コブラやウミヘビ毒は神経毒が主体で、クサリヘビやマムシ毒は出血毒と筋肉毒を ..


生物が作り出す毒をテーマに,貝毒,アリ毒,ヘビの防御物質について最新の研究成果を紹介した.特に,生合成・代謝経路,活性発現における化学物質の相互作用や生物同士のかかわり合いの観点を積極的に導入したつもりである.


毒ヘビの唾液腺から分泌される毒液は,毒素や酵素類など種々の生理活性物質を含んでおり,総称してヘビ毒 ..

などの小動物や小鳥を食べるため、餌を追って人里に紛れることが多く、また夜行性なためラッセルクサリヘビが多数生息している地域で夜に出歩くことは危険と言っても良いでしょう。

この成果は,実験室内での有機化学的研究と屋外での生態学的フィールドワークが結びついたことによって初めて可能になった.まさに学際領域の研究成果であり,化学生態学の大きな魅力の一つである.今後も,学際研究を発展させ,この毒源の移行がどのようなメカニズムや過程で生じて,進化してきたのかをさらに追求していく予定である.

後シナプス膜に作用する蛇毒神経毒タンパク (神経研究の進歩 24巻5号)

それでは,このイツウロコヤマカガシの頸腺にはどのような毒が蓄積されているのだろうか? 筆者らは中国の四川省へ出向き,イツウロコヤマカガシを捕獲し,その頸腺抽出物をサンプリングした.得られたサンプルを日本へ持ち帰り,分析した.その結果は,驚くものだった.すなわち,イツウロコヤマカガシの頸腺からブファジエノライド類4種が検出され,NMR解析で構造の詳細を調べると,4種すべてがA/B環が結合であり,そのうち一つはキシロース配糖体であった(Yoshidaら,投稿中).これらの事実は,イツウロコヤマカガシのブファジエノライドの起源がヒキガエル由来ではないことを明確に語っている.前述のように,ヒキガエル由来のブファジエノライド類ではすべてA/B環が結合であり,結合は全く報告されておらず,糖と結合した配糖体も知られていないのである.無論,餌であるミミズにはブファジエノライド類は検出されない.

現在,ヤマカガシと同じような頸腺をもつヘビは世界中にヤマカガシ属17種で知られており,インド,スリランカなどの南アジアから,中国や日本,東南アジアにかけてのアジア地域にのみ分布する.そのうちの一種イツウロコヤマカガシは中国南西部に分布するヘビで,その主食はカエルなどの両生類ではなく,ミミズである.興味深いことに,ミトコンドリアおよび核DNAによる系統樹から,ヤマカガシ類のヘビでは,主食がカエルからミミズへ変遷したと推測された(

有毒動物の毒液成分の研究は古くから行われているが ,いまなおその本体不明のも

また、危険に思える動物が私たちに多くの恩恵をもたらすこともあります。私たちは自然を破壊してしまうことがないよう、日常生活の中でも注意する必要があります。これを機会に何ができるのか、ぜひ考えてみてください。

これらのブファジエノライド類およびカルデノライド類は古くから医薬や矢毒として用いられており,中国では古くからシナヒキガエルの分泌物を製剤化したものをセンソと称して,強心,鎮痛などに用いられてきた.センソの主成分は,3位の側鎖が加水分解されたブファリンやレジブフォゲニンである.実際に,ブファジエノライド類は心筋に特異的に作用して,うっ血性心不全に顕著な効果(強心作用)を示す.細胞膜に存在するNa/KATPaseを阻害することで心筋細胞内のカルシウムイオン濃度を増加させ,心筋の収縮力を増大させるのである.

神経毒性作用は、コブラ科(コブラ、マンバ、サンゴヘビ、および ..

図6■ヒキガエルおよびヤマカガシ頸腺から同定された共通成分(gamabufotalin)の構造(左)とステロイドの基本骨格(右)

1985年,ヤマカガシの頸腺に含まれる毒の本体はブファジエノライド型のステロイド成分であると報告された(.すなわち,ヤマカガシの頸腺に含まれる毒成分は,ヒキガエルの皮膚腺から分泌される毒成分と同じグループの化学物質であるだけでなく,その一部はヒキガエルの物質と全く同一であった().構造上の特徴として,ステロイドのA/B環が結合(5β型),C/D環も結合で,ステロイド骨格の3位,14位にはβ-ヒドロキシ基,17位にβ-置換基がある.17位の置換基は6員環の不飽和ラクトンである.名前の由来からわかるように,ブファジエノライド類は,最初にヒキガエル(属)がもつ耳腺の分泌物中から同定された化合物群である.ヒキガエルでは,主要なブファジエノライド型ステロイドがジカルボン酸とアルギニンとの抱合体として,またごく一部が遊離体として同定されている.さらに,ヒキガエルが生息しない金華山(宮城県牡鹿半島沖)から捕獲したヤマカガシの頸腺にはブファジエノライド類がないこと,および飼育下でヒキガエルを給餌することにより頸腺にブファジエノライドが溜まることを筆者の一人は確認し,ヤマカガシはヒキガエルを捕食することで,ヒキガエルの毒成分であるブファジエノライド型のステロイドを得て,3位の側鎖を加水分解した形で頸腺に蓄積していると結論した(


ウミヘビのなかまはコブラのなかまに近く、神経毒をもち、その毒はヘビのなかまの ..

ヤマカガシは上顎の奥にデュベルノア腺という器官をもち,捕食用の毒を生合成・蓄積している(下).ヘビの場合,捕食用の毒はタンパク質やペプチドである.ヤマカガシの捕食用の毒は後牙を経由して獲物に注入され,飲み込むのに苦労する大きな餌を弱らせるために使用していると考えられている.

ヤマカガシは、毒成分の研究に使ったものや、死亡したものを除き、 296個体からを.

ヤマカガシは有鱗目ナミヘビ科ヤマカガシ属に分類され,成長すると体長が60~120 cmほどになる.本州,四国,九州の山林や水田域に生息し,アオダイショウやシマヘビとともに日本でよく見られるヘビである.ヤマカガシの体色は地理的変異が大きく,暗褐色をベースに体側面の赤や黒のまだら模様が美しい関東個体群,体側面のまだら模様が不明瞭な関西個体群,そして全体的に青味がかった色彩型が多い中国地方の個体群などさまざまで,体色で判別するのは難しい.主にトノサマガエルやアマガエルといった両生類やドジョウを含む淡水魚を捕食し,時々ヒキガエルも捕食する.一方,イヌワシやサシバなどの猛禽類がヤマカガシの天敵であり,野外で哺乳類に捕食された報告はほとんどない.

毒蛇の代表種!?コブラの種類や生態、特徴について | Petpedia

傷口をきれいに洗い、40~50度のお湯に、痛みが和らぐまで(60~90分間)つける。病院では、トゲが残っていないか必ずレントゲン検査を受け、抗生剤などの注射を打つ。

正「例えば、神経毒成分は鎮痛剤やがんへの抗腫瘍活性が認められている。また ..

毒をもつ生物といえば,真っ先にヘビを思い浮かべる人は多いだろう.この場合,毒とは餌を食べる際に利用する捕食用の毒である.マムシやコブラのイメージも,紛れもなく捕食用の毒に由来する.ところが,意外なことに捕食用の毒に加えて,防御用の毒を別にもつ変わり者のヘビもいる.これが,本章の主役,ヤマカガシである().

神経毒はコブラ(elapidae)が典型的ですがマムシ亜科(crotaline, マムシ、ハブ)でも

アリは陸上のさまざまな環境に適応し,その生態は極めて多様化している.食性一つとっても,昆虫を狩り餌とする動物食,植物の種子を餌とする植物食,キノコを栽培し餌とするキノコ食など,極めて多様化している.このような多様化した生態を維持するために,アリは毒をわれわれがまだ知らない特殊な目的で利用しているのだろう.今後,さまざまなアリの生態を毒と関連づけて物質レベルで解明していきたい.

成分や構成が異なる。そのためかなり最近まで、毒ヘビにかまれたら、その種類のヘビの毒にだけ効く専用の抗毒 ..

刺されるとズキズキする激痛が起き、痛みは数時間続く。刺し傷は紫色に変色、やがて赤い腫れとなって熱をもつ。壊疽(えそ)になることもある。全身症状としては、心障害、吐き気、関節痛などがみられ、死亡する場合もある。ミノカサゴの毒も、オニダルマオコゼやダルマオコゼと同類のタンパク毒で、熱に弱い。60度で2分間加熱するか、pH4以下にすると毒の活性が失われる。

BPII を毒成分として必要とせず,BPI 遺伝子と BPII 遺伝子を適応的に偽遺伝子 ..

ちなみにインドで誕生した仏教の中に孔雀明王と呼ばれる邪気(毒)を払う象徴の信仰がありますが、こちらはクジャクに神経毒の耐性があることに起源があります。

しかし、近年ではサソリの毒から抽出される「クロロトキシン」という成分を、脳腫瘍の治療に用いる方法が研究されている。 ..

毒液中には,毒素以外にフェロモン関連因子(フェロモン結合タンパク質),毒素保護因子(プロテアーゼ阻害剤),毒素活性化因子(ダイペプチジルペチダーゼ,アミド化酵素)なども含まれている.これらのなかには,警告や道しるべフェロモンの関連分子として使用されているものもあるが,ほとんどは毒素成分の機能を最大限に引き出すために,協調して働いているのであろう(

世界最大級の爬虫類、コモドオオトカゲ。 「唾液に血液毒や血圧低下を引き起こす成分 ..

アリは毒液を主に攻撃と防御の目的で使っている.攻撃目的では,ほかの昆虫を狩るために毒液を使っている.防御目的では,アリの捕食者から身を守るためや,さまざまな病原性微生物からの感染リスクを軽減するために毒液を使っている.

神経毒など毒液中のタンパクの多くが中酸性タンパクであるのに対し,細胞毒活性をもつものは塩基性

背びれから発せられる毒は、神経毒のストナストキシン。刺されてしまうと、発熱や呼吸困難、痙攣を起こして、死に至ることもあります。

もう一つが【コブラの仲間】である『コブラ科』です。 ただ、一部例外もあって ..

オニダルマオコゼは、カサゴ目フサカサゴ科に属する魚類です。インド洋、太平洋西部の熱帯域に分布し、日本近海では小笠原諸島、奄美大島、沖縄周辺に生息しています。オニオコゼ亜科の魚類は毒性を持つことで知られていますが、オニダルマオコゼの毒は特に強烈であると有名です。

沖縄の海でダイビングやシュノーケルの際に浅場から良く出会う機会が多い、クロガシラウミヘビはコブラ科に属するウミヘビで猛毒を持っています。

アリ毒液からはイオンチャネルの活性を制御するような神経毒も見つかっている.中南米に生息するサシハリアリ亜科のパラポネラ()からはナトリウムチャネルの不活性化を阻害するポネラトキシン(Poneratoxin)が見つかっている(.このアリは「弾丸アリ」とも呼ばれ,痛みのランクづけを行った昆虫学者のジャスティン・シュミット博士によって,刺されると痛い昆虫の1位にランクづけされている(.通常,ナトリウムチャネルは脱分極によって一過性に開口するが(不活性化),ポネラトキシンの存在下では,ナトリウムチャネルは開口し続けて活動電位の連続的な発火が起こる(.そのほかにも,南米に生息するハリアリ亜科のヒメアギトアリ()からはカルシュウムチャネルの活性化を抑える7種類のポネリトキシン(Poneritoxin)が見つかっている(

ヘビ毒凍結乾燥粉末(ナジャ・ナジャ・アトラ/コブラ由来)1グラムを供給します。

毒性の強い毒蛇咬傷では、血清療法が主体となるが、投与までの時間と投与方法が非常に重要である。また、ヘビによって毒の成分が異なるため、注入された部位や毒量によって異なった病態を引き起こすことや多くの毒蛇咬傷で出血傾向や急性腎不全を起こすが、発症のメカニズムは毒蛇によって異なるため、毒の作用を明らかにすることが適切な治療を行うためには非常に重要である。

止血や毒を吸い出す、救急用器具(ポイズンリムーバー)等の使用は、適切な指導を ..

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