薬剤師のためのBasic Evidence(制吐療法) | 日医工株式会社
催吐性潜在能が軽度のレジメンには、デキサメタゾンまたは5-HT3受容体拮抗薬が推奨される。催吐性リスクが最小度のレジメンには、予防は推奨されない。
がん薬物療法を受けた後に悪心や嘔吐を繰り返し経験するうちに、 実際の抗がん薬 ..
日本語
(1) 造血器悪性腫瘍患者
(2) 脳転移を有する患者
(3) ステロイドを使用できない患者
(4) ステロイドを投与されている患者。ただしステロイド吸入薬、外用薬は除く。
(5) 前治療歴に高度催吐性のがん化学療法剤が施行されている患者
(6) 抗がん剤併用レジメンの場合、中等度以上の催吐性薬剤が化学療法施行開始日を除き前後6日以内に施行される予定の患者(低度催吐性以下の薬剤は全日可)
(7) 治療開始6日前~治療開始6日目の12日間で腹部(横隔膜以下とする)又は骨盤の放射線療法を受けた患者又は受ける予定の患者
(8) 試験薬以外で制吐剤を使用している患者
(9) 本試験で使用する薬剤および類似化合物に対しアレルギーの既往歴のある患者
(10) 化学療法剤治療に耐えうる全身状態を有しない患者
(11) 妊娠中、授乳中又は妊娠の可能性がある女性又は避妊する意思のない患者
(12) コントロール不良と医師が判断した糖尿病患者
(13) HBs抗原陽性が判明している患者。ただし検査は必須ではない
(14) 活動性の感染症を有する患者
(15) その他、主治医が本試験の対象として不適当と判断した患者
催吐性が中等度の化学療法を受ける患者には、化学療法前に5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾンの併用が用いられる。カルボプラチン(曲線下面積[AUC]が4mg/mL以上)の投与を受けている患者はまた、NK-1受容体拮抗薬を受けることもある。遅発性嘔吐の予防には、化学療法後、5-HT3受容体拮抗薬、デキサメタゾン、またはその両方が推奨される。
代にはドーパミン受容体拮抗薬メトクロプラミドの大量投与とデキサメタゾンの併用による優れた制吐効果が報告され
FQ2 経口抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,制吐薬の投与は推奨されるか?
CQ9 細胞障害性抗がん薬の静脈内投与を連日受ける患者に対して,連日制吐療法は推奨されるか?
[PDF] 2016年04月 『抗癌剤の催吐性リスク分類と制吐療法について』
制吐薬に関するガイドラインには、遅発性嘔吐の予防に任意の治療法として利用可能な経口5-HT3受容体拮抗薬が含められているが、この方法を支持する証拠レベルは低い。
現在のガイドラインでは、化学療法誘発性のN&V(CINV)の化学療法前の管理は選択された化学療法薬の催吐性潜在能に基づくべきであると推奨されている。催吐性潜在能が高度のレジメンを受けている患者には、化学療法前のオランザピンを併用するまたは併用しない5-ヒドロキシトリプタミン-3(5-HT3)受容体拮抗薬、ニューロキニン-1(NK-1)受容体拮抗薬、およびデキサメタゾンの併用が推奨される。遅発性嘔吐の予防には、アプレピタント(化学療法前のNK-1受容体拮抗薬として選択された場合)、オランザピン、およびデキサメタゾンが推奨される。催吐性が高度の化学療法の予防のための3剤または4剤レジメンの使用に関しては、ガイドラインが異なる。あるガイドラインでは、デキサメタゾン、パロノセトロン、およびオランザピンが使用されている場合は、NK-1受容体拮抗薬を省略するという選択肢が含まれている。
抗癌剤治療に伴う副作用のひとつである、吐き気・嘔吐を適切にコントロールするためには、各抗癌剤の催吐性リス
これら経口抗がん薬の治療効果を得るためには,服用アドヒアランスを損なわないよう悪心・嘔吐対策が重要である。
治療に関連した吐き気と嘔吐(N&V)の管理において最も一般的な介入は制吐薬である。制吐治療の基礎は、嘔吐の神経化学的制御にある。正確な機序は十分把握されていないが、末梢の神経性受容体および化学受容体トリガー層(CTZ)は、セロトニン、ヒスタミン(H1およびH2)、ドパミン、アセチルコリン、オピオイド、およびその他多数の内因性神経伝達物質の受容体を含むことが知られている。多くの制吐薬は、これらの物質の受容体を競合的にブロックし、それによりCTZ、およびおそらく嘔吐中枢で末梢神経の刺激を阻害することによって作用する。
申請者は、この点を明らかにすべく、高度催吐性リスクの抗がん剤に対する制吐療法と
いくつかの組織-米国臨床腫瘍学会、National Comprehensive Cancer Network、Pediatric Oncology Group of Ontarioなど-により、その組織の会員のための制吐薬に関するガイドラインが発表されている。特定のガイドラインを支持することはPDQの方針に反するが、文献においていくつかの例が掲載されている。
セロトニン受容体拮抗薬発売後も抗がん剤投与による悪心・嘔吐は、いまだ患者の ..
軽度リスクの経口抗がん薬に対して,MASCC/ESMO ガイドライン2016 では,制吐薬3 種類(5-HT3受容体拮抗薬,デキサメタゾン,ドパミン受容体拮抗薬)を単剤で使用することが勧められているが,最小度リスクに対する制吐薬の予防的使用は推奨されていない。一方,NCCN ガイドライン2017 では,軽度・最小度リスクの経口抗がん薬を含めて,悪心・嘔吐が生じた際にメトクロプラミド,プロクロルペラジン,5-HT3受容体拮抗薬などの連日投与(必要に応じてオランザピンやロラゼパムを併用)が推奨されている。しかし,経口抗がん薬に対する制吐薬の比較試験がないため,これらの推奨される制吐療法の信頼度は低い。ただし,これらの経口抗がん薬の有効性のエビデンスを示した比較試験のプロトコールをみると,Grade 2 の悪心・嘔吐が発現した場合にはおおむね支持療法を行うかまたは休薬し,支持療法によってコントロールできない場合には,投与量を一段階減量する,さらにGrade 3 の悪心・嘔吐が発現した場合は,投与量を一段階減量することが一般的である。したがって,がん薬物療法のエビデンスを示した臨床試験のプロトコールを参考に,日常臨床で使用されている薬剤を使用するほか,食事の工夫,カウンセリングなどの支持療法を実施し,コントロール不良の際は休薬し,抗がん薬を一段階減量して再開するという原則を守り,Grade 3 以上の悪心・嘔吐を発現させず,Grade 2の悪心・嘔吐が継続しないように内服を継続することが求められる。
[PDF] 表3 造血器腫瘍に使用する抗がん剤の催吐性リスク分類と予防
日本語
(1) 高度催吐性リスク化学療法剤*をday1のみに投与するレジメンを受ける患者
*シスプラチン50mg/m2以上またはアンスラサイクリン系薬剤+シクロホスファミドを含むレジメン
(2) 高度催吐性リスク化学療法剤を初めて施行される悪性腫瘍患者
(3) 同意取得時で満20歳以上の患者
(4) 登録前24時間以内に悪心・嘔吐がCTCAEv.4.0でグレード0の患者
(5) Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)performance status(PS)が0または1の患者
(6) 登録前2週間以内において下記の肝腎機能を維持している患者
ALT 100IU/L 未満
AST 100IU/L 未満
T-Bil 2.0mg/dL 未満
Cr 1.5mg/dL 未満
(7) 予後が3ヶ月以上と予測される患者
(8) 本試験の参加にあたり十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者本人の自由意思による文書同意(QOL調査も含む)が得られた患者
性リスクの抗悪性腫瘍薬投与後の悪心・嘔吐に対しては、デキサメタゾン+5-HT3 受容体拮抗薬が
また,高度・中等度リスクの経口抗がん薬に対して,MASCC/ESMO ガイドライン2016 では,5-HT3受容体拮抗薬,副腎皮質ステロイドの2 剤併用が推奨されている。NCCN ガイドライン2017 では,5-HT3受容体拮抗薬の経口連日投与が推奨されているが,シクロホスファミド,エトポシド,テモゾロミドでは,日常臨床において治療目的や放射線治療併用のために副腎皮質ステロイドが併用されていることが多い。
以上より、HEC 投与患者の急性期及び遅発期における化学療法による悪心・嘔吐の管理に
経口化学療法薬ならびにその急性および遅発性嘔吐のリスクについての要約がASCOによって提供されている。
抗がん剤による悪心・嘔吐は、発現時期などによって以下の3種類に分類される ..
患者は開業医の認識より多くの急性および遅発性のCINVを経験することが研究により強く示唆されている。1件の研究により、吐き気が起こるのではという予感を強くもつ患者の方が、化学療法後の吐き気を経験しやすいことが示唆されている。加えて、これらの現行薬物や新薬は急性および遅発性のCINVに対する予防策として使用されているのであって、既に起こったCINVに対する使用については検証されていない。1件の研究で、何日かにわたる化学療法を受けている患者における、CINVの予防に対するパロノセトロンとデキサメタゾンの静注(IV)使用の有効性が報告された。
高度(>90%)催吐性リスクの抗がん剤による治療を受ける人が嘔吐・吐き気を予防するために「アロキシ+デキサメタ.
FQ1 軽度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,5-HT受容体拮抗薬の投与は推奨されるか?
<抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)> ..
化学療法前および化学療法後の催吐性潜在能ごとの推奨事項を、表2で要約する。
シスプラチンは吐き気止めを使わないと90%以上が嘔吐する。 抗がん治療による悪心(吐き気)・嘔吐(吐くこと)
静脈内化学療法薬ならびにその急性および遅発性嘔吐のリスクについての要約が米国臨床腫瘍学会(ASCO)によって提供されている。
①嘔吐中枢を刺激する物質の働きを抑える薬(グラニセトロン、パロノセトロン、ラモセトロンなど)
抗がん薬の催吐性リスクは,高度,中等度,軽度,最小度の4 段階に分類される。良好な治療アドヒアランスを得て,がん治療を円滑に進めるためにも,催吐性リスクの適正な評価と個々の症例に応じた予防的対処を行う必要がある。
[PDF] 抗がん剤による末梢神経障害および悪心・嘔吐に関 する研究
CQ7 R±CHOP療法の悪心・嘔吐予防として,NK受容体拮抗薬の投与を省略することは推奨されるか?
例 3) 中等度催吐性リスクの抗がん薬を使用する場合の、遅発性の悪心・嘔吐の予防
抗がん薬投与後,24 時間以内に出現する急性嘔吐は,抗がん薬の治療アドヒアランスを妨げる最も大きな要因の一つであり,その予防制吐効果の成否は遅発性嘔吐の治療効果にも影響を及ぼす。したがって,特に催吐性リスクが高度および中等度の抗がん薬投与に際しては,急性嘔吐を未然に防ぎ,さらに遅発性嘔吐の治療反応性を良好に保つためにも,積極的な制吐薬の投与を行う必要がある。以下に急性嘔吐の予防を目的として,抗がん薬投与前に行うべき対処を催吐性リスク別に概説する。