この表からジャディアンスとフォシーガには下記のような違いがあることが分かります。
フォシーガは5mgから始めることが一般的ですが、効果が不十分な場合は10mgに増量することが可能です。増量の際には、医師の指導のもとで慎重に行うことが必要です。特に、腎機能に問題がある患者や高齢者は、増量に際して注意が必要です。医師と相談しながら、自分に適した用量を見つけることが大切です。
(SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation 2014.6.13より)
SGLT2阻害薬は前述のGLP-1受容体作動薬と並んで、所謂”やせ薬”と称されます。
デベルザは一般名を「トホグリフロジン」といいます。国内創製・開発のSGLT2阻害薬です。
SGLT2阻害薬は、このSGLT2の働きを妨げることで効果を発揮します。
ただし、“initial dip”と呼ばれ、SGLT2阻害薬の内服開始間もない期間は腎臓の機能が一時的に低下することが知られており、それを理由に即座に中止してしまうのはもったいない為、処方医は長期的視野で継続・中止の可否を慎重に決定する必要があります。
ではリスクが大きい患者さんはどのようの人でしょうか。それぞれの試験によって定義が異なっているため、明確な答えはないのですが、
心血管病を一度起こしたことがある人は、そうでない人と比べるともう一度脳梗塞や心筋梗塞を発症する確率が非常に高いことがわかっています。心筋梗塞・脳梗塞・狭心症・閉塞性動脈硬化症・一過性脳虚血発作などを起こした人がある人はハイリスクです。
その他にも、高齢で、高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病などリスクファクターを複数持っている人もハイリスク群として含まれることが多いです。
このような患者さんには下記のことがわかっており、非常に良い適応となります。
ジェネリック医薬品は全てのSGLT2阻害薬で発売されていません。
8.添付資料:
図1 SGLT2阻害薬の薬剤間におけるeGFRの変化量
他のSGLT2阻害薬と比較して、作用時間は短いですが、逆に、夜の作用を抑制して夜間頻尿を抑えられる点はメリットとなります。また、基本的に2型糖尿病の方への処方となります。
ここでは、SGLT2阻害薬の効果や副作用についてご紹介していきます。
また、SGLT2が阻害されるとSGLT1(※)による再吸収が若干増加することも要因のひとつと考えられます。
ルセフィは一般名を「ルセオグリフロジン」といいます。国内創製・開発のSGLT2阻害薬です。2型糖尿病の患者さんには使用できる一方、 腎機能が低下している方や1型糖尿病の方に使用することはできません。
SGLT2阻害薬の副作用と頻度は、以下のように報告されています。
SGLT2阻害薬の血糖降下作用はインスリンを介さないため、単独では低血糖の危険性が低いとされています。
ダイエットに使われることが多いSGLT2阻害薬は、「ルセフィ」や「カナグル」などです。
肝臓から糖の放出を抑える、インスリンに対するからだの感受性を高めるなどの作用により、血糖値を下げます。
SGLT2阻害薬の使用で起こりうる副作用には、以下のようなものがあります。
SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は、体重減少と心血管リスク軽減に効果的な薬剤であり、併用することでさらなる効果が期待されます。
リバウンド防止や副作用に留意し、医師の指導の下で適切に使用することが大切です。
他の痩身治療と併用して、長期的な体重管理を目指しましょう。ご興味のある方は、当院までご相談ください。
なお、全てのSGLT2阻害薬に共通する禁忌事項は、以下の通りです。
ジャディアンスを飲むと、余分な糖を尿から排出する働きによって1日あたり60~100gの糖が排出されます。
これをカロリー換算すると1日あたり約200kcalになるのです。
SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。
これらの薬は基本的にはメトホルミンを使ってもHbA1c>7.0%の場合に考慮します。ただし最新のガイドラインでは、高リスクの患者さんには血糖コントロールに関わらず下記のSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬を導入を考慮する流れになってきており、今後また変わってくるかもしれません。
実際、SGLT2阻害薬の中で最も半減期が短いことが知られています。
SGLT2阻害薬の大きな違いは、腎臓に作用する治療薬であるということです。膵臓を酷使することなく、インスリンを分泌する機能の程度も関係なく、腎臓の機能そのものへの負担はありません。
ちなみにSGLT2阻害薬を飲むと、尿糖の排泄量は、1日 60g-100g 増えます。
SGLT2阻害薬は過剰な糖を尿として排泄することから、ダイエット目的に適応外使用されることが増えていますが、保険が使えず、また重大な副作用が生じた場合に救済制度の対象外ともなります。
国内で販売中のSGLT2阻害薬は、2020年1月現在6種類7剤あります。
ジャディアンスは一般名を「エンパグリフロジン」といいます。2型糖尿病ほか、慢性心不全の患者さんにも使用することができます。
そのため、SGLT2阻害薬で高い治療効果を期待することができます。
SLGT2阻害薬は、腎臓で糖が再度血管内に吸収されるのを抑えて、尿から糖を排出することで血糖値を低下させます。
SLGT2阻害薬は比較的マイルドな血糖効果作用を持っており、一般的には低血糖発作を起こさない安全な薬です。また、体重を減少させる特徴がある点も利点です。
SGLT2阻害薬では心血管疾患や腎疾患に対するデータが示されています。
当院では、初回は、フォシーガ・ジャディアンスなどのSGLT2阻害薬または、リベルサス(やせる糖尿病薬)を導入します。
インスリンに対するからだの感受性を高めることで血糖値を下げます。
せっかくSGLT2阻害剤薬を使用することで痩せたとしても、投薬を中止すると、ほとんどの人がリバウンドをしてしまいます。
また、不適切な使用により、健康被害が生じることもあります。
当院の指針としては、あくまでダイエットの基本は、毎日の食生活であるというのがベースにあります。
そのため、SGLT2阻害剤薬の処方においては、ただ漫然とお薬を渡すだけということはせず、定期的な管理栄養士による食事指導や介入を行うことを前提に処方しています。
また、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬の組み合わせは、体重減少に有効ではあるものの、投薬のみによるダイエットでは、休薬後のリバウンドを完全に防ぐことはできません。
そのため、その他の痩身治療を組み合わせての治療をご提案しています。
SGLT2阻害薬は、摂取したブドウ糖を排泄します。つまり、できます。
参考文献:
以上が、SGLT2阻害薬のまとめになります。
もし、よければ、他の記事も参照して頂けると幸いです。
以下に該当する人は、SGLT2阻害薬をおすすめできない可能性があります。
SGLT2阻害薬のうち、フォシーガ(ダパグリフロジン)及びジャディアンス(エンパグリフロジン)については、
ジャディアンスよりも、ほかの「SGLT2阻害薬」の方が安価です。
SGLT2阻害薬の副作用として無視できないものに尿路感染症があります。
なお、SGLT2阻害薬の体重減少の効果は、あくまで副次的なものです。
ミトコンドリア作用を介して2つの方法で血糖を下げます。
2)肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する(糖新生抑制・糖取り込み能改善によるインスリン抵抗性改善)。
ジャディアンスを含むSGLT2阻害薬に、脱毛の副作用は認められていません。
どの薬でも認められるアレルギーや肝障害などを除くと、SGLT2阻害薬は、尿糖が増えて、細菌や真菌の増えやすい環境が整うため、膀胱や性器感染症が増えます。
排尿時の痛みなどを認めたら、主治医と相談しましょう。
尿糖が増えると、尿量が増えるので、頻尿になります。
夜間にトイレに行くことも多くなりますので、転倒リスクの高い高齢者は注意しましょう。
高度の糖質制限をしつつ、SGLT2阻害薬をのむと、糖分が著しく不足し、高度の代謝異常をきたす恐れがあります。
SGLT2阻害薬は、1型糖尿病患者でも安全に使用できる可能性が示唆されていますが、ケトアシドーシスに注意すべきです。
また、ほかのSGLT2阻害薬もは開発されていないのが現状です。
フォシーガは、一般名を「ダパグリフロジン」といいます。110ヶ国以上で承認されている、インスリン治療との併用が可能な薬です。2型糖尿病ほか、慢性心不全や糖尿病のない慢性腎臓病、1型糖尿病の患者さんにも使用することができます。