2024/07/04 治療薬 · アクチベーションシンドローム(賦活症候群)とは|症状や原因・対処を知ろう.
ミルナシプラン塩酸塩とデュロキセチン塩酸塩(サインバルタ錠)は、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することにより濃度を高め、効果を発現するSNRIに分類される抗うつ薬です。副作用としては、口渇、悪心・嘔吐、便秘、眠気、排尿障害(尿閉、排尿困難)、ふらつき・めまい、不眠、性機能障害、体重増加などがあります。
セロトニンによる症候群とは?症状や診断基準、治療について解説!
③イフェクサーSR(ベンラファキシン):
デュロキセチンよりも更にセロトニン優位で、投与後まずセロトニンの効果が発現します。
アメリカではうつ病以外に強迫性障害を除く全ての不安障害(全般性不安障害、パニック障害、社交不安障害)の適応となっています。
脳内移行が強い→末梢性の副作用が少ない。
高度の肝障害・腎障害には禁!
これまでに重篤な報告はあがっていませんが、SNRIに多い副作用である尿閉、排尿障害の報告が2例あがっています。また同時に幻覚症状が80歳代女性で発現しており、セロトニン症候群や、半減期が短い薬剤とはいえ離脱症状には警戒が必要です。
(パキシル錠など)、エスシタロプラムシュウ酸塩(レクサプロ ..
レクサプロは、セロトニン2A受容体を刺激します。これによって深い睡眠が妨げられてしまって、睡眠が浅くなってしまいます。
・「抗うつ剤による賦活症候群(activation syndrome)について」青山メンタルクリニック
まず、これらの攻撃性や衝動性、自傷行為の出現の多くはアクティベーション・シンド
掲載する情報は、医療関係者を対象に作成されたもので、一般の方に対する情報提供を目的としたものでないことをご了承ください。
・具体的な相談については、主治医やかかりつけの薬剤師にご相談ください。
・自己判断で服用を中止しないでください。
・治療・処方に関する個別の相談には応じかねます。
(4)SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)(ミルナシプラン(トレドミン)、デュロキセチン(サインバルタ))、イフェクサーSR(ベンラファキシン) 三環系抗うつ薬と同等な抗うつ作用を持つ。
SSRIに比べると、効果発現が少し速く、1週間以内に効果がみられ、2週間後は効果が少しずつ高まってくると言われます。
三環系抗うつ薬のような抗コリン性の副作用や、心毒性、鎮静作用が少ない。
ノルアドレナリン特有の副作用→排尿障害、頻脈、血圧上昇
レクサプロやジェイゾロフトは効果と副作用のバランスが良いお薬として紹介 ..
ミルタザピンは、ノルアドレナリン神経活性化を介して、セロトニン遊離促進を図る薬剤であり、SSRI、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬:Serotonin & Norepinephrine Reuptake Inhibitors)とは異なる作用機序を持っています。薬物構造は、四環系のミアンセリン(テトラミド錠)に類似しています。効果発現の早さが期待された薬剤で、特に睡眠障害はプラセボ対照試験において1~2週目で有意な効果を現しています(うつ病中核症状は5~6週目に有意な効果がみられました)。単回投与時の半減期は32時間であり、特に初回服用翌日の眠気、ふらつきに注意が必要です。
④エスシタロプラム(レクサプロ):
セロトニンに対する選択性が高い。
脳内移行が強い→末梢性の副作用が少ない。
「アロステリック作用」により、作用部位であるセロトニン・トランスポーターに長時間結合(結合半減期130時間)→効果が強く持続し、離脱症状が出にくい。
初回投与量のまま増量不要。
女性に対する有効率がセルトラリンに次いで高いとのデータがあります。
ヨーロッパではうつ病以外に全ての不安障害の適応(スウェーデンでは月経前不快気分障害(PMDD)にも適応)となっています。
抗うつ薬(特に SSRI と呼ばれる選択的セロトニン再取り込み阻害
フルボキサミンは、日本で最初のSSRIとして1999年に発売され、欧米ではこれに先立った使用経験があり、大量服用時にも安全性が高いと言われていますが、一方では胃腸管系への影響や性機能障害、セロトニン症候群、錐体外路障害などの副作用が認められると言われています。PDR(米国医薬品添付文書集)には、肝トランスアミナーゼの上昇は頻繁に起こり、黄疸はまれに生じるとの記載があります。また、英国のモニタリングでは、他のSSRIよりも悪心・嘔吐および倦怠感・疲労感がもっとも頻繁であると報告されています。国内外27例の肝機能障害中、重篤な13例が、国内で起きたことが根拠となり、2001年6月に改訂された添付文書では、「重大な副作用」の項にも記載し注意喚起することになりました。
薬)などのセロトニン系の薬物を服用中に出現する副作用で、精神症
本症例は、少量で開始され、14日目にGOT(AST)、GPT(ALT)値の急激な上昇が確認されていることによりアレルギー性の肝機能障害の可能性があります。また、うつ症状が改善傾向だったこともあり、GOT、GPT値の上昇を認めるまで、肝機能障害に気づきませんでした。このように、副作用の臨床症状が発現せずに検査値の異常から診断されることも多く、検査値のフォローは、頻繁に行うことが必要です。さらに、欧米人との薬剤による感受性などの違いから、重篤な肝障害は新たな副作用の可能性もあり、今後も注意深いモニターを行うことが重要と思われます。(民医連新聞2002年6月21日)
【精神科医監修】抗うつ薬を解説【目的効果・種類・副作用とは?】
「社会不安障害」の効能又は効果については、2011年より本邦での開発を開始しました。国内で実施した社会不安障害患者を対象とした臨床試験注3)において有効性及び安全性を検討し、効能又は効果の追加申請を行い、2015年11月に承認されました。
す影響-(レクサプロ錠:2011年4月22日承認、CTD2.7.6.7.4)
③セルトラリン(ジェイゾロフト):
ドーパミンにも作用→非定型うつ病に対する第一選択薬(Stahl)との記載もあり。女性に対する有効率が高いとのデータがありますが、非定型うつ病の7割が女性である事が要因とも考えられます。
半減期が長く、代謝産物も活性をもつ→退薬症状が出にくい。
アメリカではうつ病以外に全般性不安障害を除く全ての不安障害(パニック障害、強迫性障害、社交不安障害)、PTSD、月経前不快気分障害(PMDD)の適応となっています。
する、些細なことで怒る)、セロトニン症候群(急に精神的に落ち着かなくな
・「賦活症候群」とは、抗不安薬のSSRIを服薬することで生じる重篤な副作用です。症状には、自殺への衝動性や攻撃性の高まり、不安焦燥と興奮、パニックの悪化、錯乱状態、睡眠障害などがあります。
・パニック障害を含む不安障害、賦活症候群の改善には、適切な薬の種類と量の調整や、リラックゼーション、暴露法などの認知行動療法の試み、自分の不調の時期や引き金のパターンの把握と対処を学ぶことが大切だと思います。
・薬物療法と主治医との信頼関係が鍵を握ります。良い主治医は、相手の話を丁寧に聞いてくれる、薬の調整について真剣に話し合い尊重してくれる方なら大丈夫です。不安障害の治療実績が高い、認知行動療法を行ってくれるクリニックもおすすめだと思います。
る、体が震える、汗が出る、脈が速くなる、発熱、筋肉のこわばり、手足の
<薬物療法の実際>
うつ病の治療指針は絶対的なものではないので「アルゴリズム」と呼び、「ガイドライン」とは区別していました。
「アルゴリズム」には「問題解決のための段階的手法」という語義があります。
「アルゴリズム」における「うつ病」とはDSMの診断基準における「大うつ病」をさしており、そこでは「病因論」が排除されています。すなわち、「うつ病」とは「治療を要するうつ状態」という意味であり、一つの病気ではなく「うつ状態を呈する症候群」であって原因はまちまちです(うつ病の異種性)。うつ病にはいろんな種類や併存症があり、精神科の臨床にガイドラインやクリニカル・パスといったものがなじみにくい要因がそこにあると思われます。現在はうつ病の「治療ガイドライン」が国内外にいくつかありますが、それらのどれをとっても「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮されたものではありません。「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮した治療により、うつ病の難治性、再燃・再発といった問題はかなり解決すると考え、当院では「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮した治療を心がけています。
うつ病は、早期(6か月以内)に治療しないと治りにくくなると言われていますので、患者の予後を考えると、有効な薬剤を最初に選択し、十分量・十分期間投与する事が肝要です。
薬物選択の「アルゴリズム」や「ガイドライン」は、プライマリケア医に標準的な薬物療法を示唆するという点では有用ですが、「うつ病の異種性や併存症の有無」を考慮されたものではありません。従って、有効な薬剤を最初に選択する為には、画一的に「アルゴリズム」や「ガイドライン」を適用するのではなく、どのようなタイプのうつ病なのかを初診時に見極める事が大切です。
多くの抗うつ薬の用量は、日本では海外よりもかなり少量で認可されています。最大量で4~8週間は投与しないと効果の有無は判断できません。寛解後(完全に治った後)6カ月以上は急性期と同用量で治療継続しないと、うつ病がぶり返す恐れがあります。
<私の処方例>
うつ病の初期治療においては、まず身体疾患を除外した上で、「うつ病の異種性や併存症の有無」に留意して最初の治療薬を選択する事が妥当かと思います。
[PDF] (編集後記) 段々と遅くなりつつあるKMC通信の発行ですが
持田製薬は、エスシタロプラムがうつ病の薬物治療において新たな選択肢を提供できる臨床的に意義のある薬剤と判断し、2001年より本邦での開発を開始しました。国内の開発治験では、2008年から2010年に実施された第相試験で大うつ病性障害の外来患者を対象に10mgから20mgを1日1回投与した結果、プラセボに対する優越性と既存薬に対する非劣性が検証されました。また、長期投与試験においても安全性と有効性が検討されました。これらの結果より、エスシタロプラムの有効性と安全性が認められ、2011年4月に「うつ病・うつ状態」の効能又は効果で承認されました。
<賦活症候群(アクチベーションシンドローム)>
(参考)セロトニン症候群:抗うつ薬等の服用により、脳内セロトニン濃度が過剰になることによって引き起こされる症状の総称。主な臨床症状は、神経・筋症状(腱反射亢進、ミオクローヌス、筋硬直等)、自律神経症状(発熱、頻脈、発汗、振戦、下痢等)、精神症状の変化(いらいら、不安、焦燥、錯乱、興奮等)で、服用開始数時間以内に現れることが多い。中止により消失するが、まれに横紋筋融解症や腎不全などの重篤な状態に陥ることがあり注意が必要です。
レクサプロで眠気が認められた場合の対処法としては、
2.精神病症状を伴う→抗精神病薬を併用。
3.重症で休職を要する→ノルアドレナリンにも作用する薬剤でないと寛解しにくいとも言われている為、SNRI、ミルタザピン、ボルチオキセチンを単剤または併用。
4.不安障害を背景にもつ→不安障害も治療する必要がある為、まずはSSRIを主剤とし、抗うつ効果が不十分ならミルタザピンまたはミルナシプラン(中高年男性では尿閉に注意)を追加。または最初からベンラファキシン、ボルチオキセチン単剤。
(1)若年男性→性機能障害の少ないエスシタロプラム、またはフルボキサミン(併用薬剤に注意)を主剤。
(2)若年女性→若年女性に有効率の高いセルトラリンを主剤。
(3)(1)または(2)で不安障害に対する効果が不十分→パロキセチンに変更。
5.非定型うつ病→セルトラリンを主剤(Stephen M.Stahl)とし、抗うつ効果不十分ならミルタザピンを併用、気分の波、怒り発作、不安抑うつ発作にはバルプロ酸200~400mg、鉛様の麻痺にはブロナンセリン2mgを併用。
6.老人→老人のうつに多い不眠、食欲低下、不安、焦燥に有効で、投与初期の副作用である眠気等が老人では出にくいミルタザピンを主剤。妄想や認知機能の改善を期待する場合にはフルボキサミンを単剤または併用。
7.上記以外の中等症のうつ病→ノルアドレナリンにも作用する薬剤でないと寛解しにくいとも言われている為、SNRI、ミルタザピンを単剤または併用。
1.~3.は精神科での治療が必要ですが、4.~7.はプライマリケアでも治療可能と思われます。
パニック障害VS賦活症候群について、以下にまとめます。
幼少期から今まで、そしてSSRIの服薬開始から二年間、私をずっと苦しめ続けていた不安発作も発狂恐怖も嘘のように消え、今はその気配もありません。まるで長い悪夢からようやく目が覚めたように。賦活症候群もしくは不安障害の悪夢から生還できたのは、周囲の支えのおかげでもあります。主治医はいつも私の話を丁寧に聞き、SSRIの減量の程度やタイミングについて一緒に考え、私の気持ちを尊重してくれました。私の両親もきっと不安発作に対する戸惑いを感じながらも、私を見守り、時に傍で抱きしめて根気よく支えてくれました。おかげで今は不安発作に苦しめられることもありません。日常生活での嫌な出来事や、映画やアニメの怖いシーンなどに遭遇しても、発作の気配すら起きなくなりました。
セロトニン症候群は、抗うつ薬内服後数時間以内に、
不安発作や副作用、そして人にとても打ち明けられない恐怖のイメージに苦しめられながらも、私は主治医と相談してジェイゾロフトを減量していきました。さらに、不安発作が続いた二年の間に、私は発作と月経周期の関係性や季節、出来事など、「発作が起きやすい引き金や時期のパターン」を把握し、起きそうになった時の自己暗示や対処法を学習しました。月経前10日間から月経中は、カフェインやチーズなど不安や興奮を高める食べ物を控え、刺激の強い映画やアニメを見ないようにする、散歩や運動で気を紛らわすなどの工夫をしました。さらに、発作を誘発する刺激(怖い、悲しい、刺激の強いシーンがある物語や、日常生活での外出場面など)にあえてふれる、「暴露法(エクスポージャー法)」を実践しました。認知行動療法の一種である暴露法は、自分の苦手な刺激にあえて少しずつ暴露します。それによって、心と体の防御反応として強く出ていた不安が軽くなる、いわゆる「慣れ」を生みます。ただし暴露法は、途中で苦しくなったらすぐに中止したほうがいいこと、無理をしないこと、弱い刺激から徐々に強い刺激へと段階をふむことが大切です。そうした努力を経て、大学卒業後にもう一度起こった強い不安発作を最後に、私はSSRIから離れることができました。