『小児副鼻腔炎に対するマクロライド療法のガイドライン』より一部抜粋


薬物治療、鼻処置、ネブライザー治療等の保存的治療の効果は、一定期間後、副鼻腔のレントゲン撮影で判断します。画像診断で変化がなくても、自覚症状に改善が見られれば、効果があったと考えます。


慢性副鼻腔炎で14員環のマクロライド系薬を少量長期使用する場合

慢性副鼻腔炎の多くは,両鼻に症状があります.片鼻のみに症状がある片側性副鼻腔炎もあります.

副鼻腔炎と喘息の関係については、喘息患者の40%~73%に慢性鼻副鼻腔炎を合併し、逆に慢性副鼻腔炎患者の約20%は喘息に罹患しているといわれます。また喘息を合併する慢性鼻副鼻腔炎の副鼻腔陰影の程度をCTでスコア化し重症度分類すると、CTスコアと血中の好酸球数、CTスコアと喀痰中好酸球とは正の相関があります。喀痰中の好酸球数は、喘息重症度の良い指標となります。つまり、慢性鼻副鼻腔炎の程度がひどいほど喘息も重症といえます。
これらのことは副鼻腔炎と喘息もone airway, one diseaseであることを示しています。

慢性副鼻腔炎ではクラリスロマイシンなどの抗菌薬を数カ月間連続使用する場合もあります。 去痰薬(たん切り薬)

その名の通り、急性に発症し、1か月に症状が消失する副鼻腔炎のことをいいます。多くはかぜ症候群(急性上気道炎)による副鼻腔のウイルス感染ですが、症状は軽く1週間以内に治癒します。しばしば細菌による二次感染を生じることがあり、その場合は抗生物質を含めた治療を必要とします。

急性副鼻腔炎が長引いて治らない場合慢性副鼻腔炎になります。
一般的には3ヶ月以上続いた場合は慢性と判断されます。慢性副鼻腔炎の場合は急性副鼻腔炎ほど黄色い鼻水や青い鼻水の頻度は少なく、白く混濁した粘調度の高い鼻水を認めることが多いです。
ただし急性副鼻腔炎が片側であったり一部の副鼻腔病変が多いのに対し、慢性化すると両側で多くの副鼻腔が罹患します。
また、慢性であっても感冒などで急性増悪時には黄色い鼻水も認められます。

慢性副鼻腔炎へのクラリスロマイシンの効果 · 図書館で読む · 全国の図書館の所蔵 · 国立国会図書館の所蔵 · 書誌情報.

また、好酸球性副鼻腔炎は再発傾向が強く、長期の治療が必要なことが多いことより、平成27年7月1日から厚労省により難病指定され、難病医療費助成制度の対象疾患となりました。難病指定医(当院は難病指定医となっています)による診断が必要であり、診断書、申請書、被保険者証のコピー、市町村民税課税状況の確認書類、世帯全員の住人表の写しを都道府県の窓口に提出、審査を経て認可が決定されます。

日本における好酸球性副鼻腔炎の術前診断基準は2013年に全国大規模疫学調査 (JESREC study) により作成されました。この診断基準でのスコアが11点以上で、術前に好酸球性副鼻腔炎の可能性が高いと診断されます。

鼻の奥の方の痛みは、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因のことがありますが ..

副鼻腔は鼻腔と細い穴でつながった空洞で正常であればその中には薄い粘膜が張っています。(図1)
急性上気道炎は主に鼻腔の感染ですが、これが細い穴を介して副鼻腔にまで炎症が広がると急性副鼻腔炎になります。したがって上気道炎のくしゃみ、せき、発熱などの症状がおさまった後も黄色い鼻水が続く場合は急性副鼻腔炎を疑います。
黄色い鼻水以外の症状としては炎症が強い部位の疼痛も起こりえるので頬やおでこ、目の奥などの痛みを伴う場合もあり、鼻水が喉に落ちると後鼻漏感や咳、痰の原因にもなります。
上気道炎以外の原因で急性副鼻腔炎になる場合もありますが、よく見られるのは虫歯が原因となる歯性上顎洞炎です。(図2)
これは歯の炎症がすぐ上の上顎洞に広がった場合に起こり、主に片方だけで黄色い鼻水と共に頬部痛を伴うことも少なくありません。炎症がさらに広がれば上顎洞のみならず篩骨洞や前頭洞にも広がります。

③良性腫瘍(乳頭腫など)や悪性(いわゆる癌)による随伴した副鼻腔炎


クラリスロマイシン副鼻腔炎について | 医師に聞けるQ&Aサイト

呼吸困難発作を伴わない湿性咳嗽が8週間以上継続し、副鼻腔炎を示唆する自覚症状、診察所見もしくは画像所見を認め、下記に述べる治療が有効であった場合に副鼻腔気管支症候群と診断していきます。
胸部や副鼻腔のレントゲン検査やCT検査が診断の参考になります。

いわゆる蓄膿症です。症状は、くさい鼻水、鼻づまり、喉に常に痰がたまる ..

さて、鼻炎・副鼻腔炎だから耳鼻科じゃなくていいの?と思われるかもしれませんが、実は内科医や小児科医は自分や自分の子どもをなかなか耳鼻科に受診させません。

クラリスやクラリシッドを朝1錠服用する薬物治療です。 クラリスロマイシンなど14員環系マクロライドを半量で3~6ヶ月投与します。

手術の方法ですが、以前はといって、口の中の歯肉部を切開して、上顎洞の前壁の骨壁を除去し、上顎洞内の病的粘膜をすべて除去する方法が行われていましたが、現在では、内視鏡を使って鼻内から行うが広く行われています。これは従来の上顎洞根本手術と比べて、口の中を切らなくてよいなど手術を受ける人にかかる負担が少なく、術後に顔が腫れることもありません。
この手術(ESS)では、副鼻腔が鼻腔とつながる自然口を広く開大し、副鼻腔の換気と排泄を改善させます。空洞内の病的な粘膜は取り去らず、環境がよくなって炎症が回復するといずれ健全な粘膜に導かれることを目的とします。
そのためには、となります。具体的には、手術で広くした自然口が、血の塊や分泌物の固まったものでふさがったり、狭くならないように、手術後の状態が落ち着くまではしばらくの間通院の上、血液やかさぶたの除去などの洞内の清掃や、分泌物の吸引後、ネブライザー治療を行います。
この間、マクロライド療法、粘液調整剤の服用も併せて行います。

風邪の後などに、細菌感染が続き、鼻がつまったり、鼻漏が続いたりする ..

鼻の通りを良くしなければ薬の効果が期待できない為、慢性副鼻腔炎のお子様でお鼻をかむことが難しい場合には通院してきっちりとお鼻の処置を受けさせるようにしてください。
慢性副鼻腔炎(ちくのう症)の適応となるのは3歳を超えたお子さんである為、当院では3歳に達するまではレントゲンは撮影致しません。

急性副鼻腔炎|南馬込おかばやし耳鼻咽喉科 西馬込 耳鼻科 大田区

好酸球性副鼻腔炎に対する治療として,手術治療,薬物治療がある。軽症例や手術を希望しない症例,手術不適応の症例には保存的治療を行う。鼻内ポリープが多発し鼻閉や嗅覚障害を強く訴える症例には,手術治療が基本となる。一方,術後の再発例や手術不適応のコントロール不良症例には抗体療法〔デュピクセント®(デュピルマブ)〕を行うことができる。

慢性副鼻腔炎 | 岸和田市の耳鼻科 耳鼻咽喉科のあいばクリニック

鼻の処置や内服治療でなかなか治らない場合は、手術をおすすめする場合があります。手術は当院ではできないため、連携する基幹病院に紹介します。
現在、副鼻腔手術は、内視鏡手術が主流です。内視鏡手術では、手術中、手術後の痛みがかなり抑えられるようになり、術後の合併症もほとんどなくなりました。
ただし、中学生までは副鼻腔が成長、発達過程のため、一般的には手術は行いません。内服しているお薬で症状の改善が見られない場合には、薬の見直しも行いますのでお気軽にご相談ください。

ちくのう症・鼻茸|長久手市池田のかおる耳鼻咽喉科・アレルギー科

医学的には3か月以上続く場合を慢性副鼻腔炎と定義しています。急性副鼻腔炎が契機になって生じた細菌感染を原因とします。時に鼻茸(ポリープ)を伴います。
従来型の副鼻腔炎(化膿性副鼻腔炎)のほかに、気管支喘息を合併する好酸球性副鼻腔炎という難治性の病態も存在します。
ほかには、真菌(カビ)が原因となる副鼻腔炎や上の歯が原因となる歯性上顎洞炎もあります。

[PDF] 好酸球性副鼻腔炎を合併した好酸球性細気管支炎の 1 例

副鼻腔炎・蓄膿症のことでお悩みでしたら、京都市山科区のひろた耳鼻咽喉科医院まで。
まずはお気軽にご相談ください。

現したため,抗菌薬(クラリスロマイシン 400mg/day),

好酸球性副鼻腔炎の確定診断は術後の鼻茸の病理組織検査で行います。鼻茸中の好酸球数が顕微鏡下に1視野(400倍)あたり70個以上あった場合に好酸球性副鼻腔炎と診断されます。

ライドといわれるクラリスロマイシン(CAM14 員環マクロライド)の方が、効果があ

まず,好酸球性副鼻腔炎の疑い症例では,慢性副鼻腔炎の治療に準じ,鼻内の局所清浄処置とともに,マクロライド療法〔クラリス®(クラリスロマイシン)〕として常用量の半量を継続処方する。同時に気道粘液調整・粘膜正常化薬〔ムコダイン®(L-カルボシステイン)〕を併用する。効果判定は3カ月を目安とし,治療無効な症例は,JESRECスコアにより臨床診断を行い,手術治療または保存的治療を検討する。

[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠

アレルギ-性鼻炎と喘息の関係については、上気道(鼻)と下気道(気管支)の炎症は血液中の細胞を介して互いに影響しあっています。アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜で抗原誘発試験を行うと喀痰に好酸球が上昇し、逆に気管支に抗原誘発試験を行うと鼻粘膜の好酸球浸潤と血中の好酸球が増加します。また喘息合併のアレルギ-性鼻炎患者が副腎皮質ステロイド鼻噴霧薬を使用すると喘息の症状が改善すること、花粉症患者が下気道にステロイドの吸入療法を行うと、鼻症状も改善して鼻好酸球浸潤と血中好酸球が減少することもわかっています。

クラリスロマイシンは抗生物質であり、歯科適応も有する。歯科に服用中であることを伝え、ケフラール(セファクロル)の服用可否を確認する。

後鼻漏の病態構成要素、症状
① 鼻汁の過分泌:鼻汁は鼻粘膜の血管からの組織液の漏出や粘膜上皮細胞である杯細胞と粘膜固有層の鼻腺細胞が産生する分泌粘液から成り立っています。鼻汁は、一部は気化して吸気の加湿に役立てられますが、その殆どは鼻腔の粘液線毛機能によって後鼻孔から咽頭に流れ、嚥下されて消化管へと排泄されます。鼻腔、副鼻腔から分泌される分泌液の量は1日に1~6リットルと言われていますが、前述のとおり、殆ど嚥下されるので一般的に自覚することはあまりない場合もあります。鼻汁分泌増加の機序としては、a.直接的経路であり、鼻腺や血管が刺激を受けることにより、分泌の増加と血管拡張を伴い、血管の透過性が亢進し、血管外への組織液の漏出亢進を惹起すると言われています。もうひとつは、b.知覚神経終末の刺激により分泌が促進されます。鼻粘膜上皮、粘膜固有層の鼻腺、血管には鼻の知覚神経である三叉神経由来の神経線維が豊富に分布されており、機械的刺激や様々なアレルゲン(花粉やハウスダストなど)の刺激により神経線維から神経伝達物質が放出され、その結果血管の拡張、液体成分の血管外漏出が起こり、鼻汁の増加、後鼻漏が増加すると言われています。
② 鼻粘膜の線毛運動の低下と鼻汁性状の変化:鼻副鼻腔粘膜上皮層は粘液で覆われておりその組成が副鼻腔炎などの炎症疾患により、粘性、弾性が増加して、いわゆる『痰や鼻汁の切れが悪くなる。』状態となり、後鼻腔から咽頭へと垂れ下がり、後鼻漏が悪化すると言われています。
③ 鼻粘膜の知覚過敏:後鼻腔から上咽頭の領域には知覚神経が豊富に分布しており、三叉神経(12本ある脳神経の内、5番目の神経)の内、2番目の繊維が上咽頭や軟口蓋に分布しており、舌咽神経(脳神経の9番目の神経)が耳管(鼻腔の奥にあり、鼻と耳をつなぐルートがあり、鼻腔の奥に開いています。気圧の調節を担っています。)周囲や咽頭後壁や口蓋扁桃に分布しています。咽頭粘膜の乾燥による刺激により、これらの神経が刺激され、後鼻漏の症状が増強されやすくなります。これらの現象は加齢による変化に伴って増加することが多いと言われています。組織学的に鼻粘膜上皮の高さは、50歳代まではほぼ一定であるが60歳以上になると上皮が菲薄化すると同時に、上皮内の基底細胞の数が減少すると言われています。また、鼻粘膜の水分蒸散量は加齢に伴って増加する傾向にあり、その結果鼻粘膜の乾燥感の原因ともなる。
④ 慢性の咳嗽:後鼻漏の成分が直接的に起動粘膜に分布する咳受容体を刺激して、咳を誘発すると言われています。

クラリスロマイシン(クラリシッド、クラリス) – 呼吸器治療薬

マクロライド療法は、鼻粘膜の腫れよりも、鼻漏や後鼻漏の量や性状に対して効果が優れており、特に鼻茸に対しては、有効性が低いとされています。 また、好酸球が原因の慢性副鼻腔炎()にはマクロライド療法は有効でなく、が有効です。