[TIP&攻略] 動物の血を採取するならココ!各動物の採取 ..


メインランド・タイガースネーク(コモン・タイガースネーク) メインランド・タイガースネーク(Notechis scutatus)はオーストラリアでの蛇被害件数2位を誇る。その大きな理由は彼らの生息地がメルボルン等の人口密度の高い都市と隣接しているからである。メインランド・タイガースネークは農場などマウスが見つかりやすい場所を好み夜行性である。その為、暗闇にまぎれた彼らに気付かず噛まれてしまうケースが多いのだ。 彼らによって噛まれたら、早急な処置が必要だ。初期症状としては足や首の痛み、痺れ、汗ばみなどがあり、その直後に呼吸困難や全身まひを引き起こす。またその毒は血液や筋肉に大きなダメージを与え、結果として腎臓不全をも引き起こしてしまう。 成長したメインランド・タイガースネークはほとんど縞模様である。ベースの色は薄い黄色で、その上を黒い縞模様が覆っているのだ。成長すると2メートルもあるこの蛇は脅威を感じると体制を低くし、素早く噛みつく。


・どの血を集めるのがおすすめ? 錬金用に素材を集めるなら、 セレンディア南部平原にいるリザードがおすすめ

黒い砂漠モバイルで手に入る知識の種類や入手できる地域、取得時に上がる能力値を一覧にしています。検索機能で目当ての知識を探すこともできるので、黒い砂漠モバイルの攻略にお役立てください。

黒い砂漠モバイルでモンスターが登場する場所(生態知識の入手場所)を画像付きでまとめています。また登場する地域や知識を手に入れた時の効果も掲載中。どうしても見つからないモンスターがいる場合にお役立てください。

動物の血の入手場所も、わたしが採集しに行くような範囲で一応記載(>_ ..

潮風流楽(しおかぜるら)と申します🌊🐚いつもキラキラしている推しVライバーさん達に憧れ、配信を始めました⚓海とお歌と推し活を愛する癒し系お姉さんVライバーです💙気ままに話したり歌ったりします○o。.🐠⚠️よく間違われますが、ARSプロジェクト所属ではございませんのでご注意下さい!しがない一般ARSオタクです⚠️🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠プロフィール名前 潮風流楽(しおかぜ るら)ファンマーク 🌊🐚誕生日 5月12日身長 163㎝血液型 B型イメージカラー 水色好きな食べ物 スイーツ🍰、お寿司🍣嫌いな食べ物 納豆好きな場所 海、水族館、ディズニーリゾート趣味 歌うこと、ピアノ、推し活推し Vライバー様、Vチューバー様幅広く推してます呼び方 何でも大丈夫です!特技 お料理、野生の山菜やキノコを見分けること苦手なこと 整理整頓、怒ること🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠🐠ギフトコール一覧ピンク音符:ヨーデル歌います🏔️🎶紫音符:速いヨーデル歌います🏔️🎶流れ星&虹星:星間飛行歌います🌟ハート:沢山の愛頂きました💙デイリーグリッター:アナ雪の曲をランダム一曲⛄🌊🐚🌊🐚🌊🐚🌊🐚🌊🐚🌊🐚🌊🐚🌊🐚🌊🐚⚠️アクアリウムでのお約束⚠️・周りに迷惑を掛ける行為やコメント(脈絡の無い文の連投、過度なボケやイジり、企画を止めてしまうコメント、センシティブな表現など)は控えましょう💦アクアリウムを心地良い癒しの空間にするためご協力下さいませ(条件に該当するコメントはお読み上げ致しませんのでご了承下さいませ💦また連投された場合、一時的にコメントブロックをさせて頂く場合もございます🙇‍♀️)・水槽のお魚さんを釣り上げたり捕まえるのはお止めください🐠💦🎣水族館のお魚さんはお友達です!(破った方はお魚さんお友達宣言をして頂きます)以上の事柄をお守り頂き、後はご自由におくつろぎ下さいませ.。o○⚓🏖️⚓🏖️⚓🏖️⚓🏖️⚓🏖️⚓🏖️⚓🏖️⚓🏖️⚓🏖️リスナー様へ一言見つけてくださって本当に本当にありがとうございます!まだまだ初心者で分からないことばかりの私ですが、皆様がゆったりとして貰えるような配信を目指して頑張ります.。o○



戦争は始まったら最後、簡単には終わらない。どうやって終わらせるかを考えずに始めることは愚かであると言われる所以である。

誰も彼も戦争を始める時、我が方に正義ありと思って事を始める。それが悪逆であることを自覚して始める希有な例も無いとは言えないが、多くの場合はそうである。故に、殺して殺されるという戦争にあって、殺されたことばかりが敵の罪として喧伝されることとなり、恨みつらみと憎しみを積み重ねて、復讐の念に燃えた青年や、少年や、男や女が、家族や一族、そして民族、仲間の恨みをはらすためと信じて戦いへと没入していく。

現在、世界を覆い尽くしているテロ戦争がそうだ。
中近東で、いや全世界で多くの民衆を巻き込んでいるテロ戦争は、行き着くところ同じ神様をあがめているはずの、ユダヤ、イスラムとキリスト教徒同士の、言うなれば近親憎悪的争いに端を発している。

争いをなくすにはその原因をみつけなければならない。そしてその原因は、貧困であると言い出す人がいる。残念だがそれは嘘だ。貧困は戦争の理由とは成らない。貧困の原因を誰かの責任だと言い出した時に、争いが起こるのだ。

争いの原因に過去を持ち出す者もいる。
なるほど、確かに我こそは過去の被害者であると主張する国家、民族ほど、現在醜悪とも言える殺戮をしている例が多い。

例えば、ナチスによる被害を言い立てて、神話を楯にパレスティナの地に自国を持つ権利を主張するイスラエル人。建国する際に、平和に暮らしていたパレスティナ人を虐殺し、追いやり、土地を奪った。そして今なお、抑圧し殺し続けている。それはもう、質量共に昔アウシュビッツの地であったとされる出来事を遙かに越える虐殺となっているだろう。

チベットやウィグルで今、中国がやっていることもそうだ。

ならば、過去を理由にして現在殺す者は、明日殺されることになるということだ。なるほど、彼らは将来殺される側に回ることへの恐怖故に、今なお殺し続けるのかも知れない。

とにかく力の強い者が悪い、と言い出す者がいる。
アフガニスタンの現状が、さも全てアメリカを始めとする西側先進国の責任であるかのごとく言い立てる左側諸氏などがそうだ。

だがそんな主張を聞くと思うのである。そもそも『平和なアフガニスタン』をメチャメチャにしたのは、諸氏の大好きだった共産主義の大本山たるソビエト連邦であるという事実はどこにいったのだろうと。コミュニストが侵攻さえしなければ、アフガニスタンは今でも平和な国だったのだ。

ま、それを言っても始まらないだろう。
結局、理屈と膏薬はどこにでも張り付く。盗人にも三分の理。どんな悪行であっても、理屈を上手に操る者はそれを正義と喧伝するのだ。そして、声の大きい者が勝つ。勝った者が正義となる。
過去は遡れば、どこまでも遡れる。歴史の教科書は、殺して、殺されて、殺して、殺されてという殺伐な記述で一杯なのだから。結局の所、人類の起源にまで行き着いてしまう。旧約聖書に寄れば人殺しの起源は、アダムとイブの息子カインが、自分の兄を殺した時だという。聖書も、さしてページを捲らぬ内にそんな出来事が書いてあるぐらいなのだから、それはもう人間の本質と言うことだ。

戦争は、憎しみ、恨み、名誉、虚栄、生存競争などといった人間の根元的要素が絡み合っておこる殺し合いだ。戦うべき理由はどこにでもあり、そしてそれらは根絶不能だ。全知全能の唯一神とやらが、自らをあがめる信徒に向けて「我が命ずる。戦いを止めよ」と天啓を下さない限り、信徒達はその名を呼びながら戦うだろう。貧困が原因ならば、地上に住まう全ての人間に富をもたらす方法を見つけない限り戦いは無くならず、過去が原因なら、それと決別しない限り人々は自分の物でない恨みを晴らそうとし、自分の物でない恨みを自分の子に植え付けようとする。

故に、和平への道は険しい。
情緒と過去の連鎖を断ち切り、戦闘中の当事者同士が争いを止めるのは、始める以上の労苦が必要となってしまうのだ。

帝国と日本との講和交渉も、互いに矛を収めようと言う同じ目的に基づいて始められたものではあるが、どのように終わらせるかにあたっては互いの見解の相違が際だっものとなっていた。

帝国としては戦争の終結をするとしても、よりマシな形を選びたいと思っている。すなわち敗北ではない形である。実質的な敗北であっても、内にも外にも敗北という印象を抱かせない、そんな形を志向していた。

対するに、日本側としては戦争の終結に当たって、銀座の真ん中に門を開いて多数の死傷者を出した行為への謝罪と賠償は不可欠で、求められるのは明確な勝利だ。これなくして、日本国民は納得しない。

従って、そこで交わされる言葉は、姿形を変えてなされる戦争となった。
時に激しいやりとりが交わされ、知恵を絞り、術策権謀を張り巡らせた言葉の戦術が展開される。それは、武器を持ってする戦争のそれと違って、さしたる技術的格差も無いがために、進展したかと思えば後戻りをするという、徒労にも似た繰り返しが続いていたのである。




「現状のような軍事的圧力下において、講和の条件についての冷静な論議はとてもできない。我々はとりあえずニホン側に矛を収めることを求めたい。ここで我らは、いかにして恒久的な平和を確立するかという話し合いをしているのだから、仮初めにしても現状で戦を休む協約を結ぶことは、交渉の論旨にもかなうはずだ。実際のところ双方で戦いが行われなくなって久しい。自然に生じたそれを、形としてまとめるのに何を躊躇う必要があるだろうか?」

物事というのは、ホント、言いようである。
帝国側の論客キケロ卿の言葉は、状況を無視してその文言だけ取り上げてみれば、物事を一義的にしか捕らえない者には、まともなものとして聞こえてしまうという詐術が込められていた。

類似の理論展開は、我々の日常に置いて例えるに、死刑廃止論者などがよくするものとして散見される。曰く「死刑の是非についての現在論議中なのだから、結論が出るまで死刑の執行は停止されるべきだ」と言うもの。

なるほど、理に適っているかのように見える。だが、期限を切らないでなされる議論に結論は出ない。従ってこの論は、議論を永遠に続けることで民意も法律も無視して、実質的な死刑廃止を成立させるための罠と言えるのである。

この手の主張は死刑廃止派のみならず捕鯨など、各種の議論に置いて散見されるので新聞などを読む際は気に留めておくと面白い。

一方、日本側代表の白百合は、講和の条件について論じている最中、都合が悪くなるとこの話を蒸し返してくるキケロに、いささか辟易としていた。太く長い息を吐くと、少し演出過剰とも思えるほどに気怠そうに背もたれに身体を委ねて、低く抑えた声で以下のように答えた。

「私たちの忍耐力にも限度というものがあるのですよ、キケロ卿。残念ながら、講和交渉の始まりは平和の到来を約束しません。講和会議を始めて早10日。ここで無駄に費やされた一分一秒が、アルヌスで散華された帝国兵の貴重な人生を蕩尽して得られたものだということをしっかり認識して頂きたい。愚かしい時間稼ぎは、今後浪費されるであろう人命に対する冒涜以外の何物でもありません。勿論、命というものに対する見解の相違が、貴国と我が方との間には大きく横たわっていることは存じております。が、そのようなのんきな態度をとれるのも、きっと失われるのが他人の命と思っておられるからだと私は愚考いたします。ですから、矛を収めることは致しません。私たちは、必要と思ったら、いつでもどこでも攻撃する権利を保有し続けます。明日は我が身と思う緊張感こそが、この会議を実り多きものへとつなげると信じているからです」

「それは脅迫ですかな?」

「ええ、改めて確認されるまでもなくその通りです。この度の講和会議も、言うなれば勝者たる私たちより、敗者たる帝国の皆様につきつける脅迫なのです。もしかして、別のものだと思いたかったのでしょうか?ならば、今の内に心構えをどうぞご修正下さいませ」

「ほほう。我々が敗者だとおっしゃられるか?」

「ええ。私たちそのように認識しております」

「これは異な事を。我らは、まだ負けておらぬが」

「まだ……ですか?」

「そうだとも。確かに、我が国は門を失い、アルヌス周辺を占領されておる。夥しい数の将兵をも失った。これは認めよう。だが、戦いその物の決着はついておらぬ」

「これは困りましたわ。どのようにしたら敗北を受け容て下さるのでしょうか?」

「この首都を瓦礫の山にし、夥しい死者で大地を埋めるがよかろう。貴国には、それをする力はあるのだろうからな」

だがキケロの笑みは、言外に語っていた。それをする力はあっても、したくはないだろう?そもそも出来るのか?と。

「ニホンという国は、人道というものを尊ぶと聞く。では、帝都を破壊し、民を殺し尽くすことは果たして人道的なのであろうか。あまり強がるものではないぞ。ニホンの軍に出来ることは、精々、無人の建物を破壊するくらいだ。我々としては壊れた建物はまた造ればよいのだ。それに、この大陸の平和は我が帝国が維持している。帝国のない大陸に最早平和はない。それとも帝国亡き後、大陸全土を包む戦乱を納め、平和を維持するという面倒を、我らに代わってニホンが引き受けてくれるとでも申されるのか?」

キケロは、見事なまでに日本側交渉団の足下を見透かして来た。これには日本側も沈黙をもって応ぜざるを得なかった。技術、戦闘力のいずれにおいて桁外れに優位な日本であるが、戦争にかかるコストも桁外れなのである。現在の日本に、特地の大陸全土を安定させるだけの余裕はない。

「そこでだ。我らとしては、現状維持で戦を終わらせることを提案したいのだよ。双方勝ち負け無しの痛み分けと言うことでな。そのために、講和条件の第1項、責任者の処罰についての要求を撤回してもらいたい」

キケロ以下、帝国側代表団はそう言って迫った。

勿論、白百合以下、日本側も負けていない。菅原が白百合に視線で許可を求めた上で腰を上げた。通訳を介す必要のない菅原は流暢な帝国の言葉で、話し始める。

「帝国の皆様は、短い間に我が国をご研究なさった様子。感服いたします」

そう言って菅原は、帝国側通訳として控えるボーゼス達語学研修生へと視線を巡らせた。彼女たちが、アルヌスで集めた日本人についての報告が役に立っているのだろう。あるいはピニャの報告も。

「ご見識の通り、我が国がこれまで帝国への攻撃を手控えていたのは、帝国による平和が揺るぎ、この大陸の各国が互いに相争う戦乱の荒野となり果てないためでありました。いえ、別に感謝をして頂く必要はありませんよ。所詮は、我々の利己的な都合に従っただけなのですから」

菅原は、人の悪い笑みをキケロに、そしてカーゼル侯爵達へと向ける。

「ですが考えてみると、何もその役目は帝国でなければならぬという訳でもないんです。実は最近、我が国は帝国とは別の国と友誼を結ぶことに成功いたしましてね。個人的な考えなのですが、大陸の平和を守る覇権国家たる役目、その国に代わって貰ってはどうかと思っています。これを本国に提案しようかと思っているのですが、皆さんは、どう考えられますか?」

今度は、帝国側代表団が沈黙する番であった。

「我が国は、人道的であることを標榜している国家です。故に人々や都市に直接手をかけるようなことはしないかも知れません。ですが、帝国を取り囲む他の国はどうでしょうか?これまでの帝国の有り様を顧みて、それほどの恨みを買っている国はないとおっしゃるのでしたら、これまで通りにどうぞ。ですが、少しでもお心当たりがあるようでしたら、先ほど白百合が申しましたように、この場が、どのようなものであるかの認識を改められますよう、お勧めいたします」

コブラ・ヘビ類, 屠殺用ナイフ, ヘビの肉, ヘビの肉(1~?), ゴルゴ岩石地帯などカーマスリビア



「へぇ、菅原って結構やり手なんだなぁ。ただのロリじゃなかったことか。帝国側は完黙だねぇ」

陸上自衛隊・帝都事務所の所長新田原三佐は、指揮所に据えられたスピーカーから漏れ聞こえる会議の様子にじっと耳を傾けながらそんな感想を漏らした。帝都事務所スタッフの一人、十条三等陸曹は無線機のスケルチ調節摘みをいじりながら、そんな新田原の呟きに応じた。

「これで、今日の話し合いも終わりって感じですね」

スピーカーも、会議終了後のざわざわとした喧騒を流していた。

新田原は「ああ。これで、帝国側が、態度を改めればいいけどな」と肩を竦めると、机の上に置いていた書類をまとめ始める。

「でも、皇帝は退位するってことで責任をとるつもりなんですよね?なんでまた、その事でゴネるんですかね?」

「そりゃ、条件交渉に決まってるだろ。こちらは、これを受け容れるんだから、そっちは、要求を引っ込めろ、あるいはもう少し楽なものに変えろ、とかのな」

「でも毎日毎日、よくやるよって感じですね。この後の午餐会では打って変わって和気藹々と話をするってんですから。面の皮が厚いというかなんていうか……、っと忘れてた」

言いながら、十条は思い出したように無線機のマイクを手に取ると、各所へ本日の会議が終了したことを告げた。

「CP(指揮所)より各位、状況終了、状況終了」

講和交渉団サポートチームの仕事も、今日の所はほぼ終了である。
周りに詰めていた外務省関係者とか、特殊作戦群から派遣された連絡員とか、二科(情報)担当なども、皆緊張から解き放たれような顔をしている。湯飲みに手を伸ばしたり、凝った肩を拳で叩いている者などもいた。

「おい十条、休憩中も交代でモニターは続けさせておけよ。まぁ、大丈夫だろうけど、お家に帰り着くまでが遠足だからな。それと特戦にも、後段引き続き待機を宜しくと伝えてくれ」

会談場所のここは、敵国の首都だ。どのようなことが起こるか判らないために、交渉団全員が、身体にマイクを取り付けていた。また危急の場合に備えて、特殊作戦群の一隊とヘリが常に帝都郊外で待機している。

「でも、これで10日目。いつまで続くんですかね?」

「そりゃ、決まるまでだよ」

「なんだか大変っすね。勝田二曹がシフト表前にしてウンウン唸ってましたよ」

「人手が足りないからなぁ」

新田原は頭をがしがしと掻きむしると、後を十条に任せて自分の執務室に戻った。
執務室と言っても建物の大部屋に、衝立を置いて仕切っただけだ。要するに指揮所の一角だ。だが、それでも自分の空間と思えるだけで気が休まる部分もあるのだ。

椅子によっこらせと座った。机の上には書類が山となってた。
最近、運動不足だ。そのせいかベルトの穴二つ分、太った。少し運動せねばと思うのだが此処では無理か思うとため息が出てしまう。この治安の悪い悪所なんぞでマラソンをしようものなら、物盗りか捕り物と勘違いされかねない。地元住民は、「水に落ちた犬は討て」という思考を持つ者ばかりだけに、勘違いして襲ってくるかも知れない。

すると、笹川陸士長が、慌てふためいて新田原の前へとやってきた。笹川は、黒川、古田と共に第三偵察隊から帝都事務所の増強要員として派遣されて来ている。

「どうした、笹川」

「三佐。大変です、リューが殺されました」

「なんだと?!」

新田原は折角座った椅子を蹴飛ばすようにした立ち上がった。

「『緑の人の詩』を歌って貰っている吟遊詩人が殺されたんです」



伊丹、テュカ、ロゥリィ、レレイ、そしてヤオらが炎龍退治を成し遂げると、エルベ藩王国のデュランや、ダークエルフ達は、その評判を積極に宣伝した。その甲斐あって『緑の人』伝説はエルベ藩王国や帝国の南部地域では、瞬く間に広まったのだが、彼らがそうするには、実はそれだけの必要性があったからである。

例えば、エルベ藩王国のデュラン。彼は、緑の人の声望が高まれば高まるほど、その緑の人の故郷たる日本と結びついた自らの権威と人望を、確固たるものとするのに役立つと考えたのである。これで、王権を取り戻すのに外国の軍を引き入れたという悪評は『外国の軍』が『炎龍を打ち倒した緑の人の軍』に置き換わったことで霧散させることが出来たし、日本側に引き渡すこととなった地下資源の権益も、緑の人の功績に対する報償という形式をとったことで、貴族や人々に認められたのである。炎龍退治の功績とは、それほどのものであるという認識があったからだ。

またダークエルフが宣伝に積極的なのは、緑の人たる伊丹が自衛隊での立場を失わないようにする恩返しの一部だが、それとは別に、炎龍の害によって遠のいた交易商人に再来を促すための安全宣言の意味でもあった。これによって評判を聞きつけた商人がシュワルツの森へと再び足を向けるようになったのである。

だが、帝都までは遠い。積極的に宣伝したとしても、吟遊詩人が帝都で『緑の人』の功績を歌い始めるにはいささか早すぎる。いや、明らかに異常と言えた。やはり、その背景には人為的な要素が作用していたのである。

則ち、日本による宣伝活動である。

『緑の人の詩』は自然発生の噂と違って、『緑の人』の正体をあえて伝えないようにされていた。また、帝国では秘されているような話まで、人々の関心を惹くように織り込まれているのだ。例えば、緑の人に救われた黒髪の乙女の話だ。

こうして情報をわざと詳細不明にすることで、民衆が「緑の人って誰よ」、「黒髪の乙女って何の話?」と知りたがるようにし、その欲求が充分に高まるのを待ってから暴露するという宣伝戦略の手法を取り入れたのである。

この宣伝に求められる効果は、帝国が敗北を認めた際に、民衆が日本に対する敵愾心を持つことを極力抑えることであった。

「緑の人の国が相手じゃ、しょうがないだろう」……民衆が、そんな心境になってくれると考えるのは都合が良すぎるかも知れない。が、少なくとも、黒髪の乙女などの醜聞によって、帝国と自分との一体感を持ちにくくし、帝国が敗北したのは、炎龍を倒し人々を救った緑の人の国であるということから、あからさまな敵愾心を持たずにいてくれるのではないかという皮算用が、そこに含まれているのである。

だが、そのための吟遊詩人が殺されてしまった。

「一昨日がメディオ、昨日がトラウト、今日がリューです」

新田原は、笹川に詳しい説明を求める。笹川は、現在の状況説明を始めた。

「吟遊詩人メディオ(24才)は、一昨日帝都の商業地域にあるタブラン(居酒屋)で、こっちで言うところのライブをしていました。その後、ファンの女性客とともに店を出たところまでは、目撃者が居ます。翌朝、女性客と二人で路地で遺体となって発見されました。二人目の吟遊詩人トラウト(31才)は、昨夜貴族宅に招かれてその帰宅途中で、水路で死体となって発見。そして3人目です。リュー(28才)は、悪所の路上で刺されて死亡しています。その直前まで、街娼と一緒にいたことは証言があります」

自衛隊が、今回の宣撫活動のために手配した吟遊詩人は3名。この3名が、帝都内の各所で殺されてしまったのである。笹川の報告を耳に挟んだのか、事務所勤務の隊員達が続々と周囲に集まって来た。

新田原は疲れたように肩を落とすと、椅子に座り込んて額に手を当てた。

「まさかこんな事になるとはなぁ」

「どうしますか?また吟遊詩人を捜しますか?パラマウンテに紹介して貰えないか頼んでみますが」

十条三等陸曹が、仕切の向こうから顔だけ出して尋ねて来た。新田原は頷いた。

「ああ、頼む。そうしてくれ。ついでに、リューの死体を引き取ってもらってくれ。アルヌスに運んで一応検視してもらおう」

新田原は最初、金回りがよくなった吟遊詩人が、強盗あたりに狙われたのだろうと考えていたのである。が、立て続けに3人となれば、そのような問題ではないことは誰にだって予想が出来る。

「緑の人伝説計画の吟遊詩人が、3人とも殺された。2人までなら偶然と言っても良かったろう。だが3人となるといけない。これは、もう何者かによる攻撃と判ぜざるを得ないよ」

新田原の言葉に、笹川も頷いた。

「名寄三尉。ボウロの監視状況はどうなってる?」

笹川の後ろに立っていた痩身の幹部自衛官はその質問を予測していた。デリラによる紀子襲撃未遂事件以来、自衛隊は敵対する謀略組織を追跡していた。目指すは、フォルマル伯爵家の執事から伯爵家の通箋を入手し、デリラに偽指令を送った者である。こうして、ボウロという男をつきとめたのであるが、この男から先がどうにも手繰れなかった。

「動きは全くありません」

「確かに、中に居るんだろうな?」

「はい、1日に二度、奴の売春宿に、協力員に入って貰って確認をとってます。帳場で仕事をしているの見たそうです。それに何か動きがあれば、内部協力者からも連絡が入ることになっています」

「出入りしている人間の全員チェックってのは出来てないんだな」

「女の子20人の売春宿ですよ。1日100人以上が出入りします。現有戦力では、さすがに無理です」

「ボウロと接触する人間を絞り込めないか?」

「帳場を奴が仕切ってます。つまり客は全員、奴と接触するってことです」

「くそっ。講和会議が始まって、こっちに人手をとられているってのに、ゾルザルの監視に、ボウロとか言う豚犬の監視。人手がいくらあっても足らねぇ」

吟遊詩人が三人も殺されたとなれば、新しく手配した吟遊詩人も狙われるたろう。これを防ぐなら護衛をつける必要がある。確実を期すなら自衛官なのだが、こんなことに貴重な人材を使うわけにはいかない。かといって、誰でも良いというわけにもいかない。この悪所内では、信用できる人材を集めようにもやはり限りがあるのだ。

アルヌスには自衛官が山ほど居るが、言葉という点で特地人と意志疎通に問題がない者を探すと、殆どが使えない。これが偵察隊の隊員達が便利使いされる所以なのだ。そして偵察隊員は全員で72名。多少の入れ替えや、別の場面で言葉が使えるようになった者を含めても、全員で100名を越えるかどうかなのだ。

帝都事務所には事務所専属スタッフを除いて、常時2個隊24名を置いて貰っているが、ここ数日の会議の支援などでオーバーワーク気味だ。これ以上は無理である。

「とにかく、ボウロの監視を強化する。出入りする連中の追跡調査も全数でなくても良いから出来るだけやってくれ。ゾルザル派の軍人連中の監視を一時的に弛めよう。そっちの人手をまわす」

「良いんでしょうか?」

「ああ。こうなったら、仕方ない」

ボウロが謀略組織の重要人物であることは間違いないと思われる。
今回の吟遊詩人殺害も、ボウロが関係しているならば、どこかで動きがあるはず。監視の目を増やしてその動きを察知することに重点を置く。それが新田原の決断だった。

MP: 1 防御力: 182 回避: 152 ダメージ減少: 30

とはいえ黒い砂漠の血液は5種類にカテゴリ分けされていますので、オススメの収集場所と合わせて見てみましょう。



コダ村からの避難民達は、口を糊するために各地の村や町に散らばって職を求めた。

村長の場合は帝都郊外にある荘園で臨時雇いの農夫として暮らしていた。
臨時雇いの身の上だが、荘園主が彼の友人と言っても良い程度の知人であったため、それほど悪い待遇でもなかったのである。

仕事の内容は、畑仕事をする奴隷の監督。
朝日が昇れば起き出して、夕方に仕事を終える。1日が終われば友人に誘われて、濁った安酒と、たわいもない下品なお喋りに興じてその後、寝藁を積んだ床に入る。

実入りなどはほとんど無い。貯蓄も出来ない。が、彼と彼の家族が食べて行くには困らないことを考えると、他の村民達に較べたらきっと良い方なのだろうと思っていた。

人の出入りがほとんど無い閉鎖的な農場のでの生活だ。他の雛民達がどのような生活をしているかの噂すら入ってこなかった。

それまでの生活から切り離された避難民達の生活は過酷であるだろう。過酷であるはずだ。何故なら、新しい環境で職を得て働くと言うことは、とても大変だからだ。コダ村の村民達の多くは、どこにでもいる農夫であり、どこにでもいる職人だ。特別な技術や才能を持つわけではないから、きっと捨て金のような賃金で、下手をすると奴隷よりも過酷な暮らしに耐えているのではないか。村長はそんな風に考えていた。

皆、うまくやっていればいいのだが、と心配はしている。だが、彼自身日々続く穏やかな毎日を維持することで精一杯の気持があった。だから、今の我が身の境遇に、せめて満足しようと思っていたのである。

そんな彼の下に、炎龍が退治されたという話が伝わったのはほとんど偶然であった。

荘園主が収穫の終えた作物を出荷するために、荷馬車を連ねて帝都へと赴く。
その際、酒の臭いに釣られて立ち寄ったタブラン(居酒屋)で、吟遊詩人の奏でる緑の人の詩を聞く。そして、それを村長に知らせたと言うわけである。

「それが本当なら村に帰れるな、よかったな」

肩を叩いて喜んでくれる荘園主の言葉を受けて村長も早速荷物をまとめた。
もちろん、今帰って元の生活がすぐに取り戻せるわけではない。畑は荒れ果てているだろうし、家だってどうなっているかわからないのである。が、危険が去ったというのなら、村長として、とにかく村の様子を確かめなくてはならないだろう。そして状況を見定めて今後の方針を立てるのだ。

幸い、荘園も農閑期に入った。村長がしなくてはならない仕事もないと言える。こうして家族を知人に預けた村長は、コダ村へと向かうために馬車に乗ったのである。

旅の途中村長は、村や街を見かければ必要が無くても立ちよった。
コダ村からの避難民達を探すためだ。村を再建する際に、村人達を集めるために消息を確かめて置かなくてはならないのだ。

だが、程なくして彼は愕然とすることとなる。

村人に声をかけ、街の住民に尋ねると、確かにここに避難民達はいたと言う。

緑の人の炎龍撃退の語り部をして、村長も内心穏やかでいられなくなるほどの、余裕のある生活を送っていたらしい。なのにここ数日、コダ村からの避難民の姿が消えた。ただ居なくなったというのならコダ村に帰ったとか、別の街に移ったと考えることも出来るが……ここで、みな周囲に目配りをして声低くした……「コダ村からの避難民は、殺されたりしてるって噂があるよ」と囁いたのである。

次の村でも、さらに次の街でもそうだった。

村長は得体の知れない何かが背後から迫る気配を感じて恐怖した。

このまま、コダ村へと向かうべきか、それとも荘園に引き返すべきか。そんな風に悩みつつ、馬車に乗り込むと馬の手綱をとる。

すると、路地から転がるように出てきた少女と男の子が、村長の元に駆け寄ってきた。

「村長さんっ!村長さんっ!」

「お前さん達。ドガタンところの」

汚れた顔で、ボロを纏っては居ても二人はコダ村の住民。村長にも見覚えのある子供であった。

「探していたんだよ、みんなはどうしたんだね?無事なのかね?」

「お父さんと、お母さんがっ!!」

悲痛な響きをともなった声は、多くを語らずとも雄弁に事情を伝えた。村長は素早く決断する。

「早く乗りなさい。逃げよう」

子供達を荷車に乗せた村長は、兎にも角にもここから逃げ出すことにしたのである。

慌ただしく村を出て、街道を進む。
何処に進めばいいのかわからない。わからないが、とにかくここではないどこかに逃れたい一心で、彼は農耕馬を急き立てた。

力はあっても、速く走ることの向いてない彼の馬は、かるくいなないて不満の態度を示した。だが村長の鬼気迫る思いを感じたのか、全力疾走ではないが、普段歩くよりは速い速度で進むことを受け容れたのである。

だが、しばらくすると後方より馬蹄の響きが、聞こえてきた。
少しずつ、少しずつ、それは大きくなってきた。

村長は、その気配に急き立てるように馬に鞭を当てる。

荷台の子供達も、怯えて互いに抱き合って泣き始める。
子供の泣き声というのは、癇に障るものだ。特に大人自身、追い詰められている時はなおさらそうだ。村長は子供達に向かって怒鳴った。

「大丈夫、儂に任せておきなさいっ!」

怒鳴ったのは、荷馬車の騒音が凄くなっており、普通に喋っても聞こえないからだ。

引きつる表情を強引に笑みの形にしている村長に、子供達はどうにかべそをかくのをやめる。

「儂はな、これでも若い頃は戦にも行ったことがあるんじゃよ」

荷車の前から三枚目の床板を剥がして見るように、村長は言う。
子供達は、言われたままに荷車の床板を調べた。すると、前から3枚目が簡単にはずせるようになっていた。そしてその下には、一振りの剣が隠されていたのである。

村長は子供達から剣を受け取ると、頼もしく見えるように、痩せた腕で力こぶを作ってみせる。

柄に口づけると「戦いの神エムロイ様。儂なんぞどうでもいいから、この子達だけでも守り給え」と祈った。

迫りくる気配は、すぐ後ろまで近づいていた。
村長は振り返る。すると、街道の後方に、騎馬の隊列が見えた。壮麗な装備、整った2列の隊形を作る一小隊10騎は、盗賊などではない帝国正規軍のそれであった。

故に、一瞬、助けが来たのかと思った。だが、帝国軍が放つ禍々しい殺気は村長達へと向けられていたのである。


クマの血トロルの血オーガの血ヤクの血ライオンの血(2倍必要?) 神獣の血に使う動物の血

Ho-jo to-ho! Hei-a ha! Hei-a ha!」

死の交響曲。宮廷での生活で様々な音楽に接する機会があったが、ピニャはこれほどまでに、美しく荘厳な演奏を耳にしたことがなかった。ホルン、ファゴット、様々な管弦の音色と、歌手の大音声が戦場を満たし、死への伴奏を叩きつけていく。ベルリ○・フィルの名演奏をエンドレスに編集されたそれは、最も盛り上がる場面を繰り返し、繰り返しピニャの耳に流し込んでいた。

「Ho-jo to-ho!

主にゴルゴ岩石地帯に生息するコブラ。致命的な猛毒で攻撃する。特に岩石の間に潜んでいるため、冒険者なら常に警戒を怠ってはならない。

Ho-jo to-ho! Hei-a ha! Hei-a ha!」

ピニャの魂魄が、左右からの鉄の連打を受けて打ちのめされる。
人とはなんと無価値で、無意味なのかと、絶対的な無力感を突きつけられていた。

「Hei-a ha!ーーーーHei-a ha!ーーーー」

これまで敵と言えば、等身大の存在であった。
だが、それは明らかに違った。
正視することの許されない、だが目をそらすことすら許されない何か。

「Ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!!

Ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!ha!!」

ワルキューレの嘲笑と呼ばれる歌詞を歌い上げる女声に、ピニャは徹底的に打ちのめされた。誇りも名誉も彼女が価値あるものとして、頼ってきた全てのものが、一瞬のうちに否定された。
意味のわからない歌声が、彼女にはこう聞こえる。
なんと矮小な人間よ!
無力で惨めで、情けない人間よ!
お前の権力、権威など何ほどのものか。お前達が代を重ねて営々と築いてきたものなど、我らがその気になれば一瞬にして、こうだっ!!
ピニャは涙を流しながら確かに、女神からの蔑みを感じた。と、同時に自分を遙かに凌駕する偉大なるものの存在を知った。
強大なもの。
まぶしきもの。
彼女の心に沸き上がったのは尊敬であり、畏敬の念。
そして、それら尊崇すべき存在が、自分とは全くの無縁であることの絶望。お前は決してそれらのようにはなれないのだと突き放してくる宣告。
かつて、ピニャの将来を定めたと言える歌劇を見た時の憧れと感動が、この時ことごとく塗りつぶされしまった。




「やばいっ!ロゥリイの奴、敵の真っ直中に出ていきやがった!」
伊丹のオタク的部分は、ロゥリィがとてつもなく強いと予測していた。
だが、現実的かつ常識的な部分が、あの見た目が華奢で小柄なロリ少女が、強いと思えるのはどうかしてると、盛んに訴えていたのも確かなのである。
そのためにどうしても心配になった。共に過ごした時間もそれなりにあるので情も湧いている。見捨てるとか放っておくという発想はどこを探しても出てこなかった。
伊丹は、トラックを降りると「つけ剣」と自ら号令して小銃に銃剣を装着した。
栗林も、富田も着剣している。銃剣の柄を掌底で2度叩いて装着を確認する。
互いに見合わせて安全装置を『ア』より『レ』へと捻る。「はなれるなよっ」と告げて、前進を始めた。
だが真っ先に、鉄砲玉みたいに突っ込んで行ったのは栗林だった。
伊丹と富田は「ちっ、あの馬鹿女」と呟きつつも、距離をあけないように人垣をかき分けて懸命に追う。
「突撃にぃ、前へ!」
目標を定めて数歩進み、小銃を構えて短連射。
更に数歩走って、今度は腰だめに小銃を短連射。
訓練に訓練を重ねて身にしみこませた動作が、繰り返された。
盗賊の数人が、血しぶきをまき散らしながら倒れる。
見ると、ロゥリィは舞うようにハルバートを振り、叩きつけ、ぶん回して、楯もろともたたき割って敵を蹴散らしていた。危うげな様子は少しもなく、軽快なヒップポップのような軽やかさだった。その周囲にはすでに屍体の山が築かれている。
敵は楯を使って圧迫し、押し退けて突き飛ばそうとし、楯の上を越えて剣を突きだしている。楯の下縁りで脛を打とうとしてくる。だが、ロゥリィはふわっと身を退くと、大上段に構えたハルバートを叩きつける。
それはあたかも薪割りのようで、楯ごと敵を二つに引き裂いた。
背後に回り込もうとする敵には、鈍く尖った石突きが待っている。振り返りもせずに突き出されたハルバートの柄が深々と敵の腹部に突き刺さった。
四方八方から同時に突き出される槍を、まるで棒高跳びのようにハルバートを支えにして中空に舞ってかわす。
黒薔薇のように広がるロゥリィのスカート。徹底的に黒で固めたガータベルトとショーツ、そしてなめらかな曲線で描かれた美脚を冥土の土産と見せつけて、回転する勢いをそのままハルバートにのせて円を描く。
プロペラのような旋風が、盗賊達の首を高々と跳ね上げていた。噴水のごとく吹き出す血潮。
赤い雨粒をその頬に受けながら、風を斬り、鉄を斬り、肉を断つ。
恐怖と憎悪と殺意を寄り合わせた力任せの大剣が、ロゥリィの頭上に振り下ろされる。
だが、ロゥリィの清澄な眼差しが毛一筋ほど隙を見いだし、命を賭した渾身の一撃を空回りさせる。
ロゥリィはスカートの縁を左の指先で摘みつつ闘牛士のそれに似た身のこなしで、猛牛のごとき突進をかわした。
そこへ、これに栗林が加わった。
喊声を上げながら銃剣による直突!ロゥリイを背後から襲うとした敵を貫く。
発砲しながらの反動で、刺さった銃剣を引っこ抜いて、そのままの勢いで後ろの敵に斜めから斬撃。直突、直突、構えを入れ替えて銃床を使っての横打撃。直打撃、打撃、打撃!ぶっ倒れた敵の鼻先に銃口を突きつけて、引き金を一回引く。
斬り付けてきた敵の剣を小銃で受け停める。小銃の2脚が吹っ飛び銃身を覆う下部被筒が派手に凹むが、気にせず脛を掃蹴。派手に倒れた敵の鼻面を、兜の上から半長靴で踏みつぶす。
カラカラとちぎれた二脚が落ちて。「あちゃ~」と呻いて武器陸曹の顔を思い出す。だが、このために八九ではなく六四小銃を持ち込んでいるのだ。栗林は「消耗品、消耗品」と自ら言い聞かせながら、小銃を握り直した。
前時代的で野蛮な白兵戦。だが栗林は、それを特技としていた。
小柄ながらまるで猫のような俊敏さで、敵を寄せ付けず手を焼かせ、逆に圧倒していた。敵が距離を置いたかと思えば、小銃を短連射。弾が尽きて、手投げ弾を敵の頭上を越えるように投げ込む。
ラッシュ並の混雑だ。敵の肉体そのものが楯になってくれると判断する。実際、背中を突き飛ばすような爆発に狼狽したのは敵だ。混乱し戦意を喪失し、楯を列べて防ごうとする。
そこへ素早く拳銃を抜いて、問答無用の三発連射。所詮は木製の楯。九㎜拳銃の弾を受けて、一発目で板が割れ、二発目で砕け、三発目がその向こう側の敵兵に当たる。
切り開かれた突破口にロゥリィが突っ込み、抉り、傷口を拡大していく。その間に栗林は小銃の弾倉を交換。
伊丹と富田は、自分達が手綱をひかないとやばいと思って、彼女らの背中を守った。小銃と拳銃と銃剣とを駆使して敵を回り込ませないことにだけ集中する。
少し距離を置いて、頭を冷静にして見ると女性二人の戦いぶりは実に見事だった。特にロゥリィは無敵な強さを見せていた。脳内麻薬の作用か、それともそう言う性格なのか、実に2人とも爽快そうな笑みを見せている。いっちゃった表情である。そういう女性の顔はベットの上で見たいものである。
二人は即興の連携を見せた。
銃剣で突き、ハルバートを叩きつけ、銃撃し手榴弾を投げ、ハルバートの柄で払い、蹴りや鉄拳をもって敵を支え、圧迫し、突き放し、押し返す。
弾倉の交換ももどかしい。栗林の弾が切れたと見るや、伊丹は自分の銃を栗林に放り投げた。代わりにガラクタ寸前となった栗林の銃が帰ってくる。
敵味方入り乱れた乱戦の真っ最中だったイタリカの警備兵や民兵達も、敵の勢いが急激に萎んでいくことに気付いた。周囲を見渡す余裕が出来て、はじめて伊丹達の存在に気付く。
エムロイの使徒だ!『まだら緑の服を着た連中』が来てくれたぞ、の声と共に次第に秩序を取り戻し、構えた農具を連ね、互いを助け合う連携を取り戻し始める。爆音と、オーケストラの音に今更ながら気付く。

「Zu ort-linde's Stu-tr stell' deintn Htngst mlt mtiner Gran-en gras't gern deln Brannerl

Hei-s-ha!