次に,OATP1A2を介するフェキソフェナジンの輸送に対する漢方薬の作用について検討した。フェ
12名の健康なボランティアを対象に、グレープフルーツジュースまたは水を300 mL摂取したパターンと、グレープフルーツジュースまたは水を1200mLで摂取したパターンでそれぞれフェキソフェナジン120mgを同時に摂取させた研究によれば、300mLのグレープフルーツジュースは、対応する量の水を飲んだ人のと報告されています14)。
当初、経口投与されたフェキソフェナジンの血中濃度が、グレープフルーツ ..
2013年、ハーバード公衆衛生大学院の村木氏らは、米国の医療従事者約350万人を対象にした前向き調査の結果、グレープフルーツのほか、ブルーベリー、ブドウ・レーズン、リンゴ・ナシ、バナナを週3回摂取することと、2型糖尿病に罹患するリスクの有意な低下が関連していたことがわかったことを報告した。ちなみに、果物ジュースをよく飲むことは2型糖尿病リスクの上昇と関連していたという。果物がジュースに加工される時点で、食物繊維が減ってしまうことが影響しているのではないかと筆者は考察している。
こうしたグレープフルーツと薬の相互作用は、長いものでは3~7日間も持続するという報告もある。相互作用の可能性がある薬を内服している間は、グレープフルーツの摂取は控えた方がいいだろう。
DIクイズ5:(A)グレープフルーツジュースの影響を受ける降圧薬
アレグラ錠®(フェキソフェナジン)は小腸細胞膜のOATP(有機アニオントランスポーター)から体内に取り込まれます。果物ジュース(アップル・オレンジ・グレープフルーツジュース)はOATPを抑制するため、100%ジュースで服薬すると、アレグラ錠®(フェキソフェナジン)の血中濃度は半分程に低下します。
薬物や栄養物質の体内動態に関わる各種トランスポーターに対するフラボノイド類の阻害作用に対する関心が高まっている.小腸の葉酸トランスポーター(PCFT)に対するミリセチン(ワイン等の含有成分)の持続性阻害作用も,その種の事例の一つである.今回,PCFT安定発現細胞を用いてその解析を進めた結果,ミリセチン濃度に依存した強い阻害作用を生じること,ミリセチンによる阻害作用の最大化に60分程度を要すること,ミリセチン除去後の輸送活性回復に90分程度を要すること等が明らかとなった.持続性ではあるが,比較的短時間で輸送活性が回復するという特徴から,可逆的なメカニズムによるPCFT分子の修飾が原因となっている可能性が推察される.引き続き,そのメカニズムの解明を図ることで,PCFTの輸送活性制御機構への理解が進み,PCFT機能に影響するより広範な要因の把握に役立つことを期待したい.
また、肝では OATP1B1 及び 1B3 が関与する(13)。その
花粉症などによるアレルギー性鼻炎や湿疹の治療に使用されるフェキソフェナジンは、CYP3A4による代謝ではなく、このトランスポーターOATPを通じて吸収される薬の1つだ。トランスポーターが抑制されると、結果として血液中に入る薬の量が少なくなり、薬が効かなくなる可能性があるというわけだ。
一方、イスラエルのヘブライ大学ハダッサ医科大学のGorinstein氏らは、冠動脈バイパス手術を受けた43~71歳の高脂血症患者72人を対象にした30日間のプラセボ対照試験の結果、グレープフルーツとザボンを交配してできたスウィーティーの新鮮なジュースを毎日100mlまたは200ml飲むと、LDLコレステロールが低下したと報告している。
[Purpose] 小腸に発現する有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1A2、OATP2B1 は
なお、イチョウ葉エキスには、各種テルペノイド・フラボノイドの他、有害物質のギンコール酸などが含まれています。ギンコール酸は接触皮膚炎やアレルギーを起こす成分であり、ドイツで製造されている前出のEGb761などでは5ppm以下に抑えられています。また、有効成分の組成も、抽出方法の違いから、国内産のものとは多少の相違が考えられます。
以上、安心して摂れるイチョウ葉の選定に関しては、いくつかの視点からの検討が必要なようです。
一方、相互作用では、①チアジド系利尿薬での血圧の上昇(代謝阻害)②トラゾドン(レスリン)での昏睡状態(GABA 性シナプス増加,CYP3A4 阻害)③ワルファリンの抗血液凝固作用の増強(協力作用)④アスピリンでの前房出血(協力作用)⑤ジゴキシンでの血中ジゴキシン濃度の上昇(原因不明)などが報告されています。
<「食品・サプリメントと医薬品との相互作用」内田信也・山田静雄より>
近,フェキソフェナジンの消化管吸収が GFJ によって著しく阻害されることが報
当院のが、アレグラ®(フェキソフェナジン)を処方しようとした耳鼻咽喉科の医師にその旨を申したところ、「そんなこと聞いたことないわ🤬」とキレられたそうです。すべての耳鼻咽喉科医がそうだとは思いませんが、中には自分が処方する薬の副作用をロクに調べもしないで平然と処方している医師もおられるようです。ちなみに、アレグラ®、フェキソフェナジンの添付文書(薬の説明書)には「」として・白血球減少・好中球減少が明記されています。
告された。これは GFJ による小腸の有機アニオントランスポーター(OATP)の阻
グレープフルーツジュースを飲んだ時に、CYP3A4阻害の場合には3~5日経っても、その阻害効果が持続するという報告がありましたが、OATP1A2に関しては、阻害効果が2時間ほど持続するという報告があります。
[PDF] アレグラ錠, フェキソフェナジン塩酸塩OD錠 [内]
2010年にエストロゲン受容体陽性乳がんの治療薬であるタモキシフェンの添付文書が改訂され,抗うつ薬等のCYP2D6阻害薬の併用によって活性代謝物の血漿中濃度が低下し,効果が減弱するおそれがあることが注意喚起されました.本研究の対象となったトレミフェンは,タモキシフェンと類似の構造をもつ乳がん治療薬であるため,臨床現場からトレミフェンは大丈夫なのか?という声が数多く上がりましたが,トレミフェンの活性代謝物や代謝酵素についての詳細は解明されていませんでした.今回,分析系の開発から着手し,評価に多くの時間がかかってしまいましたが,においてトレミフェンの活性代謝物の生成はCYP2D6の影響を受けにくいということが明らかになりました.今後は臨床レベルでの検証が必要になりますが,このような情報提供によって患者さんや医療従事者の不安が少しでも解消され,薬剤の適正使用に役立つことを望んでいます.
DMPK 30(5)に掲載された各論文の「著者から読者へのメッセージ」
経口投与された薬物は小腸から吸収されて門脈血中に入り,肝臓を経由して全身循環に達する。小腸には薬物代謝酵素(CYP)や薬物輸送体P糖蛋白(吸収された薬物を腸管内に逆輸送する)が存在しており,薬物を含めた異物に対するバリアー機構が発達している。一方,小腸には薬物の吸収を促進する薬物輸送体OATP(organic anion transporting polypeptide)もある。
これまで,グレープフルーツがP糖蛋白やCYPを阻害するために代謝率の大きい薬物の血中濃度が上昇し,有害反応が出現する危険性が指摘されてきた。しかし,血中薬物濃度に影響を及ぼす果物はグレープフルーツのみではない。
最近の研究によって,グレープフルーツ,オレンジおよびリンゴがOATPを阻害することが明らかになり(文献1),腸管からの薬物吸収を抑制する可能性が示された。事実,これらの果物がレニン阻害薬アリスキレン,β遮断薬セリプロロールおよび抗アレルギー薬フェキソフェナジンの血中濃度をそれぞれ約60%,約80%および約70%低下させることが報告されている(文献2)。一方,これらの薬物は代謝率が小さいために,グレープフルーツなどでCYPが阻害されても,その影響は少ないものと考えられる。
以上から,薬物を投与する際には,グレープフルーツのみならず,オレンジやリンゴでも治療効果に影響を与える可能性を考慮したほうが良い。
相談室2:グレープフルーツ以外に注意すべきかんきつ類:日経DI
4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国市販後有害事象で少数例報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。
引用元 バイアグラ錠 添付文書
フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ他)、セリプロロール塩酸塩 ..
FEXは,R-体とS-体の光学異性体を持ち,その体内動態は異性体間で異なる挙動を示す.我々はこれまで,そのキラルな体内動態に薬物トランスポータ (P-gp, OATPs etc.) が重要な役割を果たすことを明らかにした.そこで本稿ではP-gpとOATP2B1の両阻害作用を有するGFJを併用してFEXのキラルな体内動態への影響を検討した.その結果,GFJ併用にてR-,S-体のAUCは顕著に低下し,R/S ratioの有意な変動を認めた.さらにGFJによる阻害効果は過去に検討したOATP2B1を特異的に阻害するアップルジュース (AJ) 併用とほぼ同等であった.以上のことよりFEXとGFJならびにAJとの相互作用には消化管のOATP2B1が重要な役割を果たしており,さらに立体選択性にも寄与することが明らかとなった.本結果が薬物トランスポータと立体選択的体内動態との関連を解明する一助となることを期待したい.
3)ブタクサアレルギー患者に、フェキソフェナジン塩酸塩 60mg、第一世代の抗ヒスタミン
24名の健康な白人男性ボランティアにシルデナフィルとグレープフルーツジュースまたは水を投与した研究では、と報告されています。
また、シルデナフィルの最大血中濃度(Cmax)は実質的に変化しなかったが、最高血中濃度到達時間(Tmax)が長くなる傾向があったとも報告されています11)。
有機陰イオン輸送ポリペプチド(OATP-B)の強力な阻害剤であるメシル酸エルゴ ..
さて、フェキソフェナジンの吸収量はグレープフルーツジュースで飲むことにより半分程度にまで減少することが報告されています。困ったことに、リンゴジュースやオレンジジュースでも同様です。フェキソフェナジンの吸収がジュースに含まれるバイオフラボノイド、フラノクマリン類、メトキシフラボン類などによって阻害されることに因ります。フェキソフェナジンは、水で飲むのが無難です。
とフェキソフェナジンの併用時の薬物動態を検討したところ、フェキソフェナジンの.
降圧薬のCa拮抗薬を服用中の方々からたびたび受ける質問ですが,グレープフルーツでなければ,それ以外の柑橘類は摂取しても問題ないのでしょうか。最近は様々なミカン類が店頭に並んでおり,患者が疑問を抱くようです。ほかに柑橘類との相互作用について注意すべき薬剤があれば併せてご教示下さい。(愛知県 S)
であり OATP1B1 の基質でもある場合は、リファンピシンによる酵素誘導試験を適切にデザインし、その試験結
前回の基礎から学ぶ薬剤師塾「腎機能低下時に減量が必要な薬~根拠は尿中排泄率だけじゃない~」はむつかしかったというアンケート結果が多かったです。おそらく前半はいつも話している腎排泄性薬物による副作用なので優しかったのでしょうが、非腎クリアランスの低下する薬は「このCYPが問題!このトランスポータが問題だ!」などと言い切ることができないため、まとめにくい内容です。それでもCYP2C9基質は腎不全・尿毒素の影響を受けやすいということがある程度、予測できるようになったことを中心にまとめさせていただきました。
本剤10mg及び20mgは1日1回、フェキソフェナジン塩酸塩は1回60mgを1
CYP2C8の遺伝子多型は,基質薬物の体内動態や副作用発現を含めた薬物応答性の個人差を生み出す一因として考えられている.しかしながら,CYP2C8遺伝子多型のどのタイプが酵素機能にどの程度変化を及ぼすかということの詳細は明らかになっていない.そこで本研究では,アミノ酸置換を伴う12種類のCYP2C8遺伝子多型に由来するバリアント酵素について,発現タンパク質による酵素反応速度論的解析を行い,パクリタキセルおよびアモジアキンに対する酵素活性変化の程度を明らかにした.本研究により,CYP2C8の酵素機能の低下や上昇を引き起こすバリアントが多数存在することが明らかになった.活性低下の認められたバリアントは,主に基質認識部位にアミノ酸置換が存在し,その構造変化が大きく寄与していると考えられた.今後,臨床現場でCYP2C8の遺伝子多型を解析することにより,患者個々の薬物応答性予測が可能になるかもしれない.
日2回経口投与した。なお、1回目の治験薬投与は、投与2時間前から飲食
グレープフルーツジュースのCYP3A4阻害作用はシルデナフィル(商品名:バイアグラ)に影響を与えます。