新規ブロモメラトニン誘導体の卵巣摘出ラットおよび低カルシウム食ラットの骨代謝に及ぼす影響


(1) トリプトファンを含む食品
トリプトファンは、リラックスを促すセロトニンや睡眠ホルモンであるメラトニンの生成に関与します。次のような食品に多く含まれています。


メラトニンは夜暗くなると分泌され、体温を下げて眠りにつかせる役目をするので ..

「はじめに」メラトニンは概日リズムを調節するホルモンであるが,骨に作用することが最近わかってきた1)。メラトニンを分泌する内分泌器官である松果体を除去するとニワトリの脊柱が彎曲し,メラトニンが脊柱彎曲に関与している可能性が示された。続いて,細胞培養系を用いた実験により骨芽細胞に対するメラトニンの作用が調べられ,さらに骨芽細胞と破骨細胞を含む共存培養系を用いてメラトニンの破骨細胞に対する作用も解析された。その後,骨疾患モデル動物を用いた実験も実施され,メラトニンの骨に対する作用が明確になってきた。ここでは,筆者らの後天性骨疾患モデルである低カルシウム食を与えたラット(低カルシウム食ラット)を用いた実験についても紹介し,骨疾患の予防薬あるいは治療薬としてのメラトニンの有望性を述べる。

以上のことから、鳥類松果体のメラトニンリズムの入力系、出力系をまとめると、ヒヨコ松果体1個1個に光受容器、時計機構およびメラトニン合成機構が備わっており、明暗条件下では光は受容器で感知されると細胞内小胞体中のカルシウムを一過的に放出させ、時計のリセットを行う。光シグナルのない恒常暗条件下では時計からのシグナルはカルシウムを動員し(あるいは細胞外カルシウムの取り込みを起こし)、カルシウムーカルモジュリンによりアデニル酸シクラーゼタイプVIIIを活性化する。 その結果、cAMPの上昇が起こり、これによってメラトニン上昇を誘導する。またメラトニン合成系にはPACAP依存系も存在する。松果体から分泌されたメラトニンは中枢へ作用し、行動抑制と体温抑制を起こす。すなわち、鳥類の松果体は外界の光条件に同調し、夜間に分泌が亢進し、行動や体温抑制を行う主時計(マスタークロック)としての機能を果たしていると考えられる。

「メラトニン」という眠気を誘う物質が、1ミリリットルあたり16~26ピコグラムと ..

次に、光はどのようにして時計を同調(リセット)しているのか?と言う疑問を解く一助として、光受容器から時計へのシグナル伝達について検討した。光の同調作用は、光パルスが時刻依存性にリズムを前進させたり、後退させたりすることを基本としている。そこで、ヒヨコ松果体細胞に光パルスを与え、メラトニンリズムの位相が前進するときに、種々のシグナル伝達阻害剤を添加した。その結果、細胞内カルシウムの枯渇剤であるタプシガルジンやシクロピアゾン酸によって光による前進作用は阻止された。さらに、カルシウム貯蔵の小胞体のライアナジン受容体アンタゴニストであるダントロレンやルテニウムレッドによっても光による前進作用は阻止された。以上のことから、光による時計の同調、特にリズム前進作用は細胞内小胞体のカルシウムの一過的放出によるのではないかと推測された。一方、光による後退作用には先の薬物は無効であり、前進作用と後退作用の細胞内伝達機構は異なることが示唆された。ラットの場合、一酸化窒素が光による時計同調作用に関与していることが示唆されているが、ヒヨコ松果体では一酸化窒素合成阻害薬は効果が無かった。このことは鳥の松果体と哺乳類の視交叉上核の時計の光同調機構が異なることを示唆している。

2章と3章ではcAMP依存性プロテインキナーゼAの阻害薬およびカルシウムキレート剤を用いたヒヨコ松果体細胞培養系の実験から、時計のリズムは細胞内カルシウムを動員し、これによってcAMPの上昇を起こし、これがさらにメラトニン上昇を起こしていると推察された。最近、カルシウム・カルモジュリン感受性のアデニル酸シクラーゼタイプVIIIが存在することが確認されている。また、ヒヨコ松果体細胞にはPituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)特異的受容体が存在しメラトニンの合成系に作用することから、PACAPはメラトニン合成に直接作用していると推察された。

それに、牛乳に多く含まれるカルシウムに鎮静作用があることはよく知られていますね。

最近の研究では、ラット松果体のメラトニン合成がPituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)によって促進されることが報告されている。ヒヨコ松果体のメラトニン合成がVIPによって促進されることが知られていたが、PACAPとVIPは同族ホルモンで受容体には両者を認識するものもある。そこで、ヒヨコ松果体がラットと同様にPACAPに反応し、メラトニン合成を促進するか否かを検討した。その結果、PACAPの添加量に依存してメラトニン分泌量が促進された。VIPのアンタゴニストと同時にPACAPを添加すると、PACAPの効果は若干減衰したが、完全に阻止することはできなかった。このことからヒヨコ松果体にはPACAPに特異的な受容体(VIPに感受性の無い)が存在する可能性が推察された。そこで、次に、RT-PCRで受容体のタイプを検討した結果、PACAP-r1と言うPACAP特異的受容体の存在が確認された。以上の結果から、ヒヨコ松果体細胞にはPACAP特異的受容体が存在し、メラトニンの合成系に作用することが示唆された。次に、このPACAPがメラトニン合成系のみならず、時計に対しても、あるいは時計を介して作用している可能性を検討するため、PACAPのパルス添加による位相変位の有無を調べた。しかし、PACAPパルスに対してリズムの位相には影響が認められなかった。このことからPACAPはメラトニン合成に直接作用していると推察された。

4章では、光による時計の同調に関する、光受容器から時計へのシグナル伝達について検討している。ヒヨコ松果体細胞に光パルスを与えメラトニンリズムの位相が前進するときに、種々のシグナル伝達阻害剤を添加した実験より、光による時計の同調、特にリズム前進作用は細胞内小胞体のカルシウムの一過的放出によるのではないかと推測された。一方、光による後退作用には先の薬物は無効であり、前進作用と後退作用の細胞内伝達機構は異なることが示唆された。このことは鳥類の松果体と哺乳類の視交叉上核の時計の光同調機構が異なることを示唆している。

(2) メラトニンを増やす食品メラトニンは体内の「眠気」を誘発するホルモンです。 ..

そこで次に、時計のリズムはどのような細胞内伝達系を使ってメラトニンリズムを駆動しているのかを検討した。これまでメラトニンの分泌がサイクリックAMP (cAMP)によって促進されることが報告されていたことから、時計のリズムもcAMPを介している可能性を推測した。そこで、恒常暗下で培養されたヒヨコ松果体細胞のメラトニンリズムの上昇期にcAMP依存性プロテインキナーゼAの阻害薬を培養液に添加したところ、メラトニンの上昇は阻止された。さらに、細胞内外カルシウムのキレート剤を添加したところ、cAMPの合成とメラトニン合成が平行して抑制された。以上のことから、時計のリズムは細胞内カルシウムを動員し、これによってcAMPの上昇を起こし、これがさらにメラトニン上昇を起こしていると推察された。もし、この仮説が正しければ、ヒヨコ松果体には細胞内カルシウムで活性化されるアデニル酸シクラーゼが存在することになる。最近、この酵素をクローニングし、カルシウム-カルモジュリン感受性のアデニル酸シクラーゼタイプVIIIが存在することを確認している。

人の生体リズムは多くの動物と同じように生物時計によって駆動され、約25時間の周期(概日リズム)で活動と休息のリズム信号を出しているが、地球の自転により24時間周期で変化する外部環境とは約1時間のズレが生じる。生物時計はこのズレを修正し、概日リズムを24時間の環境変化に同調させる機能も持つ。通常、起床直後に太陽光が目から入ると、その光信号は視交差上核(suprachiasmatic nucleus:SCN)、上頚神経節を経由して、松果体にたどり着く。すると、食事で摂取して血液中にあるトリプトファンというアミノ酸が分解されてセロトニンが産生され、メラトニンがつくられる。このとき、N-acetyltransferaseという酵素が活性化されてはじめてメラトニンが生合成されるのであるが、N-acetyltransferaseは光があると活性が抑えられ、この代謝が行われないようになっている。したがって、外界が暗くなったときに、N-acetyltransferaseが活性化されて、メラトニンができるのである(図1、図2)。
こうして生物時計によってリセットされた時刻から10~12時間は代謝が高められ、血圧・体温も高めに保持され、覚醒して活動するのに適した状態になる。これが朝の光を浴びてから13時間くらい経過すると、松果体からメラトニンの分泌が始まり、手足の末端からの放熱も盛んになる。こうした放熱により深部体温が低下してくると、1~2時間のうちに自然な眠気が出現する。つまり、太陽光に対する生物時計のリセット機能により、朝起床して太陽光を最初に浴びた時刻に応じて夜に眠気が出現し、自然に眠くなる時刻が決定されるのである。朝の起床時に充分な太陽光を浴びなかったり、暗い部屋で昼過ぎまで眠っていると、こうした概日リズムのリセットが適切に行われず、その日の入眠時刻が遅くなる。一方、夕方から夜の時間帯に強い光を浴びると、昼の時間が延長することになり、休息への準備が遅れ、結果的に入眠時刻が遅れることになる。


骨の成長や維持には刺激が必要であり,重力のない宇宙では,骨からカルシウムが抜


【用語解説】
※1 メラトニン
メラトニン(N-acetyl-5-methoxytryptamine)は夜間に分泌される,アミンに属するホルモンであり,トリプトファンからセロトニンを経て合成される。合成に関わる重要な酵素として,アリルアルキルアミンN-アセチルトラスフェラーゼ(AANAT)とアセチルセロトニン-O-メチルトランスフェラーゼ(ASMT)が挙げられる。主に松果体から分泌されるが,他の組織においても産生されることが知られており,脊椎動物,無脊椎動物,植物さらにはシアノバクテリアにも存在する,種を越えて保存されたホルモンである。

※2 Rankl
Receptor activator of nuclear factor kappa-Β ligandの省略形。骨芽細胞で合成され,破骨細胞で発現しているRANK(Receptor activator of nuclear factor kappa-Β)と結合することにより破骨細胞を活性化させ,骨吸収を促進する。本研究では,Ranklの遺伝子発現を解析した。

※3 カルシトニン
哺乳類では甲状腺の傍濾胞細胞,哺乳類以外では鰓後腺から分泌される32アミノ酸残基を有するペプチドホルモンである。主な作用は,破骨細胞の活性を抑制して,骨吸収を抑制する。その結果として,血液中のカルシウム濃度が低下する。

メラトニンには睡眠と覚醒のリズムを調整する働きがあり、メラトニンが ..

(図下)地上実験において,骨芽細胞におけるメラトニン受容体,メラトニン合成酵素およびカルシトニンの発現を調べた結果,メラトニンはウロコにおけるカルシトニンの産生を促進し,発現が上昇したカルシトニンが破骨細胞を抑制した。
(図上)宇宙実験において,宇宙飛行中の微小重力は,ウロコの破骨細胞における多核化および吸収活性を促進させた。このとき,破骨細胞を活性化させるRANKLの遺伝子発現は上昇し,破骨細胞を抑制するカルシトニンの遺伝子発現は減少した。メラトニンを作用させると,宇宙飛行中のこれらの因子は正常な遺伝子発現レベルを維持し,その結果,微小重力刺激による活性化破骨細胞は抑制された。

硬水は、軟水と比較してマグネシウムとカルシウムが豊富に含まれています。

変温脊椎動物の皮膚の色素胞は、ホルモンによっても複雑にコントロールされている。 最近の知見は益々その複雑さを印象づける()。脳下垂体中葉ホルモン(α-MSH)は変温脊椎動物の色素胞全般に効果があり、一般に色素顆粒や白色素胞内の光散乱性細胞小器官を散乱させる。MSHの作用には、細胞外にカルシウムイオンが存在していることが必要である。ドンコの運動性虹色素胞では光反射小板の凝集が起こる。いずれもMSH受容体を介して細胞内cAMP濃度が上昇した結果である。繰り返し述べることになるが、ハゼ科魚類の運動性虹色素胞における小板の凝集・拡散のしくみは、他の色素胞の機構と異なるらしく、細胞内セカンドメッセンジャーの濃度と運動の方向との関係は相互に反対である。一方、ルリスズメダイ型の、いわゆる非理想型重層薄膜干渉現象による物理色を生じる虹色素胞はほとんどホルモンの制御を受けず、もっぱら神経支配のみが作動している。これらの物理色が、群れを成す個体間のコミュニケーションに利用されている場合が多く、早い体色変化が求められているためかもしれない。ニジマスウナギを黒い背地に適応させるとMSHの血中濃度は上昇するが、ヒラメの仲間では変化がなかったとの報告がある。実際の背地適応においては、ホルモン依存型(前者)と神経依存型(後者)があるのかもしれない。 MSHは生理学的体色変化に関わるだけでなく、長期間、背地適応させられた場合の形態学的体色変化にも関与する。モザンビークティラピアに10日間以上にわたってα-MSHを投与し続けたところ、背地の色に関係なく黒色素胞の数が増え、サイズも大きくなったとの実験結果がある。一定の背地色に生理学的に順応した状態がある日数続くと、形態学的な変化も起こる可能性が考えられる。MSHが受容体に結合すると、その情報は色素顆粒運動のメカノミカル系にもたらされることは勿論だが、同時に核内にも伝えられ、遺伝子の転写調節などにも影響を与えるのであろう。 Enami(1955)がその存在を指摘、その後Bakerらによって精力的に研究され、1983年、Kawauchiらによって一次構造が決定されたメラニン凝集ホルモン(MCH)は17個のアミノ酸から成る環状のペプチドである。抗体を用いての免疫組織化学的検索から、視床下部の神経分泌細胞で産生され、魚類では後葉に運ばれて分泌されることがわかった。 低濃度では、その名が示す如く、メラニン顆粒(黒色素顆粒)の凝集を誘起する。魚を白背地に置くとMCHの後葉からの分泌も促進される。しかし、in vitroの実験では、高濃度MCHはメラニン顆粒の拡散を誘起する場合がある。 例えば、というアマゾン川のウナギの一種、あるいはナマズ科の仲間のコリドラス・パレアトゥスの皮膚の黒色素胞は、MCHの濃度が低いと凝集反応するが、高濃度になると、一旦凝集後、再拡散し、最終的な凝集率は低くなる。 メダカの白色素胞や、カエルの黒色素胞では、凝集は見られず、拡散のみが生じる。この拡散には外液中のカルシウムイオンが必要である。赤色素胞や黄色素胞の場合は、低濃度で凝集・高濃度で拡散するタイプ、無反応タイプ、拡散だけするタイプなど、反応性は多様である。MCH受容体にはおそらく二つのサブタイプがあり、第1のタイプは魚類色素胞に一般に存在し、低濃度での凝集反応を仲介する。第2のタイプは比較的高濃度のMCHによって刺激される受容体で、カエル黒色素胞、メダカ白色素胞、一部の魚類黒色素胞、赤色素胞、黄色素胞などに分布していると推察される。最近MCHは哺乳動物では食欲中枢を刺激することがわかり、体色変化とは無関係なところで人々の熱い視線を浴びるようになった。 魚類の頭頂部、ちょうど左右の側眼の真中あたりに色素胞の欠如した部位があり、その部分の皮膚の下に松果体という内分泌器官がある。松果体の感覚細胞は網膜の視細胞に類似の構造を有し、外界の光の直接影響下にある。 ここで合成されるホルモンがメラトニンで、合成・分泌は夜に行われる。 従って、昼夜のリズムに広く関与している可能性がある。 メラトニンという名は、ウシの松果体から抽出した物質がカエルの皮膚を明化させた(Lernerら、1958)ことに由来するが、魚類の光吸収性色素胞でも通常、色素顆粒の凝集を誘起する。しかし、魚種によって、あるいは同一体でも部位によってメラトニンの色素胞に対する効果に違いがあることがわかり、このホルモンと模様形成との関連が指摘されるようになった。例えば、ペンシルフィッシュの体側の縦縞は、夜になると独特のスポット模様に変わる。夜間にスポットとして残っている所の黒色素胞は、メラトニンに反応しないタイプである。しかし、より詳細に観察すると、夜間に生じるスポットの直径が昼間の縦縞の幅に比べて一段と大きいことに気付く(図3)。つまり、夜間のスポット模様に関与している黒色素胞の中には、昼間は凝集している(理由は不明)のに、夜になるとメラトニンで拡散するものがあり、それらの黒色素胞が新たに拡散した結果、大きなスポットになったと考えられる。
すなわち、ペンシルフィッシュの縦縞部にはメラトニンに対して凝集する黒色素胞、拡散する黒色素胞が共存していることになる。
なお、ペンシルフィッシュの夜間のスポットは、川底の小石に似た模様にすることで、夜行性の捕食者に対するカムフラージュの効果があるのではなかろうか。 また、ネオンテトラカージナルテトラの赤い腹部に存在する赤色素胞もメラトニンによく反応し、夜になると色素顆粒の凝集によって、赤い色は目立たなくなる。縦縞部の虹色素胞はメラトニンの受容体を持たないが、外界の光に直接反応するタイプなので、暗所では、濃い紫色に変わる。昼間の鮮やかな体色とはうって変わって夜間は目立たない色になり、夜行性補色者の目を逃れている。このように、動物は生きるために色や模様を巧妙に変化させる。神経伝達物質のみならず、様々なホルモンの受容体をうまく組み合わせて、極めて複雑な色の制御を可能にしているのである。副腎髄質ホルモンであるエピネフリンはβ型アドレナリン受容体に高い親和性を持ち、色素顆粒の拡散を誘起する。また、脳下垂体前葉から分泌されるプロラクチンは、魚類の赤色素胞と黄色素胞に作用して、色素拡散を引き起こす。 ナイルティラピアタイリクバラタナゴなどでは、繁殖期の雄に赤い婚姻色が現れるが、その赤い部位に出現する赤色素胞や黄色素胞のプロラクチンに対する反応性は極めて高い。MSHによっても色素拡散は起こるが、その場合、黒色素胞も拡散するので体色はむしろ黒ずむ。その点、プロラクチンであれば、赤・黄色素胞のみで色素顆粒の拡散が誘起されるので、赤色を目立たせるには都合がよい。プロラクチン以外のホルモン受容体は膜7回貫通型で、それぞれG蛋白質(GsあるいはGi)とカップリングし、cAMPを二次メッセンジャーにしている。プロラクチン受容体はほ乳類や鳥類ではチロシンキナーゼ結合型受容体として認識されているが、魚類色素胞での情報伝達経路についての詳細は今後検討される。

1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円) 1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)

本研究では,骨芽細胞(骨をつくる細胞)と破骨細胞が共存し,哺乳類の骨と同様のホルモン応答を示すキンギョのウロコを骨モデルとして用いた宇宙実験を実施しました。まず,ウロコの骨芽細胞でメラトニンが作られるとともに,宇宙空間ではメラトニンの合成が低下することを明らかにしました。そこで,メラトニンを添加した培地と無添加の培地でウロコを培養して比較したところ,メラトニン無添加の培地では,わずか3日間の培養でいくつもの破骨細胞が融合して多核化の活性型の破骨細胞になり,その破骨細胞がウロコにある骨質層の溝の幅を広げ,ウロコの骨吸収を促進していることが分かりました。さらにウロコの骨芽細胞において,骨吸収を促進する因子である(※2)の遺伝子発現が上昇し,骨吸収を抑制するホルモンである(※3)の遺伝子発現を抑制することも分かりました。他方,メラトニンを添加した培地で培養すると,ウロコの骨芽細胞におけるRanklの発現が抑制され,カルシトニンの発現が正常に戻ることが明らかになりました。

私たちが眠っている間には、睡眠ホルモンの「メラトニン」が ..

機能性関与成分として、古来から生薬として用いられているクチナシ由来の成分「クロセチン」を7.5㎎配合。さらにサポート成分として、必須アミノ酸の「トリプトファン」を100㎎も配合しており、精神の鎮静や、眠りを促すメラトニンの生成に寄与しています。風味も「オレンジカモミール風味」でリラックス・リセットできそうな、スッキリした味わいです。糖質量が少ないのも魅力です!!

(※1)また、セロトニンから睡眠に大切な「メラトニン」を合成するときにも、マグネシウムは欠かせません。 ..

免疫システムと抗酸化作用のサポート

メラトニンは、免疫システムを強化する作用と強い抗酸化特性を持っています。 ストレスによる免疫力の低下を抑え感染症に対する抵抗力を高める効果があります。さらにメラトニンには癌細胞を排除する免疫力を高め、抗がん剤やストレスによる免疫力低下を軽減する効果があることが数多くの研究から確認されています。 但し、自己免疫疾患(慢性関節リウマチ等)やリンパ球の腫瘍(悪性リンパ腫やリンパ性白血病等)の場合は、メラトニンの服用により症状が悪化する可能性がありますので、これらの疾患への使用は控えて下さい。 抗酸化作用においてはビタミンEの6~10倍もの効能があります。メラトニンは、
フリーラジカルダメージから保護するために、ミトコンドリアに入ることのできる数少ない抗酸化特性を持っています。特に高容量のメラトニンには、金属イオン酸化プロセス(特にフェントン反応)を抑制する能力を含む抗酸化活性作用があります。

GC, Czeisler CA Aeschbach D: SI巴ep29:161‑168

Department of Agriculture:USDA)のでは、多くの食物の栄養素含有量をリストアップし、別および別に整理された、カルシウムを含む食物の総合リストを提供している。カルシウムサプリメントには主に炭酸塩とクエン酸塩の2種類がある。炭酸カルシウムは入手しやすく、安価で使いやすい。炭酸カルシウムは吸収にあたって胃酸に依存するため、食事と一緒に摂取すると最も効率的に吸収される。これに対し、クエン酸カルシウムは食事と一緒に摂取しても摂取しなくても同等に吸収される[]。また、クエン酸カルシウムは無塩酸症、炎症性腸疾患または吸収障害のある人々にも有用[]。サプリメントや強化食品に含まれるカルシウムには、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウムなどがある。クエン酸リンゴ酸カルシウムは一部の強化されたジュースに含まれ、非常に吸収しやすい形のカルシウムである。[]。カルシウムサプリメントにはさまざまな量のカルシウム元素が含有されている。例えば、炭酸カルシウムは重量あたり40%がカルシウム、クエン酸カルシウムは21%がカルシウムである。サプリメントファクトパネルにカルシウム成分一覧が掲載されているため、消費者はさまざまなカルシウムサプリメントによって供給されるカルシウムの量を算出する必要はない。カルシウム吸収率は1度に消費されたカルシウム元素の総量に依存する。総量が多いほど、吸収率は下がる。吸収率は500mg以下で最も高くなる[]。例えば、カルシウム1,000mg/日をサプリメントから摂取している場合、投与回数を分割して、1日2回500mgずつ摂取しても構わない。カルシウムサプリメントを摂取している人々の一部では、胃腸系の副作用(ガス、腹部膨満、便秘またはこれらの症状の組合せ)を経験することがある。炭酸カルシウムはクエン酸カルシウムよりも多くの副作用を誘発するとされている[]。このため、このような副作用が報告されたら、カルシウムサプリメントの種類について検討する必要がある。症状を緩和するほかの方法には、1日のカルシウム摂取回数を分割する、食事と一緒にサプリメントを摂取するなどの方法がある。炭酸カルシウムには胃酸を中和する能力があるため、一部のOTC制酸薬(Tums®、Rolaids®など)に含有されている。その力価によって異なるが、各チュアブル錠やソフトチューは200~400mgの単体カルシウムを供給する。上述したように、炭酸カルシウムは、特に胃酸レベルが正常な人々には受け入れられやすいサプリメントである。2003年から2006年に行われた米国全国健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)[]から、アメリカにおける食物およびサプリメントの両方からの推定カルシウム摂取量があきらかになった。生後1歳以上の男性における食事性カルシウムの平均1日摂取量は、どのライフステージに該当するかによって、871~1,266mgの範囲内であった;女性では748~968mgの範囲内であった。平均摂取量がそれぞれのEARを下回っていたグループ(50%以上の人々で栄養摂取の妥当性が認められないグループ)には、9~13歳の男女児童、14~18歳の女子児童、51~70歳の女性および70歳以上の男女が含まれている[,]。全体として、女性では男性よりも食物から十分な量のカルシウムを摂取している可能性が低いものと考えられる[]。アメリカの一般集団(約70%が高齢女性)の約43%がカルシウム含有のサプリメントを摂取し、サプリメント摂取者ではカルシウム摂取量が一日あたり約330mg増加している[,]。NHANES 2003-2006データによると、年齢1歳以上の人々における食物およびサプリメントからのカルシウムの平均総摂取量は918~1,296 mg/日の範囲内であった[]。総カルシウム摂取量を考慮すると、複数の年齢層についてカルシウム不足が懸念されている。そのような年齢層には4歳以上の女性(特に思春期の女児)、9~18歳の男児、51歳以上の男性が含まれている[,]。スペクトラムのもう一端では、一部の高齢女性において、食物およびサプリメントの両方からのカルシウムを摂取するとULを超える可能性がある[]。すべてのカルシウムが実際に消化管で吸収されるわけではない。ヒトでは食物に含有されるカルシウムの約30%が吸収されるが、これは摂取した食物の種類によって異なる[]。また、カルシウムの吸収は以下のようなほかの要因からも影響を受けるのである:吸収されたカルシウムの一部は、身体から尿、便および汗を介して排泄される。この排泄量は以下の要因から影響を受ける:食物およびサプリメントからのカルシウム摂取量が不十分であっても、短期的には顕著な症状が発現することはない。カルシウムの循環血中濃度は厳密に制御される。低カルシウム血症は、主に医学的な問題や治療(腎不全、胃の外科的切除、利尿剤などの特定の医薬品の使用など)の結果として生じる。低カルシウム血症の症状は、手指のしびれやうずき、筋けいれん、けいれん、嗜眠、食欲減退、心拍リズムの異常などである[]。カルシウム欠乏症は治療しなければ死に至ることがある。長期的には、カルシウム摂取量が不十分であると骨減少症が発現する。骨減少症は治療しなければ骨粗鬆症に至ることがある。特に高齢者では、骨折のリスクも増大する[]。また、カルシウム欠乏症によって、くる病が生じることもあるが、これはカルシウム欠乏症よりビタミンD欠乏症との関連性が強い[]。あきらかなカルシウム欠乏症はあまり見られないが、栄養摂取量が推奨量を下回ると、長期的に見て健康上好ましくない影響が生じることがある。以下のグループでは、カルシウムを余分に摂取する必要が高いものと考えられる。閉経すると、エストロゲンの生成量が低下して骨再吸収が増加しカルシウム吸収が低下するため、骨量低下に至る[,,]。閉経後最初の数年間は骨量が年3~5%減少することが多いが、65歳以降になると通常年1%未満になる[]。閉経時にカルシウム摂取量を増やしても骨量減少が完全に相殺されることはない[,]。エストロゲンおよびプロゲステロンによるホルモン補充療法(Hormone replacement therapy:HRT)は、カルシウム濃度を上昇させ骨粗鬆症および骨折を予防する。エストロゲン療法は、閉経後の骨リモデリングを閉経前と同レベルまで回復させて骨減少率を低下させる[]。 これには消化管におけるカルシウム吸収量の増加が一部関与している可能性がある。いくつかの医療団体や専門家団体は、骨粗鬆症や骨折の発生リスクが増加している女性のホルモン療法利用を支持している[]。このような女性は、この件について担当の医療スタッフと話しあう必要がある。さらに、すべての女性において、食物から十分な量のカルシウムを摂取すると骨減少率が緩やかになる可能性がある。無月経とは、妊娠可能年齢に達しても月経が停止している状態または月経が開始しない状態を指し、その結果としてエストロゲンの循環血液中濃度が低下し、カルシウムのバランスに悪影響が生じる。神経性無食欲症の女性では、健常女性と比べてカルシウムの吸収が低下し、尿中カルシウム排泄率が上昇するだけではなく骨形成速度が低下する[]。「女性アスリート三主徴」とは、摂食障害、無月経および骨粗鬆症が同時に認められる状態を指す。運動性無月経になると、通常、骨密度が低下する[,]。女性アスリートや軍隊に所属している活動的な女性では、骨塩密度の低さ、月経不順、特定の食事パターンおよび疲労骨折の既往歴があると、将来的な疲労骨折のリスクの高さと関連している[]。このような女性は、カルシウムおよびビタミンDの適切な摂取量についてアドバイスを求める必要がある。海軍に所属する女性新兵では基礎訓練中、これらの栄養素のサプリメントによって疲労骨折のリスクが低下することが証明されている[]。乳糖不耐症とは、小腸で生成される酵素ラクターゼが乳糖の成分である単糖のグルコースおよびガラクトースに加水分解できるよりも多くの乳糖(牛乳に元々含有される糖)を摂取した場合に生じる症状(腹部膨満、鼓腸、下痢など)を指す[]。これらの症状は、乳糖の摂取量、乳糖含有食物の摂取歴および食事の種類によって左右される。乳糖不耐症であるか否かは判別が困難であるが[]、一部の報告からアメリカの成人約25%(アジア系85%、アフリカ系アメリカ人50%、白人10%)で乳糖を消化する能力に限界があるものと示唆される[]。乳糖不耐症の人で、乳製品を摂取しないとカルシウム欠乏症が発現するリスクが高くなる[,,]。研究によると、乳糖不耐症の人々の大部分は、ほかの食物と一緒に摂取すれば12gまでの乳糖(牛乳240ml中の含有量)を摂取でき、症状は極めて軽微かまったく発現しないと示唆されている;多くの場合、1日に何回か分散してほかの食物と摂取すれば大量の乳糖を摂取できる[,,]。症状を軽減するほかの選択肢としては、熟成チーズ(チェダーやスイスチーズ)、ヨーグルト、低乳糖または無乳糖牛乳の摂取などがある[,,]。一部の研究では、乳糖負荷量を経時的に増量し順応を誘発できるか否かについて検討されたが[,]、この方法を裏づけるエビデンスには一貫性がない[]。牛乳アレルギーは乳糖不耐症よりも頻度が低く、一般集団の0.6~0.9%です[]。乳アレルギーの人々は、牛乳中の蛋白質を含有するあらゆる製品を摂取することができないため、カルシウム不足となる危険性が高い。乳糖不耐症の人々および牛乳アレルギーの人々は、適切な量のカルシウムを摂取するために、乳成分不使用の栄養源(ケール、チンゲン菜、白菜、ブロッコリー、コラード、強化食物など)を選択するか、カルシウムサプリメントを摂取することになる。ベジタリアンは、シュウ酸およびフィチン酸を含有する植物性製品を多く摂取するため、何でも食べる人々よりもカルシウム吸収量が低くなることがある[]。乳卵ベジタリアン(卵および乳製品は食べる人々)および非ベジタリアンではカルシウム摂取量はほぼ同等である[,]。しかし、ビーガン(動物性製品を一切食べない人々:完全菜食主義者)およびオボベジタリアン(卵は食べるが乳製品は食べない人々)は、乳製品を摂取しないため、カルシウム摂取量が十分ではないことがある[,]。「がんと栄養に関するヨーロッパ前向きコホート研究」のオックスフォードコホートでは、骨折のリスクは肉食者、魚食者およびベジタリアンとほぼ同等であったが、ビーガンではおそらく平均カルシウム摂取量が低いためにそのリスクが高かった[]。食習慣に大きな違いがあるため、カルシウムの状態に関して、ベジタリアンの食事が与える影響を評価することは困難であることから、個別に検討しなければならない。健康増進、疾患の予防や治療にカルシウムの潜在的な利益に関する主張が多くある。本項では、カルシウムが関与する/関与する可能性のある複数の領域、すなわち、骨の健康と骨粗鬆症、心血管疾患、血圧の調整と高血圧、結腸がん、直腸がん、前立腺がん、腎臓結石および体重管理に注目している。骨は、小児期および青年期の成長期に大きさおよび密度が増加し、30歳ごろに骨密度はピークに達します。ピーク時の骨密度が高いほど、加齢による深刻な骨量減少の発生が遅くなる。従って、すべての人々が、小児期、青年期および成人早期全体を通して適切な量のカルシウムおよびビタミンDを摂取する必要がある。骨粗鬆症は、多孔性で脆弱な骨を特徴とする疾患で、アメリカでは1000万人以上(うち80%が女性)の成人にとって深刻な公衆衛生上の問題である(さらに3400万人では骨粗鬆症の前段階である骨減少症または骨密度低下が認められている)。骨粗鬆症は、股関節、脊椎、手首、骨盤、肋骨およびほかの骨の骨折と最も強く関連している[]。アメリカでは、骨粗鬆症による骨折が年間で推定150万件発生している[]。カルシウム摂取量が少ない場合または摂取したカルシウムの吸収が良好でない場合、正常な生物学的機能維持のために体内に貯蔵されているカルシウムが利用されて骨破壊が生じる。また、正常な老化のプロセスとして、特に閉経後の女性では、エストロゲン分泌量の低下によって骨量低下が生じる。女性、痩身、非活動的、高齢、喫煙、アルコールの過剰摂取、骨粗鬆症の家族歴などのさまざまな要因によって骨粗鬆症の発現リスクが増大する[]。さまざまな骨塩密度(bone mineral density:BMD)測定検査が現在利用できる。これらの検査から得られたTスコアに基づいて、個人のBMDと最適なBMD(30歳の健常成人における値)を比較する。Tスコアが-1.0以上であれば骨密度は正常、-1.0~-2.5であれば骨密度が低く(骨減少症)、-2.5以下では骨粗鬆症となる[]。骨粗鬆症はすべての人種、民族、性別の人々に影響するが、女性では男性よりも骨格が小さく閉経に伴って骨量減少が加速するためにリスクが最も高くなっている。生涯を通して健康な骨を形成し維持するためには、定期的な運動と適切な量のカルシウムとビタミンDを摂取することが最重要である。体重負荷運動(ウォーキング、ランニング、足を踏み切って地面を蹴飛ばし重力量に逆らう動きをすることなど)および抵抗運動(健康体操や体重にかかわる運動など)も骨の健康を保つのに有用である。施設に入居する高齢者では、カルシウムとビタミンDの補充が、骨折や転倒(骨折の原因)の減少に有効であったことが示されている。しかし、50歳以上の地域在宅高齢者では、骨折予防に対するこれらの栄養素の補充による効果は、それほど明確ではない。最近行われた26件のランダム化比較試験のシステマティックレビューでは、ビタミンDの有無にかかわらず、カルシウムの補充により、全体的な骨折および椎体骨折のリスクはわずかではあるが有意に減少したが、大腿骨近位部や前腕の骨折リスクは減少しなかったことがわかった。しかし、合計44,505人を対象とした、バイアスのリスクが最も低い4つの試験では、骨折リスクに対するカルシウム補充の効果が示された部位はなかった。カルシウム摂取と骨塩密度についてのメタアナリシスでは、カルシウム補充による骨塩密度の増加は、初期にわずかにみられる非進行性のもので、骨折リスクを臨床的に有意に低下させる可能性は低いことがわかった 。米国予防サービス特別調査委員会(U.S.