イソトレチノインの効果と当院のニキビ治療の流れについて解説します。
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これは、文献上のイソトレチノインの有効率・改善率と大きく変わりません。
個数が少ない場合はラジオ波メスでの除去を推奨します。ただ数が20個超など多い場合には取りきるのが難しく、また除去してもすぐに新しい脂腺増殖症ができて外科的な除去が困難な場合があります。その際にはイソトレチノインを内服することで、脂腺増殖性を小さく、もしくは消失させることが可能です。しかし、イソトレチノイン内服をやめたときに再発する可能性があります。
またとなるため、リラクゼーションや趣味の時間を設けて心身のリフレッシュを図り、生活習慣を見直すことでイソトレチノインの効果をより引き出すことが期待できます。
イソトレチノインは、毛穴の開きや黒ずみにも効果が期待できます。
①重症/難治性ニキビがうつ症状を増悪させるという報告があり、イソトレチノイン内服治療によりうつ症状が改善する可能性がある
ここでは、イソトレチノインで効果が見られなかったり、内服終了後に再発を認める場合の対応について解説しましょう。
イソトレチノインの服用のタイミングや服用量の目安について解説します。
さらに2023年の最新の世界的なコホート研究でも自殺やうつ病のリスクを上昇させないことが報告されました(文献5)。この研究ではイソトレチノイン内服群と抗生剤内服群とを比較し、カプランマイヤー曲線を用いてイソトレチノインを内服した方が自殺率が低くなることが証明されました。ただし、この論文にはいくつかの批判もあります。例えば両群の患者背景(特に精神疾患の重症度)が異なることや観察期間が長すぎるなどバイアスがあると指摘されています(文献6)。これに対してKridinらは、重症ニキビ患者はもともと精神疾患を抱えるリスクが高く、むしろイソトレチノインの安全性を過小評価していると反論しています。また2024年の最新のメタ解析でもイソトレチノインは自殺や精神疾患のリスクを高めることはなく、むしろ治療後2~4年で自殺企図のリスクが低くなると結論づけられています(文献7)。
通常、イソトレチノインの内服中は過酸化ベンゾイルやアダパレンの外用は不要ですが、内服終了後に再発を認める場合、軽度であればこれらの外用薬によってある程度ニキビのコントロールが可能になることも多いです。
日本国内のクリニックで処方されているイソトレチノインの費用相場は、
イソトレチノインは10mg~50mgと、1日量をかなり調整できる薬です。1日量が多ければそれだけ服用期間は短縮させられますが、副作用もその分起こりやすくなります。
海外の研究では思春期の重症ニキビはメンタルに悪影響を及ぼし、生活の質を著しく低下させ、自殺念慮を引き起こす頻度が男性で3倍以上、女性で2倍以上になると報告されました(文献2)。しかし、近年のメタ解析ではイソトレチノイン内服治療によってうつ症状が著明に改善され、うつ病のリスク増加と関連しないことが示されました(文献3)。また、台湾においてイソトレチノイン内服治療患者29,943名を調査したところ、治療期間が長期に及んだり投与量が多くなっても、精神障害を起こすリスクは上昇しなかったと報告されました(文献4)。同じアジア人での研究結果は重要な意味を持つと考えられます。
以下では、イソトレチノインの治療期間と服用量について解説します。
1982年~2000年までの間にイソトレチノイン内服治療を受けた患者で431例のうつ病、自殺/自殺企図/自殺念慮があったことを米国FDAが報告しました(文献1)。このうち実際の自殺者は37名(男性31名、女性6名)、年齢の中央値17歳で若い男性に多かったことが報告されています。米国FDAは警告を発し、1998年より添付文書に精神疾患がある場合は慎重に投与すべきと記載されるようになりました。しかし、イソトレチノイン内服治療と精神疾患との因果関係は不明な点が多く、今日まで多くの論争があります。
期待した効果を実感したため、途中でイソトレチノインを辞めてもいいですか?
イソトレチノインを服用するとニキビ改善の効果を得られる一方で、副作用が現れる可能性があります。
イソトレチノインには10mg以外にも、20mg・40mgなど、含有量の違う種類があります。
近年のレビューでは、骨端閉鎖についてはイソトレチノインをことが指摘されており、通常ニキビで用いられる量では起こりにくいと考えられています。
まず、イソトレチノインは効果が出るまでにはある程度の時間がかかります。
写真はひたいの3ミリほどの黄色いできもの、脂腺増殖症を当院でイソトレチノイン内服を開始してから6か月後の症例。完全に消失して平坦になっているのがわかります。写真では1箇所だけを拡大して見せていますが、ほかの多発していた脂腺増殖症も消えました。
イソトレチノインの服用中や、服用を止めてすぐは必ず避妊しましょう。
鼻の黒ずみでお悩みだった20代女性の患者様。酒さによるぼつぼつも気になっていたのでイソトレチノインで治療を開始したところ、1ヶ月後には酒さのぼつぼつは消え、毛穴の黒ずみもほぼ消失しました。他にも肌質がツルッとして改善したりと鼻の黒ずみ以外にも全般的な効果が早い段階で出ました。
内服開始後1週間では逆に赤いぼつぼつが増えてしまい心配でしたが一過性で、1ヶ月続けてもらったところいい結果が出ました。
イソトレチノインをやめた後でも、皮脂の分泌が完全に元に戻ることはありません。
そのため、体重1kgあたりの量が120mg以上になる日数は、120(mg)÷0.5(mg/kg)=240(日)となり、240日間続けていればニキビの再発が起こりにくくなる計算です。
イソトレチノインの治療中は脱毛を併用しないように気をつけましょう。
トータルの投与量について米国ガイドラインでは120~150mg/kgを推奨しています。この量になると十分な効果が得られるというのがその根拠です。前述のように体重60kgで1日30mg内服するならば120mg/kgを達成するには240日(8ヵ月)かかるという計算になります。一方で欧州ガイドラインでは累積投与量に関しては根拠がないとしています。他国のガイドラインに比べ米国ガイドラインではより高用量を推奨している印象です。また欧米人に比べ、日本人では投与量は少なくても良いとする意見もあるようですが、明確な根拠はありません。各国のガイドラインにややばらつきがあるのは重症ニキビの分類基準が異なることが1つの要因と考えられます。
イソトレチノインは、飲みあわせの悪い薬があるため事前に確認することが重要です。
イソトレチノインには、重大な副作用が報告されています。特に注意すべき副作用は、胎児の催奇形性と皮膚や粘膜の乾燥です。海外では40年以上使用されており、正しい使用方法で服用すれば重症ニキビや毛穴に非常に効果の高い薬です。
体重50kgの方がイソトレチノインを1日30mgを服用した場合、
イソトレチノインは毛穴の角化異常を抑え、皮脂分泌も減らすため、毛穴の開きや黒ずみを改善することができます。特に黒ずみについては多くの場合で目に見える改善がわかります。
イソトレチノインは様々な注意点があり、また効果も個人差があります。
イソトレチノインの内服で逆に顔の赤みが増すことが内服した5%程度の患者さんで見られます。これは内服中の一過性の現象なので、内服をやめれば赤みは元に戻ります。
イソトレチノインと他のニキビ治療薬との併用は慎重に行う必要があります。
イソトレチノインは酒さのぼつぼつ(丘疹・膿疱)に効果があります。皮脂を減らすことで、酒さの原因の一つ、デモデックス(Demodex)と呼ばれるニキビダニを減らす効果もあるとされています。ぼつぼつには非常に効果が高く、皮脂を減少させることで顔の赤みが減る場合もあります。
本剤は、有効成分であるイソトレチノインを含有しています。 本剤は、難治性 ..
イソトレチノインは重症のニキビに対して非常に効果の高い薬ですが、いくつかの副作用があります。
重症ニキビに使用されるイソトレチノイン(アクネトレント)の効果は?
イソトレチノインを飲み始めて2週間後に、さらに膿瘍が多発したものの、1ヶ月後から徐々に改善していき、5ヶ月後に炎症は完全に治まりました。ニキビ跡の赤みはまだ強く残り、凹凸も認められますが、新生ニキビはなくなり、顔全体の腫れは引いています。
このたび、難治性・重症ニキビ治療薬であるイソトレチノインを導入いたしました。 ..
症状が軽度であれば外用薬などでコントロールが可能ですが、症状が比較的重度である場合はイソトレチノインの内服をもう1クール行うことも。
Isotretinoin重症ニキビ・酒さ内服薬(イソトレチノイン)
イソトレチノインの治療期間中、
治療後1ヶ月はレーザー脱毛や
ワックス脱毛はお控えください。
治療中、侵襲の強いレーザー治療はできません。
治療中、治療後最低1ヶ月は献血ができません
(以前は6ヶ月とされていました)。