキシジン(アタラックス)などもCYP3A4 で代謝される薬剤になりますが、食事の影響を受けやすい面がある抗ヒスタミン薬での果汁による影響可能性として、小児において
・アレグラを100%グレープフルーツジュースで服用すると吸収率が低下した
・他の果汁でも同様で、100%オレンジジュースとリンゴジュースでも AUC(血中濃度曲線下面積) や Tmax(最高血中濃度に達するまでの時間) が 1/3 程度となった
との報告もあります。

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その他では、骨粗鬆症に使われる各種ビスフォスフォネート製剤などがあります。但し、同じグループに属する薬でも、キレート化合物の作り易さにより、影響に違いがあるようです。
また、酸性下の胃内では溶けず、中性の腸で溶けるようにした「腸溶錠」というタイプの薬を牛乳で飲むと、薬が中性に近くなった胃で溶けてしまいます。胃を荒らす原因になりますので要注意です。アスピリン腸溶錠(バイアスピリン)や大腸刺激性下剤のビサコジル(コーラック)が該当します。しかし、これらも抗生物質同様、2時間ぐらい時間を空ければ、服用に問題は合いません。

ほとんどの方は牛乳で薬を飲んだりはされないと思います。但し、食事についていたりして、あまり間隔を空けずに、うっかり飲んでしまうことはあるかも知れません。ヨーグルトも然りです。
では、どのような薬が影響を受けやすいかと言いますと、抗生物質では、

同じ作用をする成分が入っていることがあるため、併用すると作用が増強され思わぬ症状が出る恐れがあります。併用は避けましょう。

なお、イチョウ葉エキスには、各種テルペノイド・フラボノイドの他、有害物質のギンコール酸などが含まれています。ギンコール酸は接触皮膚炎やアレルギーを起こす成分であり、ドイツで製造されている前出のEGb761などでは5ppm以下に抑えられています。また、有効成分の組成も、抽出方法の違いから、国内産のものとは多少の相違が考えられます。
以上、安心して摂れるイチョウ葉の選定に関しては、いくつかの視点からの検討が必要なようです。

妊娠していない時はフェキソフェナジンでは効かなくてベポタスチンベシル+目薬+青みかんサプリを使用しておりました。

オレンジジュースやレモンジュースも医薬品の作用に影響しますか?

その一方で、グレープフルーツジュースは小腸上皮細胞のし、OATPの基質となる薬剤の吸収を妨げ、効果を減弱することがある。
注:OATPは消化管管腔から血液側(いわゆる吸収)への輸送を担っている。

サプリは近大サプリの青みかんサプリで、薬剤師さんの勧めで使用し始め花粉の時期は2年ぐらいこのサプリに助けられています。妊娠初期に秋のアレルギーでもこのサプリを使用しておりましたが、産科医からサプリを摂るならアレルギー薬にした方がいいと言われたので今回のスギ花粉対策はフェキソフェナジンだけに切り替えていました。


グレープフルーツジュースにより、効果が「減弱」するかもしれない薬剤

これはとても有名な飲み合わせです。降圧剤でもカルシウム拮抗剤と呼ばれるグループが比較的影響を受けるようです。アゼルニジピン(先発品名:カルブロック、以下同様)、シルニジピン(アテレック)、マニジピン(カルスロット)などは血中濃度が通常の2倍以上になるようです。一方で、アムロジピン(アムロジン・ノルバスク)などは、あまり影響を受けないようです。但し、添付文書には併用注意の記載がなされています。

エリスロマイシン. フェキソフェナジン塩酸塩の血中濃度が高まる可能性があります。 水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウムを含むお薬.

ただし最近、基礎的な実験系でオレンジジュースでもグレープフルーツジュースのようにP糖蛋白輸送(薬物排出トランスポーター)を阻害するという報告が見られます。しかし、医薬品に対する影響はグレープフルーツジュースの場合でも、主にCYP3A4によるもので、P糖蛋白輸送阻害の影響は一部のみということが明らかにされています。可能性としては、オレンジジュースや他の柑橘系でもこういった機序で医薬品へ影響する可能性は考えられますが、それほど著しい影響はないと思われます。

アレグラが リンゴ・オレンジ・グレープフルーツで吸収低下の理由

グレープフルーツジュースが医薬品と相互作用するのですから、仲間のジュースも相互作用を示すかどうかという疑問がでてくるのは当然です。しかし、オレンジジュースと医薬品の相互作用に関する有害事象の報告は今のところみあたりません。

夏ミカン・ダイダイ・サワーオレンジ・伊予柑・日向夏・トロビタオレンジ・バレンシアオレンジ

さて、フェキソフェナジンの吸収量はグレープフルーツジュースで飲むことにより半分程度にまで減少することが報告されています。困ったことに、リンゴジュースやオレンジジュースでも同様です。フェキソフェナジンの吸収がジュースに含まれるバイオフラボノイド、フラノクマリン類、メトキシフラボン類などによって阻害されることに因ります。フェキソフェナジンは、水で飲むのが無難です。