今回は、睡眠に関係ある、メラトニンとセロトニンについてです。
メラトニンには抗酸化作用(アンチエイジング)があると考えられています。もともとメラトニンは、肌を白くする物質を探している過程で見つかった物質です。動物実験レベルでは肌が白くなったという報告もあります。メラトニンの抗酸化作用は、不妊にもメリットがあるのではと研究されています。少量のメラトニンは、卵子を酸化ストレスから保護することで成熟が促され、受精率や妊娠率の改善につながるのではと推測されています。
それでは、ここでは自宅でメラトニン検査を行うメリットについて解説します。
・睡眠時間と死亡については、7時間を底としてJ-shapeを呈する
・海外の報告では、32歳以上7844人10年間追跡し、8時間以上の睡眠で脳卒中発症リスクが1.5倍である。
約1万人を12-17年追跡した研究では、睡眠時間が6-8時間から以下に減った群、
あるいは8時間以上に睡眠時間が増加した群のどちらもCVD発症や総死亡が増加した。
・日本人を対象とした大規模疫学調査(JACC study:ikeharaら Sleep 2009 32 295-301)では
約10万人(40歳から79歳)を追跡した検討であるが、総死亡と睡眠時間について危険因子を調整しても7時間を底にUーshapeを示した。
つまり7時間より睡眠時間が短くても長くても寿命が短い。
短時間睡眠は総死亡とうつ傾向が増加する。4時間未満で1.3倍、10時間以上で1.5倍増加。
循環器疾患死亡は特に8時間以上の長時間睡眠でリスクが有意に増加。
脳卒中死亡もU-shapeであるが、4時間以下と長時間睡眠で増加が著しい。(約1.5倍)
寝酒と睡眠時間と出血性脳卒中死亡との関連を検討すると、
寝酒をしない短時間睡眠群(5時間未満)と寝酒をするものとの比較では、脳卒中リスクは1.3倍VS2倍に増加する。
女性は短時間睡眠で脳卒中が1.5倍に増加する。
・2017年のメタアナリシスでは、睡眠時間7時間を基準として、
短時間睡眠では、総死亡は1時間減少あたりのハザード比を算出し、総死亡は6%程度増加、循環器疾患では6%、虚血性心疾患7%、脳卒中5%のリスク増加する。
長時間睡眠では、睡眠時間1時間増加する毎に順に13%、12%,5%,18%とリスク増加が認められている。
高齢者における短時間睡眠により7%のリスク増加、長時間睡眠では総死亡リスク1.3.3倍増加。
別の報告でも長時間睡眠(9時間以上)では、循環器疾患、がん、呼吸器疾患、のいずれもリスクは増加した。
→なぜ長時間睡眠が悪いのか理由は不明である。
肌の新陳代謝がもっとも活発なのは夜、眠っているときです。恐らく睡眠不足が続くと肌に溜まったAGEsが代謝・排泄されません。ですから良質の睡眠を6時間以上とることが、抗糖化の観点からも大切なのです。
ウェルミルは、女性ホルモンや男性ホルモンをリモート検査します。
私たちの研究室で、睡眠とAGEsの関係を調べたところ、6時間以上睡眠をとる人の群と、それ以下の群では皮膚中に沈着しているAGEsの量が違っていました。6時間未満の睡眠の群はそれ以上の人たちよりもAGEsの量が多かったのです。
メラトニンは主に脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンです。トリプトファンという物質から、セロトニンを経てメラトニンが合成されます。
セロトニンとは、神経伝達物質の一種で、気分の安定や幸福感をもたらす役割があります。また、昼間の覚醒状態を維持するのに重要です。このセロトニンが夜になるとメラトニンに変換され、睡眠を促進します。
上の図のように、昼間はチョロチョロと微量を分泌しているだけなのですが、夜になると急激に分泌が増加
睡眠は量をとればいいというわけではありません。必要な睡眠時間は年齢や体質、季節によっても変化します。
いくつかを具体的に挙げると、例えばアマチュアアスリート20名を対象にメラトニン(3mgを3日間で5錠)またはプラセボを摂取させ、高度640mから3,393mへの50kmの登山による尿8-OHdGを比較したところ、メラトニン群で酸化ストレスの上昇抑制と筋肉のダメージ抑制が観察されたという。
境は、夜間のメラトニン分泌挙動に大きく影響し、分泌量の増加又は分泌位相の前進が示唆された。この事は、サーカ
ヒトの運動誘発性酸化ストレスに対するメラトニン摂取の効果を検討した研究が複数報告されている。それらはメラトニン摂取のタイミングが異なる。エクササイズの前に摂取した研究が7件、就寝前の摂取が4件あり、その用量、運動の種類・強度・期間・実施時間・トレーニングレベルも異なる。
睡眠障害の評価に用いられる「ピッツバーグ睡眠質問票」の結果では、 睡眠の質、入眠時間、睡眠困難、日中覚醒困難の主観評価が有意に 改善されました。また、起床時の睡眠内省を評価する心理尺度「OSA睡眠調査票MA版」の結果でも、起床時眠気、入眠と睡眠維持、疲労回復 の主観評価が有意に改善されました。
メラトニンは、脳の松果体から分泌される催眠ホルモンで、夜間(暗期)に分泌量が増加する
また、10名のエリート女性ネットボールアスリート(23±6歳)を対象とする7日間にわたる研究では、トレーニング日はトレーニングの直前(午後7時15分)のメラトニンレベルは6.2pg/mL、トレーニング後(午後10時)は17.6pg/mLであるのに対して、休息日は同順に14.8pg/mL、24.3pg/mLであり、トレーニング期間中はメラトニン分泌が低下していた。
トニン合成は光によって制御され、太陽の光が減少すると分泌が増加し、生体は体温を下げたり、活動を低 ..
「良い睡眠」は、睡眠時間(量)と睡眠休養感(質)が十分に確保されることで得られます。
ところがこの1世紀の間に、電気が使われ始め、現代人は夜遅くまで強い照明を浴び、また交代勤務や時差勤務体制の増加 ..
例えば、活動する日中には脳の温度を高く保ち、夜間は体から熱を逃がして脳を冷やします(熱放散)。
そのため就床前の眠気が強くなる時間帯は、脳が急速に冷える時間と一致しています。寝入る前に赤ちゃんの手足がぽっかりしているのは熱放散をしているためです。また同じ頃、体内時計ホルモンであるメラトニンが分泌を始め入眠を促します。これら以外にも様々な生体機能が協調しあいながら、ハーモニーを奏でるように質の高い眠りのために作用します。
朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まります。また、脳の温度が自然に高くなります。このような準備状態が整って私たちは健やかな目覚めを迎えます。
の松果体から分泌されるホルモンがあります。暗くなると分泌量が増加し、脳と身体の状
しかし残念ながら、メラトニンをサプリメントとして摂取しても目に見えるような効果は得られません。ですが、体内時計にあわせた生活リズムが作れると、身体にいいのは間違いありません。メラトニンを摂取すると免疫が少しだけ上がることが報告されています。
メラトニン分泌開始時刻(以下、「DLMO」)は、ヒトにおける ..
朝目が覚めたときの睡眠休養感は、よい睡眠がとれているかどうかの指標にもなります。睡眠時間の不足だけでなく、睡眠環境や生活習慣などのさまざまな原因から影響を受けます。一方で、それらを改善しても睡眠休養感が十分に得られない場合は、睡眠障害が潜んでいる可能性があります。
あるが、日中の受光量が増えると、夜間のメラトニン分泌が増加し、夜間の睡眠の質も改
メラトニン分泌に対する運動の影響のエビデンスを具体的に挙げると、例えば定期的に運動を行っている12名の健康な男性(20.7±0.62歳)に対し、75%VO2maxで30分のトレッドミル運動を、午前9時、午前4時に行う条件、および運動を行わない条件の計3条件を設定。午前中に運動すると、午後に運動する場合と比較して、メラトニン分泌が20%増加していたという。
メラトニン摂取により、睡眠時間の増加と⼊眠潜時の減少が認められたが ..
ここでは、メラトニンの乱れによる健康リスクのチェックがなぜ必要なのかについて説明します。
化プラセボ対照試験において、ベンゾジアゼピン服薬量の減量とともにメラトニン2.
こうすればきちんと14時間後にメラトニンの分泌が始まりますが、朝起きても暗いところでだらだらしていると、メラトニンの分泌もだらだらと続いてしまい、体内時計も狂いがちになってしまいます。
眠りを促す働きがあるメラトニンの分泌量が加齢にともなって減少することも関係しています。 【参考記事】 不眠症. 症状の種類と特徴について。
体内時計(概日リズム)を調整する重要な役割を担います。特に、夜間に分泌が増加し、眠気を誘発することで睡眠をサポートします。
メラトニンは日中にはほとんど分泌されず、夜間にピークに達する「日内リズム」に影響されるホルモンです。したがって、体の睡眠と覚醒リズムに深く関わり、体内時計や概日リズム(サーカディアンリズム)をコントロールする役割を果たします。
マカは「睡眠ホルモン」と言われるメラトニンの分泌量を増加させる効果があります。 それにより、質の良い睡眠を確保することができます。 02
また、セロトニンは日光浴だけではなく、さまざまな方法で分泌を促すことができます。
その一つに、リズミカルな運動によって活性化されるという特徴があります。最も基本的なリズム運動としては、歩行運動、食事の際の咀嚼、意識的な呼吸などがあります。一定のリズムを刻む運動を反復して行うと、セロトニン神経を刺激して覚醒状態を高める効果があります。さらに、人との触れ合い(グルーミング)もセロトニンを増やすには効果的です。
食事もセロトニンの分泌に大きく影響しています。その栄養素はトリプトファンという必須アミノ酸の一種です。人間の体内では生成できないため、食事から摂る必要があります。トリプトファンが含まれる食品としては、カツオやマグロ、牛乳やチーズなどの乳製品、納豆や豆腐などの大豆製品、ナッツ類やバナナがあります。また、ビタミンB6、マグネシウム、ナイアシンを含む食品もセロトニン生成に関わります。
ただし、心身の健康にはバランスのよい食事が基本となります。これらの栄養素だけに偏ることなく、さまざまな栄養素を万遍なく摂取することが大切です。
また、セロトニンというと脳に関係する物質だと考える方が多いですが、実はセロトニンの大部分は消化管に存在しています。腸は「第2の脳」とも言われ、精神状態と大きな関係があるのです。腸のはたらきは自律神経によってコントロールされており、忙しくストレスの多い現代社会では、自律神経のはたらきが乱れやすくなっています。腸管免疫は体で最大の免疫器官で、体内のセロトニンの90%が消化管にあります。
メラトニン分泌量および臨床症状の変化を検討した。スプリント装着
メラトニンは睡眠を促進する作用を持ちますが、明るい光の下では分泌が停止します。静臥して熱放散を促し、メラトニン分泌を妨げないように消灯をした暗い部屋で休むことは、睡眠をサポートする生理機能の力を最大限に引き出す上でも大事なことなのです。
メラトニンの分泌は、夜になると増加し、朝日などの強い光を浴びると減少します。 ..
HDL-コレステロール値は、“善玉コレステロール”とも呼ばれ、全身の細胞内や血液中の余分なコレステロールを肝臓に送る働きを持ち、動脈硬化を予防します。運動や身体活動により上昇するという報告は過去にありましたが、今回の検証では、新たに良質な睡眠によってHDL-コレステロール値が増える可能性が得られました。今後のメカニズムの解明に期待が持たれます。
メラトニン分泌開始時刻(dim light melatonin onset)
断眠、短時間睡眠→交感神経活動亢進→血圧上昇・糖代謝異常が増悪→炎症性マーカー(CRP,IL6)が増加する
更に短時間睡眠は、肥満、高血圧、糖尿病のリスクが増加するともいわれ循環器疾患が増加する要因であろう。
長時間睡眠では、肥満や糖尿病リスク増加すると報告があるがメカニズムは不明。
リスク増加の理由としては昼寝後に急激に血圧上昇するからではないか考えられている。
昼寝時間の影響は不明。
明るい寝室で眠ると太りやすい⁉光と健康の関係 | サワイ健康推進課
原因は虚血である。
虚血でやられるのは尿細管であるが、
髄質低酸素→Na再吸収障害→Na利尿量増加 → 夜間多尿
SASがCPAP装着すると睡眠時の低酸素が改善し、夜間Na利尿が減少する つまりNa再吸収が増加し尿量が低下する。
利尿薬を投与して夜間尿が減ったり血圧低下する症例ではANPが高値だったが、夜間尿に効果ない群はANPは正常であったという。
体に水が溜まっていたということであり、昼間に尿を出せばよい。
睡眠薬が有効な群は、水がたまるたまらないにかかわらず夜間尿がでる。精神科かも。