【シェルビー コブラ289】コンディション別の相場価格(2023年6月時点)
結果を見るとアメリカのオークションらしくコブラとタッカーが1位、2位を占めたが、そのあとはフェラーリを主体としたいつもの顔ぶれで終わっている。全体の流れを見ると特別な理由が無いクルマは全般的に値を下げて、あるいは流札していることが分かる。今後の動きは、もうしばらく様子を見る必要がありそうだ。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
コブラの中古車価格は、どこが製作したものかが不明な海外のレプリカモデルでも400〜500万円します。
ERA、スーパフォーマンスなどの正式なリプロダクションモデルは、1,000〜1,500万円です。
ユーノスロードスターやカプチーノベースのレプリカは200〜400万円となっていますが、残念ながら明らかにレプリカと分かるフォルムです。
しかしベースが日本車であれば安心して乗れるコブラです。
ボディサイズ(全長x全幅x全高):3860x1753x1220mm/ホイールベース:1130kg/車両重量:1130kg/エンジン:フォード製マスタング用「COYOTE(コヨーテ)ユニット/エンジン種類:5.0リッター DOHC 32V ガソリンエンジン/最高出力:412ps/6500rpm/最大トルク:53.9kg-m/4250rpm/トランスミッション:6速AT(TCI製)/ステアリング:ラック&ピニオン式 KPレーシング製パワーステアリング付/ブレーキ(フロント):ハイドロリックアシスト付12インチベンチレーテッドディスク+4ピストンキャリパー/ブレーキ(リア):11インチベンチレーテッドディスク/タイヤ&ホイール:18インチ アメリカンレーシング社製アルミホイール+18インチタイヤ/車両本体価格:890.0万円[消費税込み]
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
一方、レプリカが多く出回っているモデルですので注意が必要です。リビルドモデルやレプリカの品質は様々で、中にはオリジナルモデルとして販売されているレプリカもあります。またキャロルシェルビーが、後年になってリビルトしたCSX 4000シリーズというモデルもあり、こちらは本物ではありますが、当時のオリジナルモデルとの見極めは必要となります。
SCCAの純スポーツカーばかりで競われていたクラスにおいて、市販マスタングをベースとしたワークスカーで参戦することで注目度を高めるという戦略をとったのだ。クラブマンレース色が強く、弱小メーカーに対する配慮もあって、ホモロゲカーの最低生産台数は100台程度と、大手自動車メーカーのフォードには無理のない台数ではあったが、サスペンション、ステアリング関係、ブレーキ、吸排気系、重量配分等、細部に渡りレースでの戦闘力を高めるためのアレンジがされた。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
内装はバーガンディ色のカスタムレザーシートを採用し、ビレットのダッシュパネルは特注品である。メーターや各スイッチ類などのレイアウト、4MTのシフトレバーの角度も忠実に再現され、現代車では決して見られないノンエアバッグの細身ウッドステアリングがクラシックカーを物語る。ちなみに、ステアリングはノンパワステである。
この車輌には、オプションとしてオイルクーラーやポリッシュされたサイドマフラー等が追加されている。正式な価格は不明だが、フェラーリの新車が買えてしまうくらいというから、おおよその予測はできるはずである。
しかも、故キャロルシェルビーが存命中にオーダーされた最後の車輌ということで、ボディに直筆のサインが記されている。これだけでも価値が数倍跳ね上がると言われているのである。
シェルビーコブラ427をちょっと動かしてみて、それをひと言で表せば「非日常そのもの」。まず、乗り降りからして大変(笑)。サイドマフラーが邪魔で乗降時に最初の試練がやってくる(走行後のサイドマフラーに触れたら確実に火傷する笑)。で、そもそものコクピットが狭い。これ、大柄なアメリカンが乗れるのだろうかと心配するほど狭い。逆に我々日本人にはタイトな感じでいいかもしれないが。
だが、次なる難儀がやってくる。まぁクラッチの重いこと。ストロークも長いから(やはり足の長いアメリカン向きか)、「これで渋滞ハマったら地獄だな、坂道発信できるかな」というくらいに重い。MTシフトも若干のコツがいる。4段なのがせめてもの救いか。
で、準備が出来たらエンジン始動。さすが新車だけあって、キーを捻るだけでエンジンは簡単にかかる。だが、轟音と振動たるや…、周りが一瞬で騒然となる。鬼のように重い踏力のクラッチを踏んでギアを1速に入れてスタートさせると、今度はハンドルの重さにビックリ。(予想通り?)ステアリングにパワーアシストが付いてない。
APモデルの生産を担うのは、ハイテックオートモーティブという、リプロダクションコブラを生産する傍らで、シェルビーから委託を受けてコンティニューションコブラも生産しているメーカー。その「スーパーフォーマンス マーク3」というリプロダクションコブラがAPモデルのベースとなっている。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
APモデルは、長年シェルビーの正規代理店として、コブラの日本への輸入販売を手がけてきた田邊氏が、日本のビギナーにもコブラを楽しんでもらえるようにとの思いから、低価格で、乗りやすく、メンテナンス性に優れることに考慮して最適にアレンジした、田邊代表いわく「これまで培ってきたノウハウの結集」である。
そして、中国をはじめ極東地域のさらなる販路拡大に向けて、2010年7月にシェルビーアジアを設立。同年11月ショールームオープン。さらに翌2011年6月にはシェルビー製品に関するロイヤリティを統括するシェルビーライセンシングとの正式契約にいたった。
【シェルビー コブラ427】コンディション別の相場価格(2023年6月時点)
オリジナルのコブラは1,000台に満たないことから、今や貴重車となっています。
市場に出てくることはほとんどなく、オーナーがオークションに出品する際に見ることができるぐらいです。
そんなオリジナル コブラの価格ですから、億単位のプライスタグがついています。
2006年にシェルビーが所有していたコブラがオークションに出品されたときには、当時280万ポンド(約4億3千万円)で取り引きされました。
シェルビー所有者でなくてもオリジナルのコブラは、数千万円〜1億円前後で取り引きされているようです。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
コブラの愛好家は今でも世界中にいるわけだが、日本へのコブラの輸入販売をいち早く手がけたのが、冒頭で紹介した田邊正剛氏だ。1986年より一貫してコブラに携わってきて、その実績がキャロル・シェルビー氏に認められた同氏は、1997年に極東地域で唯一、「シェルビー」の商標使用権を獲得。以来、日本における正規輸入販売代理店となっていた。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
最初の221立方インチ版ACエース(CSX001)は、1962年にはカリフォルニアへと送り返され、ここでお馴染みの「ACコブラ」の名が与えられる。その後もACカーズからはシャシーのみがシェルビーのもとへと輸出され、その生産は1965年に大きな規模を持つ、ロサンゼルス空港の元ノースアメリカン航空のハンガーに移転してから、加速度的にその早さを増していくことになる。フォード・マスタングの高性能版の生産を担うのもこの頃からの話だ。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
シェルビーコブラはクラシックレースカーの最高峰であり、現在も非常に高い人気と需要があります。世界中に熱狂的なコレクターが存在する数少ないアメリカンコレクターズカーの一つです。その為、シェルビーコブラのヒストリーは一台一台、完璧に管理されており、オリジナルの個体は正確に記録されています。その為、価格は高額ですが、来歴をしっかりと確認出来れば比較的安心して購入できるモデルです。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
ACコブラのモーターレースでの活躍とは裏腹に、ACカーズの事業は悪化していました。
1973年までAC Fruaを生産していましたが販売は落ち込み、業績が回復することなくACカーズは1970年代後半に倒産してしまいます。
同社の商標はオートクラフトに譲渡され、AC289の後継車MK IVの生産を行うことになりました。
しかしシェルビーは、ACカーズとオートクラフトをロサンゼルス地方裁判所に提訴し、シェルビーが勝訴することで「コブラ」の商標権は、シェルビーのものとなり、「ACコブラ」は「シェルビー コブラ」となりました。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
ここの看板車は1954年D-タイプだったが最低落札額に届かず流札。代わって最高落札額を記録したのはシェルビー・コブラ427S/Cで、その額は「3億3012万円」と427S/Cとして新記録を樹立。その理由は議論の余地がないオリジナル度の高さとコンディションが評価されたもの。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
古今東西の130台ものコレクターズ・カーを用意し2日間にわたって行われたのがRMサザビーズ・アリゾナ・だ。同社のオークションは極めつけの億超えのアイテムがズラリと並ぶイメージが強い。しかし、ここではアメリカを代表するカーショーにリンクして行われるため、戦前車を中心としたアメリカ車が3割強を占め、などの高額車もあるがいつもと違った雰囲気の中で始まった。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
オリジナルのACコブラは、1,000台以下でとても貴重な車です。
街中で走っているほとんどのコブラは、レプリカもしくはリプロダクションモデルです。
コブラのレプリカは、見た目のその雰囲気を再現したもの(中身は別物)から、シャシーからエンジンまでオリジナルを再現したものまでピンキリです。
リプロダクションモデルは、1998年にキャ ロル・シェルビーのシェルビーアメリカン社が復活したモデルです。
289コブラ(CSX2000 番台)、427コブラ(CSX3000 番台)に続き、 CSX4000番台としており、コンティニューションモデル(継続生産車)とも呼ばれています。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
1966年シェルビー・コブラ427S/C(3億3012万円)
1948年タッカー48(2億76万円)
1964年フェラーリ250GT/L(1億8676万円)
1960年フェラーリ250GTカブリオレ・シリーズ2(1億5624万円)
2017年フェラーリF12 tdf(1億4840万円)
1955年1900SS スペチアーレ・ボアノ(1億4097万円)
1952年フェラーリ212インテル・クーペ・ギア(1億3182万円)
1987年959コンフォート(1億2992万円)
1965年シェルビー・コブラ289(1億1144万円)
1993年EB110(1億836万円)
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
シェルビーコブラ427は、289に比べ高額で取引されてきました。2014年をピークに価格上昇してきた相場ですが、一旦落ち着いたものの再び上昇しています。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
このようにコブラは大別して、「オリジナルコブラ」、「コンティニューションコブラ」、「リプロダクションコブラ」という3つに分類される。 シェルビーアジアの田邉正剛代表が日本向けにプロデュースした「アジアパシフィックモデル(以下APモデル)」も、リプロダクションコブラの中のひとつとなる。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
オリジナル コブラの生産台数は、初代260コブラから427コブラまでを合計しても1000台足らず。
289コブラ(600台)と、427コブラ(347台)に、デイトナ コブラクーペ(6台)+α(260コブラ、390コブラなど)です。
日本では、俳優の岩城滉一さんがオリジナル コブラを所有していることで有名です。
ACコブラはコブラのマニアだけではなく、エンスージアストにとっても貴重な車なのです。
流札となったシェルビー「427コブラ」(C)Courtesy of RM Sotheby's
一方で、しばらくずっとリプロダクションコブラのことを放置していたシェルビー氏が、それらを提訴するとともに、オリジナルコブラと同じ治具や寄せ集めたパーツなどをもとに忠実にオリジナルを再現したコブラを世に送り出した。これが「コンティニューション(継続生産)コブラ」であり、「CSX-」と呼ばれるモデルが現在も生産され続けている。こちらのみ、「SAAC(シェルビー アメリカン オートモビル クラブ)」に正式に登録される。