(2)一晩大量デキサメサゾン抑制試験:前日深夜に大量(8mg)のデキサメサゾン


クッシング症候群には下垂体腫瘍性と副腎腫瘍性がありますが、これらは治療の方針が違います。


デキサメタゾンを大量投与し血漿中のコルチゾル濃度を評価します。PDH と AT の鑑別.

⑵副腎性
副腎性の腫瘍は半分が悪性の腺癌であり、肺、肝臓、リンパ節などに転移の可能性があります。
もし遠隔転移が無ければ、副腎摘出を考えます。
遠隔転移があれば手術は行わず、QOL向上のための内科療法を行います。

⑶ 高用量デキサメタゾン試験
これは⑴のACTH刺激試験でクッシング症候群が疑われる場合、下垂体性か副腎性かを鑑別するために行う検査です。
⑵の低用量デキサメタゾン試験と原理は同じですが、より高用量を用いることで下垂体性のクッシング症候群であっても、ネガティブフィードバックがかかり血中コルチゾール濃度が下がることがあります。
一方副腎性のクッシング症候群ではコルチゾール濃度は変わらないので、この違いによって鑑別します。

Cushing 病のスクリーニング検査として、一晩少量デキサメタゾン抑制試験を行います。その後、

◯内科療法
コルチゾールの産生を低下させる、トリロスタンという薬を使用します。
これは用量が多過ぎると逆に副腎皮質機能低下症になってしまうので、まず低用量から始めて、定期的にACTH刺激試験を実施しモニターします。
コルチゾールをコントロールするため、内科療法は通常、一生続ける必要があります。

副腎腫瘍性の場合は下垂体に無関係にコルチゾール分泌が起こるので、デキサメタゾンを投与しても血中コルチゾールの量は変わりません。

クッシング症候群、デキサメタゾン抑制試験についてまとめました#病態・薬物治療#クッシング症候群#デキサメタゾン抑制試験.

下垂体性だけがデキサメタゾン抑制試験やCRH刺激試験に反応すると覚える。

⑵ 低用量デキサメタゾン抑制試験
デキサメタゾンはステロイドの一つですが、コルチゾール量にはほとんど影響しません。

デキサメタゾン抑制試験(デキサメタゾンを内服して数時間後に血液検査でホルモン濃度を測定する)

血中コルチゾール高値や尿中遊離コルチゾール高値があれば、クッシング症候群の鑑別を行う。

医原性クッシング症候群で副腎が萎縮している場合、コルチゾールは変化しません。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の場合、コルチゾールは過剰に増加します。
この試験の結果がグレーゾーンだった場合、低用量デキサメタゾン抑制試験を行います。


② 一晩大量デキサメタゾン抑制試験:前日深夜に大量(8mg) のデキサメタゾンを内服した翌朝 (8~

クッシング症候群は症状、身体検査、尿検査、血液検査、エコー検査、ホルモン検査(ACTH刺激試験、低用量デキサメタゾン抑制試験、高用量デキサメタゾン抑制試験、内因性ACTH血中濃度測定など)から、総合的に診断します。

これらが高値であれば、さらにデキサメサゾン抑制試験を行い、診断材料にします。 ..

⑶医原性クッシング症候群
ステロイド薬を長期にわたり投薬した結果起こります。自身の体内では下垂体にネガティブフィードバックがかかった状態になり、ACTHの分泌が抑制されます。よって両副腎は萎縮します。
この状態でステロイド薬を完全に止めてしまうと、副腎皮質機能低下症になります。

一方、少量デキサメタゾンでは、抑制されないが、大量デキサメタゾンで抑制される。 ..

確認のために、デキサメタゾン大量投与で、ACTHが低値のままなら副腎が原因と考え、副腎腺腫、副腎皮質癌、両側副腎過形成のいずれかと考えて、画像診断をする。

Cushing症候群・副腎性 subclinical Cushing症候群の 診断と治療

副腎の腫瘍により自立性にコルチゾールが過剰分泌されます。通常病変は片側性に腫大します。下垂体へのネガティブフィードバックによりACTH分泌が低下するため、逆側の副腎は萎縮します。
自然発生のクッシング症候群の15〜20%がこの副腎皮質の腫瘍で、そのうちの半分が悪性の腺癌で、半分が良性の腺腫です。

[PDF] クッシング病の診断の手引き(平成21年度改訂) 1

一方、少量デキサメタゾンでは、抑制されないが、大量デキサメタゾンで抑制される。

ンを内服した翌朝 (8-10 時)の血中コルチゾール値が 5 μg/dl 以上を示す(注

脳下垂体の腫瘍によって副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が持続的に過剰分泌され、両副腎が腫大し、コルチゾールが過剰に分泌されます。
下垂体腫瘍の多くは良性で、自然発生のクッシング症候群のうち、80〜85%を占めています。

[PDF] クッシング症候群 問 189(国家試験問題)CHECK!

※デキサメタゾンで抑制される:負のフィードバックでACTHが抑制される結果、コルチゾールも減少するということ。

を内服した翌朝(8−10 時)の血中コルチゾール値が前値の半分以下に抑制さ

クッシング症候群にはその発生機序により、脳下垂体の腫瘍、副腎皮質の腫瘍、医原性の3つのタイプに分かれます。

クッシング病(Cushings disease) – 内分泌疾患

クッシング症候群とはコルチゾール過剰による多彩かつ特徴的な臨床兆候と定義されています。
コルチゾールとは副腎皮質で産生されるステロイドホルモンの一つです。
症状としては多飲多尿、多食、腹部膨満、 筋肉の萎縮、脱毛、皮膚の菲薄化など様々です。
正常なコルチゾール産生の経路としては以下のようになります。

間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き (平成 30 年度改訂)

ちなみに、異所性と副腎性ではデキサメタゾン抑制試験やCRH試験に全く反応しない。

Table: 男性型多毛症の主な原因と特徴-MSDマニュアル家庭版

これまで、明確な診断基準が存在しませんでしたが、2017年に新たな診断基準が作成されました。1mgデキサメタゾン抑制試験のカットオフ値を1.8μg/dLとした。ACTH分泌抑制、コルチゾール日内変動の消失、副腎シンチグラフィ健常側抑制、DHEA-S低値を採用していて、より臨床に即したものとなっています。

[PDF] 副腎性潜在性クッシング症候群:病態、成因、臨床的意義と新診断基準

○ 概要

1.概要
下垂体から分泌されるADH、ACTH、TSH、GH、LH、FSH、PRLの単独ないし複数のホルモン分泌障害あるいは分泌亢進により、主として末梢ホルモン欠乏あるいは過剰による多彩な症状を呈する疾患である。病因は、下垂体自体の障害と、下垂体ホルモンの分泌を制御する視床下部の障害及び両者を連結する下垂体茎部の障害に分類される。実際は障害部位が複数の領域にまたがっていることも多い。
全ての前葉ホルモン分泌が障害されているものを汎下垂体機能低下症、複数のホルモンが種々の程度に障害されているものを複合型下垂体機能低下症と呼ぶ。また、単一のホルモンのみが欠損するものは、単独欠損症と呼ばれる。一方、分泌亢進は通常単独のホルモンのみとなる。

2.原因
汎ないし部分型下垂体機能低下症では、脳・下垂体領域の器質的疾患、特に腫瘍(下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍など)、炎症性疾患(肉芽腫性疾患としてサルコイドーシス、IgG4関連疾患など、自己免疫性炎症性疾患としてリンパ球性下垂体炎など)、外傷・手術によるものが最も多い。分娩時大出血に伴う下垂体梗塞(シーハン症候群)の頻度は低下している。一方、単独欠損症はGHやACTHに多く、前者では出産時の児のトラブル(骨盤位分娩など)が、後者では自己免疫機序の関与が示唆されている。さらに抗PIT-1下垂体炎(抗PIT-1抗体症候群)など自己免疫で複合型の下垂体機能低下症をきたすこともある。まれに遺伝子異常に起因する例があり、POU1F1PIT1; TSH、GH、PRL複合欠損)、PROP1(TSH、GH、PRL、LH、FSH複合欠損)、TPIT(ACTH)、GH1GHRHR(GH)などが知られている。カルマン(Kallmann)症候群の原因遺伝子であるANOS1KAL1)などの異常はLH、FSH欠損による先天性性腺機能低下症の原因となる。近年、頭部外傷、くも膜下出血後、小児がん経験者においても下垂体機能低下症を認めることが報告されている。
また、分泌亢進症に関しては、腺腫、上位の視床下部における調節機能異常などが挙げられる。

3.症状
欠損あるいは過剰となるホルモンの種類により多彩な症状を呈する。

4.治療法
基礎疾患に対する治療
原因となっている腫瘍性ないし炎症性疾患が存在する場合は、正確な診断のもとに、各々の疾患に対し、手術や薬物療法、放射線療法などの適切な治療法を選択する。
ホルモン欠乏に対する治療
下垂体機能低下症に対しては、欠乏するホルモンの種類や程度に応じたホルモン補充療法が行われる。下垂体ホルモンはペプチドないし糖蛋白ホルモンのため、経口で投与しても無効である。このため、通常、各ホルモンの制御下にある末梢ホルモンを投与する。GHやFSHのように、遺伝子組み換えホルモン等を注射で投与する場合もある。

以下に、ホルモンごとの補充療法の概略を示す。

異所性副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生症候群 診断の手引き

クッシング症候群の治療は腫瘍摘出手術が基本です。通常の腺腫であれば、腹腔鏡下副腎摘出術を行います。その後、副腎のホルモン補充療法を行います(コートリル内服など)。

Cushing(クッシング)症候群〈Cushings syndrome〉

患者さんの体型や顔つきが徐々に変化していくことは本疾患の重要なサインです。特に中心性肥満と呼ばれる腹部や顔面を中心とした脂肪の蓄積が顕著になります。

疾患解説 | 検査項目と検査値 | 疾患から選ぶ疾患名 | 検査・診断Matrix

クッシング症候群の診断にはデキサメタゾン抑制試験を行います。デキサメタゾンの内服を行うことで、ACTHとコルチゾールが正常に抑制されれば正常、そうでなければ負のフィードバックが働いていない(=自律的分泌がなされている)ことが強く疑われます。また、24時間の蓄尿を行い、遊離コルチゾールが尿中にどの程度排泄されているかを確認します。その他、副腎CT/MRI、131ヨウ素アドステロールシンチグラフィを行います。